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アメリカの記者の記事「日本は1885年の公文書では「明治政府は中国の尖閣所有を認知していた」に反論

2012-11-24 16:18:41 | 意見発表

米紙「尖閣、日本の戦利品」は「的射ていない」

 (2012年10月3日18時13分 読売新聞)

【ニューヨーク=柳沢亨之】在ニューヨーク日本総領事館は2日、尖閣諸島の日本領有を「不法」とする台湾人学者の論文をブログで紹介した米紙ニューヨーク・タイムズの著名コラムニスト、ニコラス・クリストフ氏への反論を、同ブログに投稿した

  論文は、台湾の政治大学研究員のもので、9月19日付の同紙ブログに掲載された。論文は、日本が現地調査を始めた1885年当時の沖縄県令(知事)らが記した公文書を基に「明治政府は中国の(尖閣)所有を認知していた」とし、日本は尖閣を「(日清戦争の)戦利品として編入した」などと主張した。クリストフ氏自身も、同論文などを根拠に「中国の主権を裏付ける証拠に説得力がある」とした

 これに対し同総領事館は、編入決定が、尖閣諸島を無人島と確認した現地調査の結果であり、同研究員の主張は「的を射ていない」と反論した。クリストフ氏は米ピュリツァー賞を2度受賞した同紙の看板記者で、香港、北京、東京の特派員を歴任した。

1.台湾人が「日本が現地調査を始めた1885年当時の沖縄県令(知事)らが記した公文書を基に「明治政府は中国の(尖閣)所有を認知していた」とし、日本は尖閣を「(日清戦争の)戦利品として編入した」などと主張した」と言うことですが、日本が領有したのは日清戦争終結前です。

2.中国の主張は中国の識者、林凡氏がツーットしている通りです。そんなもの無いって・・・消したんでしょう。だがインターネットに一度出たらコピーされて世界にばらまかれているのです。

 

「波紋呼んだ中国人の「尖閣はやっぱり日本のもの」

 

2012/08/28(火) サーチナ」を検索して見ることです。

3.「中国よ、台湾よ、これでも領有権を主張するのか 「キッシンジャー文書」の中の尖閣」

2012.8.15 03:00 月刊正論]と言うブログもいいです。

 

3.「米 “極秘資料”に見る尖閣 固有の領土…知られざる“暗闘” (キッシンジャー・ニクソン・ピーターソン) 【報道STATION SUNDAY】」と言うのも見てみることです。

4.尖閣に領有権問題は存在しませんよそれなのに、暴動デモで日本企業を破壊していいのでしょうか。これはれっきとした犯罪で、公安からはマークされ指導者、実行者は逮捕されていると言われている。全員無職で、それは共産党に対する不満だったのでは、中国の日本企業は中国人の雇用をしている、中国の企業です。

5.中国に魅力があるのでしょうか。デモが年間2万件、暴動デモの頻繁に、賃金は高騰し、労働者は不満をぶっつけモラルが低い、20年後には貧乏な国になるとはヒラリー・クリントンさんの言です。あたると思います。

ともかく企業破壊は止めろ。中国人のためだ。

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 反日デモ隊に略奪された中国湖南省長沙の平和堂の店内(2012年09月16日) 【EPA=時事】

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 反日デモ隊に略奪された中国湖南省長沙の平和堂の店内(2012年09月16日) 【EPA=時事】

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 中国湖南省衡陽の反日デモ(中国・衡陽)(2012年09月18日) 【AFP=時事】

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タイ人には朝、挨拶をしてはいけない!?ータイに進出する前にタイ人気質を知ろう

2012-11-24 15:39:38 | 意見発表

 

タイ人には朝、挨拶をしてはいけない!? "ほほ笑みの国"の住人は、決まりごとが大嫌い

東洋経済オンライン2012年11月23日(金)12:20


(東洋経済オンライン)

海外で働く基本は、「郷に入りては郷に従え」。だが、言うは易く、行うは難し。知らず知らずのうちに礼を失し、なぜだかビジネスがうまくいかない、という場面も多いだろう。
そこでこの連載では、各国の人々との付き合い方の秘訣を、外交、つまり「外国人とのお付き合い」「接待」のプロである各国の外交官に聞く。隣り合った国でも異なる習慣、作法を知り、その国にあった振る舞いができるようになれば、より海外進出の道も開けるに違いない。

