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思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

2011年の野宿総括

2011-12-25 00:30:45 | 野宿
といっても、今年は昨年以上に低調だったので、またもや改めて総括するほどではないなあ。そもそも旅らしい旅に出ていないから、野宿するとしても普段の生活の合間にたしなむ程度だし。
でも、後者のほうで楽しんで、というよりは必要に迫られて多少はする機会はある。そのほうが好都合な状況もある。



これがその一例で、7月に神奈川県厚木市で早朝からの交通量調査アルバイトのために前乗りし、その過程で前乗り野宿を相模川の河川敷で。

今日現在で、単独での野宿は計11日、複数人での野宿は計5日、とどちらも昨年よりもかなり減少。06年以来、最悪の数字。
ちなみに、昨年までよく参加していた『野宿野郎』の「のじゅくの日」は、今年は6月も9月も初めて京都で実施したため、さすがにそれには日程的・金銭的に両日ともに行けなかった。しっかしこんな体たらくでは、野宿事情に明るい人? だという看板をそろそろ下ろさねばならんかも。



これは、ウチから自転車で数分と近所の河原で「のじゅくの日」と同時刻に2回、同じ場所で野宿したときのもので、9月のほう。一応、6月19日と9月19日という日付は意識している。
そういえば、6月下旬にTBS『はなまるマーケット』の小さなコーナーでだが『野宿野郎』を取り上げていて、このふたつの日付についてもコーナー担当のいとうあさこがフリップ付きで大マジメに解説していたのがおかしかったが、まさか主婦向けの全国区の長寿番組でそんなこと? をいくらかの手間(在京キー局の人件費・制作費)をかけて紹介してもらえるようになる日が来るとは、とびっくりした。
もうひとつおかしかったのが、この番組の顔の薬丸裕英は以前に同様に番組進行を担当していた(現在は終了済みの)NHKBS『熱中時間』で『野宿野郎』のかとうちあき編集長(仮)を取り上げたさい、この集まりの存在と「のじゅくの日」の予備知識はあるはずだが、『はなまる』ではそんなことは一切出さずに素知らぬふりをしていたことか。ホントは知っていたくせに。
この番組を録画したDVDを所有しているので、観たい方は個人的にご相談を。



これは先週に、茨城県鉾田市に行ったときのもの。実は18日(日)の「第7回ほこたマラソン」当日の受付時間が朝早く、自宅を朝出では間に合うかどうか微妙だったために安全策として前夜に前乗りし、とある河原に野宿していた。気温は朝晩ともに0度以下だったのではないか。この当日朝も霜がバリバリおりていたし、放射冷却でまた一段と寒かったし。
でも厳冬期用のダウン寝袋でぬくぬくだったのでよく眠れて、しかも前夜は快晴で満天の星空を堪能したので(しかも外灯や照明が僕の地元よりも少なくて断然見やすかった)、久々に旅っぽい感覚を味わった。

それから、9月の月末ネタで焚き火について触れたことにも関連があるが、今年の震災による帰宅難民化や住処が一時的に失われるような(寒冷地では特に生死にかかわる)不測の事態に対応するためにも、家屋から離れてあえて屋外で眠る野宿という技術や考え方も、今後のことを考えると世間的にもっと広く持ち合わせていくべきだと思うなあ。
今年、登山をはじめ野外系、それに一般の媒体でもそういった趣旨の企画は散見されたし、需要はともかく必要性と可能性はあることが被災地からの報道でも垣間見られたはずなので、来年以降も継続して取り上げるべきである。

と、今年はいつになく野宿の在り方について再考する時間が多かった。来年はどうだろう。

2010年の野宿総括

2010-12-25 21:45:41 | 野宿

今年の野宿は昨年よりもさらに低調だったので、総括するほどのことはあまりないよなあ。
なので、終わり。










と、締めたいところだが、一応は数字を挙げておくと今日現在で、単独での野宿は計8日、複数人での野宿は計9日、とどちらも昨年よりもかなり減少。06年以来の悪い数字。
しかも、『野宿野郎』の「のじゅくの日」も、06年9月から8回連続で参加していたものの今年9月の長野県・高遠は行けなくて連続参加記録がぷっつり途絶えたし。もうダメダメ。

ちなみに、テント泊もほぼなかった1年で(1~2月の八ヶ岳・奥多摩の登山で使ったくらい)、というかそもそも今年は登山や旅にほとんど出ていなかったから、「人力」の「旅人」を名乗るには過去最悪の状態だった。

そういえば、僕以外にも周りの野宿熟達者の動向を見ても、例年になく今年は真っ当に働く仕事やらなんやらの影響で野宿する機会は総じて減った印象があるのだが、どうだろうね。僕がほぼ毎月通っている東京都内での某野宿の参加者も、延べ人数では昨年までよりも確実に減っているし。

なお、上の写真は、最も新しいところで昨夜から今朝にかけて都内で単独野宿した様子だが(だから、巷の多くの男女が密着してちちくり合う年に1回の聖なる? 夜に、あえて「積極的野宿」したのですよ)、ここは『野宿入門』(かとうちあき、草思社)の171ページの写真と同じ場所の遊具。具体的な場所は秘密。
僕もこの公園は4年前から知っていてたまに野宿で利用させてもらっているが、ここの遊具の上に寝たことは一度もなかったので今回初めて上がって寝てみたが、周りからよく目につきやすい位置のため、安眠はできなかった。危機管理的な見方では野宿に適した場所ではないと思うんだけどなあ。
僕も過去の旅で公園の遊具の上や下で野宿したことは数回あるが、安全性を考えて人目につきにくくて身を隠せる壁や柱があるところをしっかり選んでいるからなあ(しかも夜の時間帯も選んで)。まあこれは、現在発売中の雑誌『サイゾー』11年1月号にある野宿記事で言うところの「プチ野宿」のいち手法で、もっと切実な「ガチ野宿」には見られない傾向なのかも。

まあ来年は、今年よりも普段の生活から少し改善して旅人として持ち直せる兆しはあるので、この汚名? を返上して旅人として戻りたい。僕が昨年制作した小冊子『野宿塊』の冒頭でも少し触れている、「人力」と野宿の蜜月関係もより突き詰めたいから。

ああそうそう、『野宿塊』は年明けに落ち着いてからだがやや改訂して増刷するつもりなので、乞うご期待。
来春以降のフリーマーケットや古本市の出店には間に合わせたいなー。

打ち上げ的単独野宿

2010-12-01 09:19:00 | 野宿

先月30日から今朝にかけての月またぎで、東京湾の海っぺりで野宿してきた。
ただ今回は、今秋はホントにずっと仕事漬けで例年以上によく働いたよなあ、と充足感はいつになくあって、なので久々にそんな自分で自分を労いたくてつまりひとり打ち上げ的な野宿をしたい、という大義名分? があった。男は黙って単独野宿、のときもある。

で、なぜこの場所にしたかというと、先月13~14日に『野宿野郎』の催し? でもここで野宿していて、写真を見ると眺めはよろしくて気持ち良さそうだったから。そのときの参加者からのこの場所についての情報も小耳に挟んでいたし。
ちなみに、地図でこの近辺を調べると、地図から思い出したが実は学生時代だから約14年前に、お中元のアルバイトでこの近くの倉庫に1か月強通った時期があって(しかもそのときはかなりこき使われたので、休みなしで毎日連続で行っていた) 、一応は土地勘のある場所なのよね。以前よりもコンビニエンスストアが増えたかな。
ただそのときは周辺の道路も日中に往来していたため、今回のように夜から朝にかけての人や大型トラックの動きは初めて知り(平日の倉庫周辺の路肩には荷受けの待機でアイドリングしながら仮眠中のトラックが並ぶ)、ああこういう感じなのか、と14年経ってようやく腑に落ちた感じ。

ただ実際に野宿してみて、この場所から日付が変わる消灯前まではライトアップの様子がバッチリ見られるレインボーブリッジや東京タワーをひとりで観ながら悦に入ってもなんとなく手持ち無沙汰な感じだったので、こういうところは複数人で共有したほうがいいのかな、と思った。
できれば、特定の異性と一緒に野宿デートみたいなカタチがよろしいのかも。再三挙げてしつこいようだが、僕にはその相手は相変わらずいないけど。一度はやってみたいものだ。

まあとにかく、風がやや吹いていて肌寒かったが、それでも予想以上に満ち足りた野宿となった。もう少し暖かい時期に宴会的に行なうとより楽しめるだろうね。また時季を変えて再訪してみよう。


