野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

猪名川下流の魚たち1(「生きている猪名川改訂版」より

2023-04-30 | 兵庫の自然

猪名川下流の魚たち1(「生きている猪名川改訂版」より

猪名川の下流は都市部を流れる都市河川です。川幅も広くなり河川敷は運動公園などに利用されている部分もあります。水の流れも緩やかになり、瀬や淵があります。

 

5月といえば端午の節句。こどもの日です。江戸時代に庶民の間に広まった風習の一つに端午の節句に男の子の成長を祝って揚げれらる鯉のぼりがあります。『健やかな成長と立身出世を願う』という意味でこいのぼりを揚げるという、日本独自のものです。

こいのぼりの歌で「やねよりたかい こいのぼり/おおきいまごいは おとうさん/ちいさいひごいは こどもたち/・・・」と歌われるように、黒の鯉はお父さん、赤の鯉はお母さん、青の鯉は子どもと、鯉のぼりを家族と考えるようになったのは明治時代以降だそうです。

 

  • 鯉のぼりの由来

 武家政治のころ、男児の成長を祝って屋外に旗指し物や幟を立てたことが起源で、江戸中期に町人たちが家紋などの図柄の代わりに鯉の吹き流しを飾るようになったのが始まりです。当時は和紙でできていましたが、大正時代に本絹に、昭和 30 年代以降に化学繊維が使われるようになりました。

 

最近は少子化のせいでしょうか、写真のような大きなこいのぼりあげているのを見かけることも少なくなりました。

コイ(コイ科)

全長約50cm。口ひげが2対あります。流れのゆるやかな場所で、特に深いところを好みます。雑食性で、ユスリカ幼虫、イトミミズ、水草などを食べています。コイの原産国は中央アジアだといわれています。古くから世界各地に移植され、アリストテレスの記述の中にコイがでてくるそうです。日本には中国経由で入ってきました。それが日本各地の河川や湖沼に広まりました。元来、暖かい水を好むので、雪解け水が流れ込むような渓流や湖には生息することができません。

 

  • コイは多種類?

元来は黒褐色のコイが原種なのですが、突然変異体を作りやすい性質を持っているため、古くから観賞用に品種改良が重ねられてきました。黒い色素のない「緋鯉]もその1つです。また、大正博覧会(大正3年)に越後の山古志村から出展された「錦鯉]が注目を集め、それ以降様々な品種が日本に広まりました。また、ヨーロッパでは鱗の数が1列、3列しかないコイが生まれ、「ドイツゴイ」という名でも日本に輸入されています

 

  • コイの超能力?

<コイ>の滝登り

中国の黄河の上流に三門峡という滝があり、ほかのどんな魚も登ることができなかったのに、コイだけが登ることができ、そのコイは竜になることができた……]という「登竜門]伝説でコイの滝登りは有名です。立身出世のシンボルとして、数々の掛け軸にもコイの滝登りが描かれています。しかし実際は急流は苦手で、流れの緩やかな淀みに生息し体長が1mを越すものもおり、そのような大きな体ではとうてい滝登りはできません。

  • コインまげ

「コイの放たれた人工池を清掃すると曲がったコインが見つかる」という話を聞いたことがあります。

コインそのものは、人が願掛けのつもりで投げ入れたのでしょうが、それを曲げたのはコイの仕業と考えられます。コイの咽頭の入り□に3列になった「咽頭歯」という丈夫な歯があり、その歯で貝などをつぶして食べることができます。おそらくその出でコインをかんだのでしょうが、用心深く餌釣りが難しいコイが、金属のコインに興味を示すのが不思議です。


猪名川中下流の魚たち4(「生きている猪名川改訂版」より

2023-04-29 | 兵庫の自然

猪名川中下流の魚たち4(「生きている猪名川改訂版」より

中下流域は水温が高く、餌やすみかが豊富にあるため、様々な魚がすんでいます。

スジシマドジョウ中型種 (ドジョウ科)

全長約7cm。口ひげが3対あり、体の横に黒褐色の縦線があるのが特徴です。また、尾の付け根上部に目立つ黒斑点が1つあります。流れのあるところを好み、砂礫の底にすんでいます。雑食性でユスリカ幼虫などの底生動物などを好んで食べています。

