今クール(1月から3月)はいつになくアニメを観まくっていたのだが、数えてみると今クール限定のものと昨年10月からの2クール(3か月×2)やそれ以上の放送期間のものも合わせると、もちろん昨年末に触れた『ガンダム Gのレコンギスタ』(以下、Gレコ)と『ガンダムビルドファイターズトライ』(以下、GBFT)も含めると全部で、1週間で22本だった。
テレビドラマもいくつか観ているというのに、最近は30分未満のアニメもあるものの、時間にすると週に10時間以上とはホントに観すぎだな……。でも一応これでも“アニヲタ”や“萌え豚”ではないつもりなのだが……。
22作品のなかでも個人的に注目すべき点は、僕の身近な東武東上線沿線がアニメの舞台、いわゆる「聖地巡礼」の場となったことか。具体的に駅名で言うと、『神様はじめました』(2期。以下、神はじ)で川越駅、『冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた』(以下、冴えカノ)の一部で和光市駅、あと全話は観ていなかったが『デュラララ!!×2 承』(2期)で池袋駅、の3作品と3か所。
で、上の写真は『冴えカノ』7話で出てきた公園で、聖地巡礼についてよくまとめられている「あにたび -全国アニメ聖地巡り-」というウェブサイトを参考にすると、(左から)波島出海、安芸倫也、加藤恵が円形ベンチに座って夏のコミケ(コミックマーケット)の出展や同人誌に関する話をしているシーンで。
この公園のモデルの、和光市駅南口から徒歩3分で東京外環自動車道そばの「チビッコ公園」は僕が普段から(東京都内へ自転車と電車で出かけるときの経由地としての)和光市へ行くときによく通りかかる、見慣れたどころか見慣れすぎた公園で(東武東上線・東京メトロの下り電車からも見える)、まさかあの、なんの変哲もない公園がアニメの舞台のひとつになるとは、と驚いた。
ちなみに写真の撮影日は26日(木)で、ベンチに囲われた後ろの木は桜なので咲き始めの頃になった(べつに開花時期を狙ったわけではなく、偶然)。
ほかにも5話から7話にかけて和光市駅前の各所を劇中では「和合市駅」の駅前として扱っているが、これは(僕はチェックしていない)原作からこのあたりが舞台のひとつに設定されているそうで。なんでだろう。

5話のラストで、霞ヶ丘詩羽が佇んでいる駅前(南口)。26日撮影。画角もなるべく劇中の画に沿うように狙ってみた。

12話(最終話)の、完成前のゲーム(いわゆる“ギャルゲー”)画面の背景にも使われていた、7話と同じ公園。29日(日)撮影。26日から3日間は気温が高まった影響で桜はほぼ満開になった。ホントはアニメどおりの桜の葉が茂った状態を狙うのであれば、6月か7月が最適なんだろうけど。
でも主舞台の学校は和光市ではなく、東京都豊島区から新宿区にかけての都電荒川線沿線で。そのへんも馴染みのある地域なのよね。
それから、東武東上線からは外れるが、『四月は君の嘘』(以下、君嘘)で西武池袋線と新宿線の練馬区・杉並区・西東京市あたり、『SHIROBAKO』で主舞台はJR中央線・武蔵境駅あたりだが中盤の話数で関越自動車道・練馬ICから嵐山PAへ誤って行ってしまったという小ネタもあり、『ローリング☆ガールズ』では地元が所沢市(しかしストーリーはロードムービー的な展開で西進して広島まで旅した感じ)、と、身近な地域を扱う作品が多かったのは感涙モノであった。
しかし、なぜ同時期にこんなに埼玉県と東京都西部の地域ネタが集中したのだろうか。まあそれが今クールにアニメにどっぷりはまってしまった主な原因ではある。
