思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

奥武蔵の残雪の様子を見に行ったつもりが、結局は徒歩旅に

2014-03-21 23:59:59 | 徒歩
19日(水)、奥武蔵を再訪した。
先月の大雪以降、毎週のように行こうと気に留めていながら結局は前回の先月26日(水)から3週間も経ってしまったが、ネット上で東京近郊の山では特に情報量の多い高尾山の雪融けの変化を基準に日々注視しながらほかの山域も進んでいるであろうことはだいたい予測できていたが、それでも奥武蔵の山や道の状況を実際にたしかめておきたかったので行ってみた。

それで、たまには明記しちゃうが、事前にいろいろ検討した結果のコース設定はおおまかには、東武越生線・東毛呂駅→桂木峠→龍ヶ谷(たつがや)→関八州見晴台→傘杉峠→顔振峠→吾野駅、の約18kmという感じ。今年で創刊50周年の昭文社「山と高原地図」の「奥武蔵・秩父」の範囲内で言うと、中央やや下の東端から真ん中あたりへ「く」の字型に西進した感じ。
なぜこうしたかというと、特に越生町西部の龍ヶ谷と梅本というふたつの集落も大雪当時に孤立解消が遅めだったそうで、その後が気になり、ここを経由したかったから。
それとともに、先月27日の投稿でも触れた首都圏自然歩道(関東ふれあいの道)のコースの一部も絡めることにした。



埼玉県内で梅林というと越生町が有名だが、その近隣の毛呂山町にも多少あるにはある。東毛呂駅から20分ほど進んだあたりにあった白梅は見頃であった。


越生町を中心に進めている、明日に実施の「ときがわ・越生・毛呂山縦断ハイキング大会」のコースの一部。標高100mくらいの山道でもおそらく大雪による杉の倒木や枝葉は結構あるが、そのコース上の横たわる幹はチェーンソーで切り分けてひとまず通行には支障ないように対処していた。


ここもハイキング大会のコースの一部。案内も分岐点にいくつか。


林道ではクルマは通行止めにしていたが、今は凍結箇所はなく、それよりも倒木でふさがっていたり枝葉が積もったりしているほうが問題で、なんとかしないと。あとは崖崩れと落石もこれからまだ多くありそう。


狙ったわけではなくたまたま龍ヶ谷の龍穏寺を通りかかったもので、ここにある関東人にはお馴染み? の太田道灌の墓にもせっかくだからと立ち寄った。越生町もたまに出かけるが、ここの訪問は初めて。


工事は終了した模様。


龍ヶ谷よりも西で標高はやや上がる梅本の集落のあたりも、雪はほとんど消えていた。が、右のゴミ収集用の簡素な小屋の屋根は潰れていた。そのくらい積もったということはなんとなくわかる。


梅本からクルマは通行止めで、林道の支線から標高450mより上で山道に入ると雪が出てきた。


標高650mを越えると林道の日陰でも残雪が多く、しかもこのようになぜかガードレール寄りの谷側のほうだけほぼ直線的に融けているところが多かった。この現象はなんなのか、不思議。まあ雪上も気温が低くて固く締まった朝夕は歩きやすいだろうが、昼間の暖かくなって雪が緩んだ頃ではズボズボはまるので、ガードレール際を小さな歩幅で横歩きするほうが幾分ラクだった。


麓の林道梅本線から、尾根上にある幅広の奥武蔵グリーンライン(排水溝よりも手前)に合流。休日は特に観光のクルマの交通量がそこそこ多い林道だが(深夜は傍若無人な走り屋も多いが……)、雪融けは進んでいても部分的には残雪があるのでクルマやオートバイは通行止め状態で静かだった。


残雪のあるところでは先行者の踏み跡もあり、それにも少々助けられた。これは輪かんじき(アルミ製のスノーシュー?)だと思う。たまに鹿の足跡もあった。おそらく鹿も先月はツボ足ラッセルだったようで。


今回の行程の最高地点の、標高771mの関八州見晴台。学生時代以来の久々の再訪。山の頂上ではないので達成感はやや薄いが、よく晴れれば富士山も見えるし、ほぼ全方位で眺めはとてもよろしいので、季節を問わず今後もっと多く行くべきだと再認識した。ここのやや下方にある高山不動尊とともに。


もっと晴れていれば群馬県や栃木県の山も見えていたのだろうが、近所の埼玉県内の山々だけでも満足。右端は武甲山。


指導標(最近は山岳雑誌などでは目的地・距離・時間の標示は「道標」ともよく書かれるが、自然歩道に関する公的な表現は「指導標」のほう)や案内板や休憩舎など自然歩道の付帯施設は、学生時代に埼玉県コース155.5kmを全踏査したときに整備状況を調べ尽くしたこともあり、大雪の影響かそれ以前のいたずらによるものかはわからないがこのように抜けているのを見かけると少々せつなくなる。すべてに管理番号が付いていて税金で作っている公的な設置物なので、早めに修復してほしいものだ。


グリーンラインは大半は路面が見えていて通行に支障はほとんどなかったが、崖や沢に面したところでは残雪の多いところも部分的にあり、徒歩や自転車のような人力移動は通行できるが動力で全線を通行するのはまだ厳しいと思う。