 

タモロコ (コイ科)

全長10cm。口ひげが1対あります。川や池、用水路などの浅いところにすんでいます。雑食性で、水草、石についた藻、プランクトン、底にすむ小動物など何でも食べます。

 

ヤリタナゴ (コイ科)

全長約10cm。口ひげが1対あり、繁殖期のオスのしりびれの先は赤くなります。雑食性で、水中の小動物や石に付いた藻などを食べます。タナゴ類は二枚貝のエラの中に卵を産みつけ、卵がふ化した後、稚魚は泳ぎ出すことができる時期まで二枚貝の中で過ごします。


海老江干潟で野鳥観察会(ナチュラリストクラブ2008)

2023-04-28 | 自然観察会

海老江干潟で野鳥観察会(ナチュラリストクラブ2008)

淀川の海老江干潟は多くの野鳥が見られる場所です。春秋の渡りのシーズンには長距離を渡る干潟の鳥シギやチドリのなかまが採餌に飛来します。

大阪湾に流入する淀川には、海老江干潟、十三干潟などの小さな干潟が点在しています。

2004年に福島区海老江で実験干潟が造成されました。造成の方法は海老江干潟より上流にある柴島干潟の削った土砂を埋めて作られました。

その後、シギ・チドリ類やカモ類など多くの野鳥が観察されるようになりました。人工的に作られた干潟が成功した例です。

2008年5月に行った観察会の記録です。


ライントランセクト法 里山林を調べてみると

2023-04-27 | フィールドガイド--植物編--

ライントランセクト法 里山林を調べてみると

 

ライントランセクト法とは、森林とか草原などの植物の社会を一本の線か帯で切り取り、その断面(だんめん)、いわゆる構造を図で表して見る方法です。

 森林の場合、一番高い木の並んだところを第1層(高木層)と呼びます。 低くなるにつれ、第2層(亜高木層)、第3層(低木層)、第4層(林床)などと呼びます。

 高木層を二層に分ける場合もあります。これを階層構造といいますが、階層が多いほど豊かな林とも言えます。

 また、そこに出現する種(植物の種類)が多いほど豊かな林とも言えます。

三田市上深田の里山の断面図です。

第1層は コナラ カスミザクラ コバノトネリコ(アオダモ)

第2層は タカノツメ ネジキ ウリカエデ ミヤマガマズミ 

第3層は ヒサカキ アラカシ コバノミツバツツジ ヤブツバキ ツクバネウツギ ヤマウルシ モチツツジ ウワミズザクラ

第4層は サルトリイバラ イヌツゲ ソヨゴ ネザサ フジ ヒイラギ ヤマツツジ その他

4層にはっきりとわれており、種類のあるので豊かな里山林、コナラの森ということができます。


子どもの本がおもしろい㊳ うねゆたかの田んぼの絵本(全5巻)

2023-04-26 | 資料を読む

子どもの本がおもしろい㊳ うねゆたかの田んぼの絵本(全5巻)

 

宇根豊・作/小林敏也・絵

定価:揃 14,850円/各 2.970円(税込)

ISBNコード:9784540201011

発行:2021/3

出版:農山漁村文化協会(農文協)

判型/頁数:AB 各36ページ

第1巻 田んぼの四季 なぜ赤とんぼは人間に寄ってくるの?

第2巻 田んぼの動物 足あとにオタマジャクシが集まるのは?

第3巻 田んぼの植物 草刈りしないといけないのはなぜ?

第4巻 田んぼの環境 土に石ころがないのはなぜ?

第5巻 田んぼの文化 なぜ正月はやってくるの?