それから、この野宿に関連するかどうかはようわからんが、先月28日付の朝日新聞13面の読書面で、かねてから推している『野宿入門』(かとうちあき、草思社刊)が取り上げられた。まさかこの本があの朝日の書評とは、と驚き。この本になぞらえて考えると、今回の野宿は「積極的野宿」になるか。
ちなみに、その評者は今月もまた新作の写真集を刊行する(『日本カメラ』10年12月号の小林紀晴の連載では最近の本や写真集の刊行ペースは驚異的、と褒められて? いる) 石川直樹くんで(もちろん朝日の書評委員に就いていることは今年前半から知っている)、内容はともかく、このよく目立つ全国紙上のコンビプレイ? ぶりはなんなんだ、と可笑しかった。

というのも、ここ4年くらいのことだが、かとう編集長(仮)と石川くんのそれぞれの交遊関係は旅や出版関連で意外にかぶっているところが多く、実際に直接対面というか同席している場も(先月は編集長(仮)が報告者だった) 地平線会議の報告会ほかいくつかあることも知っている。だから共通の知人はかなり多いはず。たまに僕も同じ場に出くわすものだから、それを思い出すとこのアシストぶり? がより可笑しく感じる。実際、この書評のおかげで28日午後~30日あたりは『野宿入門』に触れる人が主にアマゾン経由で新たに増えたようだし。良かったね。
編集長(仮)は石川くんにお礼として菓子折りのひとつでも持ってゆくべきではないか。今月下旬に新宿で写真展をまた催すし、そういう場ででも。

それに、そろそろ世間一般的に知名度も並んできて有名人なんだから 、いよいよふたりでトークイベントとか合同野宿とか実際に対面しながらの催しで相通ずる“冒険者”同士で直接絡めばいいのに、と僕は密かに望んでいる。セッションというかコラボレーションというか、石川くんが「消極的野宿」を撮る、とか。あるいはふたりとも読書家なので、旅・野宿本対決とか。
編集長(仮)はこれまでの野宿取材でも、デジタル一眼レフカメラで撮られたことはあってもフィルムの中判カメラで撮られたことはないだろうし、より面白いのではないか、と思う。

「本屋野宿」トークショーを聴きに行った

2010-10-19 01:30:19 | 野宿

16日(土)夜、東京都新宿区上落合の西武新宿線・都営地下鉄大江戸線の中井駅そばにある伊野尾書店で行なわれた「本屋野宿」トークショーを聴きに行ってきた。そのあとの書店前での野宿には参加せずに終電で帰宅したけど。

で、トークショー後のサイン会でその主役の、『野宿入門』(草思社刊)を出版した『野宿野郎』発行人のかとうちあき編集長(仮)のサインをもらった。
よく考えたら編集長と4年ほどかかわっているが、サインやらなんやらを実際に書いてもらうのは今回が初めて。4年前からの変遷を思い出すと、このような華々しい催しを実現してもらえるくらい売れて良かったねえ、とトークとサイン会の様子を親戚のおじさんのように目を細めて時折遠巻きに見ながら、ちょっこし感動した。

ちなみに、今回の対談相手になぜか選ばれた数段格上の高野秀行さんの著書へのサインももらうつもりだったが(昨年もらいそびれているし)、諸般の事情によってまたいつかにする。まあ出版のペースが今後も変わらなければ、また会う機会はすぐに訪れるだろうから。

今回の催しの僕個人的な細かい感想等は今回は除外して、主役と主催者の三者三様な事後報告みたいなもののリンクを以下に。

かとうちあき
高野秀行
伊野尾書店店長

でもせっかくなので、ひとつだけ面白かったことを挙げると、店外でのトークショーの最中に店の前を思いっきりクルマが(このときは1時間のあいだにタクシーが数台)通行していたが、車道の真ん中あたりまで広げていた青シートに座っていた聴衆がクルマが通るたびにシートを前後に移動させてクルマをやりすごして事なきを得る様子が壮観だった。何かの拍子に大きなトラブルに発展しそうなやや危うい状況だったのに(開始前に、店長が近隣の方に「何かやるなら事前に言ってくれよな」と注意されて頭を下げている様子も目撃した)、そこはなんだかんだでうまくいくもんなんだねえ、と感心した。
なんかこれまでに体験したことのない新鮮な催しであったことはたしか。





ああそうだ、先月末の『野宿入門』に関する続きの駄文はまだ追記できていないや。また後日。





それから編集長、野宿を喋る? 語る? 次の催しがすでに決まっていて、10日後の29日(金)に普段からよくお世話になっている杉並区西荻窪の旅の本屋のまどで行なわれるとのこと。
しかも単独で登場するのかと思いきや、それだと間が保たないために対談形式となり、その相手が放浪書房・とみーに決まった。あれまあ。
普段から『野宿野郎』以外にも野遊びや古本関連の催事でもよくつるんでいるふたりの趣味嗜好や癖はだいたい把握しているので、どういう展開になるのかもなんとなく見当はつくけど、これを機に初めてふたりに触れる人もいるだろうから、その反応を観るのが楽しみ。

ただこの組み合わせ、実は僕が近いうちに自前で企画して(昨年5月のタムラアキオ報告会のように)趣味的に実施しようかともうっすら考えていたのが、のまどに先を越されちゃった。まあいいか。
僕はすでに予約してあるので、ふつうに聴きに行くでしょう。そういえば、毎回興味深い旅人が登場するのまどの催事はこれまでになんだかんだでタイミングが合わずに一度も行けなかったので、今回が初めてだわ。
できればその場で、先の伊野尾書店でもらった編集長のサインが落書きみたいで納得いかないので、最近購入した2冊目にもっとまともなものを書いてもらうという名目で行くか。

それにしても編集長、これで本の出版絡みで今月3本目の企画実現とは。すっかり人気者やねえ。



※31日(日)の追記



上記で触れた29日(金)夜の旅の本屋のまどでのトークイベント「野宿のススメ!」を聴きに行ってきた。写真は、入口でとみーが仕込んでいた仕掛け。自分がモデルとなったミニコミマンガ『放浪くん』を使って「旅」の文字を作っていた。
が、来場者のほとんどはこれに気付かずに入店していってとみーがその反応の薄さにしょんぼりしていたので、心優しい僕が慰めておいた。

事前にちょいちょい小耳に挟んでいたところでは聴衆がなかなか集まらなくてやばいかも、という川田店長の話もあったが、当日に蓋を開けてみると30人超集まり、しかも意外に女性が多く、ちゃんとひとつの催しとして成立していた。良かったね。
内容は僕は過去に別の催しでも聴いているネタばかりだったが、まあだいたいは(今回初めて野宿話に触れるお客さん向けの)野宿遍歴みたいなものだった。初めてふたりに触れるという方もいた聴衆の笑いも結構多く、そこそこ心を掴んでいたと思う。野宿したことないけどしてみたい、という人もいたし。
なお、当たり前だが今回の主役はホントは編集長なのだが、実際に場をまわしていたのはとみーのほうだったのも予想どおりの展開で(喋りの分量も8割がたはとみーだった)、緊張をほぐすために編集長がトーク前に1杯引っかけて良い気分? になったせいもあってか、約1時間40分のうちに編集長がトイレに2回も行く、という失態? 粗相? もあった。そんな体たらくの主役でも許される雰囲気を作ってくれたのまどの空間と集った聴衆に感謝しましょう。

ああついでに、最近のふたりについてのこんな報じ方もあったので張っておく。

PJニュース 2010年10月3日 かとうちあき
PJニュース 2010年10月25日 放浪書房

それにしても編集長、実は来月には(知る人ぞ知る)もっともっと大きな山場を迎えてしまうことがついに決まったが(でも僕ら仲間内では約2年前からその可能性は充分あると踏んでいて、ようやくお鉢がまわってきた感じ)、今回の話しぶりを聴くと次回はアルコール抜きで大丈夫なのかなあ、と聴衆として同席した旅の先輩である坪井伸吾さんとともに心配した。
でもまあ、『野宿野郎』とは別に昨今はインターネットをはじめ様々な表現や主張の方法があるなかでわざわざ本を出版するくらいの覚悟を持って言いたい・伝えたいことはまだまだあるはずだから、のらくらせずに寝袋からしゃきっと這い出て、普段から少数の仲間内には濃い毒を吐くような体も含みつつ素直にそれをどんどん出していけばいいじゃあないか、といちファンとして節目の来月からの、昆虫がさなぎから羽化して成虫になるかのごとくの豹変? ぶりに期待する。
頑張ってちょ。