上の写真の残雪のところだが、カーブミラーが雪でまだ半分ほど埋まっている箇所も。
ちなみに、僕がザックを背負ってその脇に差していて頭の後ろに飛び出た青色の袋はスコップで、凍結対策のためにピッケルとアイゼンも携行していたが(一応、登山靴も含めて日帰りで標高1000mから1500m程度の雪山も登れる装備で行った)、いずれも出番なしだった。また、今回は登山用のストックを携行しなかったが、左手に持っている途中で拾った杖(木の枝)はその代役で、しかも先端の片方が適度に曲がっているのが地面を突くときに衝撃を吸収してくれてかなり使いやすかった。約18km歩いたうちの6kmは頼っていたが、ホントに助かった。


傘杉峠。ここは3回目の訪問だったか。ここから500mほど西の林道分岐から通行止めが終わり、だからここはクルマの通行が若干ある。でもまあ平日なので静かだったけど。グリーンラインの全線開通は重機を駆使して本気で除雪をやれば早まるのだろうが(予算の問題もあって実際は困難だろうけど)、しぜんな雪融けを待つのであれば来月中旬以降かもなあ。


グリーンラインでは車両の速度は20km/h規制らしいが、実際にこれを遵守しているクルマ等は以前から見たことがない。平日であれば尚更。しかしまあこのときは通行止め区間があるせいで交通量は激減だったので、とても静かで歩きやすかった。


先月に行けなかった顔振峠。平日でもクルマで訪れた観光客は数人いた。そういえば、この峠の「平九郎茶屋」は手打ちそばや猪鍋を出すことで知られるが、「食べログ」にも取り上げられているのは今日知った。びっくり。街地の人気度を気にする飲食店ではこの風評に戦々恐々? だが、この峠ではそんな下界の猥雑な情報なんてどうでもよくなってしまう時間が流れているから無問題だろうけど。


顔振峠を遠めから。この峠は4回目だったかなあ。ここにも県内有数の正しい山村の風景があるのが好き。梅は満開であった。


顔振峠からの林道のショートカットの山道は、峠に近い高いほうでも倒木が結構あった。


その一部で、怖いもの見たさで試しに杉の枝葉を叩いてみると、この時季のテレビ番組の気象情報や花粉症を扱う特集内で資料映像として頻出する、花粉が飛散するさまを目の前で見てしまった。花粉はやや黄緑色なのね。花粉症持ちには目に毒の写真で、怖い怖い。


ほぼ完全に雪は消えた山道と林道の合流点。先月は排水溝より手前の山側は、膝丈のラッセルというくらいの積雪量だったのだが。


国道299号から逸れた吾野宿の旧街道の2車線道路も先月は除雪の雪の塊で狭まっていたが、今はすっかり消えている。


吾野駅前。先月はこの付近もほぼ真っ白で駅から車道へ下る階段(地元民の動線)も片側が雪かきで埋まっていたりしたが、もう大丈夫。


吾野駅に着いたのは日没前だったので、このあとに先月の投稿で触れた秩父市街も再訪して雪融けの様子および交通も確認してきたが、先月との比較のための写真を投稿に少し追加した。

今回歩いた印象では、標高の低い山域では予想よりも雪融けは進んだが、それでもこれまでの奥武蔵などの登山経験からざっくり線引きすると標高600mよりも上ではまだ残雪がそこそこあるように思う。だから先月23日の投稿で触れた秩父三十四ヶ所札所巡りのコースも、今はその大半では雪は消えただろうが、その最後の寺である三十四番の水潜寺に限り、南の(学生時代に自然歩道絡みで一度登ったことのある)破風山(627m)を越えてこの寺へ行く場合は山頂の近くでまだ日陰で残雪や凍結の注意すべき箇所があるかもしれない。でもこれも遅くとも来月中旬には解消されるはず。

そういえば、大雪被害の多かった埼玉県や山梨県などの集落の孤立はすべて解消されて、あと気になっていたのはニッチツの秩父事業所の抗排水処理施設の電源確保の問題だったが、それも復旧して11日に作業が再開されたそうで、安堵。もしそれが処理できない状態が続くとそこから流れ下った荒川の水質にも悪影響がおよぶからなあ。
一昨日に慣れた道を巡った結果とこの報道により、気を揉み続けていた関東甲信越の大雪関連で滞っていた移動に関する事象はそろそろ大丈夫だろうと思い直し、登山など野遊びの極私的な自粛を今日から解除することにした。5週間ぶりに。各地の農業被害はいまだに気になるけれども。
ただ、標高1000m超の山域は残雪や雪崩とともに、(今回は見られなかった)日陰の路面凍結、倒木、地盤の緩みによる崖崩れや落石などに、例年以上に注意しないとなあ。まあそこは迂回路を検討したりいつもよりも時間をかけて注意深く進むしかないか。

しかしまあ雪山も好む登山者のひとりとしては正直、例年よりも残雪の多い近場の通い慣れた山はとても魅力的な状態なので、今年は黄金週間あたりまで奥武蔵とともに奥多摩や奥秩父の山にこだわるつもり。


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