僕のありえない日々

受け入れがたい日常について

隠し剣孤影抄

2014年09月15日 | ありえない
藤沢周平の「隠し剣孤影抄」を読んでいる。
「隠し剣」八編の短編集。
「隠し剣鬼ノ爪」が有名。


http://www.amazon.co.jp/%E9%9A%A0%E3%81%97%E5%89%A3%E5%AD%A4%E5%BD%B1%E6%8A%84-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E8%97%A4%E6%B2%A2-%E5%91%A8%E5%B9%B3/dp/4167192381

「隠し剣鬼ノ爪」は映画も見て、キャラメルボックスの舞台も見た。


まだ途中までしか読んでないけど、主人公は軒並み剣の達人。
ただし、主人公はなにかしら人としての弱さを必ず持っていることが共通しているし、またその部分が話を面白くさせていると思う。

「臆病剣松風」は読む前からがっかりするタイトルだったので、非常に読む気がそぎれていた。
だけど読後は一変して、特に気に入った作品になってしまった。
戦うことも争うことも嫌いというか苦手で、そんなことに巻き込まれることも嫌。だからと言って心優しいのかというと、そういうわけでもない。仕事は真面目なんだけど、ただ意気地がない。そんな主人公。
だけど、秘剣を身に着けていることが買われてしまい、仕事を断ってもやらされる羽目になる。
結局、最後は死を賭して戦って主君を守る。
結婚当時からその意気地がないことをバカにしていた奥さんも度肝を抜かれたと思う。そこがスカッとする部分だよね。
よほどヒロイックな部分が少ない主人公だから、中年のおっさん(僕)が感情移入できるんだと思う。

「必死剣鳥刺し」も「鳥刺しってw焼き鳥かw」なんて半笑いで読み始めたのに、ラストが壮絶すぎる。


そしてすべての話に共通して、なんだかエロい。
なんでやねん。ほんまになんでやねん。直接な描写は全然ないのになんだかエロい。
なんにもないのは「臆病剣松風」くらいじゃないの。まぁ主人公がヘタレなんでしょうがない。いや奥さんが誘惑されてたな。十分エロいじゃん。
けど、しつこいヤラシサはないし、話をうまく引き立たせてると思う。


「隠し剣」「秘剣」かっこいい。
奥義なクセに「人に知られたらいけない」そのかっこよさ。最後の最後でなければ使えない。スペシウム光線か。
かっこいい。

SAMURAI ROCK

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