第1回目はタイ。微笑みの国とも言われるタイの人々は、喜びも困惑もすべて笑顔で表現し、本音がわかりにくいともされる。彼らの心をつかむにはどうしたらいいか。タイ王国大使館、公使参事官のパッタラット・ホントンさんに聞いた。

パッタラット・ホントン公使参事官 


――日本人は、タイではどう思われているのでしょうか。

パッタラットさん:以前は製造業の日系企業が多かったのですが、吉野家やCOCO壱番屋、大戸屋など「食」に関する企業の進出が増えてきました。日本食はタイ人にとって、日常のランチで選ぶレストランの1つです。

日本といえばまずは「Quality(質)」です。物の質、そして人の質。だからこそ、多少高くてもタイの人は質の良さを求めて日本製のものを買います。

ただ、日本人は仕事上ではあまり笑わず、まじめ過ぎます。機嫌がいいのか、悪いのかわからず、また本当に何がしたいのかがわかりづらいです。

――タイは"Land of Smiles"と呼ばれるほど、笑顔が印象的な国です。ただ、必ずしも喜んでいるときだけではなく、困惑や怒りの感情も、笑顔で表現したりするとか。

パッタラットさん:そうです。お互い見分けづらいですね。

大前提としては、タイ人の笑顔はHospitality(おもてなし)から来ています。ゲストをもてなしたい。それが基本です。

ただ、タイ人はどう対処していいかわからないとき、人を傷つけたくないとき、直接不満を言いたくない時にも、ただ笑います。

タイ人は対立を避け、表立ってネガティブな話をすることを避けます。欧米と違ってディベートは直接しません。受け身の文化なのです。

さまざまなことは"Behind the microphone"、つまり裏で話をしたいのです。ミーティング中は笑顔でいても、本心では賛成していないことがあります

もし、静かにミーティングが終わったとしたら、後から問題が起こる可能性が高いと思ったほうがいいかもしれません。

タイ通は「マイペンライ」を使う

――どうしたら本音を引き出し、ミーティングを進めることができますか?

パッタラットさんタイではインフォーマルダイアログ(ざっくばらんな場での会話)がとても大切です。家族とのかかわり、1対1で接すること、個人的なつながりで物事が進みます。難しい問題ほど、直接公式な場に持ち込んではいけません。

タイ人は自分の趣味やネットワークの中でさまざまなコミュニティーを持ち、属しています。

タイでビジネスを始めようとし、クライアントにコンタクトを取りたければ、その人の趣味や属するコミュニティを見つけ、直接仕事の話をする前に会っておく必要があります。最初に個人的なつながりがあれば、ビジネスは早く進みます。

もしくはサッカーが好きな人であればサッカー観戦に誘ったり、お寿司が好きであればお寿司のイベントなど。自分で集まりを開くのも方法の1つです。そういった誘いは平日の夜であろうと、週末であろうと、タイ人は参加したいと思っています。ただ、問題は言葉ですね。

――タイの言葉で、これを知っていれば役立つ、というものはありますか?

パッタラットさん:「マイペンライ」でしょう! これは、さまざまな状況で使えます。実際に様々な時に使えば「わあっ、タイを分かっているんだね!」と言われますよ。たとえそれしか知らなくても。

――どういうときに使うのですか?

パッタラットさん: 「Doesn’t matter」 「Take it easy」でしょうか。

たとえば遅刻して、謝りに来た人に対して「いいよ」という時に使います。それから、失敗して落ち込んでいる人に「大丈夫だよ。何とかなるよ」という時にも使います。

問題が起こってどうしていいかわからなくなった時に、自分自身に「マイペンライ、マイペンライ」と、気持ちを落ち着かせるために言うこともあります。

――去年のタイの洪水でも、タイの人々は「マイペンライ」の気持ちが強かったと聞きました。

つらいときでも「マイペンライ!」

パッタラットさん:もちろん心配をしていないわけではなく、また本当に楽観的なわけでもないのです。行動を起こさないわけでもない。安心させて、次に進むため、現実と向き合う気持ちを作るためのものです。ですから、この言葉をタイの人に言うと、とても安心して信頼されると思います。

