彼が家を出て、とうとう3か月経とうとしている。
正直、3か月もつとは思っていなかった。
でも、この間彼は独り住まいをしながら就労支援に応募し
働き始めるに至った。
それに至るまで、きっと履歴書を書いたり、面接したり
こっちにいれば私に頼り切っていたことを一人でやって
のけたのだろう。
病院だって、毎回付き添っていたのに、当初に区役所に行って
自立支援を取り付け、バスに乗って月一で一人で通っている。
自分しか頼れないから…と言ってしまえばそれまでだけど。
じゃ、私や娘に甘えきっていたこの10年はなんだったんだろう。
責めているわけじゃなくて、やればできるじゃんって褒めている
わけで。
そう、私は彼を怒る必要がなくなったことを一番喜んでいるわけで。
あれこれ私が怒ることも、それに彼がびくつくこともなくなったのは
お互いにとってよかったんだろうと思われる。
ちょうど、この3か月目に彼の誕生日がある。
入籍記念日でもあったその日は、今年は全く関係ないかと思ったら
娘が、誕生日プレゼントを贈ると言い出した。
私の実母に、
「たった一人の父親だから、誕生日と父の日は何か送りたい。」
って言っていたらしい。
日曜日彼に送る食料品をあれこれ買い込み、娘は100均で買った
写真立てをデコり、生まれて初めてクッキーを焼いた。
お菓子を作るのが好きで、あれこれ作るのだが、クッキーだけは
娘自身が好きでないので作ったことがなかった。
が、日持ちを考えるとクッキー以外思いつかず…。
ノーマルと、ココア入りと食紅入り…3食で粘土細工のように作ったのが
これ…。
これは焼く前だから焼いたらちょっと崩れてたけど。
ちなみに、私と彼はほとんど同じだが、顔の下まで茶色が
あるほうが私らしい。
で、娘とかっているうさぎ。
親バカかもしれないけれど、上手だな~って。
私一切手伝ってないし。
っていうか、私お菓子作れないし。
それ以上に、あんな散々だった父親に誕生日プレゼントって
生まれて初めての手作りクッキーを送ろうって何時間も一人で
頑張れるって…。
本当に私以上に大人だわ…。
私のせいで、父娘の断絶みたいなのがなくって本当によかった。
大人な娘に感謝、感謝。