日々是好日

撮った写真や思っていることなどを気の向くままに書いています。

ハンゲショウ(半夏生)

2022-07-21 07:00:00 | 植物

ちょっと日にちが過ぎてしまったので、今更と思われるかも。

でも、今日のウォーキング中に「ハンゲショウ(半夏生)」を見つけたので、遅まきながら取り上げてみた。

 

日本の暦(こよみ)の中で二十四節気(せっき)以外の、季節の目安となるような日が雑節 ----- 節分とか彼岸とかのあれですね。

全部で9つある雑節の中に「半夏生」がある。

「半夏生」とは夏至の日から数えて11日目にあたる日、その日から5日間を指す場合もある。

だから大体、7月2日~7日頃のこと。

そして昔から半夏生以降は田植えを行ってはいけない、と言い伝えられてきた。

それは、半夏生以降に植えた稲は十分に育たず、収穫も半分になってしまうからで、「半夏半作」という言葉もあるようだ。

その雑節の「半夏生」という名前は2種類の植物から由来するらしい。

 

1つ目の植物が、花穂のそばの葉が半分白くなるドクダミ科の多年草で「ハンゲショウ(半夏生)」

葉が白くなる様子が化粧をしているように見えたから「半化粧」、それが「半夏生」に変化していったらしい。

 

ハンゲショウの白くなった葉も花が終わる頃には緑に戻る。

葉の裏側は白くならず緑のまま、それで「片白草(カタシロクサ)」とも呼ばれている。

 


 

学名:Saururus chinensis 

英名:Chinese lizard's tail

別名:カタシロクサ、カタジロ

科名・属名:ドクダミ科 ハンゲショウ属

原産地:日本、韓国、中国、ベトナム

 


 

そして、もう1つの植物がサトイモ科の「烏柄杓(カラスビシャク)」

これは薬草で、漢方では「ハンゲ(半夏)」と言う。

この植物も半夏生の頃、梅雨が明けそうな頃に生える。

だから「半夏が生える時」ということで半夏生とも呼んでいる。

 

仏炎苞を「柄杓」に見立てた時、小さくて烏が使うくらいの大きさだからとこの名前になった。

この花の別名は「へそくり」。

その理由は、球根がクリに似ていて、茎の折れ曲がった窪みが臍(へそ)のように見えるからだとか。

そして昔の人たちは、この「へそくり」の球根が漢方薬の原料だと知っていたので、集めて売って小銭を貯めていた。

このことが転じて現在の「へそくり」の語源の一つになったともいわれている。(語源はほかにもあるらしい)

 


 

学名:Pinellia ternata

英名:crowdipper

科名・属名:サトイモ科 ハンゲ属

原産地:日本、中国、朝鮮半島

 

 

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ウスイロツユクサ(薄色露草)

2022-07-19 07:00:00 | 植物

世界中にある被子植物の中で青い花をつけるものはたったの10%以下しかないらしい。

そこで科学者たちがどうにか青い花を作りたくて、試行錯誤しているという話を聞いたことがある。

「青いバラ」「青いカーネーション」として売り出しているものも、実際には紫がかった青だったりで本当の青には見えない。

だから、青い花を思い浮かべてもなかなか出てこない。

紫がかったものや、水色の花はたくさん並べられるが、真っ青な花はあまりないと思う。

そんな中で唯一身近にある鮮やかな青い花は「ツユクサ」だと思う。

 

 

でも、「ツユクサ」は青花だけじゃなかった

去年は「シロバナツユクサ」も見つけた。

 

そして、今年はもう一つ珍しいものにも出会えた。

それが「ウスイロツユクサ(薄色露草)」

一面に咲いていた「ツユクサ」の中にいくつか薄い色の花を見つけた。

これが「ウスイロツユクサ」

ただ、色が薄いからなのかな? と思っていた。

そうしたら何と、「薄色(うすいろ)」は日本の伝統色の中にある色で、紫根に椿灰汁または明礬で染めた薄い紫色のことなんですって。---ちょっとムズカシイ

昔は色といえば紫のことで、「濃色(こきいろ)----黒みがかった深い紫色 のこと」、「薄色(うすいろ)----薄い紫色」を指していたようだ。

イメージが浮かばないから、和色大辞典よりちょっとお借りしました。

(それぞれの色をクリックしてね)

