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花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

お彼岸近く

2015年09月14日 09時23分13秒 | 母を想う
母はよく裏庭で椅子に腰かけていろいろに咲く花を眺めていたものです
その様子はゆったりと落ち着いて幸せそうに見えました 私には忘れられない光景です
そして言っていました
「遠い遠い西方浄土は七重にも八重にもそれはきれいな花がたくさん咲いているそうね
でもこの地上でもきれいな花がたくさん咲くと極楽浄土のようね」
と母は穏やかな笑顔をみせてくれました

だから母が亡くなった今ではその場所に小さな阿弥陀堂を建てています
お母さん もうすぐお彼岸ですね

今でもあの頃のよに花を咲かせていますよ
秋明菊 大毛蓼 嫁菜の花 高砂芙蓉 紅葉葵 槿などが咲いていますよ
彼岸花もこれから真っ赤に咲きますよ

 

今年の大毛蓼は成長がよくないですが花はとても可愛いです

のらくろ兵隊の目覚まし時計

2015年06月05日 14時11分34秒 | 母を想う
母が亡くなって気持ちの落ち着くまで随分時間がかかりました
愛しい人の思い出の品を身に付けたくなるのは皆さんそうだと思います

私は母の腕時計を身に付けたくて時計のベルトを調整してもらうために
近くの時計屋さんに行きました
思へばあの頃は何処に行くにも主人が一緒にいてくれました
悲しい目に逢うと人は消え失せそうに見えるからではないのでしょうか

私はその時計屋さんに事情を説明しましたがそのベルトの調整が出来るまで
涙が出て仕方がなくて傍にあった“のらくろ兵隊の目覚まし時計”を手にしました
本当は何でもよかったのです
“あの人は泣いている”と周囲の人に気付かれないで時が過ぎていくなら・・・・

家に帰れば目覚まし時計は幾つもあります それらを承知のうえで
「それ 買うか?」主人は何故それを買うか理由が解ったようです
お願いだからそんなに優しくしないで下さい
私また新たな涙が出てしまいました

あれから27年経ちました
のらくろ兵隊よく働き私を勇気付けてくれました
彼はいつも「トテチテタ タッタカタッタア タカター」と大きなラッパの音楽に続いて
「ボク ノラクロ 起きる時間だよー 起きろ―」
と大声で何度も何度も叫んでいました
お喋りをする目覚まし時計なのです

のらくろの時計を見る度にあの時の涙を思い出します
長い間ありがとう  もう大丈夫だから


陣中見舞

2015年06月02日 08時42分19秒 | 母を想う
家庭内に受験期の子供がいる頃には母親は何かと心配をして過ごすものと
思いますがそんな心配を表現できないでいた私でした
そんな私の心情を察して母から絞りのきものをプレゼントされました 
「陣中見舞いです」と母は云いました
私の好みを承知しているとはいえ綸子の布地に地紋もあり絞りと深い
色の風合いの染めで上等なものだと思えました
「嬉しいです この着物に何を羽おればいいかしら・・・」と私も弾んで

可笑しいんです
それから何日か経って呉服屋さんから
「お母さんの被布が仕立上がりました」と電話
母は何枚も被布は持っています 今度は何色かしら?
「赤です」と母は云いました
いつも前向きの母 でもあの年令で赤も着られるのだ
しかし 出来上がってきた“赤い被布”は先日の絞りの着物に羽おる私の被布でした
母も呉服屋さんも私を驚かせようとして私には内密に事が運ばれでいたのです

合格のお礼参りには主人と母と三人で学問の神様天満宮に出かけました
私はプレゼントして戴いた新しい絞りの着物と被布を着ました
少し贅沢だと私は思いましたが神様の前では人間がどんなに着飾っても決して
十分過ぎることはないと母はいいました

この「陣中見舞」の一件は毎年受験期の頃になると
私 感謝の気持ちいっぱいで思い出すのです



この花”おたふくアジサイ”といって頂きましたが次第に原種に帰っているように思います
木も大きくなり花が沢山ついています

小さな茶の木

2015年05月21日 08時31分18秒 | 母を想う
庭に小さな茶の木があります
茶の花は可愛い白い花が下を向いて咲き風情があります
その花をみたくて植えているのですが

随分以前のことです 母は「八十八夜になりました」といって
新芽を摘んでそれを蒸して煎り手際よくほうじ茶をつくりました
小さな茶の木です 二本分でもわずかのお茶しか獲れませんでした
でもそのお茶の実に香りがよくて美味しかったこと

茶の木は芽を摘まないと繁ってはこないのですね
そして茶畑の土はふかふかの柔らかい土だと聞いています
今年は慣れない手で新芽を摘んでみました
少し繁ると嬉しいです
私にもいつかほうじ茶できるかしら



この花たくさん咲きます 
「ひとり娘」と呼んできましたが本当は何というのでしょうか

私びっくり致しました
今 ネットで「ひとり娘の花の名前」と調べたところ
この花が沢山出てきました

爽やかな五月を迎えます

2015年04月26日 09時25分04秒 | 母を想う
茶道の点前では5月からはこれまでの炉から風炉に変わります
私は毎年4月末から5月3日頃にかけてよい日をえらんで炉の灰をすくい出し
中をきれいにして風炉に灰をいれて灰形を整える作業をします 

母を亡くした年は灰をすくっては悲しくて涙てかすんで目の前が見えなくなり
もっと熱心に習い母を安心させておけばよかったと思ったものです
どうしようもない娘であることよ
この時期 灰の作業をするといつもその時に抱いた自分の気持ちを鮮明に思い出します

あれからこつこつと毎年この作業を続けてきています
今では私のスタイルで慣れてきました
春の花が咲き若葉が美しいとてもよい季節を迎えました

今日は今季最後の炉でのお点前四ケ伝盆点をします



芍薬 まだかたいい蕾です