『野宿女子』が満を持して? 放つ、野宿啓発本(仮)

2010-09-30 23:59:45 | 野宿

先週22日(水)、局地的には前々から噂されていたミニコミ誌『野宿野郎』のかとうちあき編集長の初の単行本『野宿入門 ちょっと自由になる生き方』(草思社刊)が発売された。
僕は当日夜にジュンク堂書店新宿店で買って、睡眠時間をずらして翌23日未明には早くも読了、といつになく入れ込んでいた。まあ一応はよく? 知っているひとの本なので。
簡単な感想としては、予想以上にちゃんとした「本」になっていた、か。校正者目線および『野宿野郎』専属校正者(自称、そしてたぶん編集部公認)目線でも内容とか文体は置いておいて、「造本」の意味で。『野宿野郎』本誌では目も当てられないくらい頻発していた誤植もなくてツッコミどころに欠けてやや物足りなさもあるし。しかしまあ本としては完成度が高くて歓迎すべきことなんだけど。

本は最近珍しいB6判といってもほぼ新書扱いで、本全体で224ページで(だから14折)、しかし本文は1ページあたり38字×13行と正直スカスカ感は否めないのだが、でもその字間と行間のゆるい本づくりをあえて狙ったのだろうということは、彼女のかわいらしい? 見た目とは裏腹に計算高い性格を少しは知るひとりとしてはなんとなくわかる。

で、この本についてもっと触れようと思ったのだが、今は私生活のほうで身も心も混乱気味なので後日ここに追記するつもり。来週以降に落ち着いてから。タイトルも若干追記するかも。構想はすでにあるのだけど。
ツイッターでは読了後にすでに軽く触れているけど、それとは別のことにしようなあ。最近は「野宿」のアイコンと化していることとか。

ちなみに、すでに石田ゆうすけさんのブログの28日付で書評というか編集長の人物評が出ているし、坪井伸吾さんのブログの今日付でも出ている。
また、amazon.co.jpのカスタマーレビューにも早くもいくつか掲載されているので、興味のある方はぜひそちらを読んでみてちょ。

しかしここではやはり、単にそれらとかぶったことを書いても面白くないので、編集長とのここ4年強の野宿などでのかかわりも踏まえてもっと詳しく触れられれば、と思う(やる気の問題)。タイトルと写真にもあえて入れている(わかる人にはわかる)小ネタも散りばめつつ。
そういえば今回の出版によって、著者略歴にもあるとおりに実は東京六大学卒という才色兼備? ぶりもついに露わになったが、そこらへんも再びツッコんでおくか。どうしようか。ちなみにその大学では僕の兄と同じ学部の出身で、つまり歳はひと回り異なるが兄の後輩だったりもする。
という、編集長お得意の野宿と旅とミニコミ以外のゆるゆるの共通項もあるにはあるが、まあそれはこのさいどうでもよいか。しかしこの大学、兄の頃からぶっ飛んだ、というか良い意味で真っ当な道を大きく踏み外す? ひとも結構輩出しているんだよなあ。彼女もその流れを汲んでいるといえば汲んでいる。

それから、明日明後日でこの出版記念の催し? が東京23区内で、築地市場に近い隅田川河口近辺と新宿御苑前の模索舎で立て続けにあるのだが、なんかそこで本にサインをもらえるのとともに一緒に写真を撮ってもくれるみたい。でも僕は両日とも行けそうにないので無念。また別の機会に。

坪井さんや石田さんからは友人扱いされていて今やすっかり有名人で、これで作家の仲間入り状態でまた一段と高みへ昇られて今後は「先生」とより崇められる? 編集長だが(どんな高みだ? 夏場はあまり蚊に狙われない位置か?)、一応は『野宿野郎』の常連という扱いにしてくれているらしい僕はいまだに“ただのおっさん”と視られているんだろうなあ。今度、サインは当然として、珍しく一緒に写真も撮ってもらう? ついでに改めて訊いてみるか。


※10月5日(火)の追記
実は毎日少しずつ加筆修正しているが、まだこれが完成形ではないのでまた後日。
2、3日前から一般のブログでも、書評というか読後感想文が散見されるようになってきたわね。これで野宿人口はより増えてゆくのか。
ちなみに来週末、高野秀行さんと絡む催しが増えた。この野宿の方向性が異なる? 組み合わせ、どうなるんだろうね。探検的行為や出版の方面でお互いの共通の知人がちょいちょいいることは知っているが、本人同士が直接絡むのは初めてなのかしら。これはたぶん観に行けると思う。

2009年の野宿総括

2009-12-24 03:00:03 | 野宿
今年の野宿は、昨日も触れたように旅自体が低調だった影響でそれに連動して例年よりもやはり低調だったかも。
23日現在、単独での野宿は以下でも少し触れるものも含めて計14日で、複数人での野宿はミニコミ誌『野宿野郎』の毎年6月と9月の「のじゅくの日」の参加も含めて計12日と、昨年に比べると回数はどちらも減少。ああでも、あと1週間でもう1、2野宿するかもしれない。
でもこんな体たらくでは、野宿を重ねても何にもなれないよなあ。

で、単独のほうについて、写真付きでちょこっと触れておきたいことを3点。



これは7月7日早朝の、東京都渋谷区の代々木公園。なぜここで野宿したかというと、ある交通量調査のアルバイトで、埼玉県の地元からではその調査の集合場所に集合時間の朝6時には到底間に合わないため、地元との中間地点で野宿してからその集合場所にアプローチする、というのを今年は3回やっていたため。だから今年は代々木公園で3野宿している。
すべて偶然にも小田急線沿線と渋谷区内の駅付近の調査だったのだが、東京23区内で比較的寝やすい代々木公園で安眠してから出かけると都合が良かったりする。やはり困ったときは代々木公園級の大きな公園があると、野宿派としてはとても助かるのよね。
実はこのように旅というか遊びではなく仕事絡みであえて野宿や駅寝する、というのも10年以上前からたまにやっていて、先日この話を『野宿野郎』のかとう編集長(仮)に「仕事なのにちょっとした旅気分も味わえるかも」などと吹き込んだらそこそこ興味を示していたが、べつに野宿自体はそんなに面白くはないと思うけどなあ、ふつうにやっていることなので。あえて名付けるとすれば、「バイト野宿」か。




これは9月15日夜、同じく小田急線沿線の交通量調査だが、場所は神奈川県小田原市の富水駅から少し離れたある橋の下。僕は市北部の富水はこのとき初めて行ったが、この地域の偉人として有名な二宮尊徳の記念館が近所にある、と書けばピンとくる人もいるか。
このときは現地に前乗りして、野宿して、沿線の調査に臨んだ、という感じ。しかもこの(翌16日の)調査は小田急小田原線の始発から終電までの時間帯に行ない、そのため早朝4時に現地集合という異常? な条件だったため、野宿しないと逆にやっていられない前乗りありきの仕事だった。こういうときに、野宿の心得と寝袋があると役立つこともあるのね。
というかこの時季はまだ暖かいので、シュラフカバーのみで寝られるけど。でも熟睡すると寝坊する可能性もあるので、眠りが浅くなって勤務中の特に昼間に眠くなるのが難点ではあるけど。まあそこは仕方ない。
ちなみに、この2週間後に同様の調査で藤沢市の小田急江ノ島線の鵠沼海岸駅付近にも行っていて、その近所、このときは駅から徒歩数分の海岸沿いでも野宿していたりもした。基本的にサーファーが多い地域ね。両日ともに小雨だったなあ。




これは10月9日、関西行2日目の大阪府大阪市港区の天保山公園の朝。関西行の顛末は10月に触れたが、実際にはこんな場所で野宿していた。写真奥の徒歩数十歩のところに例の低い三角点がある。しかも天保山は前々から行きたかったし野宿もしておきたかった場所なので、数年前からの念願がひとつ叶った感じ。良かった。そういう意味では、ここが今年最高の野宿地でしたな。
大阪再訪のさいはまたここに寝に行きたいものだ。でも同市内では、代々木公園と同等の面積の大阪城公園のほうがより広々としていて数段寝やすいけどね。


