野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

2000年 生きている武庫川 CD版

2018-08-27 | 野生生物を調査研究する会歴史

生きている武庫川をCD版として発表した

武庫川大探検は1996年8月に出版された「生きている武庫川 総集編・資料編」を加筆修正し、2000年にCD-ROM版に作成しなおしたものです。
今回はその中から野鳥編を紹介

ハシボソガラス(カラス科)
全長50cm。一年中、山地や農耕地、川原、海岸で見られます。ハシボソというとおり、くちばしが細いのが特徴です。ガーガーとにごった声で鳴きます。他にハシブトガラスがいます。

ハマシギ(シギ科)
全長21cm。少し長めの下にそり返ったくちばしをもっています。冬には海岸や河口、川岸などで群れで見られます。歩きながら、ゴカイなどの小動物を捕らえて食べます。

バン(クイナ科)
全長32.5cm。全体が黒っぽく、くちばしと額の赤と黄色が目立ちます。一年中、水辺で見られます。川や池などの草かげの近くで歩いたり、泳いだりしながら水草の芽や昆虫などを食べています。

フクロウ(フクロウ科)
全長48~52cm。一年中、平地から山地にかけて見られ、大木にできた穴に巣をつくります。夜、活動し、ネズミなどを食べています。ゴロスケ、ホッホと鳴きます。昼は枝にとまり、じっとしています。よくとまる場所の下には、骨などの未消化物をはきだしたものが落ちていることがあります。

ホオジロ(ホオジロ科)
全長16.5cm。一年中、低地から山地の林のまわりや農耕地付近、秋冬には川原などに小さい群れで見られます。低木や茂みに巣をつくり、その付近で木の枝や電線に止まって胸を反らせて雄がさえずっている姿が見られます。

メジロ(メジロ科)
全長11.5cm。一年中、低地から山地の林や市街地の公園で見られます。名前のとおり、目のまわりが白いのが特徴です。昆虫なども食べますが、花の蜜が好きでサクラやウメの花に群れで集まっていることがあります。

モズ(モズ科)
全長20cm。一年中、農耕地の周辺、川原、林のまわりなどで見られます。秋にはキィーキィーキィーと甲高い声で鳴きます。鋭いくちばしを持ち、カエルやバッタ、時にはネズミなどを捕らえて食べます。

ヤマガラ(シジュウカラ科)
全長14cm。一年中、平地から山地の林の中で普通に見られます。昆虫や木の実を食べ、ツーツーピー、ツーツーピーとさえずります。秋冬にはシジュウカラやエナガなどと行動をともにします。


ユリカモメ(カモメ科)
全長40cm。冬に河川、河口、海岸などで群れで見られます。冬羽の頭は白く、目の後ろに黒い斑があります。春になると夏羽にかわり、頭全体が黒くなります。足とくちばしが赤く冬には宝塚のあたりでも観察できます。


ヒゲナガカワトビケラ

2018-08-27 | フィールドガイド--水生生物--

ヒゲナガカワトビケラ(ヒゲナガカヮトビケラ科)

成虫は、直接潜水して砂礫に卵を産みつけます。 1ケ所にかためて産みつけ、2000~15000個にもなります。幼虫は、巣のまわりに、屋根状に捕獲網を張りめぐらし、そこにかかる藻類(そうるい)を食べます。


2012年「人くらし自然 民俗学の視点から その5」ナチュラリストクラブ総会

2018-08-27 | 野生生物を調査研究する会歴史

ナチュラリストクラブの総会の前に恒例となった田中先生の民俗学の講座も5回目となりました。
毎回、身近で楽しいお話を聞かせていただいていますが、今日は動物被害についてのお話。


野生獣は在来種に加えて、毛皮用やペットとして輸入されたものが放獣され野生化したヌートリア・アライグマ・ハクビシンなどの外来種からの被害も多いようです。
ペットとして売られているアライグマは牙をあらかじめ切ってあるとか。ところが放されたアライグマから生まれたアライグマは牙をもっていて、大いに危険なんです・・・と先生。