 

農文協の編集室から

「全国の小学校で行われている、田植えや稲刈りの体験。でも稲作にかかわる四季の仕事のもつ意味や、

それを田んぼやその周辺の動植物や環境とつなげて考えることはあまり多くありません。

この絵本では農家(お百姓)と子ども、そして田んぼの生きものたちとの対話をとおして、生きものの視点から田んぼという環境への理解を深めていきます。

田んぼをめぐる素朴な疑問に答えながら、「田んぼ」という身近な環境が、農家の仕事をとおして保たれていることがわかる絵本です。」

 

 小学校5年は社会で日本の農業について学習する。多くの教科書会社の教科書で、「家庭で食べている米の生産地、品種などを調べ、白地図にまとめる。」「米作りとして、山形県の庄内平野を取り上げ、日本有数の米の生産地であることを調べる。そして、学習問題(「米を生産方法」「生産者と消費者の立場から農業の発展」など)をつくるのが社会の学習だ。

 テスト問題を解くだけの学習になりそうだが、それに環境を付け加えてみるのはどうだろうか。

 環境教育の視点を取り入れた学習内容に発展させるとあじけない農業がより興味深いものになると思うのだが、この絵本がヒントを与えてくれる。

 

本の副題や目次にはつぎの質問があるが答えられるだろうか?

1巻より「なぜ赤とんぼは人間に寄ってくるの?」「北海道で米作りがむりといわれても米をつくりつづけたわけは?」

2巻より「なぜ稲植といわずに田植えというのか?」「足あとにオタマジャクシが集まるのは?」

3巻より「草刈りしないといけないのはなぜ?」

4巻より「土に石ころがないのはなぜ?」

5巻より「だれのために、ごはんを食べるの?」

 

また、各巻にクイズコーナーが設けられており

たとえば

Q田んぼ中の小さな生き物を見つける一番良い方法はどれでしょう(2巻)

  1. せめて10秒ほど動かずにじっと見る
  2. 顕微鏡で見る
  3. できるだけ広く歩き回ってさがす

Qなぜ代掻きをするのでしょう

など

付録にもいろろな資料が満載

たとえば名前の由来がのっていたり

(2巻)

オタマジャクシ(お玉杓子):調理用具のお玉杓子を小さく した形そのものだからです。

カエル(娃):鳴き声の「ケエーロ」からつけられたのか、必ず産まれた場所に「帰って」くるからつけられたか、どちらかでしよう。

アメンボ(始棒):さわると飴の棒みたいな香りがします。

など

(3巻)

タンボポ(たんぼぼ蒲公英は中国名):茎を切って、断面に切れ目を 入れて、水に浸けておくと、左のように鼓(つづみ)の形になります。鼓の 音は、タン•ポポ•タン•ボボと聞こえます。同じように、鼓の形になる ヒガンバナも、狐(きつね)のタンボボと呼んでいる地方もあります(右)。

カラスノエンドウ(烏野豌豆):熟れた実が豌豆(エンドウ)のさやに似 ていて、しかも真っ黒なので、烏の色にたとえました。

カスマグサ(かす間草):とてもかわいそうな名前です。なぜなら、力と スの間の草というのですから。力はカラスノエンドウで、スはスズメノ エンドウです。この三つの草はよく似ていて、葉と花の大きさが力とス の中間だからです:それにしても、この名前のっけ方はひどいと思いませんか。

カタバミ(片食み酢漿草は中国名):夜になると葉が閉じて、半分何 かに食べられたように見えるから。「食(は)む」は「食べる」という言葉 の古い形です。

など

 

インターネットでは調べ切ることのできない内容がいっぱいの5冊です

 

しかし、気になるところがひとつ

2巻の田んぼの植物p17にあるカンサイタンポポの画像が

白いタンポポが掲載されている。黄色に見えるようにしていただくと誤解が少ないと思うのだが


猪名川中下流の魚たち3(「生きている猪名川改訂版」より

2023-04-25 | 兵庫の自然

猪名川中下流の魚たち3(「生きている猪名川改訂版」より

中下流域は水温が高く、餌やすみかが豊富にあるため、様々な魚がすんでいます。

イトモロコ(コイ科)

体長約 1 0 cm。コウライモロコとよく似ていますが、側線上のウロコが縦に長いことと、ひし形の黒斑があるのが特徴です。

 

コウライモロコ(コイ科)

体長約 1 2 cm。イトモロコより下流側の流れがおだやかな砂礫底に群れています。

雑食性で水生昆虫や石に付いた藻などを食べています。

 

コウライニゴイ(コイ科)