――あれだけの大災害があり、多くの企業がダメージを受けたにも関わらず、進出企業は増えています。最近は日本企業でも、人をつなぎとめるのが大変だと聞きます。

パッタラットさんタイの人は日本の企業はとても制約が多いと感じています。日本企業ではルールがあり、そのルールに従わなくてはいけません。とても狭い中に閉じ込められているようで、働く環境がよくない。仕事を抜きにした関係がないのです。職場の雰囲気自体も、まじめすぎて明るくない。それが、日本人がタイで働く時の難しさの1つです。タイ人は「これがルールだ」と言われて聞きはしますが、従いません。

欧米の企業であれば、いつもスタッフを励まして、チームとして働こうとする。しかし、日本企業はチームでも日本人のリーダーシップの下でのチームなのです。だから長く勤めると居心地がよくなく、つまらなく感じてしまうのです

タイ人は自由を好みます。個人主義なのです。決められたセッティングの中にいたくない。

タイ人は無駄話や不必要な挨拶が嫌い

――タイでは朝、職場に来たときや、帰るときも何も挨拶をしないと聞きましたが、そうなんですか?

パッタラットさん:たしかに!日本では朝来たら「おはようございます」、帰る時には「お疲れさまでした」という決まったフレーズがありますが、タイにはありません。出社後、挨拶はせずに席に着き、話しかけるのはしばらくしてからです。笑顔は向けますけどね。

タイ人は無駄話や不必要な挨拶が好きではないのです。朝出社して挨拶をしないのは機嫌が悪いからではなく、自分から不必要に挨拶をしないだけです。

タイの挨拶だと「サワディクラッ(プ)」を思い浮かべると思いますが、普通の挨拶としてこれは言いません。

――タイに行ったときは至る所でこの挨拶をしましたが、タイの方はしないのですか?

パッタラットさん:それは竹村さんがゲストだからです。同僚や親しい人との間では言いません。普段は、「昨晩どうしてた?」「どこに行くの?」「もう朝ご飯食べた?」などいろいろです。

それに対しても、まじめに答える必要はありません。「ちょっと近くに」ぐらいでいいのです。ここにもタイ人の決められたものに従うのが嫌な気質が出ていますよね

タイ人はアイスブレーカーではありません。たとえばパーティでも日本人は気軽に近くの人に話しかけますが、タイ人は誰にも話しかけず、静かにしているだけです

自分から自己紹介はしません。必要があるときに話をするだけです。内に秘める文化なのです。ソーシャルアクティビティは好きです。でも積極的に行動を起こすほうではありません。

――タイの方を型にはめようとするとうまくいかなそうですね。

パッタラットさん:さらに言えば、タイ人は人前で批判されてメンツを失うのをとても嫌います

そもそも自分の間違いを認めるのも嫌なので、いろいろと理由をつけます。注意したり、批判したりするのは必ず別室に呼んで個別に言わなければいけません。批判されているのを他の人に知られるのも嫌なのです。

ミーティングの場で個人的に批判などしたら、もうその人との関係はうまくいかないでしょう。

タイには女性の大使がいっぱい

――日本人は人前でも構わず叱ったりしますよね。たまに他の人への見せしめのようにすることも…。

パッタラットさん:それをタイで行ったら、関係をとても悪くします。

さらに女性の扱いにも気をつけなければいけません。タイの女性は強いです。社会も女性に優しく、キャリアを築けるようにいろいろなチャンスがあります。自分がやりたいと思えば、ワークライフバランスは大変ですが、タイの女性は強いのでできます。

ですからタイでは女性と男性は平等です。女性大使もたくさんいます。夫婦で女性のほうが収入が多い人もたくさんいます。でも、それは別に当たり前のことです。

――女性の肩を抱いて日本に帰国させられた方もいるという話を聞きました。身体に触る事はしてはいけないことですか?

パッタラットさん:はい、ダメです!タイではお互いに体には触りません。特に、頭に触ることは絶対ダメです。頭の上を通して物を渡すことも、とても失礼です。

握手だけは社会常識として行いますが、それもワイ(胸の前で手を合わせるタイの挨拶)のほうが普通です。触られることはとっても不快に思います。簡単なことでもセクシャルハラスメントになるので気をつけてください。

――日本人がしがちで、タイではタブーなことはなんですか?

