思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

なんだかんだで8回目の、一箱古本市の出店の結果

2014-05-05 00:00:00 | その他趣味

3日(土・祝)、予定および予告どおりに、谷根千の不忍ブックストリートで今春にもう春・秋合わせて16回目の開催となった一箱古本市の2日目に出店し、僕というか拙店「人力旅人の本箱」として春は8年連続の出店も無事に終わった。

まずは、不忍ブックストリート実行委員会、出店場所を提供してくださった“大家”さん、当日の運営に携わった助っ人さん、今回の開催にかかわったすべての方に謝意を。今回もありがとうございました。そしてお疲れさまでした。もちろん買う・買わないにかかわらず、当日に根津教会で拙店の箱を覗いてくださったお客さんにも感謝。

肝心の拙店の結果だが、出店後の夜の表彰式で知ったこの日の全出店者の1箱平均の売り上げ金額は1万6000円超だったが、それには遠くおよばない5000円ちょうど。これは07年以降の8回の出店で4番目の売り上げだったが、今回は箱の内容に特に自信があってもうちょいいけるかも、という感覚はあったので、惜しい。でも今回もまた楽しかったからまあいいか。

当日、実際に売れたモノは、売れた順に以下。

・百年前の山を旅する (服部文祥、新潮文庫)  300円
・だいたい四国八十八ヶ所 (宮田珠己、集英社文庫)  400円
・週1回、旬の道を歩く (山と溪谷社)  700円
・百年前の山を旅する (服部文祥、新潮文庫)  400円
・野宿野郎 5号 (野宿野郎編集部) 300円
・ロスからニューヨーク走り旅 (坪井伸吾、ラピュータ)  800円
・ちづかマップ (衿沢世衣子、講談社)  500円
・一歩ずつの山歩き入門 (四角友里、出版社)  600円
・野宿もん (かとうちあき、徳間書店)  800円
・百寺巡礼 第七巻 東北 (五木寛之、講談社文庫)  200円

50点持参のうちの9点で計10冊。なのに5000円になったという。ありがたや。
ただ、拙著『沖縄人力紀行』(彩図社)は今回も売れず。手に取る方は多かったんだけどなあ。

それで、上記の今回売れたモノに関する特筆したい補足を3点に絞って。
まず、1月末の投稿でも挙げた『百年前の山を旅する』はそこでも触れたように複数冊持っているので、3冊持参して小出しに出品したうちの2冊が売れた。価格を300円と400円と変えたのは、300円のほうには表紙カバーにやや汚れがあったため。
次に、どれとは言わないが午後に一箱古本市の主宰の南陀楼綾繁氏が、出店8回目にして初めて拙店で本をお買い上げで。そういえば今年は“ミスター一箱古本市”と大書した黄色の襷がけはやめていたなあ。まあいいか。
そして、『野宿もん』は、著者の<か>の適当でふざけたサイン入りで、実はこれは著者本人も渋々認めている誤植と疑問点だらけの本なのだが、その箇所に僕が(本業の)校正者の目線で付箋を立てまくったままの「間違い探し本」という、これまた適当なカタチで一昨年から出品し続けていたのだが、今回ようやく売れた。買ってくださった方(実は今回の出店者さん)に付箋の理由を話すと「間違い探し」をやる気満々のようで、このくだらない遊びに乗ってくれる方のもとに本が行き渡ったのはとても嬉しい。このほかにも野宿関連の本は例年どおりに喰い付きが特に良かったなあ。同時刻に先月27日(日)と同様に「夕やけだんだん」の上で便乗で出店していた会社のようなもの? のほうの結果は、出店後の夜に会社の“幹部”と会ったときに訊くのを忘れたけど。

ほかにも、呼び水というか掴みの意味で昨年の出店と同様に出品していたフリーペーパー『山歩みち』をご希望の方に配布し、お客さんからの反応も無料なのに質の高さが、とかいう反応も昨年に続いて良かった。先週に最新刊の015号が出版されたという情報も付け足そうかと思ったが、僕もまだ入手していないものでたいした説明ができないからやめておいた。それが不要なくらいホントに反応は良かったから。「これから登山を始めようかなあ」と言うお客さんにも推しておきましたよ。