昔から、被害には頭を抱えていたらしく、古い文献にそのことが記されているとのこと。いろいろな事例をスライドを観ながら説明していただきました。
いつも活動している里山でもイノシシ・シカには悩まされているようで、田んぼの周りには電気柵が張り巡らされています。


私たちの活動場所も手入れしてやっと果樹を植えられるようになったと思ったら・・・植えても植えてもかじられる苗木。
どうやらシカのようです。昨年植え直したものもまたかじられ、とうとう苗の周りにネットを張り巡らしました。
これは効果があり、それ以降シカによる食害はありません。(写真は2011年7月)


民俗学の後は本年度の締めくくり、総会と反省会。
今西先生の御土産の美味しいスリランカの紅茶とナッツ、皆さん持ち寄りのお菓子を頂きながら、23年度を振り返りました。


こちらは「野生生物を調査研究する会」ブランドのハチミツ。おいしいですよ~。右はアマゾンで採れたハチミツです。

また来年は盛りだくさんの観察会等が予定され、楽しい活動になりそうです。みなさんふるってご参加くださいね。(ナチュラリストクラブ2012年2月のホームページより)


猪名川流域で見られる露頭

2018-08-26 | フィールドガイド地質

上の写真は猪名川流域でみられる路頭です。川が流れている川底から山に上っていくと、どんな地層がみられるかまとめてみました。
 川底から段丘のところまでは、砂岩頁岩の層が見られます。これは丹波帯に相当する砂岩頁岩層です。住宅地に入ると、砂や礫でできた層が見られます。新しく住宅地になっているところは、この地層を削って宅地にされた土地です。大阪層群とよばれ、猪名川流域の新しく宅地になったところやゴルフ場になっているところは、たいていこの地層のところです。堆積した時代が新しく地層がやわらかいので宅地開発に適していたのです。さらに山に登っていくと、火成岩の流紋岩類が見られます。
 堆積した順は、猪名川の川底に見られる砂岩頁岩が最初に堆積しました。時代は中生代の大陸の縁です。白亜紀には火山活動がおこりました。丹波帯の地層をわってマグマが噴出し、活発な火山活動がありました。それが山を作っている火成岩です。丹波帯の砂岩頁岩層を覆いました。そして、新生代になり、地殻変動がありました。砂礫が流紋岩の山や、丹波帯の地層の上に堆積しました。大阪層群がそれです。そして、その後も地殻変動や猪名川が侵食あり、現在の地形ができたのです。


カマキリ

2018-08-26 | フィールドガイド-昆虫編--

カマキリ
 カマキリは、バッタのなかまですが、バッタは植物を食べるのですが、カマキリは、ほかの虫を捕まえて食べます。
そのため、前足は鎌のようになっていて、虫を捕まえやすいよになっています。卵からかえった幼虫は、成虫と同じ形をしていて、さなぎの時期がありません。
カマキリは地方によっては「おがみ虫」と呼ばれています。カマキリが獲物をねらうとき、胸の前でカマをそろえて静止する独特のスタイルから呼ばれたのでしょう。
また、漢名は、「蟷螂(とうろう)」です。「蟷螂の斧」という言葉がありますが、「はかない抵抗」という意味で、身の程知らずのたとえとして使われます。

カマキリの見分け方
 大型のカマキリは日本に2種類います。チョウセンカマキリとオオカマキリです。後翅の基部周辺にある斑点が見分けるポイントの一つです。
 また、前足のつけねの色で見分けることもできます。チョウセンカマキリの前足のつけねはオレンジ色、オオカマキリは淡黄色なので識別することができます。
 中型のハラビロカマキリは、前翅にある白い斑点が特徴です。樹上性で、草原性のオオカマキリとすみわけをしています。
 小型のカマキリはコカマキリです。灰色の地味なカマキリです。前足に腕章をまいたような筋があるので見分けられます。


