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思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

水戸芸術館で作品展もしくは写真展というよりは、旅の表現の集大成のようなもの

2017-02-15 23:59:59 | 他人の旅話

今日、茨城県水戸市の水戸芸術館へ初めて行った。

石川直樹博士(←最近は仲間内では、最終学歴は東京藝術大学の大学院博士後期課程修了なので「博士」と勝手に呼んでいる)の「写真家」としての展示は、これまでに東京都内で開催のものは結構観に行っているので、今回の展示物も全体の7割くらいは既視感があったが、関東地方の芸術系のハコでは比較的有名なここで写真展を開催するようになったくらいに今や大写真家である博士の、旅の集大成の空間演出がどんなものかは確認したかったので、来週末までの会期中になんとか滑り込むことができて良かった。

肝心の写真のほかに順路の終盤で、これまでに出版した著書や写真集とともに近年の旅や登山の装備および記念品? の箱型の展示もあったが、そのなかに(世間一般的に世界七大陸最高峰最年少登頂で有名になった)早稲田大学時代より前の幼少期からの写真も混ぜていたのは可笑しかった。

まあ僕個人的には既視感があるということで、出かけたのは平日だったので少なかったがほかの(博士の写真を初めて観に来たらしき)来場者の反応も併せて楽しめた。ちなみに、女性の割合が高かった。

結局、ここへの交通費や鑑賞料金などで7000円超の出費になってしまったが(青春18きっぷ期間中ではないのが痛い……)、最近はいろいろあって外出しにくい状況下での日帰り小旅行ということにしておけばまあいいか。前々から気になっていた水戸芸術館の造りもわかったことですし。

ホントは久々に水戸へ行ったのだからほかにも観光として十数年ぶりに偕楽園も行きたかったのだが(先日ようやく『ブラタモリ』水戸編の録画を観て、この近辺の梅林以外の新たな愉しみ方も参考になったし)、それはまた近いうちに。

みちのく潮風トレイル話×2(仮)

2016-03-11 23:59:59 | 他人の旅話
今日で東日本大震災、というよりはそれは現在進行形で続いているので、正しくは東北地方太平洋沖地震の発生から5年も経ってしまったが、この時季は毎年恒例になった震災関連のテレビ番組もすべてではないが録画しながらなるべく観るようにしている。でもすべて観るのはかなり時間がかかるので大変だな……。今年は先週までの仕事の影響で確定申告が遅れて、ただでさえ時間が足りないし……。

それでここ2週間で、まあタイミングとしては偶然ではなく必然だと思うが、人力移動派としては東北地方太平洋岸の各自治体の「復興」の一種として常に気にしている、まだまだ整備中の「みちのく潮風トレイル」を歩いたという話に触れる機会が2回というか2つあった。





仮に写真を挙げておくが、ひとつは昨夜、東京都・神保町の山と溪谷社にて最近の登山媒体で人気のライター・高橋庄太郎氏が昨年に岩手県・大船渡と宮城県・南三陸のトレイルとその候補地? の一部を歩いたことを報告する参加費無料のトークイベントが催されたので聴きに行き(この話は同社の『ワンダーフォーゲル』16年2月号にも記事を出していて、もちろん読んだ)、もうひとつは先月に発売で四国遍路の経験もあるしまたけひと氏がトレイルの開通前に青森県から福島県への南下で実際に歩いて取材したことを基にフィクションのマンガにした『みちのくに みちつくる』の紙書籍版を買ったことで(この作品は元々はhontoで電子書籍として少しずつ発表していたものを今回、紙本にまとめて双葉社から。昨年に試し読みしてから気になっていたので、どちらかというと電書よりも紙派の僕としては紙版の発売は嬉しい)。前・後編でなかなか分厚いこれは、今読み進めている最中で。

そういえば今日の各局の特別の番組のザッピング中にTBSの番組でも、タレントのなすびがトレイルを開通済みの区間すべてなのかはよくわからなかったがてくてく歩いていた話をちらっと観たが、今後はこのような映像媒体での取り上げ方も増えるかもしれない。

追記は後日。

師走に後輩の結婚

2015-12-31 23:59:59 | 他人の旅話

20日(日)午後、大学時代のワンゲルの後輩が結婚したので、その披露パーティーへ行った。
大学時代の先輩後輩の結婚は数年前でほぼ落ち着いたのだが、ここにきてまた1人。

それで、今回の場合はこれまでと様相がちょいと異なり、まあ新郎は09年5月の報告会でも取り上げたタムラアキオなのだが、彼の場合は大学の関係者とともに野宿関係のつながりもあり、それに地平線会議のつながりとか、ほかにも釣り関連や勤め人時代の同僚など、大学のみならず複数の団体というかゆるい集まりの関係者が東京都内での1次会に集結し、90名以上の出席で賑わった。
登山よりも「旅」に限って考えると、世界じゅうを旅したバックパッカーや冒険野郎、それになぜか植村直己冒険賞受賞者が2人来ていたりとか、思ったよりも豪華メンバーになっていて客観的に観るとびっくりぽんの集まりであった。

ちなみに新婦のほうは地平線会議と野宿の絡みで、実は2年ほど前の新郎新婦が知り合った場に僕も居合わせていたので、ふたりともまあそれなりに旅人としての側面は知っている。ただ、当時からこっそり付き合っていたのは知らなかったので、10月にふたりが結婚するという連絡をもらったときは驚いた。しかも、その前から少し聞いていたが2年ほど前に会社勤めを辞めてアルバイト生活に入っていたアキオはただバイトをしてそれに流されていたわけではなく研修を経て来年から千葉県は房総半島で農業を始めるそうで(特に育てるのにこだわりたい野菜があるわけではなく、多品種を扱うとか)、意外に計画性があるのだなあ、という点も驚いた。
元々釣り好きだったのは知っていたのでそこからなぜ農業? とも思ったが、よく考えると自然に触れるという意味では海も川も丘も山も地続きのことなので、彼としては一貫性があるということなのか。まあ頑張っておくれよ。
仕事が軌道に乗ったら、冷やかしに行こうと思う。まあ、なんなら日帰りでも行ける距離ですし。

そういえば、こんなきっかけではあるが大学時代の先輩後輩と呑みに行くことも久々で、1次会で数年ぶりに会った後輩もいたりもしたが、アキオも含めてあれから20年近く経っても2次会と3次会を経て終電近くまで当時と同じノリでバカ話ができるものなのだなあ、とおめでたい祝い酒とともに楽しい夜だった。

