野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

コオロギのなかま(2)

2023-09-17 | フィールドガイド-昆虫編--

コオロギのなかま(2)

 

9月になっても連日30度を超す気温が続く。

寒冷な地域にすむ生き物は温暖な地域にすむ生き物よりからの大きさが大きい(ベルクマンの法則)という法則がある。

日本人はこのままでは小さな体になっていくかもしれない。

 

ところが、昆虫の場合、緯度が高い寒冷地の昆虫ほど体の大きさが小さい。(逆ベルクマンの法則;1949、Orlando Parkの北アメリカのゴミムシの研究より)

逆ベルクマンの法則が成り立つことを、1967年正木進三氏がエンマコオロギで報告している。

なぜ、逆ベルクマンの法則になるのかは、昆虫の幼虫が暖かい温度が長く体験できる幼虫ほど大きくなれるからだ。

コオロギのなかまで、花壇や芝生の生える草地に生息するのがシバスズとマダラスズ(どちらもヒバリモドキ科)

どちらも大きさは10mm前後のコオロギの仲間だ。

 

淡褐色で、後脚に褐色の斑紋があるのがシバスズ、オスはヂーッ ヂーッ ヂーッと鳴く

暖地では、6から7月 9から11月 年2回成虫が見られるが寒地では一回

体は黒色で、後脚に黒白の縞模様があるマダラスズ、オスは、ビィーッ、ビィーッ、ビィーッと鳴く

暖地では、6月から7月、9月から10月の年2回成虫が見られるが寒地では一回

 

 

シバスズとマダラスズは、光周性をしめす昆虫で、長日で育つときは非休眠卵を産み、短日のときは休眠卵をうむ。

この性質をつかって沼田英治氏が温暖化の影響について調べている。(2021;時間生物学 vol27,NO2)

シバスズは温暖化の影響がでているが、マダラスズは一概にそうとは言えない結果となったという。

 

 

 


カマキリのなかま

2023-09-16 | フィールドガイド-昆虫編--

カマキリのなかま

 

近畿地方には草原性のオオカマキリやチョウセンカマキリと樹上性のハラビロカマキリ、草本や潅木の地面近くに潜むコカマキリが代表的なカマキリの仲間です。

オオカマキリTenodera sinensis (Saussure,1871)

草原や林縁に生息する。特にクズなどが繁茂する草原で見つかる。前脚の基部が薄い黄色で、下翅が黒紫色をしている。

 

カマキリ(チョウセンカマキリ)Tenodera angustipennis (Saussure,1869)

草原や河原、畑、ガマなどの植物が生えた沼地に生息する。前脚の基部がオレンジ色で、下翅は透明である。

ハラビロカマキリHierodula patellifera (Audinet‐Serville,1839)

樹上性で林縁に生息する。前脚基節のコブ状突起が大きく、数が3~4個であること、前胸腹板が薄い黄色をしている。

 

コカマキリ Statilia maculata (Thunberg,1784)

草原、林縁、林内に生息する。前脚腿節の刺(カマの刺)の基部の斑が一本おきに黒くなっている。

 


コオロギのなかま

2023-09-14 | フィールドガイド-昆虫編--

コオロギのなかま

 

