花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

鬼の形相

2018年01月15日 11時15分22秒 | 日記
昨年の暮れのことです
障子を張り替えることしました
座敷の障子が外れにくくて主人が必死でやってくれまして
私その時云ったのです
「私が死んで一人になったら障子を一人でも張り替えますか?」
「一人ではやらんよ!業者に頼むよ
どうせワシが先に逝くよ」
冗談ではないですよ
私の方が絶対に早くに逝きますわよ
貴方は長生きの家系だから両親のようにずっと長生きしなくては

でも張り替えた障子を元のように入れることがまた難儀なことで
二人が四苦八苦です
そこで私は何時もの畳屋さんが建具も扱われることを想い出して
畳屋さんに障子を入れて頂くことを依頼しました

暫く経ってチャイムが鳴りました
玄関には鬼の形相の畳屋のご主人が立っておられます
そのご主人の仰せでは外した建具が入らないことはないそうです
両手で建具を持って片足でヒョイと蹴ちまくってあれよあれよと
いう間に全部終了です
なんら材料も器具も使ってないので手間賃も請求し難かったでしょう
気持だけさせていただきました
でも畳屋のご亭主にしてみればネコの手も借りたい年末の多忙の
貴重な時間だけに腹立たしかったのでしょう
お察しします

夕暮れどきに「今日は疲れただろう」と主人が宣うのです
こんなやさしい労いの言葉はもしかしたら始めて聞いたかも知れないと
ふと思いました

お陰様で新年は明るい障子でお客人をお迎えできました




冷たい庭で遅まきながらクリスマスローズの花芽が
膨らんでいます