パッタラットさんタイでは、非常に年功序列が大事です

学歴や年齢がとても大切です。もしビジネスをしていて、ボスの連絡先を知っていたとしても、担当を飛ばしてボスに連絡を取ってしまったら、ボスは受け付けてくれないでしょう。

時間がかかってもちゃんと下から連絡をして、1つずつステップを踏んで上にコンタクトを取る必要があります。もしステップを飛ばして直接ボスに連絡を取ってしまったら、ボスから受け入れられないだけでなく、担当者とのコンタクトもなくします

それでも決定権はボスにあるので、ビジネスを行うときにはまずは誰が決定権を持っているかを聞いたうえで、その人にたどり着くように下からアプローチします。

タイでは物事を進めるときにとても時間がかかります。だからインフォーマルでの関係がとても大切なのです。

腕を組む、足を組むのはNG

タイの人はとても「遠慮」をします。絶対にその人に何かをしてほしければ、「あなたにしてほしい」とはっきり言わなければ次の人に回し、その人がまた次の人に回し、ずっと終わらないということにもなりかねません。はっきり言うことが必要です。

――挨拶や作法で気をつけるべきことは?

パッタラットさんタイの挨拶「ワイ(Wai)」にも日本のお辞儀のように、さまざまな角度や方法があります。

目下の方は胸の前で手を合わせ、お辞儀します。目上の人は手を合わせるだけでお辞儀をする必要はありません。ワイは必ず目下の人から先に、目上の人に対して行います。

タイでは、ミーティングなどでも目上の人の前で腕を組むことは許されません。つま先を人に向ける事も失礼なので、足を組む事もいけません。

打ち合わせなどで部屋に案内されたら、座るように言われるまで座らない。足は男性でも女性でも膝をそろえて座り、手は膝の上に置きます。

――パーティでは夫婦で参加することが普通ですか?

パッタラットさん:夫婦で参加することが多いです。たとえ専業主婦であろうと、タイでは平等です。ですから、招待状には夫婦連名で記載したほうがいいです。それで一緒に来るかどうかはその人次第ですが、タイの女性は社交性があり、キャリアを積んでいる人も多いのでパーティなどに参加することが多いですね。

――知り合った方はどのように呼べばいいですか? 肩書きですか?

パッタラットさんタイではビジネスでも必ず下の名前で呼びます。ファミリーネームで呼ばれても気がつかないかも。

日本の「さん」はタイでは「クン(Khun)」と言います。その後に名前を入れます。たとえば竹村さんの場合「クン マキコ」です。クンも親しくなるとつけません。

――ほかに、産まれてすぐつけられるニックネームもあるとか? それも「鳥」「豚」「チック(時計の音)」など面白いニックネームのようですね。

パッタラットさん:そうなのです。私は「パン」です。「白い粉」という意味です。これは産まれてすぐに親がつける名前で、昔はニックネームをつけないとおばけがその子を見つけて連れて行ってしまうと考えられていました。

ニックネームをつけると誰が誰だかわからないので連れて行かれないのです。迷信ですが、昔は子どもの死亡率が高かったことも理由かもしれません。ニックネームは産まれてからと、学校に入ったときに新しいものをつけることもあります。

会社でもより親しみを持って呼ぶならば、「ニックネームで呼んでもいいですか?」と聞いてニックネームで呼んでください。

タイの人は「私は…」と自分自身のことを言うときも自分のニックネーム、たとえば私で言えば「パンは…」と言うのですぐわかります。

――日本では自分のことをニックネームで呼ぶのは子どもぐらいですよね。

パッタラットさん:タイではビジネスでも当たり前です。死んだ後にお墓にもニックネームを刻むこともあります。ニックネームでタイの人を呼ぶことは、とてもその人のことをよく知りたいのだと取られ、親近感を持たれますよ。

――タイでは好まれる数字があると聞きました。

パッタラットさん:タイでは「9」はとてもよい数字です。縁起を担ぐために祝典などは9月9日9時9分に行ったりします。

9はタイの言葉では「カオ」と言って、「Progress(進歩する/前に進む)」という言葉と同じ発音なのです。

逆に悪い数字は「6」です。6は「ホ」と言って「落ちる・悪い」という意味の言葉と同じなのです。色で言えば、ゴールドや黄色、オレンジが好まれます。包み紙なども白や黒で包むことは避けて、こういう色で包みます。

――白や黒はあまりいい色ではないのですか?