秋に鳴く虫の声が盛んに聞こえるようになりました。

日本では鳴く虫の声を聴く風習があります。

童謡「虫のこえ」には、マツムシ、スズムシ、キリギリス、クツワムシ、ウマオイなどがでてきます。

「虫のこえ」の2番に

きりきりきりきり こおろぎや/がちゃがちゃがちゃがちゃ くつわ虫/あとから馬おい おいついて

ちょんちょんちょんちょん すいっちょん/秋の夜長を 鳴き通す/ああ おもしろい虫のこえ」

とあります。

「きりきりきりきり こおろぎや」とあるのが不思議だと思いませんか

コオロギは「コロコロコロ」じゃないのとつっこみたくなりますが、

元歌は

「きりきりきりきり キリギリス」だったのです。

いまでも、小学校の音楽の教科書に載っています。コオロギになったのは、秋の夜長に鳴き通すのはキリギリスではないのではと誰かがいたのでしょう。

元歌は明治、江戸時代にはキリギリスはコオロギのことだったようです。

万葉集にはコオロギの歌が詠まれていますが、その頃のコオロギは鳴く虫の総称だったようです。

平安時代になると、現在いうコオロギはキリギリスのことで、キリギリスはハタオリと呼んでいます。

時代とともに、呼び名も変わっているのすが、今の小学生には誤解されないように「キリギリス」が「コオロギ」に置き換わったようです。

コオロギのなかまには、エンマコオロギ、ミツカドコオロギ、ツヅレサセコオロギ、オカメコオロギなどがよく知られています。

ほかに、アオマツムシは中国から日本に入ってきた帰化種がいます。

カンタンは「ルルルル・・・」という連続音で草原でないています。

カネタタキは「チンチンチンチン・・・」と鳴いており、家の周辺でも見ることができます。


バッタのなかま

2023-09-13 | フィールドガイド-昆虫編--

バッタの仲間

バッタの代表といえばトノサマバッタ。

トノサマバッタの仲間がアフリカやアジアで大群になって大移動して農作物に被害を与えたというニュースを聞くことがある。

深刻な農業被害をもたらすのはサバクトビバッタ。

トノサマバッタは大群になることはありません。

 

もともとトノサマバッタの仲間は乾燥に強く、砂漠のような乾燥した大草原に住んでいます。

卵も土の中に産み、乾燥から卵を守るようにしています。

バッタの仲間は不完全変態で、さなぎの時期はありません。

生まれたときから幼虫の姿は成虫の小型の姿で、脱皮してだんだん大きくなります。

幼虫の時はイネ科の草が生える草原ですごし、成虫になる石ころや砂地の乾燥した川原などですごします。卵は砂地や石ころのある場所に土をほって産卵します。卵は春まで休眠します。

バッタのなかまは、日本では約390種います。

バッタやイナゴなどは、主に昼間に活動し、草を食べます。

コオロギやキリギリスなどは、主に夜行性で、草の葉や他の昆虫を食べます。

 

昼間に活動するバッタのなかま

トノサマバッタ(バッタ科)

荒れ地でよく見られます。体は太く体の色は、緑色から褐色までいろいろあります。ダイナミックに飛ぶ姿は「とのさま」にふさわしい感じがします。

 

オンブバッタ(オンブバッタ科)

頭部はかくすい形で尖っていています。体長は雄25mm内外、雌は42mm内外です。イノコズチやキク、シソなどの葉を食べます。秋にはオスを乗せた姿をよく見かけます。7月~10月に見られます。

 

ショウリョウバツタ(バッタ科) キチキチバッタとも呼ばれます。形はオンブバッタと似ていますが、大型で後ろ足が長いのが特徴です。体長は雄40~50mm、雌75~80mmです。エノコログサやメヒシバの生えた場所でよく見られます。

コバネイナゴ(イナゴ科)

体長28~40mmほどで、体長は緑から黄色緑色。羽(はね)の長さには個体差がある。顔から腹にかけての黒い帯があるのが特徴です。地中で卵の形で越冬し、8月~11月ごろまでヨシ原でよく見られます。

 

ホシササキリ(キリギリス科)

猪名川の川原でよく見られます。ジージーと嶋いています。体長は13mm。よく似ているものにウスイロササキリがいます。

 

ササキリ(キリギリス科)

ササの葉の上でよく見られます。ジリジリと鳴きます。体長は13mm。日かげのササの葉の上でよく見られます。


女郎蜘蛛と上臈蜘蛛ージョロウグモー

2023-08-29 | フィールドガイド-昆虫編--

ジョロウグモ

ジョロウグモの原産地は、日本、韓国、中国、台湾です。

最近、そのジョロウグモがアメリカのジョージア州北部に生息していることがわかりました。(2014年)その後、ジョロウグモはジョージア州北部からアラバマ州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、テネシー州まで広がっています。

なんらかにまぎれてアメリカ大陸に行ったようです。

 

ジョロウグモは黒脚に黄オレンジの縞模様、明るい黄色の体に青緑の縞模様があり、背中には赤が入っています。オスのクモは8月下旬に、メスのクモは9月から10月上旬に成熟します。