また、これは蛇足だがせっかくなので挙げておくと、アキオは東京都清瀬市出身なのだが(僕の地元の隣市)、芸能界の有名どころでは清瀬出身の堀北真希と釈由美子も今年に結婚したが、それに続いて清瀬の星? のアキオも結婚と、なぜか今年に三者が揃ってしまった偶然が近隣住民としては可笑しかったりする。いやまあ、とてもおめでたいことではあるのだが。まあそんなこともあったが、いずれの家庭も末永くお幸せに。

写真は野宿系某美術家によるウェルカムボードで、今後はまさにこの未来予想図のような雰囲気で房総半島を開拓してゆくのだろう。僕の交友関係で農業に従事している人もいないので、来年から新たに近しい者を介しての情報が加わるのも楽しみである。

今月の最も善い話で締めて、ではまた来年。

2015日本冒険フォーラム

2015-11-25 23:59:59 | 他人の旅話

22日(日)午後、東京都千代田区の明治大学で開催の「2015日本冒険フォーラム」を聴きに行った。
4年前の第1回に続いて、2回目の開催。

今回は地平線会議の今月の報告会と兼ねたカタチだったが(ということを知る人は少ないか)、今回限定の特設サイトを創ったりもしたくらいに力を入れていたので(当日の会場運営でも、受付からその関係者というか知り合いが多かった)、僕としてはフォーラムの内容も普段から聴き慣れていることばかりかと思っていたが、今回のテーマの「極地」に関する4人のパネラーのうち僕は(南極観測隊参加経験もある元朝日新聞記者の)武田剛氏のみ初見だったので、その目線からの話と写真に触れたのは有意義であった。
もうひとつ面白かったのは、僕と同世代の岩野祥子「博士」の出番で北極のオゾンホールのスライドなど見せられるとなんだか環境問題のシンポジウムのような体にも見えてしまったが、まあそのようなお堅い話も僕は結構好きなのでたまには(地平線会議でも)あっても良いと思う。

ただ、普段から地平線会議に大なり小なりかかわっている者としては幸いなことに? 比較的聴き慣れている話なので、それよりもこのような催しは初体験に近い一般の人々への広報がもっとあってもよいと思う。他媒体ではとある山雑誌に小さな事前告知があったのも見かけたが、会場の規模が決まっているからある程度は仕方ないものの、もっと老若男女問わずの来場があればなあ、特に(植村直己を知らない)若い世代がもっと、とは率直に思った。それに、植村直己信奉者や冒険・探検みたいな真っ当な生活を踏み外した? 行為の好き者というかマニアックな面々ばかりが毎回集まるというのも……。
同じ明治大学であった昨年3月のもうちょい小規模のフォーラムでも挙がったことで、「植村直己」というビッグネームによる訴求力というか影響力が年々弱まっていることもあるかもしれないとも今回も感じたが、平成の時代の新たな英雄というか植村並みの行動者が現れにくい昨今、それでも、ないものねだり? するしかないのだろうか、というようなことも聴きながら考えていた。今回のパネラーのひとりで数年前からこっそり応援している荻田泰永氏は、その最有力候補だとは思うけどなあ。

そういえば今夏、植村直己冒険賞受賞者のひとりで普段から懇意の安東浩正氏と一緒に野宿しながら最近の日本人の冒険・探検界隈の情報交換をする機会もあったが(というか、いつも会うたびに結局はそういう話になる。それで、安東氏としてはやはり最近の行動者に不満というか物足りなさがあるようで……)、何が足りなくてこれから何を補いながらどの方向へ進めばよいのかを、今回のフォーラムのような場も借りながら常に考え続けてゆかなければならない気はする。
まあ僕個人的には(主に「出版」の面で)そのような大風呂敷を広げる行動者を、それがほつれたら補修して折り目がついたら平らに伸ばす作業に勤しむ支援者のような役割で、今後も在り続けるとは思うけど。

それで、前回と同様に冊子によるフォーラムの報告書が来年? に発行されるらしく、それにまた4年後あたりに第3回を開催したいという意欲もあるようなので、併せて楽しみにしたい。

都市型サバイバル登山家?

2015-08-10 23:59:59 | 他人の旅話
服部文祥氏の新刊絡みの続き。
というか、本を1冊ごとに分けて触れるのは面倒なので、今年の『ツンドラ・サバイバル』(みすず書房)も昨年の『サバイバル登山入門』(DECO)も何もかもまとめて一緒に扱おうかと。

まず、東京近郊のトークイベントについては、先月に湘南T-SITEの湘南蔦屋書店に行ったことは触れたが、今月は26日(水)に代官山T-SITEの代官山蔦屋書店でも決まったそうで。70名も入るのだろうか……。
また、その前に12日(水)に下北沢のB&Bでも決まっていて、もう明後日ではないか。というか、ここは前々から『本の雑誌』15年6月号からの連載「サバイバルな書物」でも予告していたが、7月下旬に予定されていたものを延期した感じなのかねえ。
最近、出版関連の催事が多いとよく小耳に挟むB&Bというハコは特に興味深いのだが、僕はこの今月分はいろいろあって行けないかもしれない。

次に、7日(金)にDECO(デコ)のブログで『サバイバル登山入門』に関する3本の動画がYouTubeで公開されたことに触れているが、これは最近出かけたものの撮って出しの動画なのね。まあ本の販促目的なのだろうが、観るとたしかに本の詳述よりもわかりやすい部分もある。併せて、この本の3刷も決まったそうでなにより。

それから、『ツンドラ・サバイバル』の書評は今月の媒体からもっといろいろ出るといいなあ、と思っているところだが、それとは異なるが今日発売の『BE-PAL』15年9月号の野田知佑御大の長期連載「のんびり行こうぜ」で、6月末に御大が服部邸に立ち寄った話とともにこの本のことにも少し触れている。なんか他人事ながら自分もかかわった本が御大にも直接届くと、こちらも背筋が伸びて緊張しちゃうなあ。だって、僕が中学生・高校生の頃から旅の在り方とともに仕事として出版業界および野外系の媒体にかかわる、というか志すようになったのは人物で言うと御大(カヌー親分)の影響が最も大きいから。でもまあ、嬉しいものだ。
そういえぱ、この号の特集は「野遊びサバイバル術」だが、この手の企画にうってつけの服部氏は今回は登場していない(やや野遊び初心者・家族向けだから?)。それで、なぜか代わりに? 後ろのほうの記事に<か>が登場していたりする。ちなみに、服部氏とは最近では5月の野外系催事で亀料理? を介して親交のある<か>の「新刊のようなもの」も先月に発売されたが、ここでは何も触れておらず。