パッタラットさん:会社に白や黒を着ていくと「今日はお葬式に行くの?」と言われますよ。

細かい話になりましたが、タイでは個人的なつながりがとても大切です。1人を知ったら、その人の家族も友人も知ることと思ってください。たとえばパーティに誘ったら、「友達も一緒に行っていい?」と言われ、友達を連れてくることは当たり前です。それで友達の友達を知り……と人脈が広がることを楽しんでください。

タイではグループに属すること、共通点を探してつながること。ビジネスでの公式の場よりも、インフォーマルな場でさまざまなことが進んでいくので、公式なミーティングよりもどれだけ仕事以外の場で人とつながれるかがビジネスでの成功につながります。

(撮影:梅谷 秀司)


中国の軍事力は日本にとってどれほどの脅威なのか

2012-11-19 15:44:37 | 意見発表

資料収集

『週刊ダイヤモンド』特別レポート

中国の軍事力は日本にとってどれほどの脅威なのか
――軍事評論家・岡部いさく氏インタビュー

日中関係の緊迫、そして中国の空母配備を受けて、中国の軍事力に対する警戒感が高まっている。その“脅威度”をどう見るかは、今後の日本の防衛戦略、外交戦略も大きく左右するだろう。しかしこの種の問題に当たっては、感情論ではなく専門知識に基づいた冷静な分析を行うことが重要だ。“軍事の専門家”の意見を聞いた。(「週刊ダイヤモンド」編集部 河野拓郎)

おかべ・いさく
1954年生まれ。学習院大学文学部フランス文学科卒業。航空雑誌「月刊エアワールド」編集者、艦艇雑誌「月刊シーパワー」編集者を経て、フリーの軍事評論家。有事の際はテレビの報道番組での解説などで活躍。豊富な知識に基づいた冷静な分析で定評がある。著書に『検証 日本着弾 「ミサイル防衛」とコブラボール』(扶桑社・共著)など。

──日本にとって、中国の軍事力はどれくらいの脅威なのでしょうか。

 まず理解しておく必要があるのは、中国軍は確かに大きいが、それがそっくり日本に向かってくるのではない、ということです。中国も方々に戦力を振り向けねばなりませんから。

 それにしても、その大きさは無視できません。戦車や航空機がたくさんあるのは昔からですが、近年、顕著なのは、質的に向上していることです。

 70~80年代は、朝鮮戦争時代そのままのような兵器が主でしたが、小平政権以降に近代化が目覚ましく進みました。

 今に至っては、例えば戦闘機では国産のJ-10とその改良型のJ-10B、ロシアから買ったスホーイSu-30MKKや、スホーイSu-27のライセンス生産であるJ-11といった、日本の主力戦闘機F-15Jに匹敵する、あるいはそれをしのぐほどの戦闘機を持つようになっています。

 海軍の増強も特筆すべきものがあります。昔は沿海向けの小型の船しかなかったのですが、いよいよ空母も就役し、新型の駆逐艦、フリゲート艦や揚陸艦も急速に建造しています。

──すると、やはりかなりの脅威なのでしょうか。

 F-15JとSu-30MKKが、もし1対1で戦ったらどちらが勝つかでいえば、Su-30MKKかもしれません。しかしこれは“虎とライオンが戦ったらどちらが勝つか”のような単純化された議論で、あまり意味がありません。もっと視点を広げて、冷静に見る必要があります。

中国の海洋戦略から見る
尖閣諸島の意味とは

図版左側の赤線が「第一列島線」、右側が「第二列島線」 出典:米国防総省「Military Power of the People's Republic of China 2008」
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 日本にとって脅威となるのは、「第一列島線」「第二列島線」注1)という考え方です。これは中国政府が公式に言っているわけではありませんが、軍の周辺の文書などで現れているものです。「第一列島線の中は確実に守り、第二列島線のグアムぐらいまで進出できるようにする」と言っている。

 第一列島線のラインの中に、沖縄や南西諸島も含まれます。中でも焦点が尖閣諸島です。

 尖閣諸島は中国にとっては、その第一列島線の守りを固めるうえでの足掛かりということになるのでしょう。ただ、中国が尖閣諸島の領有権を主張して、さまざまな政府機関の船を接近させるなどの動きを見せているのは、単に海軍戦略上重要というだけではなく、海底資源や漁業資源が欲しいためでもあるでしょう。また、尖閣諸島で日本をつつくと日本の政府や世論がどう反応するか、アメリカがどう出るかなどといった外交的な狙いもあるとも考えられます

