野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

猪名川流域で見られる露頭

2018-08-26 | フィールドガイド地質

上の写真は猪名川流域でみられる路頭です。川が流れている川底から山に上っていくと、どんな地層がみられるかまとめてみました。
 川底から段丘のところまでは、砂岩頁岩の層が見られます。これは丹波帯に相当する砂岩頁岩層です。住宅地に入ると、砂や礫でできた層が見られます。新しく住宅地になっているところは、この地層を削って宅地にされた土地です。大阪層群とよばれ、猪名川流域の新しく宅地になったところやゴルフ場になっているところは、たいていこの地層のところです。堆積した時代が新しく地層がやわらかいので宅地開発に適していたのです。さらに山に登っていくと、火成岩の流紋岩類が見られます。
 堆積した順は、猪名川の川底に見られる砂岩頁岩が最初に堆積しました。時代は中生代の大陸の縁です。白亜紀には火山活動がおこりました。丹波帯の地層をわってマグマが噴出し、活発な火山活動がありました。それが山を作っている火成岩です。丹波帯の砂岩頁岩層を覆いました。そして、新生代になり、地殻変動がありました。砂礫が流紋岩の山や、丹波帯の地層の上に堆積しました。大阪層群がそれです。そして、その後も地殻変動や猪名川が侵食あり、現在の地形ができたのです。


カマキリ

2018-08-26 | フィールドガイド-昆虫編--

カマキリ
 カマキリは、バッタのなかまですが、バッタは植物を食べるのですが、カマキリは、ほかの虫を捕まえて食べます。
そのため、前足は鎌のようになっていて、虫を捕まえやすいよになっています。卵からかえった幼虫は、成虫と同じ形をしていて、さなぎの時期がありません。
カマキリは地方によっては「おがみ虫」と呼ばれています。カマキリが獲物をねらうとき、胸の前でカマをそろえて静止する独特のスタイルから呼ばれたのでしょう。
また、漢名は、「蟷螂(とうろう)」です。「蟷螂の斧」という言葉がありますが、「はかない抵抗」という意味で、身の程知らずのたとえとして使われます。

カマキリの見分け方
 大型のカマキリは日本に2種類います。チョウセンカマキリとオオカマキリです。後翅の基部周辺にある斑点が見分けるポイントの一つです。
 また、前足のつけねの色で見分けることもできます。チョウセンカマキリの前足のつけねはオレンジ色、オオカマキリは淡黄色なので識別することができます。
 中型のハラビロカマキリは、前翅にある白い斑点が特徴です。樹上性で、草原性のオオカマキリとすみわけをしています。
 小型のカマキリはコカマキリです。灰色の地味なカマキリです。前足に腕章をまいたような筋があるので見分けられます。


2018年 猪名川体験フェスタ

2018-08-26 | 野生生物を調査研究する会の紹介

2018年8月25日 いながわ体験フェスタが行われた

魚の自由研究で 魚の調査したレポートを小学生が報告

模造紙にまとめた報告も展示

猪名川に関係する団体もブース展示

報道関係もふくめ多くの参加者が訪れた。

報告では 長年猪名川の環境に取り組む中学校や高校の発表 そして今回の小学生

ということでこれからも環境保全に取り組む核になってほしいとねがった


由良川のアユ

2018-08-26 | フィールドガイド--魚編--

猪名川のアユについてこれまでいろいろと紹介してきた

今回は 由良川のアユ(「生きている由良川」を参考にした)

由良川のアユ

アユ(鮎) キュウリウオ目アユ科
アユは春から夏にかけて若魚期から成魚期を川の中流で生活し、秋になると河口付近に下る。このときの婚姻色(橙と黒色)のアユを「落ち鮎」という。
11月頃、淡水と海水の境目付近で産卵したアユはそのまま死んでいく。
卵から孵化した仔魚(体長6mm)は流れに乗って海に下り翌春まで動物性プランクトン等を食べて成長し、春になると遡上を開始する。遡上しながら7~8cmの大きさになり、中流域に入ったアユは岩盤や石礫の付着藻類を食べるようになる。
若アユの群れをつくるが成魚となってなわばり行動をとるようになる。
成魚は10~30cm。このようにアユは1年で大きく育ち一生を終えるので、「年魚」と呼ばれる。

魚や動物の体液(血液)の塩分濃度は、太古の昔に魚が海から川へ干潟から陸上に 移り住んだ当時の原始の海の塩分濃度が現在も受け継がれている。
体液の塩分濃度は淡水魚は約0.6%、人を含む陸上動物で約0.9%、海水魚で約1.1% である。
川から海へ、海から川へ移動するためには、この塩分濃度を調整する機能が 必要で、汽水域で浸透圧を調整している。
海に出てまだ身体に鱗のなく透明な身体の シラスアユは河口から離れ沿岸を回遊し、体長5~7cmに大きくなり全身が黒隣で覆われる稚アユに成長して河口に戻ってくる。
ただし、サケのような母川回帰本能ではない。

日本の夏の風物詩「鮎の友釣り」
 アユのなわばり行動の習性を利用した日本独特の捕獲方法で、5月アユ漁の解禁で一斉に釣り人が川に入る光景は初夏の季語ともなっている。
なわばりの範囲は1尾あたり約1㎡で、その中に入ってきた他の個体に対して体当たりして激しく攻撃する。おとりのアユに引っかける釣針をつけて捕る方法で実に楽しい。

魯山人 生けて運びし 和知のアユ
(「由良川いろは歌」より)
かつて和知町は京都府内屈指のアユの産地として知られた。
陶芸家であり料理道を極めた北大路魯山人(1883~1959)は和知のアユを賞賛し、彼の経営していた東京の料亭まで生きたまま運ばせたという逸話がある。
現在、鮎の遡上は戸奈瀬ダム(由良川ダム)までである。

丹波アユの歴史
古くは延喜式にも朝廷に献上したアユの記載がある。江戸時代には藩の庇護の下、御用鮎として丹波のアユは重宝がられた。また、大量消費地としての京へ運ばれていた。


歩行虫の採集法

2018-08-26 | フィールドガイド-昆虫編--

歩行虫の採集法

河川敷ではオサムシ科をはじめとする「歩行虫」のなかまが多く生息しています。これらの昆虫は飛ぶものは少なく、エサをもとめて地面を歩き回るのが特徴です。

どのようにして採集するとよいのか紹介します。


 1つ目はベイト(餌)トラップといわれる採集法です。
この採集法は歩行虫のエサをもとめて地表を歩き回る習性を利用したものです。
写真のようにコップの口を地面と同じ位置まで埋め、コップの中に腐肉や黒酢、カルピスの原液等をうすめたものを入れておきます。
翌朝(トラップは数日有効です)に回収しに行くと、オサムシ、ゴミムシ、シデムシ、ハネカクシの仲間がコップのなかに落ちていることがあります。
なお、採集を終了するときは、必ず使用したコップは回収し、持ち帰りましょう。

 

 2つ目は冬場における採集法です。歩行虫のなかまは冬場、成虫や幼虫のすがたで低い崖の斜面や朽木のなかで越冬します。
それらを掘り出して採集する方法を「オサ掘り」といいます。
 河川敷では、朽ちた流木の中や、木にからみついたゴミや土砂の隙間にオサムシ、マイマイカブリが集団越冬していることがあります。
採集時は、周辺の景観をこわさないように注意することが必要です。
(生きている淀川より)