彼は不適切な相手とのおつきあいが発覚し、その人と話をつける
べく、それまでは別居生活をすることにした。
が、朝昼晩とほとんど毎日電話してきていたので、別居感あまりなし。
基本、家にいるときもほとんど家庭内別居状態だったってことだと
今さらながら納得してしまった。
ただ、頻繁にかかる電話に娘が出ることはほとんどなかった。
相手の人の話は一切遮断した。
結果だけでいいって。
あ~だ、こ~だ言われても、嫌なイメージが増幅するだけだ。
きっと、私がこれだけこだわるのは相手の人が私とは真逆の
タイプだからだろう。
私は、きっぱり、はっきり、するタイプだけど
相手の人は、ほんわか、ゆったり、したタイプだった。
ちょっとしか、電話していなかったけどそんな気がした。
きっと彼が言うように、優しい人なんだろう。
でも同時に、私にもきっとあったはずの多少の優しさを
発揮できる余裕を与えなかったのは、他ならぬ彼だろうに…
と思うと、やっぱり納得いかなかった。
相手の人が何を思うのか…。
想像しても、しょうがないのに想像しながら当日を迎えた。
責めたり、罵倒するだけだったら、わざわざ高い交通費使って
来たりしないよなぁ…って。
それから先は、彼とその人の決断なんだろうけど、もし、やっぱり
その人がいいって言われたら、私ってどうするんだろうなぁ…とか。
妻子在りってわかってから、付き合いを続けるなら、きっと訴える
こともできるんだろうなぁ…とか。
煩悩はつきないわけだ。
当日、わざわざこれから行ってくるって電話が来た。
しかも、途中経過に
「上手くいっている。」とか。
だから、結果だけでいいって~~~。
でも、刺される心配はないようだ。
彼は最初から、そんな心配してなかったけど。
それからとうとう、私が帰宅するまで何の連絡もなし。
終わったら、終わったぐらい連絡寄こせよ…と思いつつ、
藪蛇にならぬように、黙って帰宅。
すると、何事もなかったかのように彼が家にいた。
娘がいつものように出迎えてくれると、その後ろからお茶を片手に
「おかえり~。」ってぼーっと現れた。
すっかり、家着に着替えているので、既視感が半端ない。
当たり前だけど、何事もなかったかのようなそのたたずまい。
なんか、ものすごいスピードで日常が戻ってきた感じがして
めまいがしそうだった。
この1週間なんだったんだろう…って。
一応、彼の話を聞くと
「ファミレスでお茶して、パスタ食べた。」だけ。
「いやいや、他にも言うことあるでしょ。」と言うと
「友達として…って言われたけど、断った。」って。
いや…やっぱり、それだけ執着があったんだろうなぁ…と
思いつつも、熨斗つけて差し上げられたらどんなに楽なんだろう
ってちょっと思った。
取りあえず、彼は自宅に、そして私の生活にも日常が戻った。
が、まだまだ波乱万丈は続くのであった。