また、以前も触れたかと思うが、近年はマンガや小説(ライトノベル)のアニメ化が年々盛んになっているが、それによって注目度が高まって掲載誌や単行本の売り上げがさらに伸びて連載中の作品は弾みがつく、という版元もアニメ制作会社もWin-Winとなる? 現象を出版業界目線で注目していることもあり、その興味からアニメを観ているということもある。まあ、好んで読んでいたマンガがアニメ化で絵が動くのが面白そう、という従来の愉しみ方もあるけど。書店のコミック売場でも、その時期の映像化作品の特集を組んで原作を陳列しているところも最近は多いよなあ。
マンガ原作で今クールに観ていたほかの作品で言うと、『ワールドトリガー』、『七つの大罪』、『弱虫ペダル GRANDE ROAD』(2期)、『黒子のバスケ』(3期、週刊少年ジャンプの連載は終了で、結末までアニメでも描くはず)、『幸腹グラフィティ』、『暗殺教室』、が特に注目されていたように思う。
あと、『寄生獣 セイの格率』は旧作で2クールのアニメ化だったが、同時期に実写映画化とともに単行本の新装版も作られたりして今になって掘り起こされたというか再評価されているというのも面白い。今後もこのように(映像を扱う分野で企画を作る・現場を指揮する立場に成り上がった人々が、若い頃に好んでいた原作を掘り起こしたい? という心意気というか私欲から)旧作を映像に引き上げる傾向もしばらく続く気がする。
ただ、『君嘘』の「連載インタビュー」(の原作者・新川直司編以降)にあるが、原作の(月刊少年マガジン)連載とアニメを同時期に終了させるという条件付きの試みもあり、この場合は(近年は常にフル稼働状態の?)A-1 Picturesによる制作は物凄く大変になるのだろうが、作品を儲かるからと安直にではなく大切に扱っていることが放送を観ていてもわかる、ということもある(「連載インタビュー」の立石謙介編で、アニメ化を一度断っていた経緯の話はグッとくる)。このような同時進行ぶりは、僕個人的には『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』以来か。
22本は過去最高なくらい多すぎたので、来月以降の4月クールはもっと減らしたいものだ。と言いつつ、すでに観ようと決めている作品が3月以前からの2クールものも含めて少なく見積もっても13本はあるけど……。
そのなかで埼玉県民としての目玉は、また県内のご当地アニメだが「浦和の調(うさぎ)ちゃん」で、思いっきりさいたま市内というか旧浦和市内限定の舞台設定で、これまたよく知っている地域なのだが、萌え要素は強くても一応観ることは観る。今春からは狛犬代わりに兎のいるあの調神社も「聖地巡礼」の舞台となり、たぶん若い“アニヲタ”が殺到……。
まあとにかく、映像化によって「聖地巡礼」が捗るのは地域(再)活性化の観点からも良いことであるよ。それが地元の、しかもウチの近所でできるようになるのであれば尚更。でも遠方の方にとっては、「聖地」が旅先の一部というか旅の主目的になることもあるよね。今後の旅行・観光業はそういった可能性も考慮すべきでしょう。
例えば『神はじ』は、川越市が市内観光に採り入れているのは一昨年から知っていたが、原作もアニメ1期も観ていないのでピンとこなかったのだが今回の2期を全話しっかり観て、ご当地めぐりの地図にもある名所の頻出ぶりによって県民でも再発見しやすかった、ということもあるし。
ただ、『Gレコ』の26話(最終話)のラストシーンで未来の富士山を扱っていたが、昨年の『ヤマノススメ』(2期)とともにこの日本最高峰が二重に巡礼の場所となった影響で、今夏以降はあまり登山と縁のない男子がさらに多く入山することになるのかな、となると装備はしっかり整えたうえで行ってほしいな、と少々気がかりではある。登山業界関係者は、最近はこのような経緯からの新しい流入もあることを頭の片隅には入れておいたほうがよいと思う。
※ややマニアックな? 補足というか蛇足
以下は本文で挙げた・挙げないにかかわらず、作品を観た方だけがわかればよい限定的な一言二言三言の感想ネタ。
