若い人達へ

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役に立つメンタルトレーニング

2009-05-24 10:08:47 | 日記
2008年3月13日(木)14日(金)のNHKラジオ深夜便、心の時代から
講師:白石豊1954年生まれ筑波大学体育研究科卒業、現在福島大学発達文化学類教授
著書「心を鍛える言葉」「実践メンタル強化法―ゾーンへの招待」
お話のテーマ「本番に強くなる」
と言うのが放送されたものを、録音して紙に落としました。
私は「弓道修行日記」というブログを別途持っています。そこで弓道に何とか生かせないかと考えて投稿したものです。何かの参考になればとこのブログに転記します。


放送の内容
 私は筑波大学入学後体操の練習が過酷あったため腰を痛め動けなくなりました。そこで図書館で本を読み腰を治すヒントを探しました。
いろいろ読んでいくと、本の中にソ連の「スポーツマン教科書」という本がありました。その本の中にローマのオリンピックの女子体操競技で優勝したラリサ・ラチニナの文章が突然出てきたのです。そこには「私は体育館だけで練習しているのではない」と書いてありました。行き帰りのバスの中、寝室のベッドの上でとかで練習すると書いてあったのです。今で言うイメージを使った練習法の教えだったのです。
イメージトレーニングはメンタルトレーニングの中の一部と考えています。ドイツでは同じ意味に使っていましたが。大きな意味の心のトレーニングの一つがイメージトレーニングと考えたらいいと思います。私が出会ったのはそれでした。目の前がパッと開けた感じでした。
ラチニナさんは「いいイメージトレーニングをするためには二つ条件がある。一つは体は気持ちよくリラックスしていなければならない。しかし精神は集中していなければならない。この二つの条件を満たすといいイメージトレーニングができる」と書いてありました。
 この時、はたと思ったのです。昔リラックスしろと言われたり、ミスすると集中しろとか言わましたが、でもどうやってリラックスしたり集中したりするのかを誰も教えてくれなかったということにはじめて気付いたのです。
 そう言えばこのことは今でもあっちこっちでおこっています。誰も教えていません。スポーツの場面だけでなくあっちこっちで、学校、塾でも試験の場でも仕事場でも、固くなって上がってしまった人に対して「リラックスしろ」「落ち着け」ミスしたら「集中しろよ」自信でも「お前は良いものを持っているのに、もっと自信を持てればもっと良くなるよ」といいながら、もしその人から「すみません、自信はどうやって持つのですか」と問われたらほとんどの人は多分教えられないと思うのです。これが私がメンタルトレーニングを勉強するきっかけでした。今から36年ほどまえのことで日本ではメンタルトレーニングという概念は無かったときのことです。
「肉体のリラックスと精神の集中」の必要性は耳にはしていましたが、具体的なやり方は分からなかったのです。それでこんどはどうやったらいいのかということを調べはじめました。そうしたら既に日本体育大学の長田かずおみ(?)という先生がおられて、日本の実践的メンタルトレーニングの草分けと思うのですが、先生の本に接して自律訓練法というのがあるということがわかったのです。これはドイツのシュルツと言う人が開発した心理療法でルーツはヨガなどにあるんですけど、自分に言葉をかけることによって、(他人に言葉をかけてある状態に持って行くのは他者催眠といいますが、)自己催眠に近い「リラックス」というものを言葉によって誘導しようという方法だった。まず、シュルツさんは人間がリラックスしている時の状態を指標、インジケーターですがその一つを「重い」という感じに置いたのです。赤ちゃんをだっこしているとき起きているときは軽いのにフッと眠ると重くなるでしょう。泥酔した人ももの凄く重いですから、あのくらい抜けると、ということはリラックスすると、体重は変わらないのに重くなる、自分でも感覚が現れるのです。ですから自律訓練法の最初は「重い感じ」たとえば右腕が重くなるとか、両腕が両足が重くなるとか一つずつ追加して行くのですね。もう一つのインジケーターは「暖かさ」ですね。人間が気持ちよくリラックスしていると暖かく感じる。熱いというのでなく特に手足が暖かいという感じです。これが、あがったり固くなったりすると手足が冷たくて、おでこやほっぺたのあたりがぽっと熱くなりますが、これは最悪の状態で正に頭寒足熱の逆ですよね。それに気付いたんだと思うんですよ。