あとは、一連の著作とはあまり関係ないかもしれないが、タイトルに「都市型」と付けた大きな理由として、先月発売の『Number Do』vol.22が毎年恒例の登山特集号で、このなかに服部家の親子登山の取材記事が4ページある(記事の一部公開もあり)。本業? のサバイバル登山家とは別の私生活の一部分を、地元の横浜市内から行き来することも含めてなんだかんだで街で生活していることを垣間見ることができる。
先のトークイベントの質疑応答でも、山へ行かない普段は『岳人』の編集という仕事も含めてどのような生活をしているのか? という問いに、通勤はこの時間にこの経路で、みたいなことまで詳しく説明するようなやりとりもあったが、当たり前だが5人家族(と、最近はニワトリも少々)の普段の生活もあるにはある。だからそれが多少滲み出ているこの記事は、これはこれで(新刊の宣伝および販促という思惑とは無関係に)服部氏の人柄を知るうえでちょうど良いタイミングで出たのではないかと思う。

というわけで、今年も夏場に露出度は高まってきた服部氏の新刊、都市部でももっと売れるとよいですね。

映画『縄文号とパクール号の航海』

2015-04-29 23:59:59 | 他人の旅話

東京都・東中野のポレポレ東中野での劇場公開からちょうど1か月経った長編ドキュメンタリー映画『縄文号とパクール号の航海』をようやく昨日観た。やはり面白かった。

これは関野吉晴氏の09年から11年にかけての(というか、台風の通過時期を避ける影響により結果的に3年がかりになってしまった)「新グレートジャーニー」の海上ルート編の全行程に密着した話で、5年前に同じ東中野で公開の『僕らのカヌーができるまで』の続編のような内容で、だからこの作品のラストに完成した完全に手造りの舟「縄文号」で(「パクール号」のほうは08年春から始まった舟造りと航海に使う道具類の創作から人力にこだわった「縄文号」とは別に、やや人力以外の力も加わっている)、実際にインドネシア・スラウェシ島のスタートから日本・石垣島のゴールまでの航海の模様を、「グレートジャーニー」のあとに「新グレートジャーニー」も追ったフジテレビの番組よりも詳細に見せている。

この航海については、そのテレビ番組の録画をすでに数回観ているし、地平線会議などで関野氏たちクルーの航海後の話も聴いているし、ゴールから約2か月後の11年8月にはこの計画の関係者の多い武蔵野美術大学で「縄文号」と「パクール号」を展示したときに観に行っているし、ということで予備知識は充分にあるつもりだったが、主役の関野氏の描写が中心だった番組とは違ってこの作品では航海に参加したすべてのクルーをほぼ均等に見せていて(というふうに編集した意図はわかる)、特にスラウェシ島で舟に使う木を選ぶところから参加している者もいる計7人のマンダール人クルーの航海にまつわる言動・行動、特にこの航海に徐々にのめり込んで必ずゴールまで辿り着きたいと誇りを持てるようになった過程をつぶさに観ることができて、旅の完結からもうすぐ4年が経つという今頃に観ても新鮮な画ばかりだった。

まあ僕の周りではすでに観ている人は関係者も含めて多いが、一般的な映画の興行としてはまだまだか。
公開前の試写のコメント取りは、北野武、糸井重里、田口ランディ、林家たい平、高野秀行、服部文祥、会田誠、という豪華メンバーで(このうちプログラムへの寄稿は田口・服部のみ)、『僕らのカヌー~』の頃の数倍は宣伝に力を入れている。ツイッターにも関連の情報は多いので、ここも要チェックでしょう。

公開1週目と2週目の東中野での上映後のトークイベントも日替わりゲストがまたもや野外業界的には豪華で盛りだくさんだったが(この黄金週間中も上映後の水本博之監督の挨拶や軽めのトークは続けている模様)、でもポレポレ東中野での公開は来月15日(金)までで、大阪府・十三のシアターセブンで来月8日(金)までで、このほかにも他地域での公開の話もあるらしく。
今後はそれ以外にも自主上映でも積極的に動くようなので、もっと全国的に公開されるとよいけどなあ。

そういえば、『僕らのカヌー~』のDVDソフトは未確認なので、今取り組んでいる大きな仕事の報酬で買おうかしら。『縄文号~』の今後のソフト化も楽しみである。

服部文祥的BS番組と新刊の書評と雑誌の表紙・特集と

2014-12-30 00:00:00 | 他人の旅話

1日(月)の投稿の続き。

そこで触れた、服部文祥氏が出演の長野朝日放送の紀行番組『ネイチャー&ヒューマンスペシャルシリーズ2014 秘境・秋山郷 マタギの里の恵み』は、今夜にBS朝日でも放送することになったので、当然しっかり観ながらきっちり録画したい。

また、先月から触れている服部氏の新刊『サバイバル登山入門』(DECO)の紹介や書評がそろそろいくつか出てきて、今月分では特に『山と溪谷』15年1月号『ランドネ』15年2月号の誌面はチェックしたが、さらに25日(木)に発売の『Fielder』vol.19のサバイバルというか「自給自足」に関する特集の最初のほうにも8ページ登場し(うち1ページは新刊のイラストの抜粋)、書評よりも何よりもご自身が露出しているこれが最も目立つか。表紙にも出ているし。

そういえば、新刊のイラストを担当したスズキサトル氏のブログも最近見つけたので、これも張っておこう。この本の仕事は1年かかったというと、結構前から準備していたのね。それは知らなかった。

