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花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

二度咲きの

2016年10月19日 11時19分44秒 | 母を想う
今年は金木犀の花が遅いと心配していました
でもやがて馨しくひとしきり咲きましたのに今はまた優しく花を
たくさんつけていい匂いです 二度咲きですね

もう随分以前になりますが思い出すのです 
母の通夜に金木犀がそれはそれはいい香りでした
それはきっとお参りくださった通夜の客にこころからの母の最後の
おもてなしだったのです
だからくる年もくる年も金木犀は悲しい香りでしたが
もう大丈夫です
悲しまなくてもよくなりました 長い年月が私のこころを癒して
くれましたから
母の優しさだけを想えるようになりましたので



二度咲きの金木犀

ようやく

2016年10月07日 09時05分02秒 | 母を想う
暑かった今年の夏 今朝の気温が漸く平年並みとか
涼しくて空気がサラッとした感じで心地いい朝です
裏庭で今年初めて嫁菜の花が咲いているのを見ました
これから沢山きれいな薄紫色で咲くことでしょう

今日は私にとって忘れられない母の命日です
母が亡くなったあの日の朝戸を開けると裏庭では薄明りのなかで
早咲きの山茶花が一輪だけ花ひらいていました
あちらの世からのお迎えの花なのかこの世のお別れを告げる花なのかな
とふと思ったものです
母を失った悲しみは大き過ぎて
あの時感じたのです 耐えきれない程の悲しい涙は喉の奥から出るものだと

お母さん今日も感謝をこめて申します
私はあなたの娘でいられて幸せでした
今もこれからもずっとあなたの娘です


背筋

2016年07月25日 09時02分38秒 | 母を想う
背筋が伸びている人をみるのは気持よいものと思います
昔の茶人はよく“頭は北海道お尻は九州”と正しい姿勢を保つための
表現をしておられました
全くお尻を突き出すということは腰椎がすっきり正しく伸びますので
その姿勢で背中を丸めて猫背になることなど到底至難の業です 
所謂腰から背中まで否応なく真っすぐに伸びた姿勢が自然に出来上がるわけです
そのうえお茶の座で帯をしめて座り両肩をすこしだけ後ろに拡げれば
何の努力も要らないで正しい姿勢を保つことが出来たものです

母は晩年に少し足元が不自由になって杖をついていても背筋はいつも綺麗に
真っすぐに保たれていました
私が母に「背筋がいつも伸びていて綺麗です」と言うと
母は「本当ですか」と言ったものです
晩年に体力が衰えても同情やお世辞は言わなくても結構ですよ
と母の気持だったかも
それにしても長年正しい姿勢を保つことを自然に教えて頂いて
お母さん ありがとうございました


散歩

2016年06月11日 11時31分22秒 | 母を想う
母は晩年散歩を楽しみにしていたようです
散歩といっても少し風変わりなのです
夕方に家事のかたずけが終わった後に私が散歩に誘うと母は何をしていても機嫌よく
応じていたものです
母はもうその頃には少し歩行がおぼつかなくてシルバーカーの荷台に腰を掛けて主人が
そのシルバーカーを押すのです
私は母の杖をつきながらシルバーカーの傍を歩くのです それは母が
「少し歩いてみます」と言った時のために持っていたものです 
そんな妙なスタイルですが三人は夕暮れの道を昔の話や今日の出来事などたわいもなく
話しながらゆっくりとあたりを巡っていたものです

私が冬になると寒くてお散歩は無理だねと母に言うと
「大丈夫です 襟巻をしてホカロンを持って出ます」と言っていましたのに
寒い冬を待つことなく
母は心地よい秋風の吹くころに静かに旅立ってしまいました
精いっぱいの愛情と優しさとたくさんの思い出を残してくれて
その風変わりな散歩もいまでは私のこころを優しくしてくれる思い出なのです
いまでも母の部屋に向かって「お散歩に行こう」と誘いたくなるのです



さわやかな風

2016年05月04日 14時43分55秒 | 母を想う
ゴールデンウイークあと一日になりました
全く関係のない私でも何となく浮かれた気分になれるから不思議です
今年は少し遅れて風炉の準備をしました
風変わりな芍薬も花入れに





そうそう気に掛かっていた裏庭も少し努力をして草取りをしました
気持よくなって何度でも出てみたくなります

母を想って建てた小さな小さな阿弥陀堂にも庭の花エニシダとあやめ
白こでまりの花をお供えしました
快晴で心地よい風が吹いて 
お母さん とてもいい気候ですよ