ちょっと日にちが過ぎてしまったので、今更と思われるかも。
でも、今日のウォーキング中に「ハンゲショウ(半夏生)」を見つけたので、遅まきながら取り上げてみた。
日本の暦(こよみ)の中で二十四節気(せっき)以外の、季節の目安となるような日が雑節 ----- 節分とか彼岸とかのあれですね。
全部で9つある雑節の中に「半夏生」がある。
「半夏生」とは夏至の日から数えて11日目にあたる日、その日から5日間を指す場合もある。
だから大体、7月2日~7日頃のこと。
そして昔から半夏生以降は田植えを行ってはいけない、と言い伝えられてきた。
それは、半夏生以降に植えた稲は十分に育たず、収穫も半分になってしまうからで、「半夏半作」という言葉もあるようだ。
その雑節の「半夏生」という名前は2種類の植物から由来するらしい。
1つ目の植物が、花穂のそばの葉が半分白くなるドクダミ科の多年草で「ハンゲショウ(半夏生)」。
葉が白くなる様子が化粧をしているように見えたから「半化粧」、それが「半夏生」に変化していったらしい。
ハンゲショウの白くなった葉も花が終わる頃には緑に戻る。
葉の裏側は白くならず緑のまま、それで「片白草(カタシロクサ)」とも呼ばれている。
学名:Saururus chinensis
英名:Chinese lizard's tail
別名:カタシロクサ、カタジロ
科名・属名:ドクダミ科 ハンゲショウ属
原産地:日本、韓国、中国、ベトナム
そして、もう1つの植物がサトイモ科の「烏柄杓(カラスビシャク)」。
これは薬草で、漢方では「ハンゲ(半夏)」と言う。
この植物も半夏生の頃、梅雨が明けそうな頃に生える。
だから「半夏が生える時」ということで半夏生とも呼んでいる。
仏炎苞を「柄杓」に見立てた時、小さくて烏が使うくらいの大きさだからとこの名前になった。
この花の別名は「へそくり」。
その理由は、球根がクリに似ていて、茎の折れ曲がった窪みが臍(へそ)のように見えるからだとか。
そして昔の人たちは、この「へそくり」の球根が漢方薬の原料だと知っていたので、集めて売って小銭を貯めていた。
このことが転じて現在の「へそくり」の語源の一つになったともいわれている。(語源はほかにもあるらしい)
学名:Pinellia ternata
英名:crowdipper
科名・属名:サトイモ科 ハンゲ属
原産地:日本、中国、朝鮮半島