本文では今クールに観たのは22本としたがこれはほぼ全話追っていたもののみで、実は『デュラララ!!×2 承』のように3、4話程度は観たことがあるものも含めると30本近くあったりする……。ホントに観すぎだなあ……。
その22本を1週間の日曜日始まりで順にあえて挙げると、
ワールドトリガー、(ハピネスチャージプリキュア!→)Go!プリンセスプリキュア、七つの大罪、SHIROBAKO、弱虫ペダル GRANDE ROAD、神様はじめました、黒子のバスケ、夜ノヤッターマン、純潔のマリア、ヒーローバンク、GBFT、寄生獣 セイの格率、アイドルマスター シンデレラガールズ、冴えカノ、みりたり! 、君嘘、幸腹グラフィティ、暗殺教室、Gレコ、艦隊これくしょん -艦これ-、山賊の娘ローニャ、ALDNOAH.ZERO(アルドノア・ゼロ)
という感じ。
ほかにも深夜枠ではない全日帯の比較的健全な? 内容の長期アニメでは例えば、ちびまる子ちゃん、サザエさん、クレヨンしんちゃん、ドラえもん、名探偵コナン、なども時間のあるときにたまに観るが、それらは除外している。それでも22本ということで、こんなにアニメに浸かるのは最初で最後にしておきたい……。
そのなかでベスト10を挙げつつ、ツイッターの140字では収まらないその感想などを少々。
1 ガンダム Gのレコンギスタ
もう、なにはともあれ半年間、70代になっても衰えない「富野節」をリアルタイムで堪能できたのが楽しかった。感無量。(近い将来、大人になる)子ども向けなのか大人向けなのか、「正義」とはなんなのかが話数が進むにつれてしっちゃかめっちゃかでよくわからなくなってくる(所属する陣営というか立場によって正義も変わる?)、今年に入ってからの後半も地球から月へ行き、さらに金星へ進んでそこから折り返して地球へ戻るなかでいろいろな陣営が入り乱れる「ごった煮」ぶりは何回も観直さないと理解し難いかも。わざとそういう情報量過多のつくりにしたのだろうけど。ツイッターのハッシュタグによる「実況」も22本のなかで最も面白かった。最近のアニメなど映像作品を盛り上げるうえでの「実況」のリアルタイム反応は今どきの大きな醍醐味だな、とGレコで特に実感した。ちなみに、今年の後半で特に好きだったキャラクターはケルべス中尉で。「実況」では前半によく“ポンコツ”扱いされていたアイーダ姉さんは終盤にいくらか存在感が出てきて良かったね。
2 SHIROBAKO
BSフジで観た。録画に失敗して前半で3話ほど観逃したが、それでも全体の流れというかアニメ制作の実情はよくわかった。今年に入ってからの後半では、16話は小笠原さん(ゴスロリ様)の小笠原道大の打撃フォームとドリームボール、19話のアンデスチャッキー、24話(最終話)で興津さんの松本IC出口から上高地へのドリフト走行、が秀逸であった。新旧問わず他作品のパロディーも多く、そんななかアニメ業界の裏の部分も丁寧に見せる「お仕事アニメ」としての完成度も高い。24話のラストの小ネタ『限界集落過疎娘』(『侵略!?イカ娘』のパクリ?)も本気で観てみたい。ちなみに、主演級の(アニメ同好会の)5人のなかでは後輩ポジションのりーちゃん(ディーゼルさん)がリサーチ等で下支えする感じが特に好き。なお、今クールのアニメで唯一泣けたのは、23話ラストのずかちゃんの敗者復活。あの場面に至る伏線およびシリーズ構成は凄い。「万策尽きた」と「変な話」は、年内いっぱいはアニメ業界界隈、特にコミケで、『艦これ』の夕立の語尾「~っぽい」とともに流行語になりそう。
3 四月は君の嘘