まあとにかく、これで新刊がさらに売れるといいねえ。

2014年のトークイベントなどの結果

2014-12-25 23:59:59 | 他人の旅話
今年の野外系のトークイベントや講演会を聴きに行った結果は、以下。

14/01/14 西任暁子×荻田泰永、東京、八重洲ブックセンター本店
14/02/07 萩原浩司、市ヶ谷、インプレスグループ市ヶ谷セミナールーム
14/03/15 関野吉晴・大場満郎、御茶ノ水、明治大学「登山・冒険フォーラム」
14/04/13 野川かさね×小林百合子、青山一丁目、BOOK246
14/05/20 馬場直子、竹橋、毎日メディアカフェ
14/06/14 鈴木みき・花谷泰広・四角友里・中嶋徹、東池袋、好日山荘Mt.FESTA
14/06/21 新井信太郎、霞ヶ関、日比谷公園・緑と水の市民カレッジ
14/10/13 齋藤潤×松鳥むう<む>、東京、KITTE
14/10/13 泉麻人、東京、KITTE
14/11/06 柏澄子・橋本しをり、参宮橋、国立オリンピック記念青少年センター
14/11/14 森山伸也×大森千歳、恵比寿、FULLMARKS代官山
14/11/27 服部文祥、品川、モンベル品川「冒険塾」
14/12/04 かとうちあき<か>・松鳥むう<む>・坪井伸吾・西牟田靖・熊沢正子、青海、東京カルチャーカルチャー

今年も、当初はもっと多く予定していたのに、結局は11本と少なくなってしまったのは反省。
やはりどうしても知り合いが出る催しが多くなってしまうが、そんななか今年は、馬場直子、齋藤潤、泉麻人、橋本しをり、森山伸也、の各氏のように以前から気になっていたが実際に会うのは初めての方の話もいくつか聴くことができて、それなりに収穫はあった。

来年はもっと予定をしっかり決めて、いろいろ聴きに行きたいなあ。


※2014年12年31日(水)の追記
当初は11本としたが、追加して13本に修正。

今月から「株式会社風の旅行社名古屋」に

2014-05-15 23:59:59 | 他人の旅話
一箱古本市の出店のあとは、連休後半にちょいと虚脱感があったり、連休明けは久々に(ちゃんとお金になる)仕事があってそれに集中したりもして、更新が滞ってしまった。
昨年4月1日(月)に触れた「風の旅行社名古屋支店」の続き。

名古屋支店の営業開始からちょうど13か月が経過した、というタイミングで今月1日(木)から、この支店が「株式会社風の旅行社名古屋」という別会社に移行した。
この暖簾分けというか分社化の経緯も、昨春の「支店長」の名古屋行きの直前に仲間内で集まったときになんとなく聞いてはいたが、これは予定どおりとはいえ案外早い移行なのだな、という印象(ここ1年強の支店の経営実態や名古屋話を詳しくは聞いていないので、あくまで「印象」のみですみません)。

まあ、言わば「社長」となった一国一城の主の様子を、昨年はいろいろあって無理だったが今年は一度くらいは覗きに行けるといいなあ。会社の雰囲気を実際に観ないと、より詳しいことはなんとも言えないしなあ。そういえばこれで、僕の交遊関係で「社長」となったひとは3人目か。

ただ、僕は関西方面へ行く機会は今年もありそうだが、ここ十数年を振り返ってもウチからの距離はそこよりも近い名古屋とその周辺へ行くきっかけは旅でもまとまった仕事でも案外少ない、というかないに等しいのよね(単発のアルバイトで昨年末に名古屋市の郊外へ行く機会は1度あったが、市内中心部へ寄り道する時間はなかった……)。なんでだろう。だから東海地方は海・山・川も一般的な観光地も全体的にいまだに疎かったりする。
所在地も変わっていないようなので、何かほかに用事を作ったりしながらなるべく早めに行ってみよう。

名古屋圏にお住まいの旅行好きの方には引き続き、「株式会社風の旅行社名古屋」をおすすめします。よろしくお願いします。

明治大学出身の「冒険家」の、30年後の催しで再確認したこと

2014-03-17 00:00:00 | 他人の旅話

15日(土)の午後、東京都・御茶ノ水の明治大学の教室のひとつで、明治大学体育会山岳部の炉辺会(ろばたかい=山岳部のOB会)が主催の、登山・冒険フォーラム「マッキンリーから30年 植村直己を語り継ぐ」があり、聴きに行った。
聴衆は教室が8割以上は埋まっていたくらいで120人以上はいたと思うが、僕のような学外からの部外者というか一般の者は紙媒体のみの告知だったようで思ったよりも少なく(「炉辺会」による手弁当で無料の催しで、出席の申し込みも往復ハガキのみ受付というアナログな手法だったこともあるか)、聴きに来ていた人の大半は明大関係者だったようで。しかも(もし今年も生きていたら73歳の)植村氏やウチの親と同世代だから70歳以上の方が多かった印象。

で、これは植村氏が冬のマッキンリーで遭難してから先月で30年が経ち、この節目の年を機に昭和時代の不世出の「冒険家」の偉大さを再確認しよう、という体の催しだった。3時間半、僕は居眠りすることなくしっかり聴いた(いやあ、僕よりも前のほうの席で、若干は知り合いの方の動きが一時止まっていたのが気になったもので……。たしかに室内は適度な空調だったけど……)。
でも会場が教室だったので、特に前半にあった基調講演で登壇した(植村直己冒険賞受賞者の)関野吉晴さんの出番のときは、(植村氏の足跡を検証した)スライドの内容がそのまま大学の講義のような雰囲気で(まあ関野さんは武蔵野美術大学で本職だから)、学生時代に戻った気分で聴いていた。

ほかにも後半のトークセッションの登壇者は事前の触れ込みよりも多く、そのほとんどが学生時代の体育会系とは違って今は丸くなった? 登山業界の大ベテランの方々だったが、その「垂直」の関係者ばかりのなかで、関野さんと、冒険賞の受賞者としてもうひとり招かれた(僕は著作やテレビ番組ではよく見聞きしてきたが今回が初見だった)大場満郎さん、のふたりは「水平」のほうが目立つ行動者で、その視点の話はもうちょい欲しかったな、と心残りも多少あった。が、全体的には面白かった。

それで、いろいろな話が出たなかで最も印象深いことは、最近の現役の明大生でも植村氏を知らない子が結構増えてきた、ということで。
しかしまあ植村氏の出身学部の農学部では比較的知られているそうだが、さすがに30年以上、自分が産まれたときよりも前の「偉人」のような人物のこととなると、興味が薄れてゆくのは時代の流れもあって致し方ないのかも。
それに、「知っている」といっても、明大山岳部出身、アマゾン川、エヴェレスト、五大陸最高峰登頂、北極点、犬ぞり、南極は断念、北海道・帯広の野外学校の構想、冬季マッキンリー遭難、国民栄誉賞、とどこまで知っているかの認知の程度もまちまちだろうし。
となると、兵庫県豊岡市の「植村直己冒険館」や東京都板橋区の「植村冒険館」という施設もあることすら知らない学生も多いのだろうが、昭和時代の偉大な「冒険家」のおおまかな足跡くらいは後輩として知っておいてほしいものだなー。