ほかに当日で思ったことは、例年以上の暑さで11時30分以降はずっと日向だったが、なんとか持ち堪えた。僕は思ったよりも暑さに参ることはなかったが、根津教会ではやはり机を使って出品できたので箱を地面に置くよりも立った(起立した)ままで本を比較的扱いやすかったから、ということもあると思う。まあ8回も出店し続けていると雨天時の状況や対処法もよく心得ているし、天気はやはり雨よりも晴れのほうがよいに決まっている。
あとは、根津教会は根津神社の「文京つつじ祭り」へ行く方が多くてその通り道になっていて、一箱古本市(とスタンプラリー)が目当てのお客さんよりも不忍通りと根津神社の往復の通りすがりで一箱古本市を今回初めて知ったという方のほうが多かった印象が。まあ、そういう方たちも今後もより多く取り込めると良いものだ。

そういえば、当日は近年の古本業界の雄である「古本屋ツアー・イン・ジャパン」さんも各店をまわっていたのはなんとなく小耳に挟んでいたが、先程、ブログの3日付の記事を読むと経路の序盤で拙店のことも軽く触れていて、誠に光栄。たしかに「人力」の「旅」のこだわりが揺らいだら自分らしくないと07年の初出店からずっと自負しているため、その点を汲んでいただけたお褒めの言葉と受け取っておく。実は“古ツア”さんが根津教会にやってきたという11時25分頃まではまったく売れていなかったのだが、それを境にようやく売れ出して上向きになっていったので、今回の“古ツア”さんは福の神のような存在である。感謝感激。
ちなみにそのブログ、更新頻度が高くてすべての記事を追うのは困難ではあるけれど、いつも僕の地元の埼玉県内の記事は特に楽しく拝読しております。しかし昨年末に出版の著書はまだ読んでおらず、すみません……(というか、本で読むよりもブログの体裁のほうがブログ特有のタイムリー感と疾走感があって面白いから)。この書評やあのインタビューも参考に、古本業界に興味関心のある方にはおすすめ。

という感じの今春の出店だったが、当日の夜の表彰式で聞いたところでは今秋に小さな出店というか出展があるらしく、また、不忍ブックストリートを立ち上げてから10年経つ来年はややリニューアルかも? という話も出ていたが、今となっては「不忍ブックストリートweek企画」も含めて黄金週間の谷根千観光の一助になっている観はあるし(今年のweek企画のひとつの「古今東西雑貨店イリアス」で13日(火)まで開催の「Book's Friends 第3回 本ときのこ展」に、知人が出展・出品していたりする)、一箱古本市の助っ人さんは今回は多すぎても困るからと人数制限するほど希望者が多いと聞いたが盛り上げにもそんなふうに積極的な姿勢を観ても、不忍ブックストリートはまだまだ安泰だと思う。先月も触れた“ミスター一箱古本市”の新刊『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)の効果もこれからじわじわと現れるでしょう。
僕も一応、来年もまた出店できる準備はしておくつもり。


※7日(水)の追記
不忍ブックストリート関連のブログ「しのばずくん便り」の7日(水)付に、2日間それぞれの開催の全体的な結果と、各店の箱の写真が掲載された(箱写真のリンクは赤色の「*」のところ。リンク先の写真をクリックするとやや拡大)。
拙店「人力旅人の本箱」は3日の根津教会のところに。本文でも全部は触れていないこの写真にある出品物は、開始直前の特に自信のある言わば“先発”メンバーで。
ただ、写真を見返すと、この日の5時間の出店のあいだにお客さんに一度も触ってもらえなかった本や雑誌もあり、そこは大きな反省点だなあ……。毎年、何が売れるかはホントに予想し難いから、そうなるとつい多めに用意しちゃうもので……。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