というような野宿も細かくやってはいるが、それでも全体的には小粒ですなあ。来年はなんかもっと大々的な旅のなかでの野宿をまたやりたいものだ。『野宿塊』の読者にはよくわかるネタとしては“野宿率”は93.0%から今月ついに93.5%にまで上昇してはいるけど、それでも最近は野宿が足りない気がする。ひょっとして、そろそろ自他ともに野宿ブームは下火? 『野宿野郎』とその愉快な仲間たち? は今後、野宿という行為をどのように受け止めて対処してゆくのだろうか?
来年、良くも悪くも何か大きな進展があるかも、と勝手に大きく期待して気にしておく。

野宿だらけの商業誌が誕生

2009-05-01 23:55:15 | 野宿

先月末、雑誌『モノ・マガジン』で有名なワールドフォトプレスという版元から、『野宿モノというライフスタイル』というムックが発売された。またもやふざけたものを。

書名のとおりに、サバイバル、野湯、ダンボール絵画、路上生活、トイレ野宿など、野宿にまつわる話ばかりを硬軟織り交ぜてまとめているのだが、つまり近年の“野宿界”の動向がよくわかる内容なので(まあわかったからどうってことはないのかもしれないが)、発行部数はあまり多くないようだがまずは書店で手に取ってみてほしい。出版不況とよく言われる昨今、それでもこういう本を商業出版で積極果敢に世に出すとは、太っ腹というか自虐的というか。

このなかで、僕の知っている人もそうではない人もたくさん登場している。というか、基本的には過去の『モノ・マガジン』などの雑誌記事をこのムック用に1冊に再編集した感じの本で、僕は既読のページが多いけど。でもそれが再びA5判というお手軽な判型にまとめられたことも、まあ面白いっちゃあ面白い。
ただ、この本を構成している「世界考現学小隊」のメンバーの名前は怪しさをもっと醸し出すためにあえて出さなかったほうが良かったような気はする。でも雑誌の類だから仕方ないか。

ちなみにこれ、表紙カバーからしてふざけていて、まあ写真のとおりに表と裏(左と右。つまり縦組の本)で硬と軟? となり、カバーを外すとこれまた凄い。こんなのアリなのか、と思わず爆笑してしまった。腹が痛い。まあその実態は実際に手に取ってみて、ということで。

なお、タイトルの「商業誌」については、一応は『野宿野郎』もミニコミ誌という体ではあってもジュンク堂書店などのいくつかの書店でも販売されているが、モノのほうはちゃんとISBNコードと雑誌コードも付いていてムック扱い(雑誌と書籍の中間の位置付け)で、大手取次やインターネット書店でも手広くまわせるからなあ。『野宿野郎』も今後ここまで大きくするのかしないのか。

そういえば、現在制作中の文学フリマ用の野宿冊子の方向性にも少々影響があり、ネタを変更しようかとも思ったが面倒なので変更なしとする。野宿ネタで先を越されてちょっと悔しく思う面もあるが、相乗効果を狙うというふうに前向きに捉えれば、まあいいか。

2008年の野宿総括

2008-12-26 22:00:55 | 野宿
おっと、なんだかんだで今年もあと5日になってしまったではないか。ということで、今年のあれこれを振り返ってみる。まずは野宿。

今年は、単独よりも複数人で野宿する機会が多く、数字で見ても単独が8泊、複数人のほうが23泊、計31泊ということで、やはり後者のほうが多かった。人数は2人(つまり僕ともうひとりのサシ状態)~十数人といろいろ。もちろんこれとは別にテント泊もやっているけど、純粋に野宿というのは31泊でしたな。
なかでも特に印象的な野宿を以下に写真とともに。




まず2月。実はこの17日(日)に東京都内で行なわれた「東京マラソン2008」に、野宿仲間のひとりが当選して出走していたのだが、その景気づけ? の意味で前夜に、この大会の当日の荷物預かりの場所に指定されていた東京都庁の西側の、そのそばの新宿中央公園の一角で野宿してみた。まあその会場に近い場所に前乗りして前泊しておけば何かと便利というかラクであろう、ということでこの野宿となった。このときはその出走者1名と僕も含めた冷やかし役3名の計4名。

ただ、この前夜になぜか4名ともにいつも以上におかしな盛り上がり方になってアルコール摂取量がみんな増えて、そのために当日朝は寝坊もして、ふつうに朝方に会場に訪れた用意周到なほかのランナーたちよりも準備が遅れ、結局は前泊した意味がないじゃん、というお粗末な結果となった。が、その出走者はなんとか時間ギリギリでスタート地点の大渋滞の場に立つことができ、フルマラソンを5時間少々の記録で完走もした。良かったね。

この野宿、あえて名付けるとそのまんまだが「東京マラソン野宿」かな。たぶん、野宿明け(プラス二日酔い)で今年の東京マラソンを走っていたのはこのひとだけだと思う。




次に6月。これはミニコミ誌『野宿野郎』の年2回催される「のじゅくの日」でまたもや東京都新宿区は戸山公園内の箱根山で18~19日に野宿したときのもの。面子は常連? を中心にだいたいいつもと同じで、ほかにはそんな野宿野郎たち個々とつながりはあっても『野宿野郎』の催しとしては初参加の人も数人いた。
本ブログ2008年7月1日の投稿でも少し触れたが、実はこの野宿には『産経新聞』の取材が入って、日付をまたいでこの参加者全員がその記者氏から綿密な取材を受けていて(新聞記事にもあるとおり、その後記者氏も実際に一緒に野宿した)、その結果7月1日の産経新聞の記事掲載→Yahoo!ニュースにも転載→『野宿野郎』ウェブサイトのアクセス急増、という思いのほかのおおごとになってしまった。しかもその記事中で僕のコメントが採用されたりもして。そういう意味でも印象深い野宿でしたな。

ちなみに、6月だと僕としてはもう暖かいでしょ、ということで寝袋なしで一夜をすごしたのだが、周りを見るとみなさんこの時期でも寝袋やマットを周到に用意しているのね。僕個人的には雨が降る心配がなければ6~9月の野宿は何もなくてもよい気はするけど。何か用意するにしても、新聞紙と蚊取り線香や虫除けスプレーくらいか。




そしてみっつめが7月。最初に断っておくと、この写真に写っている(野宿している)方々は僕や僕絡みの野宿者ではない。
実は今年の複数人野宿23泊のうち約半分が、同じく東京都内の某公園の同じ場所で毎月行なっているのだが、夏場はそこから少し離れた広場を見渡すと、このような光景が雨が降らなければ日々繰り広げられている。寝袋や携行品のくたびれ具合から判断するに、いわゆるホームレスというか“本職”の方々か。

同じ公園内のほかの場所にはより定住歴の長い長老? たちの常設? の青シート囲いのテント村もあるにはあるのだが、そこまでは経験のない新参者? の方々がこのように夜になるとわらわらと集まってきて、早いときでは21時頃にはすでに寝入っている人も何人かいる。ただ、夏場はこのように多いがさすがに今頃のような冬場はもっと暖かい場所を求めて彷徨うためか人数は3分の1以下に減るが、それでも毎月ここでこのように寝ている人はたしかにいるのよね。


特に今年の下半期は最近の報道にもあるように、主に製造業においての“派遣切り”が特に大手メーカーで相次ぎ、突然住む場所を失うという事例も目立ち、このような寝方が僕らのような「遊び」ではなく必要に迫られてせざるを得ない傾向は来年以降はより強まっていくのだろうか、とこの写真を見返しながらちょっと考えてしまう。
僕としても、ほかにもよく取り沙汰される「ネットカフェ難民」や「マック難民」のような世間の切迫した事態ももちろん注視はしているし、というか他人事のようにその報道を観ているであろう“勝ち組”の輩よりも共感できるふしは多々あり(でも僕はべつに自分が“負け組”だとは微塵も思っていないが)、このような光景が現実にあることを報道関係レベルではなく僕くらいの野宿実践者でワーキングプアな目線から見せていくことも今後より重要になっていくのかな、とはうっすら考えている。