 日本から見ると、それらの海上や離島の防衛をどうするかという問題です。付随して、沖縄や本土に対する航空攻撃の可能性を考えることになります。

 逆にひっくり返して中国側から見ると、中国が太平洋や東シナ海に進出するときに、出口が色々なところで塞がれている形です。特に南西諸島が“チョークポイント”(戦略的に重要な海上水路)になります。尖閣諸島に対する中国の動きは、ここが中国海軍にとって南西諸島を抜けて太平洋に出るためのドアの蝶つがい、と考えていることの表れかもしれません

 中国にしてみれば、エネルギーや原料の輸入のシーレーンの防衛、という問題です。

 例えば中東からの輸入のシーレーンが重要ですが、米軍の基地が日本、グアム、ディエゴガルシア島(インド洋上の環礁)、オマーンにあり、加えてオーストラリア、シンガポールにも戦力を置こうとしている。すっかり囲まれている状態です。

(注1)第一列島線、第二列島線:中国人民解放軍が対米国で想定する防衛ライン。九州、沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオ島を結ぶ線が第一列島線、伊豆諸島、小笠原諸島、グアム、パプアニューギニアを結ぶ線が第二列島線。日本をはじめとする他国の領土・領海を含むため、当然ながらそれらの国々の反発と困惑を招いている。

海軍とは「文化」
中国海軍は全くの経験不足

 しかし、中国の海軍は経験が全く不足しています。2008年には、初の実践的な外洋活動としてソマリアの海賊対策に船を送りましたが、生鮮食料品や飲み水が足りなくなったりして、士気が非常に下がったと噂されています。

 外洋で行動できる能力は、経験を通じて身に付けていくしかありません。海軍とは「文化」であり、単に船と乗組員の集合ではないのです。

 ですから中国は今、海軍に一所懸命、外洋行動の経験を積ませようとしています。これを如実に示しているのが、ここのところの中国海軍の行動です。

 2008年の10月、中国海軍の艦艇が、津軽海峡を通って太平洋に抜けていきました。中国海軍の戦闘艦艇が日本の周辺を通って太平洋に出る、という行動を見せたのは、戦後共産党政権になって初めてのことです。

 今年10月にも、沖縄の近くを抜けて太平洋へ出た中国海軍の艦艇が、尖閣諸島の周辺を抜けて帰ってきました。この艦隊が太平洋上で何をしていたのかは知る由もないのですが、注目すべきは、このときどこにも寄港せず、17日間で帰ってきていることです。行って戻ってくることしかできていない。米国海軍が、あちこちに寄港しながら長期間、実戦的な訓練を行っているのと対照的です。

 それというのも、中国海軍には、補給ができる、安定して寄港できるような、信頼できる国がどこにもないからです。友達のいない「寄るべなき艦隊」なのです。

 空軍も同じです。戦闘機はたくさんありますが、それを支え、十分に能力を発揮させるための、早期警戒機(注2)や空中給油機(注3)が足りない。それらを連携させる訓練をやっているという話も聞こえてこない。

 補給、情報、指揮などの能力と、全体的な経験値は、米国や日本とまだまだ差があるというのが実情でしょう。

(注2)早期警戒機:大型のレーダーを搭載し、高空から敵の航空機やミサイルを探知する軍用機。探知した敵の情報を分析して指揮管制まで行う能力を持つ場合は「早期警戒管制機」と呼ぶ。より遠方の敵を、より早く探知することは、戦場で優位に立つ上で極めて重要だが、軍用機の中でも特に高価な機体である。

(注3)空中給油機:戦闘機や爆撃機など飛行中の他の航空機に空中で燃料補給を行うための軍用機。装備すれば航続距離の延長、搭載能力の増大など航空戦力の柔軟性を大きく上げることができるが、実際に空中給油を行うには高い技能が必要。

──いつかは追い付いてくるのでしょうか?

 軍でも、現場で経験を積んだ人間が、指揮官となり、リーダーとなって、組織を変えていきます。中国ではそういうリーダーシップ育成の仕組みができているのか、という問題ですが、これはどちらかというと政治の話になります。

 また米軍は近年、各艦船や航空機のレーダーやコンピュータをネットワークで結び、部隊全体で情報を共有・やりとりする「情報ネットワーク化」を重視していますが、これに中国がどこまで追い付けるのか、追い付くつもりなのかは興味深いところです。

 というのも、「ネットワーク」という考え方は、社会や、持っている文化に影響されるのではないかと思うからです。こういった情報ネットワーク化というのは、米国だからこそ考えられるものなのかもしれません。共産党が情報統制を行っているような中国が、そこまで本当に踏み切れるのか。

