春日部共栄高校、埼玉栄高校以外で単独の高校吹奏楽部の定期演奏会に行ったのは、実に一昨年の2013年12月26日以来です。(JR川崎駅前にあるミューザ川崎で行われた東海大学付属高輪台高校の定期演奏会でした。)
それから、2年近く。
今回は、私の住んでいる、さいたま市内にある埼玉県立大宮高等学校吹奏楽部の第1回“秋の演奏会”を聴かせて頂く機会に恵まれました。
2015年9月23日、水曜日。
秋分の日ですね。
場所は、さいたま市文化センター。(いつものように自転車で行かせて頂きました。)
3年生にとっては、高校生活、最後のステージになるそうで、感慨深い思いがあることでしょう…。
大宮高校吹奏楽部は、埼玉県、西関東支部では、なかなかの強豪校ですね。
西関東大会は常に出場しているし、しかも、ほとんど『金賞』を獲得。
もう少しで全国に手が届く“位置”にいると言っても過言ではないでしょう。(実際に一度だけ、2011年に開かれた第59回の全国大会に出場し、『銀賞』という“実績”もあります。)
また、指導されている齋藤淳先生の話も避けては通れないですよ。
先生が以前、率いていた埼玉県立与野高校吹奏楽部は、1990年代後半から2000年代前半にかけて全国大会常連でありました。
西関東支部の代表として、全国で活躍された姿は強く印象に残っております。
進学校である大宮高校では、限られた時間の中で練習に取り組まなければならず、ご苦労も多い事とお察し申し上げます…。
その中でこのような“吹奏楽強豪校”として大宮高校吹奏楽部を育て上げた“手腕”には感嘆いたしますね…。
今回は、大宮高校の現役の生徒である「あさみん」さんにチケットを手配してもらい、とても良い席で鑑賞する事が出来ました。
この場を借りて感謝の意を伝えたいと思います。
さあ、若い皆さんのエネルギッシュな演奏が間もなく始まるようです。
[演奏]埼玉県立大宮高等学校吹奏楽部
[指揮]齋藤 淳
《客演》
[演奏]さいたま市立岸中学校吹奏楽部
[指揮]星野 悦子
【第1部】
コンサートマーチ「テイク・オフⅡ」(建部 知弘)
オリエント急行(P. スパーク)
地球 ~美しき惑星~ (真島 俊夫)
【第2部】
~岸中学校の皆様による演奏~
マーチ「プロヴァンスの風」(田坂 直樹)
歌劇「ばらの騎士」より(R. シュトラウス/渚 智佳 編曲)
J. ポップメドレー
オーメンズ・オブ・ラヴ(和泉 宏隆)
【第3部】
ポルカ「雷鳴と稲妻」(J. シュトラウス2世)
歌劇「運命の力」序曲(G. ヴェルディ)
喜歌劇「天国と地獄」序曲(J. オッフェンバック)
吹奏楽のための交響的断章(福島 弘和)
最初の曲は「テイク・オフⅡ」ですね。
もともと、“コンサートマーチ「テイク・オフ」”は1986年度、第34回全日本吹奏楽コンクールの課題曲として作曲された曲です。
それを2006年に“なにわ《オーケストラル》ウィンズ”の依頼で作曲された建部知弘先生の手によって改訂版として生まれ変わったのが「テイク・オフⅡ」。
いかに改訂版とは言え、私には懐かしい曲ですね。
軽快な演奏でした。
ただ、金管楽器に多少、乱れがあったような…。(木管は、“同じ意識”で楽器を演奏しているのが感じられてステキでした。)
ここで、司会の方からの情報。(司会は、大宮高校OGの「イムラ ユリナ」さん。聞き書きなので、お名前が間違っていたら、ゴメンナサイ。ちなみに大変、美しいお嬢さんでした…。)
なんでも、第1部は1年生、2年生での演奏のようです。
多少、演奏が“若く”聴こえるのも納得かな?
2曲目は、スパークの躍動的な曲です。
時折、リズムやピッチに乱れが出るものの、それらを打ち消して余りある“明るい”サウンドに好感が持てました。
若さみなぎる演奏で、とても良かった。
早いもので、3曲目は第1部、最後の曲です。
「地球~美しき惑星~」。
真島俊夫先生の曲ですね。
東京佼成ウインドオーケストラの委嘱で2011年に作曲されたようです。
真島先生の曲の持つ、明るい独特の特徴を上手に捉えた好演でした!