『野宿野郎』によって啓蒙される野宿は遊びの意味合いが強いが、この写真に写っているようなそんな悠長なことを言ってられない人も大勢いて、そういった野宿者の心情を察する意味でも今後も「野宿」という行為はますます重要性を帯びてくる、ように思う。
先月放送のNHK『熱中時間』で、『野宿野郎』のかとうちあき編集長が取り上げられたさいに、番組中で野宿という行為によって「幸せのハードルが下がる」こと、例えば、雨風に晒されること、夏に蚊に襲われること、特に秋冬は朝に太陽が昇って暖かくなること、のような屋外で野宿することによって家屋に収まっているときよりもその悲喜こもごもをいちいち体験することによって感動も増して、生きている実感もより強く得られることはたしかに得られる。家屋に囲われて布団で寝ることによる(水やトイレが不足なくある、部屋の温度調節ができる、虫類や外敵が来ない、などの)スバラシさを改めて考えたりもする。そんな一般的にはふつうの生活が野宿することによって「幸せ」と感じることか。これ、なかなか良い表現ですな。
そういう意味で、あえて現代に行なう野宿は人類の生き方を再考するうえでも重要な行為ではないか、という体で僕は『産経新聞』の取材にもきっちり回答したわけだが。ああ、なんかまとまっていないな。

まあとにかく、来年も引き続き野宿してゆきますよ。『野宿野郎』に感化されてもされなくてもどちらでもいいけど、野宿という行為は遊びでも仕事? でも、今後もっと尊重されるべき行為だと思うけどなあ。

『野宿魂』増刷完了

2008-12-23 15:00:18 | 野宿

本ブログ2008年11月22日の投稿で触れた『野宿魂』の続報。
本家の『野宿野郎』のウェブログの22日分でようやく告知されたが、現在、青色の表紙の2刷が発売中。中身はホントに9割5分は僕が書いたもので、というか本ブログのここ2年の投稿からの流用ばかりで、残りの5分は編集責任者であるかとうちあき編集長のツッコミというかいじり倒しというかのおまけで、つまりはふたりの合作のような感じに仕上がった1冊である。

ついでに言うと、『風呂なし野郎』も表紙が色なしの普通紙から黄色紙に変更され(価格は100円のまま)、こちらも絶賛発売中。ちなみにこちらはなぜか、『野宿野郎』が普段お世話になっている取次の地方小出版センターの大口取引先である、ジュンク堂書店池袋本店1階、同新宿店8階、三省堂書店神保町本店4階、(先月6日に開店した)ブックファースト新宿店地下1階などでも取り扱いを始めて、今やそんな全国区の書店にまで伝播している、というふざけた? 事態になっている。正気なのだろうか。

ちなみに、『野宿魂』の初刷の表紙は色なしの普通紙から青色紙に変更されたこととともに、『野宿野郎』ウェブログにもあるとおりに誤植だらけの初刷に僕の手でいくらか訂正したり追記もしたりして内容をやや上積みして、しかも事務作業の都合もあって、この販売価格は150円から200円に値上がりしている。

先月の文学フリマで(実は誤植ばかりの)初刷を購入された方には申し訳ないのだが、実際、初刷よりも今回の2刷のほうがより自信のある内容になっているため、こちらも改めてご一読いただけると幸いであります。
初刷を購入された方で、2刷も買うのはなんだかなあ、初刷から2刷の変更点とはなんじゃらほい? と興味を持たれた方でご希望の方に、藤本特製の訂正紙のようなものをお送りする用意もあります(もちろん無料)。ご希望の方は『野宿野郎』編集部ではなく僕のほうに個別にお問い合わせください。スバラシイおまけも付けるかもしれません。
そのため、現時点で初刷と2刷の両方所有していて見比べることができる数人の方は手前味噌ながら、かなり貴重かも。

それから今日午前に米を研ぎながら急に思い付いたのだが、来春の文学フリマで『野宿魂』に対抗して別の冊子を作ろうかという計画がおおまかにだがまとまり、仮書名も決まった。が、まだ僕の頭のなかで夢想している段階なので、誰にも教えられないし教えたくない。もちろん、かとう編集長にも。

『野宿魂』は実は僕的には不完全燃焼だったため(前半のブログの内容も僕のなかでの厳密な「ベスト5」ではないし、ウェブログにはこの原稿を5日で書いたとあるが、正確には「『野宿魂』発行の5日前に具体的な原稿依頼を受けたというかその内容を知らされた」のであって、実際に書く時間は2日ほどしか取れなかった。まさに突貫工事)、来年の年明けから僕演出のほうの冊子を地道に進めて行くことにする。こちらのほうがより野宿話満載の冊子にするつもり。

あえて積極的に関与しなかった、『野宿野郎』6号

2008-09-30 09:00:30 | 野宿

福田康夫前首相辞任よりも事故米よりも国籍不明潜水艦領海侵犯よりもリーマン・ブラザーズ破綻よりもイチロー8年連続200安打よりもB'z結成20周年よりも丸大食品メラミン混入よりも麻生太郎首相誕生より広島市民球場終焉よりも台風13・15号よりも、僕的に今月の最も大きなニュースはミニコミ誌『野宿野郎』の待望? の6号が前作の5号から1年半以上待たされたうえでようやく発刊されたことか。

実は今月12日夜に、東京都新宿区の有名イベントスペースであるロフトプラスワンで「東京野宿ナイト」という催しがあり、まあそれはいろいろな“東京ナイト”の催しを主宰する(少し調べたところによると早稲田大学の探検部出身らしい)サイトウカツミ氏が、今回はかとうちあき編集長など野宿にまつわるゲストを呼んで野宿話のみで盛り上がる、という場があったわけさ。そこで6号の未完成版? を入手して、先週にすでに読了している。
ちなみにこの催しのなかで、僕はある意味もう見飽きている? 編集長の座を脅かすレベルの驚愕の展開があった(面白すぎて、ここではもったいないので書きたくない)、この回を生で聴きに行けなかった人は、思いっきり悔しがれ。

まあ6号の誌面全体の質は5号以前に比べても全体的にそんなに洗練はされておらず、たしかに「低迷」を連想してしまう記事が今回も多々あるが(でもなかにはいくらか前向きなものもあるにはある)、相変わらずの切り貼り編集で手作り感満載。でも既刊に比べるとイラストと前半のレイアウトがちょっとカッコイイ感じになっているかも。
でも今号も、プロ(のつもり)の校正者目線で見ると、どう考えても間違いなく赤字レベルの誤植やページ違いは少なくとも60か所あったのよねー。それと編集する人によって手直しするか否かの判断が分かれる青字・黒字レベルのそれも、20か所ほどあった。

何事もデジタル一辺倒になりつつある平成の時代に、『野宿野郎』が醸し出す昭和のアナログ的な雰囲気の誌面がまた良い、という意見も各所(特にウェブサイトやブログ)で日に日によく見かけるようになり、ファンは着実に増殖している模様。そのため、編集長の注目度も昨年初頭の5号発刊以降はうなぎ昇りで(その人気はたしかに“偽装”されたものではない)、最近も媒体の大小問わず取材が殺到しているそう。今年だけを見ても、2月取材の朝日新聞や6月取材の産経新聞のような全国レベルの媒体も増えているよねえ。
でも実は、その慣れない取材を受けまくることによる精神的なストレスによって? 今春に胃を壊して一時期は医者と薬物のお世話にもなっていたりしている。生活環境がめまぐるしく変わりつつある彼女的にこの殺到ぶりが良いことなのか悪いことなのかはわからないが、『野宿野郎』の売り上げに直結するのだから満更でもないようだ。

で、本稿タイトルはどういう意味かというと、6号の特集が「トイレ野宿」ということで、僕はトイレ野宿は未経験だから。トイレ野宿を経験しないとこの特集には投稿できなかったそうで。
編集長としては基本的にはこの「トイレ野宿」というのは、鉄道駅や公園などの比較的大きなトイレに付属している(比較的広い空間の)身障者用トイレを、鍵をかけて、あえて悪く言うと「占拠」して一夜を乗りきる、という行為のようだ。
しかもこの特集の序盤にある、「第一回多摩川国際トイレ野宿会議! トイレ野宿は、いま―そして、未来へ」という座談会のなかで、この参加者のひとりである食関連の事象に強いライターの新井由己(あらい・よしみ)氏の前半部分での発言にもある、身障者用トイレは公共の場所で緊急に使いたい・使うべき人がいることを考えると理性が邪魔して使えない、という考え方が僕にもずっとあり、それがいつも頭の片隅にあることによってトイレ野宿を積極的にやる気はないのだが。というかトイレを野宿の場にするなんて、2年前に編集長と出会うまでは想像すらしたことがなかったくらいだ。

