僕のありえない日々

受け入れがたい日常について

第21期 竜王戦 7番勝負

2008年12月18日 | 将棋
今年度の竜王戦は今まで以上に注目していました。
若き天才渡辺竜王が、不動の天才羽生名人とどのように戦うのか。

しかし、このブログにも掲載させていただいたとおり、

初戦から渡辺竜王が3連敗を喫し、誰もが新竜王誕生を予感し、羽生名人が史上初の永世竜王になろうかと思っていました。

ところが

4戦目。
序盤中盤と羽生名人のペースで将棋は進みました。
最終盤、渡辺竜王は、自玉を打ち歩詰めでなければ詰まない形(羽生の反則を誘う形)にくみ上げ、奇跡の大逆転。
渡辺竜王が1勝を返しました。

渡辺1-3羽生

5戦目。
本格的な相矢倉から、先手渡辺竜王のペースで将棋は進みました。
渡辺竜王の攻めが続くのか、羽生名人が受け切るのか。
羽生名人が飛車取りを仕掛けました。
素人の見た目は、この手で羽生名人が良くなったのではないかと思いましたが、当然その手も渡辺竜王はそこまで読んでいるだろう、とも思っていました。
飛車取りに対して、渡辺竜王は、
放置。
本人も「やりすぎだった」と局後に話されたようですが、最後まで渡辺竜王の攻めが切れることは無く、渡辺竜王の2連勝となりました。

渡辺2-3羽生

6戦目。
先手羽生‐後手渡辺
相矢倉で進行するのではないかとの大半の予想に反した、後手渡辺竜王の奇襲。
炸裂。
もちろん、しっかりと研究しておかなければ成立することは無いですが、この舞台でその奇襲を狙うことが大胆だと思いました。

渡辺3-3

3連敗後の3連勝。
渡辺竜王は本当に強い。
最強の挑戦者に3連敗を喫した後で、ここまで星をとりかえすなんて誰も予想はしてなかったのではないでしょうか。
流れは完全に渡辺竜王の物でした。

第7戦。最終局。
先手羽生‐後手渡辺
第7戦は、振り駒で先手後手を決定し、くしくも第6戦と同じになりました。
しびれた。

後手渡辺、第6戦と全く同じ手、全く同じ奇襲。
「この手は研究したのか羽生さん?」
「ただの奇襲じゃないんですよ。この手は本物なんだよ」
そう言っているようです。

もちろん、第6戦と同じに進むわけが無く、羽生名人も変化します。
「この手はね、これで先手が良くなると思うんだけど・・・うーん」
「たとえ奇襲でもね、正確に読んだら大丈夫なんですよ・・・しかし・・・」
そう言っている気がしてました。

一手指すごとに、検討室の予想が変わる。
「検討者の大半は、現時点で後手がいいと思っているようです」
「先手がこの手を指すと、後手は困るでしょう」
「後手に最高の返し技があるようです。後手がいいでしょう」
「後手が間違えました。この手で先手がはっきり良くなりました」
「3分ごとに検討室の形成判断が変わります。複雑です」

最後までどちらが勝つかわかりませんでした。

どちらが勝っても、初代の永世竜王。

終局したときに、思わず声を上げてしまいました。
すごい。
本当にすごい。
おもしろかった。
渡辺竜王の執念、意地、才能にしびれた。


初代永世竜王誕生 おめでとうございます!

将棋って難しいね。

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