 

秋のクモでジョロウグモの巣がやたら目につくようになります。

直径が50cm位ある大きな巣の真ん中にジョロウグモのメスがでんと居座っている姿をみると、クモの嫌いな人にとっては迷惑な話でしょう。

ジョロウグモのオスは他のオスからメスを守るために交尾のあともメスの巣で居候を続けます。(写真の上の小さいクモがオス)

メスは冬が近づくと、産卵を控えておなかに卵をかかえています。

寒くなる11月の中頃から12月初め頃には木の幹や建物の壁などに卵をうみつけます。

卵は赤い色で卵のうにつつまれ春まで待ちます。

 

 

ジョロウグモを漢字で書くと、「女郎蜘蛛」と書きます。ところが、辞書をみるともう一つ上臈と書いてあります。

「上臈」とは平安時代、後宮などに仕える女官で身分の高い順に上臈、中臈、下臈ととなります。江戸幕府の大奥の職名としても上臈という官位がありました。

ちなみに講談社の「日本語大辞典」で「上臈」を引いてみると

  • 年功を積んだ高僧 ②身分の高い人,上流の人 ③身分の高い女官,上臈女房 ④江戸幕府の大奥・・・」

「上臈」とは身分の高い意味で使われていましたが、いつ上臈(ジョウロウ)より女郎(ジョロウ)グモが主にになったのかはわかりません。

 

ジョロウグモには妖怪伝説があります。

400 歳になるまで生きつづけると、魔法の力が発達し、昆虫の代わりに人間を食べるようになる話です。

魔法の力がついた女郎蜘蛛は洞窟や森、街の空き家などに巣を作り、若くて美しい女性になって現れます。

女郎蜘蛛はよい男性を見つけると、愛情を約束して家に誘い込むと、弱らせ、男性を長く苦しませてながら死を待つのです。

女郎蜘蛛は都市の真ん中でさえ、気づかれず何年もこのように行動し、愚かな若者の骸骨を何百も積み上げている。という怖い話になっていきます。

そのようなところから、女郎蜘蛛のほうが定着したのではないでしょうか。


キムネクマバチとタイワンタケクマバチ

2023-08-22 | フィールドガイド-昆虫編--

クマバチ キムネクマバチとタイワンタケクマバチ

真っ黒なクマバチを見つけた。

ヘチマの雄花の蜜を吸っている。

このクマバチは中国の竹材などまじって日本に来たタイワンタケクマバチ。

体長は2cmほどで全身が黒く、脚には毛が生えており、羽は褐色です。

 

 

タイワンタケクマバチは腹部が在来のキムネクマバチと比べて長いようです。

国立環境研究所の侵入生物データベースでは、国内では2006年、愛知県豊田市で初めて確認されたとしています。

東は長野県、西は京都府などまでとされていたが、最近は兵庫県の阪神間でも確認されています。

 

タイワンタケクマバチの主な営巣場所は、名の通り竹、しかも枯れた竹です。

民家や農地などの竹棚、竹林、竹材置き場などに生息しています。

キムネクマバチは枯れ枝に穴をあけて巣をつくります。

タイワンタケクマバチもキムネクマバチもミツバチの仲間で、毒針があります。

しかし、どちらも毒針はあるのはメスだけです。

基本的におとなしい性格の持ち主であり、自分から人に攻撃することはめったにありません。


タマムシ

2023-08-17 | フィールドガイド-昆虫編--

タマムシ(ヤマトタマムシ)

 

タマムシ(ヤマトタマムシ)は体長で、本州、四国、九州に広く分布し、成虫は盛夏の日差しの強い昼中にのみ活発に活動し、エノキ・ケヤキ等の広葉樹の梢の上を飛翔しているものがしばしば観察されます。タマムシの幼虫はエノキ、ケヤキ、サクラなどの衰弱・枯死木の中で材を摂食し、成虫になるまで材内で2~3年過ごします。

タマムシの翅がきれいなのは

もともとタマムシの翅には緑の地色が着いています。

そこに幾重の透明な層が表面を覆っているので、様々な色が出せるのです。(構造色)

CDが光るのとおなじなのはこれも構造色のしくみです。

 