しかし、旅の最中に新設されたばかりでまだ汚れていないトイレや、うら寂れた観光地の人通りがほとんどない場所で身障者用トイレに偶然出合って、かつ大雨や寒波に捕まって緊急避難的にそこを利用せざるを得ない、という切羽詰った状況に陥れば僕も今後はトイレ野宿を試みる可能性はあるかも。
が、そうではない通常時に、トイレを野宿地として積極的に利用するのはまだまだ違和感がある。鉄筋? の建物のなかに囲まれて、しかも駅寝よりも数段個人的な密室を意図的に作って泊まっているわけだし。公共の空間内で密室を作るというのは、スポーツマンシップならぬ“野宿マンシップ”に則って考えるとある意味潔くない行為ではないか、とも思っている。それ以前にやはり「公共性」への理性を捨てきれないんだよなあ。
ちなみに、新井さんはその理性を33歳頃に捨てられたそうだが、あと3か月ちょいでその歳に達する僕は来年以降に理性を捨てられるのだろうか。

ただ、このトイレ特集の最初の注意書きといくつかの記事にもあるように、「野糞ができる人は地球上どこでもトイレ」で「どこで野宿してもトイレ野宿していることになる」という言い訳がましい? 拡大解釈をおおいに活用すれば、僕もそれは主に登山中に経験がいくらかあるので、こじつけでトイレ野宿経験者と言えなくもない。今後はその体でやっていこうかな。

ほかに6号を読み進めて全体的に気付いたこととしては、執筆・取材で1冊に登場する人物が既刊5冊に比べてやたらと豪華なことか。具体的には登場順に、(6号初版の未完成版では落丁? 未掲載? の冒頭の)西牟田靖、新井由己、安東浩正シェルパ斉藤熊沢正子、の各氏で、近年の旅関連の出版物ではよく見聞きする名前ばかりで僕的にはえらい豪華だなあと感じてしまうのだが、一般的にはどうなんだろう?
僕がこのビッグネーム揃いの様子をやっかみ半分で簡単に例えると6号はさながら、ここ2、3年の編集長の“人脈自慢大会”のような1冊にも見えてしまう。4号の村上宣寛、5号の坪井伸吾、の両氏も含めて、編集長の最近の野外業界においての縦横斜めの人のつながりは凄いな、と傍から見ても呆れるくらいに急速に拡がっていることにも驚く(まあその大半は地平線会議のつながりとかぶっているんだけど)。

それに加えて、これまでに取材を受けた各種媒体やミニコミ誌関連のつながりもあるし(それがきっかけで『野宿野郎』の催しに来るようになった人もいる)、編集長の、見た目は中学生ですっとぼけた雰囲気をいつも醸し出しているわりには、何気にいくらか計算もしたうえで小出しにしている魔性の女? ぶりが世間にどのくらい伝播するのかしないのか、野宿ネタでどこまで行くのか行かないのか、今後何を目指すのか目指さないのか、も注目ではある。

たしかに、老若男女問わず誰からも好かれる編集長のことを嫌うという人の話は聞いたことないしなあ(これは特に「編集」という人脈がものを言う仕事・私事をするうえで最大の利点で、優れた才能でもある。でも普段の“友達”は少ないらしい)。やはり今後の特に野外業界での彼女の注目度や立ち位置は、年々上げ潮になっている。
「野宿好き」と「20代女子」という一見なんの脈絡もないそれぞれの言葉が「野宿好きの20代女子」とつながると、それだけで強力な武器というか面白さになる(多方面に対して)、という意識は自分では毛頭ないんだろうけど。

でも6号、僕は積極的には関与しなかったけど、情報提供などで数ページ分は間接的に関与していて、数か月前にも編集長から誌面の文字表記について校正係として相談を受けていたりもするので、6号の制作に一枚噛んではいる。でも僕がそこで進言したことは相変わらずほとんど活かされておらず、まあそこは最終的に判断する編集の責任者次第なので、それでも仕方ないか、と半ば諦めている。

なお、最近の編集長の出版関連の動きとしては、ほかの出版物でも執筆の機会やら連載記事を持つようになったりやらもしていて、本家の『野宿野郎』では「低迷」「くよくよ」「自己責任という言葉は嫌い」とかいう後ろ向きな言葉が目立つが、最近はほかの場では逆にキャラクターを変えて? 前向きなことも結構書いていることは知っている。

『野宿野郎』のなかの「言葉」で、ほかの文学作品の一節から野宿の香りがする表現を本能的に察知して引用するような知的な部分もあれば、逆に中高生レベルの誤植を連発したりと(実は6号の引用部分でもいくつか誤植あり。引用元に失礼)、この全国に発信する書き手としての自覚のなさというか不安定さはなんなんだ、恥ずかしくないのか、しっかりしろ、(独自の言語感覚を持つ)編集長の代役はいないんだ、とつい叱咤したくなる。が、たぶん今後も周りから何を言われても気にせずにのらくらと行くのだろうなあ。
まあそんな昭和の風情を感じる曖昧さも編集長の“味”として黙認せざるを得ないか。仮に今後しっかりして白黒はっきりつけたがるような性格に変貌したら彼女らしくない、とも思う。

これは今春に編集長と仕事したことのある出版関係者と話していて気付いたことだが、編集長の、『野宿野郎』などで野宿の悲喜こもごもを自身の曖昧さも含めながら表現して、これまではホームレスがやるものだろうと大概は忌み嫌われてきた「野宿」という行為を、「20代女子」というフィルターを通したうえで結果的には一般向けにわかりやすく“変換”できている、簡単に言い換えると「野宿の敷居を下げている」ことも、ある種の才能の賜物なのかもしれない。
仮に周りがとやかく言って逆に編集長がしっかりしてしまうと、その特長? が損なわれる恐れがある。まだまだうら若い? 最近はある雑誌で「野宿ブームの立役者」という冠も付けられている野宿好き女子を今後どのように扱っていくかは、今後の野外業界全体を左右する結構な問題かと思う。
逆にあまり大々的に扱わずにあえて“放置プレイ”するほうが、より活きるのかもしれない。でも特にここ1年は、その物珍しさにようやく気付いた各種媒体に次々に“捕獲”されて、取材攻勢を受けているけどねえ。今後、どうするのだろうか?

そんなこんなで、編集長を持ち上げたり落としたりしてきたが、それだけ『野宿野郎』は今後も要注意の“メディア”だということだ。誌面の雰囲気も価格も500円と5号から据え置きのままで、6号も今後順次全国にちゃんと流通していく、のかなあ?

何事も速さや正確さや積極性を求められがちな時代だからこそ、まさにその真逆を、ときには(最近注目度が高まってきた?)“歩ける寝袋”で明後日の方向に酔っ払いながら突っ走って見事に転倒したあとに体育座りでくよくよすることもままあるかもしれないけど、そんな馬鹿? な一面も大目に見られるようになる世の中になってほしいものだ。

東京都内限定だけど、ミニコミ誌『野宿野郎』の最新情報掲載(読売新聞)

2008-09-21 10:30:00 | 野宿

今日(21日)発行の読売新聞朝刊の、東京都内に限定して出回っているはずの「都民版」の30~31面に、ミニコミ誌『野宿野郎』の取材記事「夜空の下 野宿に夢中」が掲載されている。左右見開きの中央で、しかも写真も6点掲載とかなり大きな扱いになっている。

取材はいつで何のものかというと、先週18~19日に大田区内の公園で行なわれた「第8回のじゅくの日」のときの模様。
で、なぜこの記事掲載を知っているかというと、僕もこれにまたもや遅刻だけど行って参加して、かとうちあき編集長やほかの参加者とともに記者氏に写真を撮られまくっていたから。それにしても地域版だからこそということもあるけど、この記事の大きさは半端ではないな。面積だけで言うと、3月掲載の朝日新聞夕刊よりも7月掲載の産経新聞よりも大きくて、凄いぞっ。

この日は台風が接近していて明らかに降雨の恐れがあったのだが、今回の台風13号は東日本では予想よりも本州の南の遠いところを進んでくれたおかげで、19日未明と早朝に小雨がパラついた程度で済み(でも南日本、特に沖縄県内の被害は甚大だったようで)、思いのほか寝やすい野宿であった。というか、いつものように3時すぎくらいまで呑んだくれてぐだぐだと旅や野宿のあれこれについてダベッていて、僕は実質2時間も寝ていなかったのだが。僕は寝袋は当然のこと、シュラフカバーも不要でそのまま行き倒れても問題なしの野宿であった。まあまだ9月ですから。
そういえば改めて数えると、僕は「のじゅくの日」の参加は2006年9月18~19日(高尾山頂で開催)の第4回から数えて5回連続だったりする。

