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(元)旦那の病気(双極性Ⅱ型障害)について

ご注意!

当ブログをお読み頂きありがとうございます。 このブログは(元)旦那の病気(双極性障害)を中心に 家族の日常を記載しております。 ただし、ブログ主である私の“毒”も多分に含まれ 心の病気の方などに不愉快な記載がある場合もあります。 どうか、充分ご注意いただけますようお願い致します。

対決

2014年09月02日 | 日記
携帯で、あちっこっちとつながりながら、目の前の家族とは
まったくつながろうとしない彼にへきへきしたのはいつからだろう。

時間も空間も共有できない単なる同居人と成り果てた。

それでも、それをよしとしないのは私の中にまだ家族を諦めきれない
ところがあったからだろう。

私が家族を諦めてしまったら、娘に家族がなくなってしまう。

娘だけじゃない。

ゆがんだ家族像を見て育つことによって、娘の子供やその次にも
影響がでるのかもしれない。

家族って綿々と引き継がれる何かがあるんだと思うから。


彼が退院してから行った、彼の実家でも、義両親とも一緒だった旅行でも
その次の週に行った私の実家でも、彼の一人きり携帯は止むことはなかった。

ちなみに私の実家では、前日睡眠時間を削ってまでも携帯をいじってて
せっかく用意したもらった花火大会の席で、横になって寝ていた。

私が実両親の前で、どれだけ申し訳なかったか…。

家に帰ってからも、私たちが寝室に行くと、携帯を握りしめ寝ていたり。

その画面が覗けて、あやしげな会話が残っていたり。

彼には、理由がどうであれ、私も娘も嫌なので、やめてほしいと何度も
言ったが、それでも止むことはなかった。

その日も、朝の4時過ぎから起きだしてごそごそと携帯を持って1階へ行った。

しばらく、目を閉じて考えていたが、私の中で時が充満した。

彼が横になっていたので、声をかけて座らせる。


「ねぇ、別れよう。」


彼は凍りついたように、何も言わない。


「ねぇ、もう別れよう。」


もう一回言う。


「なんで?」って彼が言うから、

「そうやって、家族よりも大事な携帯なんでしょ。
 
 そういうの耐えらんないって言ってのに、やめられないんでしょ。

 この間の騒ぎ(自殺未遂)をしてでも、変われないんでしょ。

 だったらもう、一生変われないよ。

 私こんなん一生たえらんないもん。

 だから、別れよう。」


理由なんていくらでもある。

これ以上病気に振り回されたくない。

貧乏が耐えられない。

何度も起こす警察沙汰が嫌だ。

おまけに浮気までされてんだ。


でも、結局は私や娘のことよりも、自分優先でいる彼にもう付き合いきれない
っていうことだろう。


家族の愛情<自分の快楽


ってことだろう。


彼は、

「あれから、○○(娘)の前では携帯いじらないようにしてるでしょ。」

というので、

「前でいじれないからって、たびたび一人で消えてたら同じでしょ。」

と答える。

そのくらいの道理もかわっていない。



「もう決めたの?」っていうので、

「私の一存じゃ決められないでしょ。

 お盆にそれぞれの実家に行くわけだから、そこで話するよ。」


ふと、気になって

「ね、もう1回携帯見せて。」って。

彼は暗証番号を入れて、躊躇なく私に携帯を渡す。

LINEを開くと、すべての人との会話が消されていた。

こういうのを姑息っていうんだろう。


でも、見覚えのある会話の相手がいた。

飛び降りる前に、話していた人。

入院中、ブロックするといって全部データを消したっていってた人。

私が連絡するというと、消したから無理って言った人。

最後の会話に彼を支えたいって言っていた人。


ちゃんと復活している。

ここはさすがに、切れていいところだろう…と思い、


「連絡着くんじゃん。

 今ここでかけてよ。

 私話したいことがる。」

さすがに、躊躇する彼。

でも、私も引かない。

「かけて。」

何度か、言い合っていると、あろうことか娘が起きてきた。

やめようかと思ったが、ここで引いたらまた彼にごまかされる。

最後に、もう一度

「さっさと、かけてよ。」と言うと、

彼はLINEの通話ボタンを押した。

「あ~、俺…ちょっと電話変わる。」と

言って私に携帯を渡した。

「ちょっと、待っててね。」と娘に言うと


すかさず、携帯を受け取り2階に行く。

「もしもし~」相手の人の声がした。

「もしもし、○○○○(彼)の家族の者です。」と名乗る。

「突然、こんな時間にお電話してすいません。

 今、お時間よろしいですか?」と話し出す。

「○○○○(彼)に家族がいることはご存知ですか?」と聞くと

「はい、お姉さんと姪御さんですよね~。」と明るい声で返される。


なるほど…、そういうことか。


「そう、聞かれているんですね。

 でも、それは違います。

 家族は配偶者と、娘です。」と言う。

「えっ…。」と声が詰まる。

それから、何度も何度も確認される。

本当に彼に妻子がいるのかって。

「ドラマみたい…」って言っていた。


そりゃ~そうだろう。

病気もちの遠距離恋愛の対象だと思っていた彼に、実は妻子がいて
しかも、その妻って人から朝っぱらから電話がかかっているんだ。

ドラマみたいだよね…。

その人は彼が独身だと思っていた。

あと、先日の自殺未遂についても知っていた。


「あれは、貴方との付き合いを私に咎められ、その挙句に
 
 飛び降りたんです。」

と言うと絶句していた。


そして、

「私は貴方に謝らないといけない。

 もしかしたら…ってずーっと思ってました。

 でも、彼の言い訳を信じたかったし、そこに踏み込む気力が

 なかった。私は不信感があったのにもかかわらず、それを

 今まで問いただす勇気がなかった。

 そのせいで、貴方には迷惑をおかけしてしまいました。

 本当に、申し訳ありません。

 彼の病気のことは理解されているようなので、病気のせいとは

 言いたくありませんが、ただし、貴方の存在自体が彼を不安定に

 していることも事実です。

 私には娘がいます。貴方にも娘さんがいらっしゃるそうでね。

 だから、わかりますよね、父親がこれでは困るんです。」

ってなことを淡々と話した。


ドラマだったら、もっと感情的に話しているだろうか。

もっと、罵詈雑言はけばいいんだろうか。

でも、ある意味、この人も被害者だって思っていたので
そんなにきついことは言えなかった。

その人は、私よりいくつか上で、御嬢さんと息子さんがいる
×1の女性だった。

彼に言わせれば、やさしい人だそうだ。

やさしくて、自分の病気を理解してくれていて、おまけに
愛してくれたそうだ。

確かに、LINEでもそう言ってた。


気が付くと、娘が部屋に入ってきた。

もう朝食を食べる時間だ。

何の用意もしていない。


「申し訳ありません、これから仕事なのでこれで失礼したいのですが。」

と言うと、こちらの気配も感じたのか、


「また、お電話してもいいですか?」と言われたので

「どうぞ。」と言って電話を切った。


全てのやり取りを隣で聞いていた彼は、電話を返すと

「ほっとした…。」と言った。

「どういう意味?」と聞くと

「俺、どういっていいのかずーっとわからなかったから…。」

だって。


あきれて二の句が告げない。


でも、

「あんたのために、電話したんじゃないよ。

 あんたがあの人に迷惑かけるから、あの人のために家族として

 謝罪したの。

 まっ、この先も家族でいる保証はないけどね。」


と、ぶった切り。


そのあと、大急ぎで朝食を用意し、娘を学校に送り出し、支度して
出社した。


今は淡々と日常を繰り返すしかないのだと思った。