薄色はこんな色 → 薄色

濃色はこんな色 → 濃色

 

調べているうちに、「ウスイロツユクサ」には淡青色~淡紫色と、色の幅があるらしいことが分かった。

今回見つけたものは薄い青色だった。

だから、探してみればきっともう少し紫がかった花も見つかるかもしれない。

 


 

学名:Commelina communis

英名:day flower

科名・属名:ツユクサ科 ツユクサ属

原産地:東アジアの温帯地方

 

 

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ビロードモウズイカ(天鵞絨毛蕊花)

2022-07-17 07:00:00 | 植物

幹線道路を車で走っている時、ずっと前から路肩の端の方に背が高くて黄色い花が咲いている草に気が付いていた。

あれは「ビロードモウズイカ(天鵞絨毛蕊花)」だと分かっていても、車を止めることもできずにいつも通り過ぎていた。

ところが先日、線路脇の草むらの中に見つけたので、近づいてみた。

 

「ビロードモウズイカ」、近くでじっくりと見たのは初めてだった。

日本語で書くと難しいけれど、区切って読むと意味が分かる。

天鵞絨---ビロードと読む。

ビロードは織物の一種、別名はベルベット。

毛蕊花---モウズイカと読む。

モウズイカは雄しべに毛の生える花という意味い。

これらが合わさって、ビロードモウズイカになった。

要するに、葉っぱがビロードのような毛で覆われていて、雄しべに毛がある花ということ。

 

葉っぱはビロードのように細かい毛で覆われ、銀色のようにも見える。

この草の大きな特徴は背丈の高さで、大きいものは2mくらいのものもある。

黄色い花をびっしりと咲かるけれど、咲き方が面白い。

普通は下からとか上からとか規則があるのだけれど、それが全くなくて突然中央から咲き出したりしている。

 

これは上下が咲き終わって中央の花だけが残っているもので、写真がはっきりしていないけれど、雄しべに毛があるのが分かる。

 

実入りの悪いトウモロコシのようにも見える。

調べたところ、花が多く咲くので種も多く作られ、その数は10万とも20万とも。

それらはすべてあまり遠くに飛ばず、近くに落ちるらしい。

またその種子の発芽能力は100年以上も長く保たれることもあるため、土地が荒れて再び造成地となった時、最初に生えてくるパイオニア・プランツ(先駆植物)の一つにもなっているのだとか。

 


 

学名:Verbascum thapsus 

英名:Great Mullein

別名:ホザキモウズイカ (穂咲毛蕊花)、アダムズ・フランネル、ニワタバコ

科名・属名:ゴマノハグサ科 モウズイカ属

原産地:ヨーロッパの地中海沿岸

 

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東北町の温泉③ 東北温泉

2022-07-15 07:00:00 | 温泉

青森県東北町の温泉巡りの最後、3ヶ所目は「東北温泉」

2ヶ所目の「八甲ラジウム温泉」から上北町駅まで再び歩いて戻ってきた。

「東北温泉」は同じ東北町でも青い森鉄道で青森方面に向かって一つ先、「乙供(おっとも)」が最寄り駅になっている。

ここは2度目の訪問。

以前、「日本で一番黒い温泉」というキャッチコピーに誘われて来たことがあった。

でも、その時はただ「日本一黒い温泉」を体験してみたいという気持ちだけで、モール泉だということは頭になかった。

だからもう一度チャレンジしてみようと、この日の宿泊先に決めてあったのだった。

 

ここは「乙供駅」から5分ほど歩いた先にあって、外観はおしゃれで、現代風。

日帰り客が多いのか、宿の前は広い駐車場になっていた。

3階建ての大きな施設で、1階が共同浴場、2階は食堂など、3階が宿泊階になっていた。

共同浴場付きのアットホームな雰囲気の旅館だと思ってもらえばいいのかも。

用意されていたのは10畳ほどの広さの和風のきれいな部屋だった。

一息ついてすぐに1階にあるに共同浴場に向かった。

全体的な雰囲気は都会によくあるスーパー銭湯などの温泉施設風、でも石鹸やシャンプーは持参するようで、利用者のほとんどはマイシャンプーの入った手提げカゴを持ってきていた。

