花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

2015年12月15日 08時54分14秒 | 趣味
先日はお点前のときに着た着物をたたみながらふと驚きました
着物の裾がすれてきています
ながい年月着物を楽しみましたがこんなことは初めてです
この着物は私が初めて花月をするときに母が買ってくれた着物ですから相当に古いもので
気楽に着れる小紋柄の着物です 今頃では塩瀬の椿の柄の染め帯と合わせるのが好きです
すこし濃い色合いなので私でも色白に見えるのです

そういえばもう何年か前に茶道研究会で「軸飾り付き花月」の当番があたりましたときに
グループで練習をかさねて最後に当日の着物について打ち合わせしました
するとメンバーの一人が私に「その着物お似合いよ そんなのがいいね」といわれました
もちろん当日はもう少し改まった感じの着物にしますと申しましたが

幸田文の小説「黒い裾」をおもいだします
小説では悲しいお別れが多く度重なるお葬式で喪服の裾が擦り切れる程に悲しみを
かさねたことが書かれていたとおもいます

さて私の裾が擦り切れた着物のことですが
気に入って裾が擦り切れるほどに着てしまったわけです
たとえこれから袖を通さないにしても八掛も替えて仕立て直すことが長年愛着をもって
身にまとってきた着物へのエチケットかと思います
そうすることが愛したものへのいたわりでありこころ落ち着くことに思えます