2018年 猪名川体験フェスタ

2018-08-26 | 野生生物を調査研究する会の紹介

2018年8月25日 いながわ体験フェスタが行われた

魚の自由研究で 魚の調査したレポートを小学生が報告

模造紙にまとめた報告も展示

猪名川に関係する団体もブース展示

報道関係もふくめ多くの参加者が訪れた。

報告では 長年猪名川の環境に取り組む中学校や高校の発表 そして今回の小学生

ということでこれからも環境保全に取り組む核になってほしいとねがった


由良川のアユ

2018-08-26 | フィールドガイド--魚編--

猪名川のアユについてこれまでいろいろと紹介してきた

今回は 由良川のアユ(「生きている由良川」を参考にした)

由良川のアユ

アユ(鮎) キュウリウオ目アユ科
アユは春から夏にかけて若魚期から成魚期を川の中流で生活し、秋になると河口付近に下る。このときの婚姻色(橙と黒色)のアユを「落ち鮎」という。
11月頃、淡水と海水の境目付近で産卵したアユはそのまま死んでいく。
卵から孵化した仔魚(体長6mm)は流れに乗って海に下り翌春まで動物性プランクトン等を食べて成長し、春になると遡上を開始する。遡上しながら7~8cmの大きさになり、中流域に入ったアユは岩盤や石礫の付着藻類を食べるようになる。
若アユの群れをつくるが成魚となってなわばり行動をとるようになる。
成魚は10~30cm。このようにアユは1年で大きく育ち一生を終えるので、「年魚」と呼ばれる。

魚や動物の体液(血液)の塩分濃度は、太古の昔に魚が海から川へ干潟から陸上に 移り住んだ当時の原始の海の塩分濃度が現在も受け継がれている。
体液の塩分濃度は淡水魚は約0.6%、人を含む陸上動物で約0.9%、海水魚で約1.1% である。
川から海へ、海から川へ移動するためには、この塩分濃度を調整する機能が 必要で、汽水域で浸透圧を調整している。
海に出てまだ身体に鱗のなく透明な身体の シラスアユは河口から離れ沿岸を回遊し、体長5~7cmに大きくなり全身が黒隣で覆われる稚アユに成長して河口に戻ってくる。
ただし、サケのような母川回帰本能ではない。

日本の夏の風物詩「鮎の友釣り」
 アユのなわばり行動の習性を利用した日本独特の捕獲方法で、5月アユ漁の解禁で一斉に釣り人が川に入る光景は初夏の季語ともなっている。
なわばりの範囲は1尾あたり約1㎡で、その中に入ってきた他の個体に対して体当たりして激しく攻撃する。おとりのアユに引っかける釣針をつけて捕る方法で実に楽しい。

魯山人 生けて運びし 和知のアユ
(「由良川いろは歌」より)
かつて和知町は京都府内屈指のアユの産地として知られた。
陶芸家であり料理道を極めた北大路魯山人(1883~1959)は和知のアユを賞賛し、彼の経営していた東京の料亭まで生きたまま運ばせたという逸話がある。
現在、鮎の遡上は戸奈瀬ダム(由良川ダム)までである。

丹波アユの歴史
古くは延喜式にも朝廷に献上したアユの記載がある。江戸時代には藩の庇護の下、御用鮎として丹波のアユは重宝がられた。また、大量消費地としての京へ運ばれていた。


歩行虫の採集法

2018-08-26 | フィールドガイド-昆虫編--

歩行虫の採集法

河川敷ではオサムシ科をはじめとする「歩行虫」のなかまが多く生息しています。これらの昆虫は飛ぶものは少なく、エサをもとめて地面を歩き回るのが特徴です。

どのようにして採集するとよいのか紹介します。


 1つ目はベイト(餌)トラップといわれる採集法です。
この採集法は歩行虫のエサをもとめて地表を歩き回る習性を利用したものです。
写真のようにコップの口を地面と同じ位置まで埋め、コップの中に腐肉や黒酢、カルピスの原液等をうすめたものを入れておきます。
翌朝(トラップは数日有効です)に回収しに行くと、オサムシ、ゴミムシ、シデムシ、ハネカクシの仲間がコップのなかに落ちていることがあります。
なお、採集を終了するときは、必ず使用したコップは回収し、持ち帰りましょう。

 

