野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

2013年1月27日(日) 加古川探検 4

2019-01-31 | 野生生物を調査研究する会歴史
2013年1月27日(日) 加古川探検 4
今月は加古川の河口付近で野鳥の観察です。
山陽電鉄高砂駅から5分ほど歩くと加古川に出ます。途中で見かけたキカラスウリの実。

駅から奥に見える駐輪場は旧国鉄の高砂線の跡を利用しています。細長くカーブしています。
高砂線は加古川駅から高砂港まで延びており、途中で引き込み線が、神戸製鋼所加古川製鉄所、神戸製鋼所高砂工場、国鉄高砂工場、三菱重工、鐘紡、キッコーマン、三菱製紙といった工場と接続し、その製品を運んだようです。

加古川に到着。カモがたくさん浮かんでいるのですが、全部対岸の岸近く。しかしむこう側からはヨシの群生が邪魔して鳥が見えないそうです。鳥も落ち着ける場所を知っているのですね。

何羽かがこちら側にいました。ヒドリガモのようです。その後むこう岸の群れが一斉に飛び立ってこちら側に。カモの大群が飛び立つさまは壮観!しかしこちら側に来てもヨシの群生の向こう側で、なかなか写真には写せません。双眼鏡で見るとヒドリガモとキンクロハジロが多かったようです。

こちら側も、河口付近に近付くと岸べ辺りはこんな感じ、水鳥にとってはとても安心できる場所でしょうね。
今日はキンクロハジロ、ヒドリガモ、ミサゴ、ツグミ、イソヒヨドリ、ヒヨドリ、ムクドリ、ヨシキリ、カンムリカイツブリ、ハクセキレイなどを観察。

帰りは古い街並みの中を通って帰りました。1階と2階の屋根の間に付いているのが「うだつ」。これは隣家との境界に取り付けられた防火壁で、これを造るには相当の費用がかかったため、裕福な家しか付けることができなかったそうです。「うだつが上がる」ということは富の象徴でだったようで、ことわざ「うだつが上がらない」の語源の一つと言われています。

三連蔵。高砂市の観光スポットの一つでライトアップされることもあるとか。明治初期に建てられた古い蔵で、祝いの時に使う食器やお膳を収納する納戸で壁の厚さは30cm以上あるとのことです。
今日はお天気に恵まれ、野鳥観察と古い街並み散策を楽しめました。

カゴノキ

2019-01-30 | フィールドガイド--植物編--
カゴノキ(クスノキ科)
常緑の高木。木の皮が円くなってはげ落ち、ちょうど子鹿の白い斑点のようになることから“鹿子(かご)の木”と呼ばれます。
林のなかにあっても、すぐに見分けがつきます。
カゴノキは暖地性植物で、関東以南から台湾にかけて自生します。
兵庫県では今滝寺のカゴノキ(こんりゅうじのかごのき)が有名です。
暖地性の木なのに兵庫県でも寒地である但馬で見られる。
 

ウワミズザクラ

2019-01-29 | フィールドガイド--植物編--
ウワミズザクラ(バラ科)
ほかのサクラは長い柄の先に一つつけますが、このサクラはたくさんの小さな花が穂状につき、ブラシのような形になります。(武庫川大探検より)
 
サクラの花が終わり、山が新緑に包まれる頃、穂のような白い花が咲きます。
木の全体に白い花が咲くため、遠くからでも目立ちます。
そのころ、たくさんの虫が蜜を求めて、この花に集まっているのがわかります。
直径5ミリ程の黄色い実は、黒く熟すと甘くなり、果実酒に使われます。
 
新潟県の漬物である杏仁子(アンニンゴ)はつぼみのときに房のまま塩漬けにしたものです。
アンニンゴとは、アンズの種子からつくる生薬のことで、香りが似ていることからアンニンゴと呼ばれるようになったといいます。
香りのもとは、「クマリン」。
ウワミズザクラの樹皮を傷つけると、そのクマリンの香りがします。
 
つぼみの根元から摘み取って陰干ししたものは、咳止めに使われます。

花の道(宝塚市)