それをシュルツさんは言葉によって自分の言葉で誘導しようというシステムを組んでいったんです。これが自律訓練法で、長田先生はそれをスポーツ選手に応用されていたと言うことが分かって、ようし、これを習おうと思って、しかし他の大学先生に教えを受けるわけには行かないので、我が大学に先生がいないか探したら教育学部の教育心理学の先生で大野清という先生の「心理療法の理論と技術」という学科目があって、その科目の紹介に、「自律訓練法を使ってノイローゼとか対人恐怖とかいわゆる心にトラブルがある方達の治療のセオリーを説く」というような説明が書いてあったんです。自律訓練法という言葉が目についたのでこの先生の所に行ったら教えてくれるんじゃないか考えたんです。ある時、ソビエトの本を持って先生を訪ねましたら、先生はスポーツの世界でもそういうことをやるようになったことに驚いていましたが「何とか教えて下さい」と頼んだら、了解してくれました。先生は「ただ、それは理論なので、とても大切なことは、知識でなくて実際に体得することなんだ」といわれたのです。そのことは私も信念みたいなものになっていて、いくら知識を頭に入れてもやらない人には意味がないと何時も思っていたんです。どんな場合でも。その時も大野先生にそう言うことを言われたので「先生、それでは授業以外でも教えて下さるんですか」といったら「時間があるとき毎週一時間ぐらい実技をやるか」と言って下さったんです。そして自律訓練法の手ほどきのワンステップから始まって、「毎日15分、夜15分やりなさい。記録用紙をあげるからこれに記入しなさい」と言われて実技が始まったのです。
 面白いことに始めて3ヶ月したら腰痛がよくなったのです。先生の所で体のリラックスを覚え、重い感じ、暖かい感じを覚え、全部ができると今度はおでこの辺りがすずしいと暗示をするんです。全身が暖かい、額のあたりがとっても涼しいと、これがまさに頭寒足熱を外的なものでなく自分の心で作っているわけですから気持ちがいいんです。そして自分が動いているようなイメージを思い描いているものですから、暗かったネガテブだった心が今思うにポジテイブになったんだと思うのです。そして人の感情というのは実は見えるんです。心の模様は外から見えます。これは手に取るように見えるんです。これはプロ達にもよく教えていますが、うまくいかなかった状態、失敗したときにどんな仕草や表情をするか思い描いて見て下さい。大体が下を向き始め目線が下がり背中が曲がり丸くなりとぼとぼと歩きポケットに手を突っ込み愚痴を言うようになる。それを私は知らず知らずに私は腰痛というもののためにやっていたんです。だから体育館に行っていても目の前に世界のトップの方がいて素晴らしい演技をしているのにみていなかったんです。良く見取り稽古という言葉が言われますが、最高のイメージトレーニングができる状態のはずなのに心がそこにないものですから、「なんで俺だけこんな辛い思いをしてるんだよ」みたいな感じですから、今、36年経ってメンタルの面を勉強して、当時の様子を考えると、あの時の姿勢はひどかったなーと思うんです。椅子に座ってみていてもだんだん演技を見ずに下の方ばかり見て自分の中に入って「何でー、何でー」と」繰り言ばかり言って、考えてみるとそんな人間の所に人は寄ってきませんよね。誰も何のアドバイスもしてくれない。所が大野先生の所に行って気持が明るくなっていますので「いつかこれで直るかもしれない」とか、私がリラックスをマスターし集中をマスターしていって、イメージを動かすようになったら、大野先生が「君の目の前には世界のチャンピオンがいるんだろう、それが最高のイメージトレーニングになるじゃないか、それを使わない手はないじゃないか」とおっしゃって、そうすると見る姿勢が変わってきます。うつむいていたのが目を見開いて見るようになり、そうすると回りの方もきっとそれを見ていたと思うのです。ある先輩が寄っていらっしゃって「お前まだ腰はなおらないんか」といって良いお医者がいるからと教えてくれたのです。そしてその医者に見て貰って4回ほど治療したら動けるようになったのです。そしてリハビリをする病院を紹介して貰い、更に一ヶ月したら完全によくなったのです。当時18才19才の頃は全く因果関係は分からなかったのですが、今にして思うと一つの心の持ちようで、暗い心のままだと何のチャンスもなくて落ち行くのみだったのが、一つの本との出会い、一つの文との出会いから、「よし、これのかけてみよう」といろいろ調べて、そして大野先生に出会って,自律訓練法を習い、やって行く内に今度心が明るくなって、積極的な姿勢を持つようになると、体は動けてはいないのですが、体育館でも周りの人がそれを感じて、それを見て下さった方がアドバイスを下さって、そして良いお医者さんに出会えて、リハビリの方に出会えて、という面白い巡り合わせ、いい方へいい方へと回り始めたんです。
