ハギ(萩)というと、秋を思い浮かべる人が多いと思う。
それは、秋の七草の一つに数えられているから、そう思われるのかも。
でも、実際には6月ごろから秋の初めにかけて咲いている。
だから、夏の花なのだと思う。
日本にあるハギの仲間は8種類ほどあり、単にハギと言うとヤマハギ(山萩)のことを指すらしい。
古来から親しまれているヤマハギは、万葉集に一番多く詠まれているようで、ちょっと意外だった。
最も詠まれているのは「ハギ(萩)」としてだけど。
桜や梅でなくハギが一番とは。
あまり派手さもなく、風に揺れる様子などを見ると風流だから、和歌や俳句なのど題材に特に好まれたのかもしれない。
花の咲いている時期が長く、満開がはっきりしないまま咲き続け、いつの間にか花が散って消える。
日本語には繊細な表現方法があり、花が散ることをそれぞれ「桜は散る」、「椿は落ちる」、「牡丹は崩れる」、「雪柳は吹雪く」などと表現する。
それでは萩の花の終わりは?
「萩は零(こぼ)れる」と表現するらしい。
正にその通りだと思う、萩は零れるように落ちていく。
花の終わりになると、萩の木の下には零れ落ちた花が広がっているのも風情がある。
学名:Lespedeza
英名:Bush clover
科名・属名:マメ科 ハギ属
原産地:北アメリカ
ミヤギノハギ(宮城野萩)
ミヤギノハギは、枝が地に接するほど枝垂れる。葉先はやや尖る。
宮城野に多く自生しているハギという意味から、「宮城野萩」と書き、宮城県の県花になっている。
センダイハギ(仙台萩)
仙台市以北でよく見かけるためか、伊達騒動を題材とした人形浄瑠璃や歌舞伎の演目の「伽蘿先代萩(めいぼく せんだいはぎ)」、通称「先代萩」に由来すると言われている。
キバナセンダイハギとも呼ばれ、春に咲く。
萩と言うよりもルピナスのような姿。