それで終盤に、催しのタイトルどおりに学内で学生に向けてもっと植村氏について語り継いでゆくべきではないか、という結論になんとなく達したが、このような催しにホントは(正直に言うと、先はそんなに長くはない……)年配の関係者や仲間内ばかりが揃って思い出話に花を咲かせるだけにとどまらず、学生のような若い世代がこういう話を聴きに来やすい環境というか雰囲気を作るようにもっと努めるべきじゃないのかなー、と他所者ながら聴いていて思った。なんか、せっかくの好機なのにもったいない気が。
後半のトークセッションの進行役だった、(僕よりもやや若い)山岳部の植村氏の後輩である(登山を書くフリーライターの)谷山宏典さんのような直系の若手が、植村氏関連の今後の催しの旗振り役になるべきなのかなあ。そのへんを期待したい。

そういえば近年は理系の学部も有名になってきたらしい明治大学の農学部というと、近年はほかの学部と同様にここで学ぶ芸能人も散見されるが、なかでも特に目立つのは向井理か(彼は卒業後のデビューだけど)。
向井くんの場合は一昨年に夏山診療所を扱った(端役で能年玲奈も出演していた)テレビドラマ『サマーレスキュー』で登山モノに触れた経験はあるので、学部の大先輩のことも知っているとは思うがどうなんだろう。ちなみに、昨夜に終了したそれと同じ放送枠で今クールにこれまた主演だった『S -最後の警官-』も全話観ていたが、明大としても最近では向井くんは(インテル・ミラノの長友佑都とともに)かなりの出世頭なので誇らしいのではー。

ほかにも芸能面で若手では、(明大的には快挙の?)来年のNHK大河ドラマ主演でさらに伸びそうな井上真央とか、若い世代をどんどん絡めてゆけばよいのに。ウチの母校よりも人材はすべての学部で豊富なのだから、じゃんじゃん使ってほしい。年配の方は向井・井上の両名のような若手は知らないかもしれないが(一応、ふたりともNHKの朝ドラ主演も経験済みで全国区なのだが……)、学生の世代では効果絶大のはずだから。ほかには山下智久や北川景子もよいか。僕個人的には(ウチの地元出身の)川島海荷がおすすめ。
学内の学生への訴求力というか触れやすさを考えると、こういった著名な卒業生と絡める企画等も語り継いでゆくうえでのひとつの有効な方法だと思う。今や早稲田大学をも凌ぐ? らしい明大ブランドを、積極的に活用すべきじゃないですかー。

東京都心の書店内のトークイベントで寝転がる野宿女子と島旅女子

2013-09-23 23:59:59 | 他人の旅話
最近は残暑が厳しいざんしょでやる気(書く気)スイッチがなかなか入らなくて更新が滞ってしまったが、そろそろ涼しくなってきたので復活。

先週20日(金)の夜、東京都中央区の八重洲ブックセンター本店8階のトークイベントに、『野宿野郎』のかとうちあき編集長(仮。以下、<か>)と、イラストレーターの松鳥むうさん(以下、<む>)がそれぞれ今年の春から夏に出版の新刊をひっさげて登場した。
ふたりの新刊とは、<か>は『あたらしい野宿(上)』(亜紀書房)で、<む>は『島旅ひとりっぷ』(小学館)と『ちょこ旅 瀬戸内』(アスペクト)で。『ちょこ旅 瀬戸内』以外の2冊は読了済み。『瀬戸内』は年内に買います……。最近、金欠続きなのもので……。

本ブログでもこれまでにちょいちょい触れてきたようにふたりとも数年前から知り合いで、過去に都内でふたりも含む複数人が登壇する旅関連の催しはあったが、このふたりの組み合わせでやるのは初めてではないかね。ほかには、以前に一緒に野宿したことはあるようだけど。<む>の「誕生日野宿」で。
<か>とはこの前週の(新刊を買わせることが参加条件だったのが裏目に出て来場客は過半数割れと散々な結果だった?)ブックファースト新宿店の催しにも行っていてしょっちゅう会っているが、<む>とは約3年ぶりに会ったっけか。『野宿野郎』本誌も過去2冊の野宿本の出版でも営業努力が足りなくて? ものぐさな<か>と違って、新刊の宣伝およびジュンク堂書店やモンベルストア主要店舗の全国巡回で時折催す原画展の案内をその都度まめに送りつけてくる(しかも料金別納郵便で)、もとい頂戴するので、そんなに久々という感覚でもなかったけど。今年7月から来年2月までもモンベルで『瀬戸内』編を巡回中で、例えば近々では渋谷店で開催とか。

で、その対談形式というのが下の写真の1枚目のようにマットを敷いて寝袋に入ってうつ伏せになるカタチで、しかも飲酒も可という、こんなにふざけた? くだけた? 雰囲気の催しを八重洲ブックセンター本店で敢行するのも初めてではないのか。よくこんな催しが、小規模のイベント専用空間ならまだしも都心の、東京駅というターミナル駅前の有名大型書店で実現したよなあ。画期的であるね。



会場の前方はこのように青シートの上にダンボールを敷いて客席とし、そこに座れたり、なんなら寝袋に入って寝そべることもできる空間になっていた。会場の両端と後方に一般的なパイプ椅子も並べていたが、来場客は50人が定員のところを最終的には40人くらいは入ったか。ほかにも、ふたりの本の版元の(スーツとか)ちゃんとした格好の関係者が周りに数人いた。ちゃんとした格好の方々と、舞台中央の寝そべっているぐだぐだな主役ふたりのそんなにちゃんとしていない格好との落差も可笑しかった。
ちなみに、舞台右の<か>と中の<む>の組み合わせ、それにこのダンボール敷きの会場の企画の発案は、左に座っている黒っぽい格好でこの日の進行およびツッコミ役も務めていたテリー植田氏によるもので、元々は彼が運営している台場のイベント「東京カルチャーカルチャー」の縁でこのふたりを掛け合わせたようで。僕はそこの催しは未体験だが噂は度々耳にしていて(旅系のテーマが結構多いのは存じ上げております)、そこのノリを都心に持ってきたかったのね。植田氏の演出した空間を初めて体験してそれがよくわかった。