全長約50cm。口ひげが1対あります。コイとよく似ていますが、体がスマートで、特に顔が細長く口が下を向いているので区別できます。流れのゆるやかな場所の底にすんでいます。雑食性で水生昆虫、石についた藻、小魚などを食べます。コウライニゴイとニゴイは上からは見分けがつきにくく、下唇に発達した皮弁があるのがコウライニゴイの特徴です。

 


猪名川中下流の魚たち2(「生きている猪名川改訂版」より

2023-04-24 | 兵庫の自然

猪名川中下流の魚たち3(「生きている猪名川改訂版」より

 猪名川下流は平野部、都市部を流れる都市河川です。近年、時間経過とともに猪名川下流では陸の部分と川の流れの部分が固定化していまい、小石の川原が少なくなってしまいました。そのため、水域と陸の部分が増水のときには浸水の状態になるように工事がおこなわれました。

 本来の自然の持つ力を活用して環境の多様性を期待する礫河原再生事業がそれです。

 この工事でこれまで河川敷で大きくなったヤナギなどの木が伐採され、川原の環境が一変し、陸上の生き物に大きな変化がありました。

 河原の環境と水辺の環境が今後どのように変化するのかは、継続観察していく必要があります。

 また、猪名川(直轄管理区間)には8基の井堰・床固があります。大井井堰(藻川)、三ヶ井井堰、高木井堰、久代北台井堰、池田床固には魚道が設置されていませんでしたが、平成26年にすべての井堰に魚道がもうけられました。

猪名川は、都市河川のなかでも魚類の種類が多い河川となっています。

 

 

カワヒガイ(コイ科)

全長約13cm。流れのおだやかな砂や小石混じりの川底に住んでいます。水生昆虫や、石に付いた藻などを食べます。タナゴ類と同様、産卵には二枚貝を利用しますが、二枚貝のエラではなく外套膜(がいとうまく)のすき間に卵を産みつけます。

シマドジョウ(ドジョウ科)

全長約10cm。口ひげが3対あり、体の横に黒褐色の斑点が並んでいるのが特徴です。ドジョウよりも流れのあるところを好み、砂礫の底にすんでいます。雑食性。

 

ドンコ(ハゼ科)

全長約15cm。流れのゆるやかな場所の水草や石の陰に隠れています。水生昆虫やエビ類、小魚など、生きている小動物をその大きな口でひとのみにしてしまいます。


里山と里地里山 4月下旬の里地

2023-04-23 | 兵庫の自然

里地里山4月下旬 里地の畦でめだつ黄色い花

今年の花の動きは例年になく早い。

しかし、農作業は農業暦にしたがって行われる。

4月下旬になると 里地の田んぼでは田植えの準備にはいる。

まず、水路掃除がはじまる。いよいよ田んぼの準備の最初の一歩。水路掃除では、田に水を引き入れるのスムーズにするためですが、秋からたまった落ち葉や泥のかきだしをします。崩れている部分はなおして、田植えの水が順調にためることができるように作業がすすみます。

田おこしが始まるまでの間、田や畦の植物がみられるのはもう少し。

畦の草刈りがおわり、田に水がはるといよいよ田植えです。最近は田植えも5月上旬からはじまります。

 

今、畦や田では、シロツメグサやハルジオンの白い花がさいていますが、白い花よりも黄色い花のほうが目立ちます。

黄色い花はみんなタンポポとおもっている小学生や中学生がたくさんいます。

4月下旬畦に咲く黄色い花の紹介です。

 

ハハコグサ(キク科)

越冬する芽は春の七草オギョウと呼ばれこの花のことです。花は小さな管状花だけの集まりで、綿毛の種ができます。昔は餅草として利用されていたようだが、ヨモギにその座を奪われてしまいました。外国産のハハコグサが確認されています。茎が良く枝分かれして、ひょろひょろしているのがそれらしいです。ヨーロッパ原産のセイタカハハコグサも増加傾向にあるといいます。

ハルノノゲシ(キク科)

花はタンポポに似ています茎の上部で枝分かれし頭花をつけます。葉は茎を抱きます。茎は空中、切ると白い腋がでてきます。ハルノノゲシは春だけなく1年中花をみることができます。アキノノゲシは秋だけですが春によく目立つので、ハルノノゲシとよばれます。

アカオニタビラコ(キク科)