 (途中略す)
本番に力を発揮できない、集中できない、或いはからだが固くなる、選手達が成績を上げられないことになるのですが、これはスポーツだけではなく受験の方とかビジネスマンの方とか、日頃培ったものを本番で出したいと思ってらっしゃる方が沢山いるので、皆さんこのメンタルトレーニングやりたいと思っていらっしゃる方が多いのですが、ただやり方が分からないと言うことがあると思うのです。私も最初分からなかったんですけどだんだんはっきりしてきたのは先ず一つは本番でどのくらい力を出したらうれしいのだろうかと言うことです。いかがです、本番というのは練習場より難しいんです。施設が違います、移動を伴います、ひどいときは地球の裏側まで行かなければなりません。環境の全部違います。天気も晴れから雨・雪まであります。風も吹いたり吹かなかったり熱い寒いもあります。審判の不公平な差もあります。観客もいます。強敵もいます、いろいろでてくるんです。練習通りに行かないのが試合なんですが、それを差し引いても、選手が実力の何パーセント出したらコーチとして指導者として選手に拍手してあげられるでしょうか。どのくらいとおもいますか。80パーセントですか。私もそう思います。本当は100パーセントでしょうが、なかなか100パーセントというのは、そのくらい試合場というのは審査というのは難しいんだと思うんです。十数年前から親しくさしていただいている能代工業バスケットボール部をあれほどにした加藤ひろし先生という方がいらっしゃるんですが、この方と一緒に2年ほど前四国で講演をさせていただいたときにこのテーマになって、丁度私がお話をしていて加藤先生が脇に座っていらっしゃたんですが、「加藤先生、能代工業をなんでもないところから日本でタイトルを50何勝もするところに育て上げられたわけですが、先生は実力の何パーセントだしただほめてあげますか」と質問があったのです。私の答えは80パーセントだったのですが、加藤先生も同じように言われました。「8割だねー、8割出したらよしとしないと、それぐらい試合って難しいんだから」と、ただ加藤先生の恐ろしいところはその後に「ただ8割り出せば、うちは日本一になるぐらいにするんだけど」って言われたときに「わあー、すごいなー」と思いました。これはわれわれと全然レベルが違うなーと「わー、そこまでやるんだー」と。わたしもやっぱり8割かなーと思ったんですが、ところが50パーセントとしか出なかったり、もっと以下だったりしてくやしい思いをすることがいっぱいあるんです。それは多くの方がそうなんです。
そのやり方を知らないんだなとおもいます。わたしも知らなかったんです。それがだんだん分かってきて80パーセントでなくて100パーセントだったり、もっとすごい世界がありまして120パーセントの世界があるんです。これを言葉として知ったのは1990年ですが、現象としては既に1980年から日本のトップ争いをするようなチームのコーチさせていただいて勝ったり負けたりしていましたので、勝ったときはまるで選手が神がかったような「えー、こんなの練習でも見たこと無いよー」っていうようなできばえで、ミラクルですよね、そういうのが何度もあるんです。確かにいろんなスポーツを見ていると神がかったようなことってたくさんありますよね。それを言葉として何というのかを知ったのが、昔は「火事場の馬鹿力」とかありましたが、でもこれはスポーツでは何かピンときませんねー。火事場の馬鹿力というにしてはその現象が長く続きますし、一人でなくてチーム全体で続きますし、と思っていたら1990年にアメリカのテニスのメンタルトレーニングの権威でジムレイヤーという博士が来日しまして、そこで招待されて、ジムレイヤーさんに会ったんです。ジムレイヤーさんの本は既に日本語版で出ていまして私も勉強していたんですが、彼から習ったことは感情のコントロールの仕方だったんですね。彼が先ほど申し上げた「人間の感情は、気持は、心は外から見えるんだよ」って言ってくれたんです。
