映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「狼たちの墓標」

2022-06-11 06:10:36 | 映画(韓国映画)
映画「狼たちの墓標」を映画館で観てきました。


映画「狼たちの墓標」は韓国映画だ。日本のクライム系を2本連続で観て、クライムサスペンスの宝庫である韓国系が気になり新宿に向かう。出演者に馴染みはないが、新興勢力が利権を得ている町の組織に立ち向かうという設定がおもしろそうだ。観てみると、クライムサスペンスではなく純粋なヤクザ映画だ。昭和40年代の東映のヤクザ映画を現代韓国風に少し洗練させて撮ったというような作品である。

平昌オリンピック直前の韓国のリゾート地で、開発の利権をめぐって地元を仕切っていて警察とも繋がっている組織に、圧倒的武力で対抗する新興勢力が話し合いよりも暴力で解決して勢力を拡大しようとする話だ。

いきなり漂流船で死体を食い切って生き延びている男を見せつける。どんな意味かと思うけど、その男の残虐さを物語るつもりなんだろう。そして、しばらく経った後で、見た感じは優男に変貌しながらも、やることが義侠の世界を逸脱した新興勢力の親分を映画に放つ。

⒈冷徹で強い主人公
悪役は理屈のない暴力的で残虐な男の方が映える。ここではいかにもヤクザらしい面構えをした男でなく、普通にどこにでもいそうな若者風だ。スーツに刃物を忍ばせていつでも攻撃できるようにして、容赦なく相手に襲いかかる。圧倒的に喧嘩は強く、卓越した格闘能力を持っている。利権を得ようと話し合いしてもムリだとわかっている。お願いが受け入れられないと、ちょっとした隙に相手の親分を殺す。近くにいる取り巻きも皆殺してしまう。

そして、警察に出頭するのは本人ではない。もともと金融の仕事をしていて、多額の借金をしている男を身代わりに警察に出頭させる。


⒉地元の既存勢力
もともと地元を仕切っている組織自体も、内部の争いが絶えない。同じ組織の若者の結婚式に邪魔する場面がでてくる。それを会長と言われる老御大が抑えている。警察にも近い。ナアナアで悪さをしてきたのだ。よくある話だ。しかし、新興勢力の頭はそんな既存のしがらみを打ち消すように武力で持って皆殺しだ。会長にも手を伸ばす。この異常とも言うべき凶暴さがこの映画の見どころだ。


これでもかと攻めている新興勢力の頭の暴走と既存勢力の争いを見せる。それなりにはおもしろいが、既視感はある。韓国映画で時折あるパターンだけど、銃が出てこない。敵も味方も刃物である。戦前の任侠道を描いた映画で刃物を振り回して立ち回るのと同じだ。これは何か意味があるのであろう。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画「夜を走る」佐向大&足... | トップ | 映画「君を想い、バスに乗る... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画(韓国映画)」カテゴリの最新記事