「音楽は誰もが理解できる唯一の共通語です。素晴らしい演奏を皆様にお届けできれば光栄です。」
これは、公演紹介のチラシに書いてあった“ベルリンフィル12人の金管奏者たち”からのメッセージです。
そして、このメッセージどおりの感動を私は感じたのでした…。
私が若い頃、ブラスアンサンブルと言えば、やはり、フィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブルでした。
NHKのFM放送から録音した演奏を繰り返し聴いて楽しんでいた覚えがあります。
自分がン十年前、吹奏楽部でトロンボーンを吹いていたせいか、こういった少人数の金管アンサンブルに非常に興味がありました。
よく、部活の仲間とセッションしましたなあ、目的もないのに…。(その頃は大昔ですので、アンサンブルコンテストなんて、なかったのです。)
ここのところ、吹奏楽団という大編成の演奏しか聴いてなかったので、視点をかえる意味で、その日に至ったわけでございました。
しかも、世界最高峰と言っても過言ではない、ベルリンフィルの金管楽器奏者の皆さんの演奏が聴けるのです。(学生の頃は、ベルリンフィルのトロンボーン奏者、ヨハン・ドムスが私にとっての“神”でした!)
いやあ、当日まで楽しみでなりませんでしたよ!
2013年(平成25年)7月11日、木曜日、19:00開演。
場所は、東京・初台にある東京オペラシティコンサートホール・タケミツメモリアル。
そろそろ開演を知らせるベルが鳴りそうです…。
[演奏]ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 金管楽器奏者
【TRUMPET】 ガーボル・タルケヴィ
ゲオルク・ヒルザー
ギヨーム・ジェル
マルティン・クレッツアー
マティアス・ヘフス
【HORN】 サラ・ウィリス
【TROMBONE】クリストハルト・ゲスリンク
オラフ・オット
トーマス・ライエンデッカー
イェスパー・ブルク・ソレンセン
ウーヴェ・フュッセル
【TUBA】 アレクサンダー・フォン・プットカーマー
当日のプログラムです。
PART.1“アリア・アラカルト”
● 組曲《アブデラザール》より
序曲 - ロンド - アリアⅡ - ホーンパイプ - アリア
(H.パーセル)
● 教会カンタータ《我らが神は堅き砦》BWV80より
我らが神は堅き砦
(J.S.バッハ)
● 歌劇《セヴィリアの理髪師》より
それは私だわ…だましちゃいやよ?
(G.ロッシーニ)
● 管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068より
G線上のアリアとジーク
(J.S.バッハ)
● 歌劇《タンホイザー》より
歌の殿堂をたたえよう
(R.ワーグナー)
● 組曲《カルメン》より
アラゴネーズ、アルカラの竜騎兵、ハバネラ、ジプシーの踊り
(G.ビゼー)
~休憩~
PART.2“ベルリーナー・ルフト”
● 歌劇《アイーダ》より
凱旋行進曲
(G.ヴェルディ)
●《舞台管弦楽のための組曲》より
行進曲、ワルツ第2番、小さなポルカ、ダンス第1番
(D.ショスタコーヴィチ)
● 金髪のジェニー
(S.C.フォスター)
●《ヘイレ・カティ》
チャールダーシュの情景 第4番Op.32
(J.フバイ)
● 組曲《三匹の猫》より
ミスター・ジャムス
(C.ヘイゼル)
●《グレン・ミラー・ストーリー》
ムーンライト・セレナーデ - アメリカン・パトロール - 真珠の首飾り - ペンシルヴェニア6-5000 - イン・ザ・ムード
(グレン・ミラー)
~アンコール~
● オペレッタ《ルーナ夫人》より
ベルリーナー・ルフト
月並な言い方かもしれませんが、素晴らしかった!
どうしたら、あんな音が出るんだろうと不思議でなりませんでした!
全ての楽曲が完璧で、聴いている私に実に幸福な時間を与えてくれましたね。
だから、今回に限って個々の楽曲の感想を述べるのをやめさせて頂きます!
ただひとつだけ。
特にグレン・ミラーのメドレーの時、まるでサックスがいるかのような音が出ていたのが不思議でした。
スゴイ事ですよね…。感動です。
最後は、ベルリンフィルのメンバーらしく、ヴァルトビューネ野外音楽堂での演奏会で恒例のリンケ「ベルリンの風(ベルリーナー・ルフト)」で締めくくり、大盛況のうちに演奏会は終了しました。
数えてみますと今年は、現在の時点まで吹奏楽を中心に27のコンサートに行かせて頂きました。
その中でも、この日のコンサートはワタクシ的に今年のベスト3に入るものだと確信しました。(あくまでも、7/11現在までの話です。)
帰りの埼京線は、いつものように混み合っておりましたが、そんなことが気にならないくらい幸せな気持ちで家路を急ぐ浦和のオヤジでした…。