タマムシは昼行性、夏の天気のいい昼間に、日の当たる高い所で活動します。

めだって鳥に食べられないのかしらと思いますよね。

実は鳥はタマムシ色が苦手だということがわかっています。不思議ですね

そして、交尾するために目立っています。

 

奈良県の法隆寺にある国宝・玉虫厨子は、タマムシの翅鞘(外ばね)が装飾に使われていることでも有名です。

2m以上ある玉虫厨子はもともと推古天皇の愛用品であり、仏像を安置するための厨子をタマムシの光輝美しい羽で装飾したことからよばれるようになりした。

厨子は宮殿を模した最上部は黒の漆喰で仕上げた木造で、飛鳥時代の建築様式をそのままに伝えています。

玉虫細工がほどこされているのは柱や宮殿入り口部分で、虹色の縞模様を見せる玉虫の羽が入れられており、それを唐草模様の透かし彫りの金具で重ねてあります。

これも、長年の研究によってわかったことなのです。調査によると4000匹以上の玉虫の羽が使われていると言われています。

 

玉虫厨子を実際みにいってもどこにタマムシの翅がつかわれているのかよくわからないようで、マニアは見に行くときは懐中電灯と双眼鏡をもち、じっくり眺めて探す必要があります。

複製品だが、身近で見られるのは高島屋資料館(髙島屋東別館 3 階2020 年 1 月にリニューアルオープン)で常設展として展示されています。うれしいことに見学料は無料です。

10:00~17:00(入館は16:30まで)休館日:火・水曜日、年末年始、展示替の期間

 

最後に「タマムシ」はコガネムシ?

「童謡"黄金蟲"はタマムシだ!?」(枝 重夫;『月刊むし』2010年6月号(472号))

野口雨情の「コガネムシは金持ちだ・・・」のコガネムシは野口雨情の出身地茨城県磯原町ではタマムシをコガネムシというところから枝氏は考察した。ところが石原保博士がコガネムシはチャバネゴキブリ説をとなえた。(コガネムシは金持ちではない話@『虫・鳥・花と』築地書館;1979年)

理由は群馬県高崎地方では、チャバネゴキブリをコガネムシとよび、この虫がふえると財産家になれるといわれていたところからだが、

さて、どっち 夏の自由研究によいテーマかも


蟻地獄―ウスバカゲロウー

2023-08-12 | フィールドガイド-昆虫編--

蟻地獄―ウスバカゲロウー

アリジゴクはウスバカゲロウ類の幼虫のことです。

雨の当たらない、乾いた細かい砂のある場所に好んで穴を作ります。

すり鉢状の穴(巣)は、アリなどの小さな昆虫が巣に落ちると逃げられない。

落ちてきたところを捕食します。

蟻などが穴に落ちると2本のアゴでくわえて捕まえます。

捕まえたときに唾液が蟻の体に入ると動かなくなります。唾液には毒がふくまれ、フグの毒の130倍も強いとか。

そして、体液を吸い取り、かすは穴の外へ放り出します。

 

幼虫時代は2~3年です。その間、ウンチはしません。

小動物の体液だけを吸っているため、ウンチをしなくてもよいようです。

しかし、長い間にはさすがにウンチがたまるので、成虫になったときに、はじめてこれを出します。

 

名前の由来は、アリがよく穴に落ちるのをみてアリ地獄となったのでしょう。

蟻地獄は小学生から大学研究者まで研究の材題になっています。

 

 

成虫のウスバカゲロウ

カゲロウはよくはかない命といわれますが、たしかにクサカゲロウの仲間は成虫になってからの寿命が数日です。

しかし、ウスバカゲロウは比較的ながく、成虫で1ヵ月以上生きます。

 


ひらひらと優雅にとぶトンボーチョウトンボー

2023-07-31 | フィールドガイド-昆虫編--

チョウトンボ

その名のとおり、チョウのようなはねをもち、ひらひらと飛びます。

後翅の幅が広く、翅のつけ根から先端部近くにかけて光沢のある黒紫色のトンボです。

 

