野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

子どもの本がおもしろい㉗粘菌

2018-08-21 | 資料を読む

おそらく森の中で出会ったことがあるかもしれないが自信がない。

粘菌、子ども向けの本として2冊見つけた。

かしこい単細胞 粘菌 (たくさんのふしぎ傑作集) 中垣 俊之著 2015年 福音館書店

月刊 たくさんのふしぎ( 2012年 11月号) 雑誌で発表されたものを「たくさんのふしぎ傑作集」として新たに発刊されたもの。


小学生に説明するのには少しむつかしいと思うが、


筆者中垣さんは、イグ・ノーベル賞を受賞すること2回。2008年・2010年にイグ・ノーベル賞を受賞した方。
「粘菌が迷路を最短ルートで解く能力があることを世界で初めて発見 」した方で2000年に発表した。
どのようにとくのかというと、粘菌が迷路の道筋全体に広がり、餌を入口と出口に与えると、迷路の行き止まりの経路にある部分が弱ってなくなる。
入口と出口をつなぐ経路が管となって残る。最短距離の管を選んで 1 本の太い管になってしまう。
入口と出口という離れた二つの場所にある餌に群がると共に、最短ルートで管を形成する事によって、一つの個体を維持したまま効率よく餌が摂取することができるということです。
この説明をするのに 二つのえさの中央に置いたとき粘菌は短い距離で餌を獲得する様子からはじまる様子も詳しく書いてある。


読んで実に面白いのだ。
イラストで我慢できない人は 「もりのほうせきねんきん」新井文彦著 ポプラ社 2018年
がおすすめだ。粘菌の写真がたくさん載っている。
こんなきれいなのが森の中にあるのにはびっくりだ。


トンボのヤゴの見分け方

2018-08-21 | フィールドガイド-昆虫編--

トンボ目の幼虫は「ヤゴ」と呼ばれ、水中に生息しています。河川に主に生息しているのはカワトンボ科とサナエトンボ科のなかまです。シオカラトンボやアカトンボ(アカネ類)、ギンヤンマなどは主に水田やため池などに生息しています。しかし、流れが緩やかな河川下流部では、本来止水域に生息するトンボも見ることがあります。

カワトンボ科(トンボ目)
 細長い体をしており、イトトンボとよく似ていますが、触角のようすで見分けることができます。川岸の植物がよく茂っているところや落ち葉がたまった場所などに生息しています。中流部で最もよく観察されるのはハグロトンボです。カワトンボ科、イトトンボ科、モノサシトンボ科などの幼虫の尾は平坦で幅広く、鰓(えら)の役割を果たしており、 尾鰓(びさい)と呼ばれています。

アサヒナカワトンボ
上中流部の落ち葉がたまった場所や川岸の植物の根際などに生息しています。

ハグロトンボ
アサヒナカワトンボよりもさらに細長く、中下流部川岸の植物の根際などに生息しています。

見た目はよく似ているのですが触覚でみわけます

 


2014年 「生きている淀川」桂川紹介

2018-08-21 | 野生生物を調査研究する会の紹介

2014年 「生きている淀川」桂川紹介

最近の増水で被害もあった桂川。多くの歴史が桂川だけでも多くあります。
淀川を1冊の本にまとめたとき、桂川だけでも1冊いるだけの情報のある川です

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桂川の源流は「佐々里峠」付近にあります。
桂川は源流から、広河原、花脊を南に流れ、花脊の南部で流れを大きく西へと変えます。京北地区では東から西へ大きく蛇行しながら横断し、南丹市の世木ダム・日吉ダムを経て、亀岡盆地にはいります。亀岡盆地から、保津川下りで有名な、保津峡に入り嵐山へ、京都盆地へ。桂川は、京都盆地で鴨川と合流し、三川合流となります。

多くの呼び名をもつ桂川
桂川は、歴史的に古い川であり、その歴史との関わりにおいて、その流れのある個所に通称としての川の名前があります。
上流から
上桂川→桂川(南丹市園部地区)→大井川(南丹市八木地区から亀岡市)→保津川(亀岡市保津町請田から嵐山)→大堰(おおい)川(渡月橋を挟み堰と堰の間2km)→桂川
となります。

「大堰川」は渡月橋のすぐ上流の堰(せき)とすぐ下流の堰の間だけの、わずか2㎞ほどの川筋を指します。これは、六世紀頃、この地域の支配者である秦(はた)氏が、下嵯峨から松尾にかけて大堰を築く、治水工事をおこなったので「大堰川」と呼ばれるようになったそうです。
保津川は、蛇行しながら深い峡谷を流れている。この渓谷は先行谷の地形であり、河川流路が決定された後に流路を横切って土地が隆起し、もとの流路を維持したまま下方侵食によってこの渓谷ができたものです。

亀岡盆地を流れる大井川。その大井町には、鯉に関する文化や風習が残っています。5月5日の端午の節句に、鯉のぼりを決して揚げないという風習が残っています。鯉を飼うこともしないし、食べてもいけないそうです。
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(生きている淀川 より抜粋)