原作は講談社漫画賞(少年部門)受賞というのは知っている、となんとなく聞きかじっていた程度。フジテレビ・ノイタミナ枠での音楽系作品では『のだめカンタービレ』と『坂道のアポロン』の実績から当然良いことはわかるので(それらよりも低質のものを出すわけがないだろう、と信じていた)、それに加えて初回から色使いが良くてまさに「カラフル」な情景が良かった。しかし、かをりの体調が……、という鬱展開へ向けて色が徐々に退色してゆく様子、22話(最終話)のラストでかをりが公生についた「嘘」が判明、というタイトル伏線回収の展開も上手い。今年で10周年のノイタミナ枠で30本近く観てきたが、これはウェブサイトや関連イベントの充実ぶりも含めてベスト3に入る名作だと思う。今クールでは最も音と色の使い方が良かった。近々、まだ試したことのないカヌレを、西武池袋線沿線の洋菓子店へ買いに行きたい。
特にこの3本は、ここ50年だっけ? のアニメ史に残る、それこそ「今どきのアニメなんて」とアニメから離れた(大人ぶっている?)大人にも薦められる傑作である。と断言しちゃう。これらを同時期に観ることができたのはとても幸せなことだ。
4 ALDNOAH.ZERO(アルドノア・ゼロ)
地球侵略ものロボットアニメの新境地、だったのかも。実は2クール目に「デューカリオン」が宇宙に上がって、一方でスレインが仕掛ける火星のいざこざと月の決戦よりも、1クール目の火星側が地球に降りて進攻する、しかもカタクラフトの戦力は圧倒的な差があって地球側は大ピンチ、という絶望感のなかから伊奈帆が秀才ぶりを発揮して活路を見出す、という序盤の大逆転ぶりのほうがワクワク感があって面白かった。物理とか理系に疎い者としては「レイリー散乱」(キヤノンのサイトのほうがわかりやすいかも)のような豆知識も勉強になった。大団円は可もなく不可もなく。志村貴子のキャラクター原案ありきの設定が良く、特に力を入れていたと思われる女性陣もアセイラム姫やエデルリッゾやユキ姉や韻子など、みんな良かった。キャラクターやマシンに関しては(普段はあまり頼らない)ウィキペディアによくまとまっている。そんななか個人的には、マグバレッジ艦長が不見咲副長に対して「不見咲くん」から始まる不見咲が男性にもてないことについて論理的に解く、もてない談義を聴けなくなるのが寂しい。
5 ガンダムビルドファイターズトライ
最終話は4月1日(水)の25話だが、実質は前週でガンプラバトルU-19全国大会は「チーム・トライファイターズ」の優勝で終了している。キャラクター的には前半はギャン子が良かったが、後半はサカイ・ミナトが「トライオン3」を創るくだりや、全国大会決勝前のコウサカ・ユウマとの「昨日の敵は今日の友」的な関係がお子様向けのベタな展開ではあるものの健全で良かった。ただ、「実況」を眺めると3対3のチーム戦とは言いながらも最後に結局は1対1の個の対決じゃん、みたいな戦い方に関する違和感のようなツッコミも多少はわかる。でもそれらをすべてひっくるめて「ガンプラは自由」であることは伝わっていると思う。というか、次々にホントにアニメの作画に忠実なガンプラを売り出してゆく商魂はさすが。
6 ワールドトリガー
実は現在の週刊少年ジャンプの連載のなかで真っ先に読むくらい最も好きな作品なのだが(もちろん連載初回から読んでいて、最初の1か月ですでにアニメ向きの設定だなあと思っていた)、その原作と比較すると作画に難は多少あるものの、キャストが思いのほか豪華メンバーでびっくりでそれが画の拙さを補っている感があり、結局は面白い。最近の遊真のランク戦や千佳の「大砲」を観ても、やはりアニメは絵を動かしてナンボ、ということが“ニチアサ”で改めてわかる。
7 弱虫ペダル GRANDE ROAD