 ともあれ、中国自身、現状では実力差があることはわかっていますので、対米については「非対称の戦い」をやると言っています正面からやり合うのではなく、弾道ミサイル、サイバー攻撃、宇宙兵器などで何とか対抗しようとしている。

 ところが、軍備の進め方を見ると、米国と同じような兵器を持ちたがっている。一例が空母保有論です。

中国の空母が脅威になるのは“明後日”以降か

中国初の空母「遼寧」。旧ソ連が建造した「ワリヤーグ」を改修
Photo:Xinhua/Landov/Aflo 拡大画像表示

──その、今年9月に就役した空母「遼寧」(注4)ですが、能力についてさまざまな推測が飛び交っています。目的としてはやはり“練習用”なのでしょうか

 とにかく最初の空母なので、練習するしかないのですが、空母の運用は簡単に身に付くものではありません。20年ぐらいはかかるかもしれない。

(注4)空母「遼寧」:今年9月に就役した、中国初の空母。元は旧ソ連が建造していた空母「ワリヤーグ」で、ソ連崩壊に伴う財政難で未完成のままウクライナ海軍に編入された後、スクラップとして売却。「海上カジノにする」という名目で98年に中国が購入し、修理・改造の上、空母として就役させた

米軍は、1920年代からの90年以上の空母運用の歴史があります。にもかかわらず、米海軍の士官などは「我々はまだ学んでいるところだ」と言います。それを中国は、ゼロから学ぶのですから

 脅威になるかで言えば、“今日”は、心配することはありません。“明日”もありません。“明後日”以降になると、気になるかもしれない、という感じですね。

 艦載機もいちおう開発しているようですが(スホーイのコピーと言われていますが)、技術面で気になるのはエンジンです。

 元になったソ連の空母「ワリヤーグ」がそうなので、おそらくは蒸気タービンだと思われますが、船用の大型蒸気タービンを作って使いこなしているのは、実は米国しかないのです。

 蒸気タービン自体は古くからあるもので、枯れた技術のはずなのですが、案外難しいらしく、米海軍の原子力ではない空母を取材したときもエンジンは見せてくれませんでした。

「アドミラル・クズネツォフ」(ワリヤーグの同級艦)や「キエフ級」(クズネツォフに先立つ旧ソ連・ロシアの空母)も蒸気タービンでしたが、稼働率は常に低かった。「遼寧」の場合、それを10年以上かけて動かせるようにした。つまりエンジンは10年ほったらかしだったわけですから、どこまで使い物になるのか、というのは最大の疑問点です

「遼寧」はカタパルト(注5)を装備していませんが、その場合、艦載機の発進には高速で航行して向かい風をつくり出す必要があります。スピードが出せないとなると、そもそも艦載機を運用できるのか、という問題になります。いちおう、無風でも発艦はできるでしょうが、そうするとミサイルなどの兵器の搭載量や、燃料の量を落とすしかありません。

 練習用としても、基本訓練しかできない空母になるのか、実戦的なところまで訓練できるようになるかは、エンジン性能にかかるわけです。

(注5)カタパルト:空母の甲板上から、航空機を“打ち出す”装置。搭載する航空機の運用能力を飛躍的に高める。重いジェット機を射出するために現代のカタパルトは高圧の蒸気を使うが、高度な技術が必要とされ、この蒸気カタパルトを実用化できたのは英国と米国のみである(現在の英国海軍の空母はカタパルトを装備していない)。

海上自衛隊vs中国海軍
もし戦わば――

──仮にもし今、中国海軍と海上自衛隊が戦ったら、どうなるでしょうか

 9月に、米国の外交誌『フォーリン・ポリシー』で米国海軍大学准教授が考察した結果では、「海上自衛隊に十分勝つチャンスがある」としていますね。

 先述のとおり、中国が投入できる戦力は限りがあります。継続して作戦行動できる能力も、これまでの例ではあまり長くない。一方で、日本は相手を全滅させる必要はない。撃退さえすればよい。

 その前提で言えば、海自は勝てるでしょう。経験や自信といった面で優位ですし、装備や兵器も最新式のものを持っています。沖縄などの基地からの、航空戦力のカバーもあります。