ちなみに、記事中にはこの催しの参加者は9名とあるが、実はこれにはちょっとしたからくりがあり(厳密に言うとこの人数ではない)、でもまだ『野宿野郎』のことを慮って公言してはいけないと思うので、ここではとりあえず秘密とする。まあ最近勢いのある『野宿野郎』への取材に関することなんですが。
このうち、今回が初参加で初対面の女性が1名いて、数年前にアジア放浪の遍歴もあるくらいのこれまたなかなかの強者であった。

今回の催し、『野宿野郎』のウェブログでの告知が遅かったのと、事前に降雨が心配されたことから参加者は思ったよりも少なめだったけど、今回の野宿場所にはこのくらいの人数がちょうど良かったかも。
場所的には鉄道駅もそれに併設されているコンビニエンスストアも、公園内もトイレが近くて野宿地としてはなかなか良い場所だったので、今度、改めてひとりで野宿しに行こうかと思っている。

それから、この記事中に掲載されている6点の写真のなかの一部で、まだ本家のウェブサイトにも掲載されていない、今月発行の『野宿野郎』の最新刊である6号の表紙も見られるのだが、まだ印刷状況が微妙らしいので一般にはほとんど流通していないようだ。でも僕はすでに先々週に編集長から未完成版? を1冊もらっていて、今日現在で半分ほど読み進めているけどね。でもふつうに流通するのはもう少し先になりそう。

今月末あたりに、この『野宿野郎』6号の所見と、最近の独自データを加味したうえでのかとうちあき編集長論? について再び長々と触れる予定。
でもその前に、とりあえず6号をすべて読みきらないと。一応はプロの校正者目線で隅々までチェックしながら読んでいるので、またわざと小さい文字にしやがって、などとぶつぶつ文句を言いながら読み進めるのにちょっと時間がかかるのよね。

実は昨年、野宿的8ミリ短編映画に出演している

2008-04-01 08:00:24 | 野宿

今日、早いもので本ブログを開設してから3度目の桜の季節とエイプリルフールを迎えたが、今年もそんなの関係ねぇ!(これはもう古い?) という勢いのウソではないホントの話を。しかもかなりおバカ? なこと。

昨年、現在人気急上昇中のミニコミ誌『野宿野郎』の“常連”が8ミリの短編映画を自主制作したのだが(これはただの一過性の芸術作品なのか、でもそうではなくどこかしらに配給できるとなると「製作」なのか、判別しにくい)、そのタイトルは、

野宿戦隊! シュラフマン<予告編>

というもの。
時間にすると約13分の作品で、今年重版された『野宿野郎』5号の冒頭で写真や作文で登場していた「シュラフマン」を原案に、主人公の彼? とその仲間? たちが徒党を組んだり組まなかったりして東京都内のあらゆる場所? で活躍? する映画。僕もこれに出演している。でもこれは本編ではなくて、なぜか予告編。

それで、8ミリで撮影したフィルムをDVDに移して、さらにこの映画制作にかかわった・観た人々の感想やら主張やらを集めた「別冊! 野宿野郎」というA5判の本誌よりはやや大きめのB5判で作られた冊子に付けて、1部500円のDVD付き冊子として333部の部数限定(シリアルナンバー付き)で今年発売された。発売が待たれる『野宿野郎』6号の進行はそっちのけで、こんなものを作っていたんですねえ。ちなみに、僕はその33番と34番を所有している。
これは発行部数が少ないので、販売は普段からよくお世話になっている東京都・西荻窪の旅本専門店「旅の本屋のまど」をはじめとするいくつかの店舗に限られる。詳しいことは『野宿野郎』のウェブサイトを参照のこと。そういえば先週、僕も拙著『沖縄人力紀行』(彩図社刊)でお世話になっている東京都豊島区のジュンク堂書店池袋本店1階の雑誌売場に冊子が入荷している様子も確認した。

この映画のプロデューサー(編集長)の意向もあって撮影時の詳細や裏話はここではあえて書かないでおくが、まあ『野宿野郎』本誌のおバカ? というかふざけたノリをそのまま実写化したような内容で(脚本というか原案も事前に練られたが、結局は現場で監督とプロデューサーの成り行き任せの適当さを発揮してほぼ即興で撮影された)、というかこのミニコミの「旅・野宿・馬鹿」という主題のうちの「馬鹿」の面だけを見事に切り取って映像化したもので、ひょんな流れであれよあれよという間に出演してしまった僕も映画が完成して発売された今でもなにがなんだかよくわからない、頭のなかでは疑問符だらけの仕上がりになっている。
だが、劇中の出演者の演技? を通して寝袋という野宿の必需品の可動域の広さが改めてわかり、寝袋は寝る以外も使いみちがあるのだ! と今後のより良い野宿への可能性は見出せるかもしれない。現代野宿の基礎知識を得るうえでの大いなる参考資料となる、といいけどね。

しかも、冊子を買ってこれの奥付のような宣伝文を見ればわかるのだが、この映画制作に携わった人々というのが監督をはじめ冗談抜きでそれぞれの道のプロで、さらには旅・野外業界ではかなり有名な方々もかかわっていて、(終わってしまったことだからもう変更しようがないが)こんな凄い人たちがふらっと参加していてホントによいものなんだろうか? 逆にこの映画に関与したことで今後の生活のあらゆる物事で地位や信用を失墜しなきゃいいけどなあ、と今でも余計な心配をしながら首を傾げてしまうのだが(僕個人的には失墜するほどのものは持ち合わせていないため、かまわないけど)、それも含めてこの映画の全容を知りたい方は、僕も寄稿しているこの冊子を入手したり今後の『野宿野郎』の催しに参加したりして、じかに確認していただきたい。『野宿野郎』ウェブログでリンクも張っているので、そちらも参考に。

ああでも、『野宿野郎』ウェブログでも少し触れているようなのでひとつだけ種明かしをておくと、寝袋に包まれて直立をはじめ様々な動きを見せる「シュラフマン」は主人公がレッドなのだが(すでに昨年12月中旬に「のまど」でお披露目されている)、それ以外にイエロー、ブルー、グリーン、ブラック、ピンクの6色が登場し、ほかにもいろいろな不思議キャラクターが多数登場する。なかには撮影時に飛び入りで参加して“変身”してもらった方々も数人いる。

また、このほかにも映画撮影の模様を収めたメイキングDVD(非売品)がこっそり作られていて、これは主に関係者のみに配布されているようだが、数量限定(30枚?)で一般にも出回っているようですな。こちらも<予告編>同様に面白いので(僕もちらほら映っている)、入手できなかったけれども興味があるという方は、機会があれば映画関係者と接触してこれも併せて観るとよいかも。
しかも、このおまけのおまけのようなメイキングの再生時間が20分強で、なぜか肝心の<予告編>よりも長くて手の込んだ内容になっていたりもして、深読みしすぎると頭がおかしくなりそうだ。
だから僕はもうこの映画に関してはさらっと受け流すことにしている。ふつうの頭で映画を観て冊子を読むとおかしなことになるかも。まあ『野宿野郎』自体が客観的に見るとかなりぶっ飛んだ媒体なので、そのために最近各所から取材が相次いでいるのだろう。昨年末からの取材傾向を見ても、フジテレビや朝日新聞のような大手媒体までもが食い付くくらいだからねえ。

そんなわけで、僕からこの映画の情報を出すのはここまでにしておこうかな。『野宿野郎』や「のまど」、それにそこからリンクされているウェブログなどでも映画に関する情報はちらほら出ているので、より詳しいことを知りたい方はそちらをご覧ください。あとの細かい問い合わせや苦情はすべて直接プロデューサーのほうへお願いします。

『野宿野郎』を勝手に応援企画、最近の掲載誌・紙プレゼントのお知らせ(終了しました)

2008-03-31 22:00:39 | 野宿

ちょっと丁寧口調でお知らせを。
先月末からと今月上旬に、僕もちょこっとかかわっている(かもしれない)ミニコミ誌『野宿野郎』の結構大きな媒体への露出が相次いぎました。見出しは以下。

・R25(リクルート、0円)
 2008年2月28日号(No.181)、ランキンレビュー
「終電を逃しても困らない野宿の作法は?」

・朝日新聞(東京本社版)
 2008年3月3日(月)夕刊、14面
「一夜楽しむ都心野宿」

で、インターネット上でもこれらの記事は出ているけど、アナログ派の僕のようにパソコンの画面上だけではなく紙の記事を確認したいではないか! という方も多いかと思います。そこで、『野宿野郎』にとても興味があってこのふたつを実際に触ってみたい、欲しいという方のために2点セットを3組確保してありますので、ご希望の方先着3名様に差し上げます(諸事情により前回の告知よりも人数を減らしました)。
ご希望の方は、左のカテゴリのいちばん下の「問い合わせ先」のメールアドレスのほうへ発送用の住所と氏名を明記のうえ、ご応募ください。