原作を初回からすべて読んでいる者としては、5クールも費やしたがインターハイの(小野田・今泉・鳴子の)1年生編を完結させてくれたのは良かった。1期から、CGではあるが自転車をしっかり描いてくれた点も良かった。作画も安定していた。また、総北対箱根学園の対決が主ではあるものの、異端としての京都伏見・御堂筋を好敵手(ライバル)というよりもスポーツマンシップにあまり則っていない「敵」としてきちんと見せたのも面白かった(しかし御堂筋は尊大な態度と面構えは置いておいて、自転車レースで勝利を掴むことに関しては最も貪欲で純粋なのかも)。1期の「ラブヒメ」のくだり以降の提供バックとエンドカードの悪ふざけは誰の趣味かはわからないが、緊張感のあるレース描写との硬軟のバランスを取るための遊びなのか、と勝手に受け止めておく。できれば、原作のストックができるまでしばらく間が空くのはわかっているので、ひと昔前のアニメのように連載の完結までアニメも追いかけてほしい。ここ2年のアニメ化の影響で原作は1200万部超も売れてきたのは人力移動派としても嬉しい。今夏の劇場版も楽しみ。
8 冴えない彼女の育てかた
原作(ライトノベル)を知らなかったので当初はあまり期待していなかったのだが、本文でも触れたとおりに馴染みのある地域を舞台にしていることもあって、あとは一応はヒロイン役のわりに存在感の薄い加藤の冴えないというか気の抜けた喋りが毎回新鮮で(でも見た目とは裏腹に観察眼は鋭くて勉強家でもある)、結局は面白かった。二次元のゲーム制作を指揮する倫也は置いておいてやはり、加藤、英梨々、詩羽、出海、美智留、の女性陣それぞれ普段の創作(同人誌・小説・ガールズバンド)で方向性が異なる二次元オタクの個性と役割分担の設定も上手い。ちなみに5人のなかで個人的に特に好きなのは加藤だが、現実にあんな娘がいたらめんどくさい(というか、5人全員がそれぞれめんどくさい)。それで実はこの作品の影響で、来月発売予定のPSVita版のゲームも試してみたいと思うようになり、これだけのためにPSVitaを買おうかと先週から考えている。まあこれはゲーム上も背景をホントに僕の馴染みのある場所で描いているのかが気になるのだが。ゲーム機からは20年ほど遠ざかっていたが、PSVitaはメールや電子書籍など別の使い方もあるので、これを機に本気で検討し始めている。
9 夜ノヤッターマン
レパードはじめドロンボー一味の末裔を主役として、ドロンボーとヤッターマン? の善悪が逆転するという斬新な設定だけでもう成功だと思う。しかし旧作とのつながりは薄そうだなあと思っていたが、12話(最終話)でようやくガリナとアルエットがヤッターマンに成る、という展開は良かった。(僕は再放送で観ていた)1970年代の昭和版のヤッターマンとは別の2008年から09年の平成版は全話観ていたので入り込みやすく、そのガンちゃん役・吉野裕行とアイちゃん役・伊藤静がそれぞれ今回もガリナとアルエットの役だったのが伏線というのは薄々感じてはいたけど(オダさまも同様)。というか今クールはこのほかに、SHIROBAKO、弱虫ペダル、GBFT、寄生獣、と吉野の掛け持ち出演作を偶然よく観ていたなあ。
10 幸腹グラフィティ
芳文社の『まんがタイム』系の原作は全然知らなかったが、シャフトの制作とともにシリーズ構成・脚本が『あの花』の岡田麿里だったことも観ていた理由のひとつ。艶っぽい見せ方が得意のシャフトの絵柄が上手くはまっていた。制作で「メシ作監」という斬新な役職があったように、食べ物の絵にはかなり力を入れていた成果も出ていて良かった。この影響で最近、四コママンガの原作を改めて読もうかと思ったりする。川井マコトの絵は上手いのね。ちなみにキャラクターは深夜アニメにも合致する“萌え豚”狙いであざとさ満載の女性ばかりだが、僕は主演級のリョウ、きりん、椎名の三択で考えると断然リョウで(いくら「おばあちゃん子」とはいえ、中学3年生であの艶はあり得ない……)、ほかに好きだったのは露子さん。逆にあざとくなかった2頭身キャラの予告も良かった。そういえばここ数年、講談社・集英社・小学館のような大手の版元に較べると大きくはない芳文社や一迅社の作品の(人気を獲得するための)アニメ化が盛んだが、その貪欲さは悪くない。