 中国の弾道ミサイルで沖縄や九州の基地を攻撃されたら、という危惧はありますが、これもミサイル防衛システムである程度、減殺されるのではないでしょうか。
もちろん、日本には現状、ミサイル防衛を担うイージス艦が4隻しかなく、弾道ミサイル迎撃用のミサイル「SM-3 ブロック1A」の数も限られるため、飽和攻撃注6)されるとけっこう困りますが。

 中国側も、まともにやり合えば勝つのが難しいことはわかっていますし、何より日本の後ろには米軍が控えていますから、軍事力で事を構える可能性は低いと思います。

 ただし最悪のシナリオを考えれば、海上保安庁の船に対し、中国海軍が艦艇をちらつかせ、海自もそれに対抗し、にらみ合いの中で何かの間違いで戦端が開かれる、ということはあり得ます。

 そういう事態に至らないように、コントロールする知恵が双方に必要です。

(注6)飽和攻撃:敵が対応できる以上の攻撃を同時に仕掛ける戦術。例えば相手が同時に10発のミサイルを迎撃できる能力を持っている場合、11発以上のミサイルで攻撃する。

少々気になるのは、米国の太平洋軍の司令官が「中国は政治、経済では比較的冷静だが、軍の考え方が非常に保守的」と言っていたことです。政治と軍がアンバランスで、決して一枚岩ではない。一方で、軍を手なづけておかないと政治基盤が弱くなる、というのもある。軍の中でもし強硬派の考えが大きかったらどうなるか、という心配はあります。これも、軍事よりも政治の問題ですが。

日本も空母を持つべきか?今後取るべき防衛戦略は

──中国に対抗して、日本も空母を持つべきだ、という意見もあります。

 どういう空母かによりますが……。

 米海軍の空母より二周り小さい、6万トンクラスとしても、必要な人員が1隻当たり3000人になるでしょうか。それだと護衛隊群(海上自衛隊の護衛艦隊)を1つか2つ、ひっくり返さないと人員が足りません。

 空母運用をこれから練習しないといけないのは、中国と同じです。ヘリコプター運用の経験があるのでゼロからではありませんが。

 費用も莫大にかかります。米国の空母を例にすれば、大ざっぱな数字として1隻当たりの建造費用が3000億円、運用費用が年間200億円、艦載戦闘機が50億円×50機で2500億円ぐらいと言われます。空母は1隻だけあっても駄目で、戦力にするにはメンテナンスと訓練のローテーションのために、最低3隻が必要になります

 そもそも、そのような空母を保有しても、米軍に代わって外洋の敵空母を撃滅する、といったことにでもならない限り、使い道がありません。

 もっと小型の空母で、イージス艦の護衛用としてなら、あり得るかもしれません。ただその場合でも、建造費用は1500億円、艦載戦闘機が安く見積もって12機1000億円、加えて艦載ヘリが100億円とか200億円、年間運用費用も億単位かかるでしょう。またカタパルトのない小型空母の場合は、現状だと運用できる早期警戒機がありません。性能の低い早期警戒ヘリコプターで我慢するとしても、果たして費用対効果で見合うでしょうか。

そうすると、軍事の面から見て、日本がやるべきことは何でしょうか。

 今やっていることとほとんど変わりはありません。自衛隊の練度と士気の維持です

 自衛隊は非常にプロフェッショナルで、モチベーションが高く、訓練もきちんとやっていると評価されています。他国からすると、なかなか付け入る隙がない。

 それを維持したうえで、現在の程度のペースでもって、装備の更新をすることです。いや、お金が使えるならもっと早いペースで更新してもいいですし、そのほうが望ましいでしょう。ただし、装備に気を取られ過ぎると、人員の待遇が悪くなったりして練度と士気のほうに影響を与えかねないので、気をつけるべきですね。特に訓練のための経費をちゃんと取っておくことが大切です。

 重要なのは、限られた戦力をできるだけ効率的に動かせるようにすることです。「C4I」(Command Control Communication Computer Intelligence)と言いますが、現代の軍事力においては、指揮・統制・通信・情報処理能力がカギを握ります。統合作戦能力、つまり海自と航空自衛隊、離島防衛となると陸上自衛隊も含めての連携も大切です。

 もちろん、米軍との連携も取らなければいけません。加えて、米国だけしか頼るところがないというのではなく、オーストラリアやカナダ、インドなどとの連携も図るべきでしょう。実際、既にオーストラリアやインドとの共同訓練なども行われています。

 軍事というよりも外交を含めての話になりますが、そういった面での努力を進めることも重要です。