10日(日)、青春18きっぷの残り分の消化も兼ねて、日帰りで長野県・松本へ行った。
主目的は、駅前にあるこの日で閉店のアリオ松本の最終日の様子をたしかめることで、なんだか普段の松本行きとは違って淋しい訪問となった。

松本駅前ロータリーからもよく見えるアリオ松本、というかそれ以前からイトーヨーカドー松本店のほうが僕としては馴染み深いが、小学生の頃から親戚に連れられて買い物に来たり、1階のバスターミナルから市内観光に出かけたり、そのついでに地下1階の軽食をおごってもらうことも度々あり、思い出は多い慣れ親しんだ場所なので、とにかく淋しい。

イトーヨーカドーからアリオに変わったが、店内の雰囲気は変わらず営業が続いていたのだが。

翌11日以降も7階の飲食店のフロアだけは営業が続くようなので、そこだけは以前のままの雰囲気がまだ残るのかと、ひと安心ではある。

1978年の開業時から振り返る展示。当時から、松本市街では地上7階建ては最も大きな建物ではないかと。

閉店に対する寄せ書き。掲示用の板というかパーテーション? 1枚では足りず、この日までで6枚分くらいあった。

何気に、1階エスカレーター横にあった開業当時からの松本市街の変遷を振り返る「松本の歴史」という写真展示が良かった。これ、博物館とか市民会館とかで常設展示しているのだろうか。

店内全フロアで閉店セールのため、来客はいつもの日曜日よりも多かった。

店内は本来は撮影禁止なのだろうが、最終日なので無礼講でよいでしょう……。撮りながらも、やはり淋しい……。

地下1階の食品売場や土産品売場も同様に閉店セールで、このコロッケもいくつか買った。

この建物の北側に生花店があり、たまに仏花を買ったりもしてここもお世話になった。

アリオ松本からも近いカレー店「たくま」も今夏に閉店したことを、たまたま2週間ほど前にインターネット上で知ったが、それも確認した。こちらも親戚関連のことや登山帰りで松本駅に立ち寄ったさいに好んで行くことが多かった店なので、なんとも……。

「たくま」のあとは「塩之屋」という炭火焼きが売りの食堂が入るようで、窓から準備中の店内を覗くと「たくま」から内装は大きく変わっておらず、味のある民芸家具も処分せずに残っているようだったので、どうやら居抜きで営業らしい。開店したら行ってみたい。

それから、松本駅から徒歩圏内でほかにカレー店といえばもうひとつ、「デリー」も閉店したということも併せて小耳に挟んでいたので、こちらも確認した。

ここは主人の体調不良により、だが、一般的に経営不振、跡継ぎが見つからなかった、自分の代で終わらせたい、など個人営業の店の閉店理由はいろいろあるが、自分の馴染みの店ではこういう事例は少なかったのでショック……。
ここまでで3つの閉店を巡り、結局は極私的な閉店ツアーとなってしまった。

閉店ツアーのついでに続いて徒歩で、21日(木)に開業の
イオンモール松本も観に行った。建物は3つに分かれていて、建築前の想像よりも大きかった。

以前から松本というと交通手段はクルマが多いので、郊外型のモールらしく駐車場は広く確保しているが、ここ数年は市内で自転車の交通も見直されて自転車専用レーンや自転車ナビマークの整備も徐々に進んだりもしているので、広めの駐輪場もしっかりあるのは嬉しい。

モールの東側の道路は以前に「カタクラモール」があった頃から渋滞が多かったが、駐車場の入口付近の道路線形を変えて左折レーンを新設したので、多少は(気休め程度には?)渋滞を食い止めることができるのかな、とは思う。
イオンモールの開業による周辺の渋滞の増加が建築前から懸念されているが、たしかに土日祝日はしばらく混乱するだろうが、平日は意外に問題ないような気もする。

このモールから徒歩数分のところに親戚宅があったので(現在もその建物は新たな入居者があって存続している)、小学生の頃からこの場所(カタクラモール)はよく訪れていたが、このモールの正面入口あたりの景観も大きく変わってしまったのはアリオ松本などとは別の淋しさがあるが、松本市内の商業発展の意味では大きく期待している。
個人的には、飲食や普段の買い回りのテナントのほかに、書店と映画館も入るのは近隣住民的には大きな意義があると思っている。

ただ、開業するとモール周辺の小売りの店舗は大きな煽りがありそうだということも予想されるが、南側にある(たしか東京都・神保町の本店からの暖簾分けの)「キッチン南海」にも少なからず影響がありそう。今回は時間がなかったが今度、久々に食べに行くついでにそのへんの事情を訊いてみたい。

松本市街には湧水が多く、このモールのそば(キッチン南海の隣)にも1か所あるが、水質の悪化という懸念もあったが実際に飲んでみるとそんなに悪影響はなさそうでひと安心。
という感じで、今秋はここ数年でも特に目立った変化が見られる松本市街を歩いて確認した。まあ以前から親戚宅へ向かうついでに出歩く、通り慣れた経路ではあるが。
アリオ松本とカレー店の閉店に関する寂寥感は今回までにして、気を取り直してイオンモール松本は今後も松本を訪れるときの大きな楽しみではある。この近所の松本市美術館やあがたの森公園とハシゴするとか、ちょっとした観光場所のひとつという認識で向かうことになるでしょう。