僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

斉藤茂吉の手紙

2007-11-18 17:04:18 | Weblog
 斉藤茂吉自筆の手紙です。長野県の知人から蜆が送られ、その謝礼状のようです。日付が昭和3年1月17日で、住所が東京都の青山になっており、彼が青山脳病院の院長をしていた時代だと思います。
 優しくて流れるような筆跡に、彼の人柄が偲ばれます。

金鵄(きんし)

2007-11-18 16:37:21 | Weblog
 太平洋戦争時のたばこ「金鵄」です。明治39年(1906年)に発売になり現在も売られている、息の長い「ゴールデンバット」のことです。戦時中は、敵国アメリカの言葉を使う事はまかりならん、ということで、改称されたようです。
ゴールデンバットの蝙蝠は、中国では幸運の象徴で、最初中国向けの輸出用ブランドとして発売されました。戦時中変えられた金鵄という名称は、古事記の逸話から採用されました。
 神武天皇の東征の際に、紀伊半島で、長髄彦と苦しい戦いを強いられました。その時一羽の金色の鵄(とび)が天皇の弓の上にとまり輝かしい光を発し、長髄彦の軍勢は眼がくらんでしまい、天皇が勝利しました。つまり勝利の象徴で、縁起がいい名前です。
 芥川龍之介、太宰治、中原中也なども愛煙し、長年「バット」の愛称で親しまれています。