宿泊者用のものは部屋に用意してあったので、それを持って行った。

結局ここは昔からの銭湯と現代的な温泉施設の中間のような感じの施設になっていた。

お風呂場は広く、大きな浴槽と小さな浴槽が3つ、高温風呂、電気風呂などに分かれていた。

その他にはサウナ、露天風呂もあった。

 

[露天風呂・女性用]

男性用は庭園の中にある露天風呂になっているらしい。

 

泉質は弱アルカリ性単純温泉で、もちろんモール温泉なので、肌はスベスベしっとり。

どの浴槽のお湯も真っ黒、茶色じゃなくて黒い、これが自慢の「日本一黒い温泉」。

露天風呂の湯温はちょうど良く、湯口からは少し硫黄臭のするお湯がドバドバと流れていた。

 

今回は東北町の3ヶ所の温泉を回ってみた。

この町には温泉街や大きなホテルなどがあるわけではないので、あまり有名な場所ではないのかもしれない。

でも、それぞれの温泉が素朴で地元に密着していた。

そして、湯量豊富で泉質もとても良く、温泉マニアじゃなくとも魅了させられる場所なんじゃないかな?

だから、観光地化はしなくともよいから、是非ともこのままずっと残してもらいたいし、今回入らなかった29ヶ所もいつかは利用してみたいとも思っている。

 

 

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東北町の温泉② 八甲ラジウム温泉

2022-07-13 07:00:00 | 温泉

東北町の温泉、2ヶ所にチャレンジしたのは「八甲ラジウム温泉」

上北町駅にはタクシーが数台あったが、貧乏旅行なのでタクシーという選択肢はなかった。

暑い中をひたすら歩いた。

でも、初めての道で全く知らない場所、物珍しさもありキョロキョロとあちこち見回しながら歩いたので、全く苦にならなかった。

駅から約20分、県道8号線沿いを歩いていたら前方に「八甲温泉」の看板が見えた。

ここはドライブインと宿泊施設も兼ねている温泉施設。

この町の温泉施設はほとんどが簡単な宿泊施設も併設しているようだ。

施設全体はお世辞にも綺麗とは言い難い。

正面がドライブイン、右側が宿泊棟の「発行旅館」と日帰り温泉の「八甲ラジウム温泉」になっていた。

 

日帰り施設の入り口には日本一大きな天然のラジウム原石が置いてあった。

 

ラジウムの原石なんて見るのも初めてだし、この石からラジウムが出るのかな? ってことは放射能が出ているのかな?

などとラジウムに関しては全くの無知。

とりあえず温泉へ、と温泉棟に入ってみたけれど、誰もいない。

「用事があったら押してください」とインターホンがあったので押してみたら遠くから声がした。

入浴したい旨を言ったら、「箱の中に200円入れて、どうぞ」と。

女性用の浴室に行ってみた。

8畳ほどの脱衣室と7~8人が入れるくらいのL字型の湯船がある浴室だった。

 

3人ほどが入浴中だったので、お断りして写真を撮らせてもらった。

鉄分が多いためか、浴室全体が茶色になっていて、お湯は掛け流し、奥にあるL字型のラジウム鉱石の真ん中から大量のお湯がどんどん出ていた。

浴槽は少し低くなっている手前側からお湯がザーザーと溢れていて、トド寝している人もいた。

(トド寝----青森、秋田県などの温泉で湯船からお湯があふれ出ているところに寝転がること、今までの経験では頭をケロリンの洗面器に突っ込んでいる人が多い)

湯船に入った瞬間、体がツルツル、ヌメヌメするのが感じられた。

これは驚き!

ちょうど塩素系の漂白剤が手に付いた時のような、あの感じ。

温泉分析では単純温泉となっていたが、こんな温泉は初めてだった。

入ってヌルヌル、上がってさっぱりといった感じで、今まで入った温泉でもこんな経験はたくさんあったが、その度合いが違っていた。

湯温もちょうど良く、これは長湯できると思いながら湯口に近づいたら少し硫黄臭がした。

そして湯船に浸かりながら地元の人たちとのおしゃべりを楽しんだ。

飲泉もできて、神経痛に良く効くと書いてあったが、こんな素晴らしい温泉に毎日入れる近所の人たちがうらやましい。

ちなみに、近所の人たちは年間パスポートを持っていて、30,000円だと言っていた。

 

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