「貴方、動作とか仕草は英語で何というの、MOTIONですよね。感情は英語で何というのEMOTIONですよね。モウショウンのEをつけたものですね。エモウションをコントロールしたければ、つまり感情をコントロールしたければ外側のモウションをコントロールしなさい。」といったのです。「感情って中にあるから、おいおいそっちはだめよって言うわけにはいかないんですが、だけど外から見えるんです。ダメになったらダメみたいな格好しているでしょう、負けている奴は負けている格好しているでしょう、でもタフな人は負けかかっていても最後まで諦める姿勢見せないでしょう。だからあの人達は逆転する可能性があるんだよ。」といってそれを全部やって見せたんです。ああ、これは分かりがいいなーって思いましたねー。ジムレイヤーさんと話をしていて一冊の本を紹介されたんです。それが私の翻訳した本になります「ゴルフのメンタルトレーニング」という本です。これはデビットグラハムという1981年の全米オープンチャンピオン、オーストラリア出身で日本でもプレーしたことがありますけど、この名選手が全米オープンで神がかった状態になって最初のメジャータイトルをとったそのいきさつが書かれた本なんです。これは10数年で20回ぐらい増刷していて日本のプロゴルファー達が沢山読んで下さった本なんですが、グラハム自信が書いていて、ジムレイヤーも序文も書いているんです。「これは面白い本だから読むといいよ」って言うんです。ゴルフは何も知らなかったんで、ゴルフの用語も知らなかったんですが、ジムレイヤーがいうんだからと思って読み始めたらこれが面白い本なんです。グラハムさん自身の体験が書いてありますからね。第四章にさしかかったら「ゾ-ンの威力、不思議な心の状態」と書いてあるんです。ゾーンと書いてあるんです。今ではスポーツ界では当たり前になりました、いわゆる神がかった、ミラクルの状態を、いろんな人たちがゾーン、ゾーンと言うようになりましたけれど、これはその本が出てから先ずゴルフ界で言うようになって、今は野球でもテニスでもみーんな「ゾーンに入った」といいます。
タイガーウッズなんかはよく「インザ ゾーン」っていいます、今は手が着けられないほど強いですけど、彼の素晴らしいプレーの時ゾーンに入っているというのです。そういう境地に入ってるんです。グラハムさんの本で面白いことは、1981年の最終日にすばらしいプレーをするんですが、観衆が「グラハムさん、最高の思い出ですね」と聞くのですが、確かに賞金も最高だし名誉なことですが、グラハムさん自身は思い出と言われても実は何も覚えていないって書いているんです。私は翻訳していて何かの間違いではないかと思ったんです。覚えていないことはないと思ったんです。で、読んでいったら、ああなるほど、1番のテイーショットから18番の優勝パットまでほとんど何も覚えていない。普通はプロの人は全部覚えている場合が多いですけど、まさに無我夢中の世界なんですね。それでグラハムはビデオで自分のプレーをチェックしてみると、自分で見ても感動するっていう
それでグラハムはビデオで自分のプレーをチェックしてみると、自分で見ても感動するっていうろんな人に聞いてみそうなんです。そうしたら「ゾーンていうんだよ」と言う話になって、それでニクラウスとがゲーリープレイヤーとかアーノルドパーマーとい大先輩達に「こないだこんな風になったんですが」と言ったら「ああ、そうなんだよなー、メジャーで勝つ時って、そういう感じなんだよなー」と言ったそうです。まさに神様の贈り物のみたいなものですよね。一種の「三昧」の境地ですね。言われてみると、私の先輩方がオリンピックで優勝された談話や、お話を良く聞きますが、やはりそんなことが沢山出てくるんです。それを知ってこの20年コーチをして行く中に、アトランタのオリンピック女子バスケットもそうだったし、シドニーの新体操もそうだったし、プロの競技の中にもいっぱいそういう事例が出てきたんです。どうしてこんな事が起きるんだ、ベンチで指導をしていて「いいかゾーンという世界があって、その世界に行こうな」って教えていて言っていて、鳥肌が立つです。「よーくこんなことするねーあんた達は」って思うんです。「すごいねーって」終わった後に聞くと「先生ほとんど覚えてないんですよ」とあの例の返事が返って来たんです。グラハムの本に書いてある通りのことが起こっているんです。ですから本番というのが120パーセントから80パーセントまであって、この間でいければ良しとしましょうということが私がまず皆さんにお伝えしたいことなんです。いつも選手にいっています。それ以下はせっかく一生懸命に毎日やっているんですから、切ないから、やめとこうって感じです。