会場中央に敷いていたダンボールは出版関係者にはお馴染みの大手取次のひとつ「日販(日本出版販売)」のものが大半であった(取次は書店によって異なり、八重洲ブックセンター本店はここと契約しているということか?)。ちなみに僕はこれまでに出版流通のアルバイトで散々触ってきて見飽きているダンボールだが、仮に野宿時に敷く敷き物としてはこれはまあまあ良質のほうだと思う。ダンボール敷きの客席には20人くらい座っていたかなあ。
約1時間のトーク中、<む>は相変わらず繊細な絵柄と手書き文字とは裏腹に喋りのテンションは高く、<か>は酒が進むといつものように目がとろんとしてぐだぐだになる、という予想どおりの展開であった。このパターンは数年前から不変。
そのふたりに、実は学生時代は山岳部所属で、野田知佑のチキンラーメンCMの影響で一時期はカヤックにはまったりもして、だから野宿や旅には元々かなり理解のある植田氏がいちいちツッコミを入れて、どこかから酒のつまみとして出されたオイルサーディン缶を客前で食べまくる<か>を牽制する様子も含めた引っ掻き回しぶりも、ひいき目抜きで面白かった。


新刊。トーク後に<か>と<む>がそれぞれ寝転がりながら書くサイン会もあったので、手売りでもそこそこ売れた模様。
ああ、よく見ると左奥に「日販」と双璧の取次「トーハン」の箱もあるわ。これはいずれかの版元のモノなのかなあ。


サイン会は、寝転がりながらの体勢が続くと辛いので結局は正座で。僕は<か>の相変わらず落書きのようなサインは前週にもらっているので、このときは<む>のみで。併せてアスペクトの担当編集さんと挨拶もしたが、名刺を持参するのを忘れてちと後悔した。しかし、缶チューハイを2本飲んだ赤ら顔で良い気分のときにマジメに仕事の話をするのもなんだかヘンな感じだったので、まあ何もなくてよかったのか。
ちなみに、手前の<か>の下の使い古した銀マットも奥の<む>の下の橙色のエアマット(サーマレスト)も青色の寝袋もすべて<か>の私物だが、ここ数年の野宿ではエアマットを頻繁に使い、銀マットのほうは各種取材を受けるときの小道具というかネタとしてよく見せてはいるが実際の野宿での出番は減っている。


そういえばこの催しで、「ハイサワー」で有名な博水社の製品が参加者全員に振る舞われ、ここが今年から酒類の販売に参入し始めた最初の商品である「ハイサワー缶」のレモンチューハイをいただいた。しかも2本。飲んでみると、お世辞抜きでそこらへんの88円や105円くらいで売っている安物缶チューハイよりも味が濃厚でキレも良くて旨かった。だから、僕のほかにもアルコール類が飲める来場客はほぼ漏れなく赤ら顔で良い気分になり、こんなに良い意味で? ぐだぐだの催しが成立したのは凄いよなあ、と八重洲ブックセンター本店の懐の深さと植田氏の策士ぶりを実感した。
なぜこの催しに博水社が絡んだかというと、3枚目の写真の手前にあるが先月に同じく亜紀書房から『ハイサワー炭酸レシピ83』という本が出ていて数日前に同じ会場でハイサワーを飲みまくる催しもあったからだそうで。
また、この場にもお見えになって挨拶もしていた女性社長と『野宿野郎』の“大将”が仲良くなって、今度、博水社の製品をさらにいただけることになったらしい。この仲間内の場合、本よりも酒のほうが好都合のときもある……。


この催し全体的には、これに無料で参加できてよいのだろうか? と申し訳なく思うくらいにとても楽しかった。
そういえば、<か>のほうはよく一緒に野宿していることもあって野宿の変遷や酒とつまみの好みもだいたい把握しているが(酒は基本的にビールとチューハイと梅酒が好き。あっ、これは個人情報なのだろうか……。まあいいや)、<む>のほうは酒はビールや焼酎は苦手で日本酒やワインや梅酒は大丈夫と偏りがあり、しかも特に宿での夜の人付き合いで飲酒の場面も頻出するであろう沖縄県内の島旅では泡盛もダメなので黒糖梅酒の瓶を1本買って常に持ち歩いている、という話は初耳で面白かった。あと、野宿は学生時代に熱中していた宝塚歌劇団のチケット獲得のときに徹夜で並んでいたらインフルエンザに罹ったことがあってそれがトラウマで、という逸話もあるとは。でも最近は<か>と、野宿のさいは主に食料担当の“大将”と一緒に野宿すれば大丈夫らしい。

最初に会ったのは6、7年前か、今ほど売れる前のほぼ無名の頃から知っている<か>と<む>は、それぞれ女性なのに女性らしからぬ? 個性と好奇心で野宿と島旅にこだわって、目のつけどころがひと味違う旅のカタチを突き詰めてしかもそれを出版で提示しながらそれぞれの道に邁進し続けた結果、年々実績を上げてここ数年は(単著では)<か>が3作目で<む>が5作目という本の出版のほかに、大手の新聞・雑誌やテレビ・ラジオ番組にそれぞれ専門家的な立場からの露出も増えて、それでようやくこのような催しも実現するようになったんだなあ、と近年の(端から見ると)順調な売れ方は他人事ながらちょいと感慨深い。

今後もそれぞれの分野で妥協せずに、ふたりとも媒体露出時にどうしてもたまにツッコまれる色恋沙汰の話を振られてもさらりと受け流してあえて気にしない(したくない)のかもしれないが「女性」という立場も大きな武器にして(この投稿のタイトルにも使った「女子」という表現には賞味期限があると思うけど……)、まあとにかく有名無名とかは関係なくこれまでどおりに邁進し続けてほしいものだ。


※27日(金)の追記
昨日なのかな、博水社から『野宿野郎』の“大将”宛てにホントに箱で製品が届いたようで。仕事が早い。というか、僕にもおすそわけを期待しちゃう。

※30日(月)の追記
地域限定だが、28日(土)付の朝日新聞東京北部(東京総局)版に、この模様の記事が掲載されている。どちらかと言うと<む>の扱いのほうが大きく、記事中の四国遍路のくだりで「おもてなし」を使ったのはタイムリーというか、新聞らしいというか。