2019-01-28 | photo
生きている武庫川資料(2012年度より)
NHKテレビの「ブラタモリ」でも紹介のあった宝塚市か劇場に向かう「花の道」
この花の道(武庫川旧土手)を「生きている武庫川」(改訂版)を作るときの資料としてまとめた。
阪急宝塚駅から宝塚大劇場を結ぶ道。1924年の宝塚大劇場開場のときにできた道。
もともと、宝塚駅から劇場までは、川沿いに土手が残っていた道をあるいていった。
土手なので少し高くなった並木小道になっている。古い堤防跡には、小道と桜並木の道筋に、茶店やおみやげ店が両側の一段低い所に並んでいた。(現在はすっかりそのおもかげがなくなってしまったが、花の道がもとは武庫川の土手であることも宝塚市民もあまりご存知ではなかった。)
花といえば「サクラ」 立派な松が土手の面影を残している。
手塚治虫館
「宝塚駅から、街路樹が立ち並ぶ小高い土手の道・花のみちをそぞろ歩いて5分。宝塚市立手塚治虫記念館は、宝塚ファミリーランドの緑に囲まれた一角にある。」(手塚記念館ができたときのパンフ)
(宝塚ファミリーランド2003年4月に惜しまれつつ閉園した。園内には戦前から続く動植物園があり、阪急電車で阪急宝塚駅に近づくと象の飼育舎やサル山や遊園地の様子がみられ、わくわくした子どもたちが多かった。動物園施設いがいにも、温室や昆虫展示などもあり、博物施設でもあった。)
手塚記念館は、1994年4月25日にオープンした。
 漫画家の手塚治虫の作品を後世に伝えるためにさまざまな角度から手塚ワールドを紹介している。

オオハクチョウとコハクチョウ

2019-01-27 | フィールドガイド--野鳥--
オオハクチョウとコハクチョウ
鳥を大きく分けるとハクチョウもカモの仲間になります。カモは大きく分けるとガン、ハクチョウ、カモの三つのにグループに分かれます。
カモの渡りと同じ時期に日本に来る大きな鳥がいます。オオハクチョウとコハクチョウです。これらの鳥もカモと同じように池や湖、沼などにきて生活します。
オオハクチョウもコハクチョウもシベリアからやってきます。毎年10月初めから11月には北海道の湖に飛来し、それから日本各地に分かれていきます。
そして3月になると再び北海道に集まりシベリアに帰っていきます。オオハクチョウとコハクチョウはカモと違って、家族単位で渡ってきます。
シベリアで生まれた幼鳥を連れて親子で渡ってきます。
カモは日本全国で見ることができますが、オオハクチョウとコハクチョウは飛来する場所が限られています。
関東地方や東北地方から北の方ではオオハクチョウもコハクチョウも飛来しますが、北陸地方や兵庫県や島根県、滋賀県の琵琶湖ではコハクチョウしか飛来しないようです。(生きている由良川より)
コハクチョウの繁殖地は、凍っていた地表が夏季だけ湿原になる「ツンドラ地帯」。
オオハクチョウの繁殖地は、針葉樹の森が広がっている「タイガ地帯」
9月になると、日中でも気温が氷点下になると凍るので餌が獲れなくなります。そして、渡りが始まります。
10月中旬~下旬 ハクチョウの越冬する鳥は、ほとんど北海道の湖沼に集結します。
その後、11月になるころ、寒い北海道を飛び立って本州へ移動して越冬します。
コハクチョウの南端が兵庫県の加西市です。