 2つ目は冬場における採集法です。歩行虫のなかまは冬場、成虫や幼虫のすがたで低い崖の斜面や朽木のなかで越冬します。
それらを掘り出して採集する方法を「オサ掘り」といいます。
 河川敷では、朽ちた流木の中や、木にからみついたゴミや土砂の隙間にオサムシ、マイマイカブリが集団越冬していることがあります。
採集時は、周辺の景観をこわさないように注意することが必要です。
(生きている淀川より) 
 


子どもの本がおもしろい㉘ スズメの大研究

2018-08-25 | 資料を読む

夏休みの読書感想文で読まされた方も多いかも


スズメの大研究 (ノンフィクション未知へのとびらシリーズ) 国松 俊英著 PHP研究所 (2004年)

2005年に小学校中学年の課題図書になった本。
そのため、ノンフィクションの感想の書き方などでも取り上げられることも多い。

この本が発表されたころ、スズメが見られなくなったとニュースになった。

英国のインディペンデント紙によると
イギリスのイエスズメの数はこの15年で90%減った。
原因はイギリスでは、他の鳥による駆逐、農薬、気候変動、家屋の改善など、しかしまだよくわかっていない。
デュ・モンフォート大学の研究は、昆虫の減少がスズメの飢えにつながっているではないかといっている
この影響はパリやヨーロッパ中で見られるという。

最後に「間とスズメの共生にはどんな意味があったのだろうか。原因は分からないが、人間はかけがえのない何かを失いつつあるようだ。」
と結んでいる。

それで、日本でもスズメは減っているという。
2010年ごろにはマスコミで取り上げら、スズメに関してニュースがながれていました。
 ・三上修(立教大理学部) 『スズメについてよくある質問』論文 PDF『日本におけるスズメの個体数減少の実態』)
 ・朝日新聞 「スズメ、20年で6割減少か 都市部での子育て難しく」

その最初の話題とスズメの研究を提供したのが課題図書となった本書。
その後、多くの子どもむけのスズメの本がでてくるが、この本が身近なスズメについて知らしめた効果は大きい。

この本でスズメの鳴き方がどのように変化したのかを歴史的に書いてあったり、スズメがどのように世界中に広がったりとか
小学生にわかりやすく説明してある。


2018年 観察会 魚の自由研究

2018-08-24 | 野生生物を調査研究する会の紹介

川の自由研究まとめ
今回猪名川の魚で自由研究をしていただきました。


川っておもしろいと感じてもらったと思います。

川に行くと、みんな夢中になって水の中へ、何がいるかわくわく探しました。

魚とか虫とか、動くものを見つけると、自然につかまえようとしました。

今回も普段はのぞくこともない水の中に、たくさんの生き物たちの世界をみることができました。
 

猪名川の河原に到着。
土手を下って川の近くに行くだけでもちょっとした探検隊。

係からすこし注意
 川は思っているよりずっと危険な場所です。
 木陰がないから太陽の日差しもまともに受けるの水分補給は忘れずに。
 上流に雨が降れば水量もグッと増える。
 大人は、いろんな危険も考えて、いつも子どもが観察する場所での活動に注意しています。

水の温度を予想
 今年はほんとに暑い。水の中に手を入れて「さあ、何度かな」とあてっこするのもよいかも。水温も27度あった日も。

石の裏側をひっくり返してみる
 川の中の石の裏側にも、いろんな生き物がいる。
 砂利を集めて巣を作る生き物や、そのなかにびっちり卵が産みつけられていりする石も。
 でも、観察し終わった後は、元の位置にもどします。生き物たちの大切なすみか。ほんとはこんなところも見てほしかった
 これが、さなかのえさになるんだから

しばらくじっと水の中を見ていると、いろいろ動くものが見えてきたはず。
石の影から影へとすばやく動くのは魚。
すぐさま網をだしてすくいます。
とって観察が終われば川にもどします。

みんな捕まえる間に、だんだん「どんな所にいるか」「どんな動きをするか」なんてこともわかってきましたか。

そして、今回の貴重な自由研究は
8月25日 いながわ体験フェスタ(猪名川水環境交流会2018年)10:45から16:30まで 川西市のアステホールで発表します。