「グレートジャーニー 人類の旅」展は、結局は2回のみ

2013-06-06 23:59:59 | 他人の旅話

東京都・上野の国立科学博物館で9日(日)まで開催の特別展「グレートジャーニー 人類の旅」展を今日、観に行った。

4月26日(金)に地平線会議の関野吉晴さんの報告会をここの講堂を借りて開催した折に1回目を観に行っていたが、そのときは関野さんのギャラリートークが毎週夕方に行なわれる金曜日で、それ目当てで訪れていた来場者の多さで混み合っていてゆっくり観られる状況ではなかったため、日を改めて今日は隅から隅までじっくり覗いた。3時間かけて。
今日は会期終盤だったためか、平日午後なのに来場者は多かったなあ。課外学習らしき小学生や修学旅行らしき中学生の団体も多かったが、ちゃんと勉強になったかなあ。
こういった学術的な展示にしては写真撮影禁止の箇所も少なく(禁止だったのはフラッシュ撮影と、今回のちょこっと目玉にしている「干し首」と「ミイラ」と、映像くらいか)、ありがたい。

まあ僕は主に地平線会議の報告会で関野さんの話はここ十数年で10回くらい聴いているし、最近の各種媒体の取材もほとんどチェックしているし、フジテレビの『グレートジャーニー』シリーズの放送分は1994年の初回から全部観ているし、BSフジで昨年5月から毎月続いていたその再放送も1日(土)に完結したが、すべて改めてBD録画して観ているので、その内容は人一倍理解できているつもりだが、改めて学ぶ点も多かった。これまではテレビで断片的に観ていたことも、会場でひとまとめにして視たからこそわかることも観る人によってはいろいろあるだろうね。

そのため、旅の詳細や関連の展示よりも、そのように(昨年5月に観に行った「すみだ環境ふれあい館」の常設展示よりも高尚? な場である)“科博”の特別展という会場に関野さんの足跡をいっぺんに広げた状態と、会場を訪れる(おそらく今回初めて「グレートジャーニー」の旅と関野さんの個性に触れた)来場客の反応を観るほうが面白かった。特に食に関する展示で「よくこんなのを食えるよな」みたいな一般的な反応も、「日本」とは異なる地域で生きている人々の(「日本人」から見た場合の)異文化をどこまで理解できるか否かの点で興味深く聞き耳を立てていた。今回は聞き耳ばかりですみません。
それに加えて、関野さんが最近の講演や取材でよくネタにしていた「人間はチンパンジーよりも弱い」みたいな、人類の強さと弱さの両面についても直に聴けると、より今後の生き方を考えるきっかけが増えたかもなあ。

おそらく関野さんからすると(直近では先月の三浦雄一郎氏の80歳でエヴェレスト登頂、で改めて注目度が高まった(年齢的な)「冒険」よりも、自分の行動とともに学術的・客観的な事後報告・発表も重視する「探検」という行為において)この探検家冥利に尽きる? 大々的な展示は、ホントは会期中にもう1回くらい行きたかったが、金銭的に2回が限度だった……。会期中の限定品である2300円の公式ガイドブックも欲しかったし(経済的に厳しかったが、これも今日ようやく無事に買えたので、満足)。

今年のグレートジャーニー祭り? も今週末で終わり、あとは今年の出版が相次いでいるその関連書籍にもっと手を出したいのだが、どうなるかなあ。うーむうーむ。

ちなみに関野さん、近々ではモンベルで昨年に続いて開催の「冒険塾」にも講師として引き続き登壇するので、こちらでもまた違った話を聴けるかも。今年は品川と大阪の2会場で昨年のように公募で人数を絞ることなく一般向けに座学に統一しているのよね。ああ、関野さんは品川で10月に1回のみか。僕は(比較的よく話を聴いている)関野さんと服部文祥さんのほかに聴きたい回はいくつかあるのだけど、どうしよう。


※13年6月15日(土)の追記

モンベルの「冒険塾」、今年は座学に限定ではなく野外での「実践講座」もあるのね。こちらも一般向けで。例えば服部さんの場合は来月にこれを。関野さんも何かやるのかなあ。あれば参加したいなあ(お金があれば……)。

「風の旅行社」が中京圏に業務拡大というか栄転というか

2013-04-01 23:59:59 | 他人の旅話
今年もあえてエイプリルフール無視ネタを、と思ってひとつ用意していたのがあったが、それよりも出しておきたい最近のことについて。

H.I.S.やJTBや近畿日本ツーリストなど全国的に名高い大手旅行代理店の、有名観光地を移動はほぼ動力頼みで巡る大名旅行的な商品とはひと味違う、諸外国の辺境というか行くためには(高山病対策など)それなりの準備と体力が必要不可欠な地域へのトレッキングのような自然体験を伴う旅行を催行する旅行会社のひとつに「風の旅行社」があり、ここの国内の拠点としては東京本社と大阪支店に加えて今月から名古屋支店が開設された。
それで、この新しい支店の「支店長」に就いたのが、実は大学ワンゲルのときの1学年上の先輩だったりする。たしか今年で勤続10年近い気がするが、今回のこの人事は栄転と言ってよいのだろうね。

僕もこれを知ったのは最近で、10日ほど前に東京都内某公園でその送別会も兼ねた花見があり(でも僕は花見に遅刻したので、近所の後輩宅での2次会のみの参加だったが)、そこで数人集まったワンゲルの後輩たちとともに久々に会い(近年は会う機会が減り、たしか別の後輩の結婚披露パーティー以来3、4年ぶりだったような気が)、学生時代と全然変わらないここでは書けないようなバカ話をあの頃と同様に繰り広げて(現役のときは女子部員もいたが、そのとき集まった男だらけのメンバーの場合はどうしても下ネタ混じりになってしまうのはどこの集まりも同じだろう。男の性というか……)、あれからかなり時間は経ってしまったが変わらない共通認識と雰囲気を味わうことができて面白かった。

そういえばこの会社の社員は基本的に登山経験者が多いらしく(山岳ガイドの山田哲哉氏を講師に迎えた登山教室を実施しているのもその影響だと思う)、「支店長」はそのなかでも経験が比較的あるほうか。(僕は立正大学入学時の1994年春から、ワンゲルとともに地理学科の先輩でもあるのでいろいろ知っているが)学生時代からワンゲルとともに社会人山岳会も掛け持ちしていた、「毎週のように山へ行く気概がなければ“山ヤ”ではない!」みたいな熱いことも酒席でよく語っていた真性の“山バカ”で、特に2000年前後にはヒマラヤ7000m峰に3つ登頂していることもあって(チベット・ナムナニ、パキスタン・スパンティーク、ネパール・アピ。その記録の参考として日本ヒマラヤ協会のページも要参照)、普段の仕事とともにその実績も買われたのかも。なので、名古屋支店へは旅行とは別に国内外の登山の相談に行くだけでも充実するでしょう。(大手媒体が良くも悪くも触れないことも含めて)登山業界のかなり詳しい情報も持っているから。