ただ、R25は鉄道駅やコンビニエンスストア(主にファミリーマート)で0円配布だからまだよいのですが、朝日新聞夕刊は1部50円でふつうに買っているし、ご希望の方への送料も80円かかるため(発送はクロネコメール便の予定)、1セットあたり130円、3セットで計390円費やすことになります。
そこで、僕からはそれだけ出費することとの交換条件として、以下の条件を満たせる方にのみ差し上げることにします。

●今後、『野宿野郎』の本誌(編集部)やウェブサイト・ウェブログ・ミクシィのコミュニティへ、野宿経験ありの場合は野宿にまつわる話を、野宿経験なしの場合は今後の野宿への意欲を、およびアンケートへの回答を、積極的に投稿もしくは書き込んでいただける方

前回の告知から条件を緩和しました。地域の制限も撤廃しました。
上記の理由は、僕も野宿にまつわる情報がより多く集まったほうが今後面白い誌面になるだろう、と『野宿野郎』のいち読者としての楽しみが増えるから。でもそのぶん、かとうちあき編集長の編集作業の負担は増えるかもしれませんが。この2誌・紙の掲載以降、問い合わせが殺到でかなりてんぱっているらしいですし。

では、改めて先着3名様でご応募お待ちしております。なお、僕とすでに知り合いの方は今回は対象外とします(まあ僕と知り合いという人は首都圏以外ではそんなに多くないんだけど)。できればまだ『野宿野郎』の世界に一度も触れたことのない方を優先します。知り合いの方は別途対応します。お知らせは以上。

以下は口調を元に戻して蛇足を。



R25は記事の扱いもそんなに大きくないからまあよいとして(でも写真も2点掲載されている。東京都内とその近郊だけの配布なのかな?)、朝日新聞というと泣く子も黙る? 発行部数は読売新聞の1000万部超に次ぐ800万部超(朝刊のみ)と目される全国紙なので、最初にこの話を聞いたときはびっくりした。衝撃度は昨年5月上旬のよみうりテレビと今年1月上旬のフジテレビの各テレビ番組出演時以上であった。この記事の露出による影響力はかなりのものだと察する。

ただ、今回は夕刊の掲載なので、噂では夕刊となると部数も朝刊よりは少なめで300万部あるかどうかくらいらしく(大手新聞社ってなぜか部数を公表しないのよね、産経新聞以外は)、しかも掲載が東京本社版に限られるとなるとこの掲載紙が実際に行き渡っているのは首都圏で100万部を下回っているくらいなんだろうか。よくわからん。でもそれでも、そのくらいの個人や家庭の人々の目に触れるとなると、影響は凄そうだなあ。
近年は情報伝達の速さはインターネットに押されているが、それでも紙で記事をたしかめたい、その内容を反芻したいアナログ派の読者もまだまだいるはずだから(ウチの家族・親戚も同様)、速さとは別の情報の質を突き詰めれば新聞も媒体としてはまだまだ捨てたものではないかも、と知り合いが多数登場している今回の記事を読んで改めて思った(かとう編集長のほかにも記事中でコメントが紹介されている“常連”の方々も当然みんな知っている。最近の野宿仲間で遊び仲間なのよね)。

ちなみに、この取材兼野宿が行なわれた東京都千代田区内の建物の様子は後日また別の野宿仲間に写真を見せてもらっているし、それ以前に、僕もこの野宿にかとう編集長から当日朝に急に誘われていた(取材だったことは知らなかったけど)。が、このときは前週からの風邪による体調不良とかなり神経を使う仕事が重なってどうしようもない、とても野宿なんかできる状況ではなかったため、泣く泣くその誘いを断ったのであった。ああ、うら若き女子のせっかくの誘いを断ってしまうとは、いろいろな意味でもったいなかったかもなあ、と今となってはかなり後悔している。でも無理して行ってより酷い症状に陥るのもイヤだったし、周りに風邪をうつす可能性もあったし。
というか、記事を読んで今思うと、編集長から直々にこのような野宿の誘いが来るということは僕もすでにこの“常連”の頭数に入っているのか? と不思議に思い、うーむ、一応は『野宿野郎』とは一定の距離を保っているつもりの僕としてはその外部スタッフみたいな簡素な位置付けだろうと自覚しているので、やや複雑な心境ではある。とは言いつつも、野宿という行為については僕も『野宿野郎』の面々に対抗できるくらい一家言がありながら突き詰めている最中の行為だけどね。

まあ僕は今回の朝日新聞の取材のように、他者に頼らずに独力で(主に拙著や旅に関することで)新聞などの媒体に登場するほうが精神的にすっきりすると思うので(他人の土俵で相撲を取るのは気に食わん)、今回は取材を受けなくて良かった、とすでに気を取り直しているけど。
結局、僕は2006年8月の東京新聞の取材以降は取材というものを一切受けていないんだよなあ。こちらはいつでも大歓迎なのに。ちょっと悲しい。くそー、思いっきり嫉妬してやる。



※上記のプレゼント企画は2008年3月31日でひとまず終了しました。ただし知り合いの方は引き続き個別に対応します。

『野宿野郎』に関する極私的謝罪

2008-01-10 12:00:20 | 野宿
ミニコミ誌『野宿野郎』についてもうひと話。
かとう編集長の「怠慢」やらなんやらで現在、バックナンバーが品切れおよび品薄状態だったり、発売が昨秋から待たれる6号の編集が大幅に遅れていたりする。ただ、3日深夜(4日)にフジテレビで放送された『東京マスメディア会議2』に出演したりというような宣伝? 活動はそつなく行なっていて(この番組を観る限りでは、普段の編集長をいくらか知っているひとりとしてはかなりの問題作ですなあ)、商売っ気はまだそこそこあるようだ。

で、編集長の「怠慢」に関することについて僕からひとつ謝罪したいのだが、特にここ1年で彼女の本領である野宿とはあまり関係ない各種遊びに引っ張り出す人が徐々に増えてきて(その片鱗はミクシィに入れる方はわかりやすいかと思う)、実は僕もその首謀者? のひとりで、本ブログで昨年触れた登山などの遊びのいくつかにも編集長が同行していたりするのよね、彼女からはまったく表に出さないけど(学生時代にサークル活動でそういったこともいくらか経験しているので、野宿以外の野遊びも結構好きらしい)。

なので、改めて考えると『野宿野郎』の進行が遅れている原因の約5%は僕にあると思う。『野宿野郎』ファンの方には返す言葉もなく、ただただ申し訳ございません、と平謝りしかできない。
僕としてもうーむ、編集長はこんなにも遊び好きなのか、どこでも行くよなあ、編集のほうは大丈夫なのかなあ、とちょっと困惑および心配していたりもする。『野宿野郎』に関する苦情はこちらでもしかと受け付けます。

それで僕なりに最近ひとつ結論を出したことがあって、そんな悪循環ではいかん、ということで今年は編集長とはあまりかかわらないようにして、先のテレビ放送のような大ビジネスチャンスを逃さないように陰ながら叱咤する役目に徹しよう、と決めた。あの放送で巷にかなりの衝撃を与えたはずだから(テレビと雑誌では視聴者・読者数は1桁違うと言うし)、たぶんこれまでの『野宿野郎』の3年ほどの歴史のなかで過去最大の売り上げにつながるはずだ。身近なところで遊んでばかりよりも、そんな活動によって裾野を広げて野宿の“同志”をより多く開拓し、より売り上げを伸ばしていくほうがいいよね。

というわけで、最近は『野宿野郎』の催し以外にも出没する場所が僕とほぼかぶっている影響で編集長とどうしても会ってしまう機会は度々あるので(すでに今年に入ってからも先週末の『野宿野郎』新年会焚き火野宿に招かれて1回会っているし)、毎回叱咤しつつも編集長とはあまりかかわらないようにして、編集により力を入れてもらうようになんとか促そうと思います。これまでどおり『野宿野郎』ファンの方、そして『東京マスメディア会議2』と『BE-PAL』2月号によって新たにこの世界を知ってしまって興味を持たれた方、ご迷惑をおかけしましてホントにすみません。