実を食用とする桃と違い、花を観賞するためだけ改良された品種の総称を「ハナモモ(花桃)」と呼んでいる。
この辺りでは桜が開花する時期、同じように咲く。
桜よりも華やかな感じがして、どちらかというと八重桜に似ているかもしれない。
品種としては、一重から八重、花の色は赤、白、ピンクなどがあり、一番よく見かけるのがゲンペイ(源平)で、1本の木に八重の赤花と白花が混じってじ咲く種類。
[ゲンペイ]
「源平咲き」は1本の木に赤と白の花が咲くこと。
平安時代の源氏と平家の戦いの時、源氏が白い旗、平氏が赤い旗を用いていたことから付いた名前らしい。
ハナモモ以外にもツバキ、ボケ、ツツジなどにも見られる。
ちょっと変わった咲き方なのが、「キクモモ(菊桃)」。
濃いピンクの八重咲で、花弁が菊のように細長い品種。
[キクモモ]
花桃と桜
花桃と桜は似ているし、同じようなので区別できない時がある。
特に花桃と八重桜はどちらか分からない場合が多い。
そんな時の簡単な見分け方は、花の付き方と蕾を見ると分かる。
[花桃の蕾と花の咲き方]
花桃は花柄がほとんど無く、蕾はふっくらとしていて、木から直接花が出ているような感じ。
[桜の花の付き方]
桜は木から花柄が伸び、ぶら下がるようになっていて、花がいくつかまとまって咲く。
八重桜も同じ。
学名:Prunus persica
英名:Hana peach
科・属名:バラ科 モモ属
原産地:中国
長野県阿智村月川(げっせん)は4月末~5月上旬ころにかけて桃源郷と呼ばれるほど、花桃が咲き競う場所になっている。
以前、「月川」について書いた記事---「花桃の里 月川」