2007年特別集中セミナー 三田市有馬富士公園自然学習センターにて

2019-01-27 | 野生生物を調査研究する会歴史
10年前の特別集中セミナー 三田市に移って初期のころのセミナーの様子です。
 
2007年特別集中セミナー 三田市有馬富士公園自然学習センターにて
■実施日/2007年8月7日(火)~8日(水)
■内容/阪神間、大阪府の幼小中学校の教員を対象に植物、昆虫、水辺の生き物、学校でできるビオトープなど、自然観察の方法について有馬富士公園でのフィールド研修会を実施しました。
□1日目
 >>(午前)水生生物を観察する!有馬富士公園から移動して三田市立野外活動センターへ
 前を流れる清流羽束川での水生生物の観察を行いました。
 >>(午後)植物の観察。園内にある植物を観察しました。里山の特徴や植物
□2日目
 >>(午前)昆虫採集をしよう。今回はハチとアブの違いの話からトンボまで、そして昆虫採集の仕方を体験実習しました。
 とったトンボやチョウを展翅して標本のつくり方も体験しました。
 >>(午後)学校ビオトープをつくろう。
 三田市内で行われているビオトープの話を聞きました。公園での水槽での飼い方、バックヤードの説明などききました。
今年度の先生方の感想から
1.充実した2日間でした。つかまえた生き物を一つ一つ確かめられたのがよかったです。川で水生生物を捕まえる活動にもう超し時間があればと思いました。
2.次回も是非参加したいです。自然豊かな場所に学校があるのに、その自然を生かせないことがずっと残念でした。今回たくさんのヒントをいただいたのがよかったです。
3.学校の前に水路があり、こどもたちといっしょに水生生物を観察したいです。
4.初めてで大変興味深く参加できました。
5.とても専門的でよかった。まわりのひとにももっとアピールして広めていってほしい内容でした。もっと多くの人に参加してほしいと思いました。
6.教室から外に出て、自然に触れて学習する機会をもてたのがよかったです。
7.知らないことがわかり、子どもと自然とふれあうときの活動に幅ができました。
8.有馬冨士公園の施設のつかっての観察、子どもたちと一緒にできるような計画ができたらよいと思いました
9.セミナー担当の先生方が、魚や植物、虫を大切にされている姿がとても印象的でした。

ウリハダカエデ

2019-01-27 | フィールドガイド--植物編--
ウリハダカエデ(カエデ科)
イロハモミジに次いでよく見られるカエデです。
葉は大きく、イロハモミジのようにはたくさん切れこまず、3つに分かれています。
幹や枝の緑色がマクワウリの実の肌に似ていることから、名前がついています。
しかし、太い木になると斑点や裂け目は目立たなくなります。

葉はやや扇状5角形で、上部が浅く3つに分かれる。縁には細かい重鋸歯があります。
雌雄異株。花は5月に咲きます。
6月ごろ、長大な翼果をぶら下げた雌株が見られます。
秋に、果序は総状に垂れ下がります。
シカはウリハダカエデは不嗜好性種となっている
( 兵庫ワイルドライフモノグラフ 9-9  兵庫県におけるニホンジカの嗜好性植物・不嗜好性植物リスト 藤木大介 1 1兵庫県森林動物研究センターより)

ウツギ

2019-01-26 | フィールドガイド--植物編--
ウツギ(ユキノシタ科)
落葉の低木で、全国各地でよく見られます。
枝を切ると幹の中心が空洞になっていることから“空木(うつぎ)”と呼ばれています。
“卯(う)の花のにおう垣根・・・”の歌にある卯の花はウツギのことで、卯月(旧暦4月、現在の5月)のころに白い花を咲かせることからつけられた名前です。(武庫川大探検より)
ウツギ、漢字で書くと「空木」、つまり枝の髄の部分が、中空になることから付いた名前。
茎の中が空洞になっている木のことを「ウツギ」と呼んでいるので、「ウツギ」と名の付く木がたくさんあることになります。
ウツギ(ユキノシタ科)以外にも ユキノシタ科はほかにもマルバウツギ、バイカウツギ、ガクウツギ、コガクウツギ等があります。
「○○ウツギ」と名が付くものは、スイカズラ科の植物にも多くみられます。
タニウツギ(スイカズラ科)
日本固有種で、本州以北の日本海側に生えます。猪名川流域では、一庫から妙見山付近でもよく見かけます。花の色が白から赤に変わるハコネウツギは、よく植栽されます。
ツクバネウツギ(スイカズラ科)
林縁部などに生えます。白い花の根元の蕚が、羽根つきの羽根のようなことから、名付けられています。萼片は4枚です。
など
(生きている猪名川改訂版より)

イヌツゲ

2019-01-25 | フィールドガイド--植物編--
イヌツゲ(モチノキ科)
各地の山に普通に見られる常緑の低木です。庭木や生垣にもよく使われています。
別のなかまのツゲ(ツゲ科)に似ていますが、材が役に立たないことから“犬(イヌ)ツゲ”と呼ばれています。
イヌツゲは雄株と雌株に分かれる雌雄異株で、葉はツゲが対生であるのに対しイヌツゲは互生です。
秋にできるイヌツゲの果実は割れずに黒く熟します。