ジャズテイストの雰囲気もよく出ていましたよ。
“エンジンが温まってきた”ような感じがしました。
第2部は、ゲストである“さいたま市立岸中学校吹奏楽部”のステージです。
私は、あまり“中学吹奏楽界”に詳しくないので、よく知らなかったのですが、この岸中学校もすごい学校なんですね。
2011年、2012年、2014年と全国大会に進んでいます。
私の自宅とさほど離れていない中学がこんなに素晴らしい学校であるなんて、ある意味、感慨深い気もしますし、埼玉県吹奏楽界のレベルの高さをあらためて認識した“浦和のオヤジ”です…。
最初の曲は、今年の課題曲Ⅳ。
それにしても、女子率の高いこと…。
と言うか、私の数え間違いでなければ、男子は、3人しかいませんなぁ。
“昔の男子”としては、少し残念です…。
演奏の方は、さすがに実績を残しているバンドだけあって、素晴らしいものでした。
特に中学生とは思えないサウンドの厚さが印象に残りました。
基礎的な練習をしっかりやっている証拠ですね。
続いての「ばらの騎士」はリヒャルト・シュトラウスのオペラです。
表現力豊かな演奏でした。
私の中学生だった頃と比べると技術や音楽の表わし方に“雲泥の差”があります。
全く、驚きに値します。
どういう指導をしてらっしゃるのか、実に興味があります。
さて、ここまでがコンクールメンバーでの演奏だそうで、ここからが全部員77名によるパフォーマンス。
ルパンのテーマから始まった精一杯の演奏には微笑ましさすら覚えました。
特に私が20代の頃の課題曲であった「ディスコキッド」は懐かしかった。
世代を越えて親しまれるこの曲を未来有る中学生の皆さんの演奏で聴かせて頂けるのは、オヤジにとって幸せこの上ないですね。
そして、最後は、吹奏楽の演奏会でもよくアンコールなどで取り上げられる「オーメンズ・オブ・ラヴ」。
爽やかな演奏と共に曲が終わった瞬間、全員での「ありがとうございました!」の掛け声は胸を打つものあり。
大宮高校同様、3年生は最後のステージであるとのこと。
今日この日の演奏が良い想い出になってくれればと願いつつ、また、来年からは高校という環境で吹奏楽を続けてくれればなぁと思った次第。
さて、岸中学の皆さんの素晴らしい演奏の後は、主役の大宮高校吹奏楽部のステージにもどります。
第3部、最初の曲は、ワルツ王“ヨハン・シュトラウスⅡ世”の「雷鳴と稲妻」。
何か、少し前、神奈川大学のコンサートでアンコールとして取り上げられていた記憶があります。(記憶違いかもしれませんので、悪しからず。)
軽やかに仕上がった好演だと思いました。
ライトではあるのですけれど、実にノーブルな感じを出していましたね。
2曲目は、これまた死ぬほど懐かしいヴェルディの「運命の力」です。
やっぱり、この曲はオヤジとしては、今津中学の印象が強い。(この学校を知らない生徒の皆さんは、ご自分でお調べ下さい。)
そして、私が中学、高校の頃はコンクール自由曲として異常なほど、流行っていました。
実際、当時は“聴き飽きた”感が無きにしもあらずって感じでしたが、久し振りに聴くと何故だか、心を打つモノがあります。
演奏もオペラ音楽を意識した感情に訴えかけるものだったように思います。
激しいところと美しいところのメリハリが効いていて、とても楽しめました。
何よりも全体的なサウンドのバランスが秀逸でしたね。
続いて、オペレッタの名曲、「天国と地獄」の序曲です。
何でも、この曲は3年生がもう一度、演奏したい曲NO.1なのだそうです。(理由は、現体制になってから初めて公の場で披露した曲だから、との事。)
サウンドに“統一性”が感じられる演奏でした。
だから、音が融け合って聴こえる。(音色が揃っていないとサウンドに“雑味”が出ます…。)
アンサンブルもキッチリしていて、さすが思い入れの強い曲だと感じました。
トリの曲は、今年のコンクール自由曲であった福島弘和先生の「吹奏楽のための交響的断章」。
熱演でした。
さすが、西関東大会『金賞』の演奏です。(この後の齋藤先生のお話によると5番目の“点数”の『金賞』だったそうです。)
私は個人的に“吹奏楽オリジナル曲”で、これからもコンクールに挑んで頂きたいなと思った次第。
全ての演奏が終わった後は、齋藤先生のごあいさつがありました。
続いて、部長の金澤優香さんの指揮によるアンコール曲。
2曲目の途中で3年生が全員そろって、“引退”のあいさつ。
そして、花束贈呈…。
文章で書くと実に淡々としていますが、大宮高校に何の関係もない私でさえ、甘酸っぱい感情を覚えるステキな時間でした…。
まさに県立高校らしい爽やかなラストだったと思います。
“青春”ですね。
演奏会が終わってから、随分経ってからのブログ更新、誠に申し訳ありません。
それと個人的に“恥を忍んで”申し上げなければならないことがあります。
大人の世界とは紆余曲折、個人では、どうしようもない色々なことがあります。
私事ながら、今月下旬に10年近く務めた会社を退社することになりました。
したがって、間もなく“失業者”となります。
先の見通しがたっているわけではなく、このままでは大好きな吹奏楽としばらく、離れなければならないかも知れません。
そのため、このブログをしばらく、お休みさせて頂く可能性があることをここにお知らせ申し上げます…。(ただ、11月のある公演のチケットは既に入手してありますが…。)
良く聴いてらして、コメントでは共感する部分が
たくさんありました。
自分達の演奏コメントも的を得ており
参考になります。
また、聴いたところがありましたら
載せてください。
楽しみにしております。
浦和河童です。
大変、光栄です。
もうまもなく、ブログを再開します。