するとのびた花茎の上部に頭花を集めてさきます。田の畔ばかりか、公園や都会の道端などでも普通にみられます。今までオニタビラコと呼ばれていたのですが、 最近アオオニタビラコとアカオニタビラコ の2つの亜種に分けて呼ぶようになりました。下部から花茎が一本がアカオニタビラコで何本もたつのが、アオオニタビラコです。

オオジシバリ(キク科)

湿り気のある道端や水田に普通に見られます。よく似たジシバリより葉が大きく、へら形をしている。

ブタナ(キク科)

ヨーロッパ原産の帰化植物。飼料にまぎれて、入ってきたといわれています。タンポポモドキともよばれ、子どもたちがタンポポと一番間違える植物。茎がのびて枝分かれするところが見分けるポイントです。

ウマノアシガタ(キンポウゲ科)

水田のあぜ道、適度に湿った路傍などに普通に生育する。全体に毛が多い。花弁に光沢があるので、写真を撮るのがむつかしい。この光沢は色素のほかでんぷん粒やクチクラによる。ウマノアシガタという名前は、根生葉が馬の足に似ているからといわれているが多くの観察者から「??」の声が、

最近は生息の場が少なくなっているといわれている。


猪名川中下流の魚たち(「生きている猪名川改訂版」より

2023-04-22 | 兵庫の自然

猪名川中下流の魚たち(「生きている猪名川改訂版」より

 山間部から盆地にでると猪名川の流れが緩やかになります。周りの山々からの土砂がたい積して谷底平野ができます。流れが緩やかになると砂地の場所ができます。カマツカやニゴイは砂地の好きな魚類の仲間です。

カマツカ(コイ科)

体長約20cm。平らなおなかをしています。口ひげが1対あり、唇のまわりに小さな突起があります。砂や小石が混じる川底に住んでいます。雑食性で砂とともに水生昆虫などを吸い込み、えらあなより砂をはきだします。

 

ニゴイ(コイ科)

体約50cm。コイと似ているのでこの名前が付きましたが、コイよりスマートで、顔が長く、口が下を向いています。また、口ひげは1対です。流れの緩やかな砂地を好みます。雑食性で、水生昆虫や石についた藻などをたべます。

 

ムギツク

体長約10cm、河川の中流下流域にある流れのおだやかな淵やよどみなどの岩場に生息しています。おもにユスリカの幼虫などの水生昆虫を食べる雑食性で、石などの表面をつつきながら食べます。卵は石の下などに産みつけます。ドンコやオヤニラミなどの巣に托卵することもわかってきました。


猪名川上中流の魚(生きている猪名川改訂版より)

2023-04-20 | 兵庫の自然

猪名川上流中流の魚たち(「生きている猪名川改訂版」より

 山間部から盆地にでると猪名川の流れが緩やかになります。周りの山々からの土砂がたい積して谷底平野ができます。谷底平野は、猪名川では数か所あり、渓谷でつながっています。

アカザ(ギギ科)

水のきれいな上流中流域に生息します。体長約10cm。一見ナマズのこどものようにみえますが、口ひげが4対8本あるのと、体の色が淡い褐色をしていることで見分けがつきます。夏でも水温が低い場所をこのみます。昼間は市の下に身を潜め、夜になるとえさを求めて石の間をぬうように泳ぎます。肉食で、おもに水生昆虫などをたべます。背びれと胸鰭にとげがあり、不用意に触れると刺されることがあります。

兵庫県ランク:地域限定貴重種;環境省ランク:VU

 

 

ギギ(ギギ科)

体長15cm。河川の中流域に生息しています。石の下や水草などが茂っているところに潜み、小魚、エビや底生動物などを食べます。卵は石の下や石垣の中に産み付けます。胸びれのとげと基底部の骨をすり合わせてギーギーと音をだします。

流域では、「ギギタ」ともよんでいます。

 

 

カワヨシノボリ

体長5cm。一生を川で過ごし、河川の中流域を中心に平瀬や淵の周辺に生息しています。胸鰭の条数が15~17本で、ほかのヨシノボリより少ないのが特徴です。おもに石についた、藻や水生昆虫などをたべます。産卵は砂に埋まった石などの下面にメスが卵を産み、オスが卵を守ります。