チョウトンボは開放的な池沼で見られます。

ヒシなどの浮葉植物のある池などで産卵するので、浮葉植物のない池ではあまりみることはありません。

オスのはねは青紫色をしており、メスでは黒緑色をしています。メスはまれにオスのように、はねが青紫色をしたものもいます。

 

チョウトンボの翅のひみつ

よく見るトンの羽は透明ですが、チョウトンボは青紫色です。しかも、金属的な光り方をしています。

蝶は鱗粉によって光沢をだしますが、チョウトンボには鱗粉はありません。

チョウトンボの光沢は翅の構造によります。翅の翅脈が透明のトンボと比べてたいへん緻密にできています。この緻密さが光沢をみせています。(構造色=緻密な構造による発色現象、タマムシなどもそうです)

チョウトンボの濃い青色が、光のあたりかたによって黒金色や黄金色に見えるのはそのためです。

 

熱中症に気を付けて

最近35℃を超えるのがあたりまえのようになりました。熱中症の注意報が毎日のように流れます。

チョウトンボのいる池ではほとんど日陰のない池が多いです。

そんな日材の中でトンボの観察をしていると、チョウトンボが逆立ちして止まっているときがあります。

日差しが強いとき、体温の上昇を防ぐためにチョウトンボは日の当たる面積を減らして少しでも体温の上昇を防ぐのです。

観察している人もこれを見ると熱中症になる温度に上がっていると気を付ける必要があります。

 

 

【見られる場所】 特に水草の多い水辺で見られます。産卵はメスが単独で、浮葉植物の間の水面を腹端で打ち付けるようにして行います。

【見られる時期】 6~9月


クマゼミ ー「関西勢が進出してきました!」

2023-07-24 | フィールドガイド-昆虫編--

クマゼミ

外からはいっせいにシャーシャーと鳴き声が家に入ってきて暑さが倍増する。鳴き声はクマゼミ。

 

「クマゼミ

とうとう谷戸山にも関西勢が進出してきました。関西では主流のセミで、近年太平洋岸沿いに北上して来ていますが、今年になり谷戸山でも数匹の鳴き声を聴きました。」(谷戸山里山四季だより;2001年9月号)谷戸山は神奈川県座間にある県立座間谷戸山公園の冊子より。

2017年度の町田市の「セミの鳴き声調査」報告書によれば、クマゼミは「7/1 の調査開始から、10/15 まで鳴いており、ピークは8/9 だった。」と記録されている

平成27年度千波湖環境学習会開催(第 8 回、第 9 回)の報告では「関西でよく聞かれるクマゼミが生息北限の上昇により茨城県でも確認されていること、」と述べられている。

気象庁の夏の「いきものしらべ」でも茨城県でも8月にクマゼミの鳴き声を聞いたと報告がある。

現在、鳴き声は宮城県でも確認できている。

ウエザーニュースが「あなたの街で1番聞こえるセミの声」についてのアンケートを実施している。

「結果、東日本ではミンミンゼミ、西日本ではクマゼミ、日本海側ではアブラゼミがそれぞれ多く聞こえているようです。」とある

 

クマゼミは関西のセミのように書かれているが、九州などの温暖な地域に多いセミだった。

関東の人にとってはうるさい関西人のイメージなのかもしれないが、

関西でも昔からクマゼミが優勢だったわけではない。

これについては、中学校のしかも国語の教科書に書いてあるので紹介する。

 

「1960年代では関西でもクマゼミはレアな存在だった。クマゼミの卵は寒さに弱いので冬をこせなかったが、ヒートアイランド現象により冬を越せる条件ができからと考えられていたが、気温上昇によって、う化の時期が早くなり、梅雨と重なってクマゼミのう化率があがったこと、ヒートアイランド現象により乾燥した地面が固くなりう化したセミが地面にもぐる力がクマゼミがほかのセミに比べて高いので生き残ることができた。」

と中学校の国語の教科書(光村図書 クマゼミ増加の原因を探る)

温暖化とクマゼミの広がりを説明している。

 

クマゼミ(セミ科)

明け方からいっせいにシャーシャーと鳴き出し、昼頃には鳴き終わる。そのあとアブラゼミの声が優勢になる。大きさは6~7cm。羽は透明で、背中側の胸は黒色で模様はない。