というわけで、今後は中部国際空港発着の商品にも力を入れるらしいので、(地理的には「名古屋圏」という呼称も一般化しつつある)中京圏にお住まいでこの会社のような旅行に興味関心のある方は、よろしくお願いします。昨年に廃業したアミューズトラベルのような致命的な失敗は絶対に犯さない会社であることも保証します。
同業他社のアルパインツアーサービス西遊旅行の添乗業務にかかわる僕の知り合いからそれぞれの会社の添乗の実態もたまに聞くが、それらも総合すると風の旅行社の手法が最も手創り感があって良い意味でコンパクトにまとまった、そして社員とお客さん同士のつながりを重視している印象があり、繁忙期には広告をバンバン出す冒頭に挙げた大手ほどではない会社の規模がそういう趣向にちょうど良いと思う。

ちなみに、ここの東京本社にも大学ワンゲルの4学年下の後輩がひとり勤めているのだが、こちらもネパールに関するこういう記事を書くくらいの山好きなので(彼も、記事の冒頭で触れているアピに登頂)、併せてよろしくお願いします。

「グレートジャーニー展」は来月以降に

2013-03-30 15:30:45 | 他人の旅話
すっかり忘れていた、わけではないが、先々週の16日(土)から東京都・上野の国立科学博物館で始まった特別展「グレートジャーニー 人類の旅 -この星に、生き残るための物語-」展(このタイトル、「生き残る」が意味深なのよね。らしいと言えばらしい)、その主役の関野吉晴さんが今月からこの開催に合わせて大小問わず各所の取材やトークイベントに連日顔を出していて露出度は過去最高だが、それに加えてフジテレビの宣伝効果もあり、さらには「アファール猿人復元プロジェクト」のモデルに岡村隆史(ナインティナイン)が起用されたという話題性もあってか盛況らしく、なにより。

最近の取材というか媒体露出で特に興味深いのが、「ほぼ日刊イトイ新聞」の関野吉晴×糸井重里対談か。これまでの講演や取材では出てこなかったと思う同世代ならではの話もある。

科博、僕は観に行くとしたら来月以降で、早ければ来月の地平線会議の報告会はその会場の一角で行なわれるため、それで行くのが最初かも。まあ会期はまだ2か月以上あるから、なんとかなるでしょう。
正規の入場料金の1500円を支払うのは正直ためらわれるので、都内の金券ショップを探ってでできるだけ安く入場できる方法を模索中。少なくとも2回以上は行きたいから。2300円もするという公式ガイドブックも欲しいしなあ。

で、この開催にあたって関野さんの現在の所属先である武蔵野美術大学や、地平線会議の関係者も展示に結構深くかかわっているらしく、最も目に見えてわかりやすいのは(僕も知り合いの)関野さんの大学の教え子のひとりが会場内の解説パネルのイラストを担当したことか。まだ展示を生で観ていないのでなんとも言えないが、たまに野外系雑誌のイラスト寄稿の仕事でも観ているその絵柄はだいたいわかるので、まあそこは追々。

ほかにも、だいたいはここ数年の「海のグレートジャーニー」のことだが最近の関野さん関連本の出版も多く、公式ガイドブックも含めてここ数か月で立て続けに6冊も出版されるとか。全部は厳しいので、2、3冊は買えるとよいが。
今年上半期のこの関野さん関連の勢いには、できるだけ乗れるように努めたい。そこそこ流れを掴むためには、少なくとも1万円は必要だろうなあ。なんとかしないと。

2012年の講演会・トークイベント

2012-12-22 15:30:21 | 他人の旅話
今年の、地平線会議の報告会以外で聴きに行った野外関連の講演会・トークイベントの結果は以下。14本。


12/01/14 田部井淳子×市毛良枝・山野井泰史×角幡唯介、有楽町、有楽町朝日ホール「ヤマケイ文庫フェスティバル」
12/03/31 服部文祥×内澤旬子、神保町、東京堂書店
12/05/18 鈴木みき、新橋、アルパインツアーサービス
12/06/23 坪井伸吾、渋谷、モンベル渋谷店
12/06/24 吉田智彦、神保町、iciclub神田アースプラザ
12/06/30 高橋庄太郎、神保町、パタゴニア神田店
12/07/20 野田知佑×鹿熊勤、新宿、紀伊國屋書店新宿南店
12/08/09 かとうちあき、川口、川口メディアセブン
12/10/06 竹内洋岳×服部文祥、新富町、銀座ブロッサム
12/11/10 竹内洋岳、大崎、立正大学・石橋湛山記念講堂
12/11/18 吉田智彦、渋谷、モンベル渋谷店
12/12/08 大塚博美・荻田泰永・中出水勲×廣江研・松浦輝夫・湯川豊、大山、板橋区立文化会館「植村冒険館20周年記念講演会」
12/12/14 宮崎茂男、市ヶ谷、日本山岳会「山岳遭難防止セミナー」
12/12/18 村石太郎×土屋智哉×伊藤弘、渋谷、モンベル渋谷店「遊歩大全ナイト」


特に下のほうの、今月に立て続けにあった3本はいずれも濃かった。
大山では「植村直己とは何だったのか」という面白いお題で催して結局は早急に結論は出さずに今後も考え続けてゆこうとまとまり(荻田氏は来春の再びの北極行が決定して、その資金集めの話が中心になっていたけど)、市ヶ谷では冬山遭難の実例として特に時間を割いたのはこの数日前に起こってしまった仙丈ヶ岳付近の稜線で浜松の兄弟(2人とも死亡)の捜索話を現場写真付きで一般の報道以上に詳しく聴き、渋谷ではコリン・フレッチャーの名著の復刊を大々的に祝うのかと思いきや「構成を考えずにダラダラ書いている」「真剣に読んではいけない本」「引きこもり」などと彼の偏屈? な人間性と筆致へツッコミを入れる会となり(しかしもちろん、この本への思い入れと愛情からくる放言だったが)、と、充実した集まりで収穫も多かった。


これは「遊歩大全ナイト」の模様で、村石氏(右)が進行役だった

今年は数人の登壇者は同一人物でかぶってしまったが、興味関心があるのだから仕方ない。
来年はもっと多種多様な行動者の話を聴きたいなあ。