ゾーンにはいる実際の例を何度か見ましたが、グラハムさんの本もそうですが、いま多くの世界中のメンタルトレーニングのコーチ達の本を見ますとやはりゾーンとかフローとかいう最高状態に持って行く方法論が書かれているわけです。偶然になる人は沢山いたし、そんなこと知らないでもうまくいったという人も沢山いたし、私なんか大ファンだったんですけど長島茂雄さん、あの方がどうしてあんなに勝負強かったかということを今メンタルコーチの立場から考えると、あれほど理にかなっている方はいらっしゃらない、勿論トレーニングされていないと思いますけど観衆がいればいるほど素晴らしい力が発揮できたわけで、ですからあの方の中に一杯ヒントがあると考えます。天覧試合でホームランを打ったり、ですから長島語録の中にも、私拾ったことがあるんですよ、そのヒントはですね、だから長島さんだけではなくて世界中のスーパースターの中に上手く行くコツが転がっていると思うんです。でグラハムさんの本もそう言う風にできています。ゾーンに入るための方法論、わたしがアトランタのオリンピックの後で出した本は「実践メンタル強化法」という本のタイトルで、サブタイトルが「ゾーンへの招待」というもので、これはゾーンに選手が入れるようにという思いを込めて書いたんです。だから、必ずゾーンへ入れられるなっていう思い上がったことは言えないんですが、何パーセントでも近づく方法はあるな、って共通していることはこういうことなんですねー。これは、いまはメンタルトスキルという言葉を使っています。ですから心というと、あっ集中力かとか自信かとか言っていたのが今はトレーニングするスキルの対象というような形で、例えばわたしは7つほどメンタルスキルを考えています。グラハムさんの本だと11、翌年私が訳して出した大リーグの野球のメンタルトレーニングには13、メジャーリーガーとしてやって行くには13の心の力を鍛えろっていうんですけど、私もやって行く内に7つあればいいかなーと考えたのです。
それは(1)意欲、(2)自信、(3)感情のコントロール、(4)リラックス、(5)集中力、(6)イメージをコントロールする力、(7)コミュニケーションスキル、の7つです。これをもっと分けても良いんです。コミュニケーションスキルというのは、人としゃべる力になりますけれど、実は選手にとって大切なことは自分が自分にどうしゃべっているかということです。ミスするとスポーツ選手に限りなせんが、失敗すると心で自分を責めていませんか。人から叱られなくても「何やってだよお前、馬鹿―」っていうように、自分に向かってやってますよね、それをもし、他の人にいわれたら楽しいですかって話なんです。他の人からいわれたらむっとしますね、しかし、むっとするが口答えできない関係だったら我慢するしかありません。でもそれで良くなる人なんかいないんです。「何やってんだお前は、しっかりやれ」て言われて素直に「はい」とか言ったところで良くはならないのです。心は乱れています。そしたら回りの方がそれを言わないのに、自分が自分を暗くしてしまう人がどれほど多いことでしょうか、これがセルフコミュニケーションスキルなので8つに分けてもいいかなと思っているくらい重要な力なんですね。これらのメンタルスキルで世界のコーチ達が選手を評価するんです。どうやって評価するのかというと、選手に会って直接面談をする、その選手の過去のプレーをビデオでチェックする、その監督さんやコーチの話を聞く、周りの人の評価も聞く、そして面談しながら「ああー、この人はこういうミスをするのか、その後ろには何があるのか、感情のコントロールが下手だから途中で崩れて行くのかな、或いはすばらしい能力を持っているけれど集中力が無いから、ボンミスがでるのかな、」というように全部チェックするんです。そうすると技術的なミスの裏側にある心の動きが見えてきて本当に技術が下手だったら技術の練習をすればいいんで、でも出来ているのに本番で出ないのだったら何かある、体調が悪いこれも大きな原因なんです。
でも体調も悪くなくて技術力も持っているのに本番で出ない、ではその後ろにある心のスキル、メンタルスキルの内どの部分がこの人は欠けているから、本当の力が出ないんだろうかと言うことを、チェックをかけて行くと何処をトレーニングすれば良いかが見えるんです。
1時間から2時間ぐらい、場合によっては練習やプレーぶりやら見るともっと時間がかかりますが、でもそれさえ捕まえられればその方のトータルとしての成績はかなりというより、劇的に変化することがあるのです。
具体的な方法の一つとしてよくやるのが自己評価をして貰ことです。・・・続く 

私が力を注いでいるのが「正しい食事を考える会」のブログです。http://blog.goo.ne.jp/syokujikyouiku/を時間があったら立ち寄って下さい。


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