明けましておめでとうございます。
今年も、このブログを続けていくつもりですので、よろしかったら、少しでもいいので、お読み下されば幸いです。
一昨年から、吹奏楽を中心としたコンサートのブログを書かせて頂いておりますが、
さて、2013年の第一弾のコンサート鑑賞は横浜からです。
昨年最後のコンサートは、アマチュア大学吹奏楽界の雄、文教大学でしたが、こちらも歴史ある名門、神奈川大学吹奏楽部が、私の“コンサート始め”です。
さあ、正月ボケの頭をステキな音楽で覚醒させましょう!
● リバティ・ファンファーレ (ジョン・ウィリアムズ)
● 歌劇「タンホイザー」序曲 (リヒャルト・ワーグナー)
● 優しい花たちへ (高 昌帥)
● リンカンシャーの花束 (パーシー・アルドリッジ・グレインジャー)
Ⅰ.リスボン(水夫の歌)
Ⅱ.ホークストウの農場(けちん坊と召使い 地方の哀歌)
Ⅲ.ラフォード公園の密漁者(密漁の歌)
Ⅳ.元気な若い水夫(恋人と結婚するための帰還)
Ⅴ.メルボルン卿(戦争の歌)
Ⅵ.行方不明の婦人が見つかった(踊りの歌)
● 喜歌劇「軽騎兵」序曲 (フランツ・フォン・スッペ)
● 吹奏楽のためのバラードⅠ (兼田 敏)
● 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 (リヒャルト・シュトラウス)
2020名が定員の横浜みなとみらいホールが、ほぼ満席です。
学生さんも多数来ているようです。(持っているカバンに“KYOEI”と書いてある高校生の方がいたように思いましたが、もしかしたら、吹奏楽の名門、春日部共栄高校の生徒さんでしょうか?違っていたら、ゴメンナサイ。)
それにしても、みなとみらいホールは、素敵なホールです。
音響も素晴らしいと思います。
好きなコンサートホールをあげるならば、個人的に、「東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル」「サントリーホール」「横浜みなとみらいホール」がベスト3だと思っています。(あくまでも、私が演奏を聴いたことのあるホールだけでの話ですよ。あくまでも…。)
余計な話が長くなってしまいました。
コンサート開始です。
最初の曲は、おなじみ、J.ウィリアムズの「リバティ・ファンファーレ」。
この曲、流行っているんですかねえ?
昨年末の武蔵野音大ウインドアンサンブル(12/18)、川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団(12/24)の演奏会でも聴かせて頂きました。
演奏の巧拙はともかく、神奈川大学の演奏が一番、J.ウィリアムズっぽい演奏だと思いました。
明るく華やかな好演です!
お次は、ガラッと雰囲気が変わってワーグナーの「タンホイザー序曲」。
私は、吹奏楽で管弦楽曲をやる場合は、オーケストラの演奏を意識するのではなく、“何か別のモノ”、言い換えれば、聴衆がその演奏を吹奏楽のオリジナル曲と思えるものが理想だと思っています。
ただ、後期ロマン派のブルックナーやマーラーの交響曲は弦楽器を駆使した壮大感を吹奏楽で表現するのは、不可能だと思いますし、“別のモノ”にもなりえません。
よしんば、無理やり“別のモノ”したところで、それはブルックナーやマーラーではなくなってしまう。
そして、ブルックナー、マーラーの音楽に多大な影響を与えた、いや源流そのものがワーグナーだと思うのす。
だから、吹奏楽の演奏でも無理がある。
(私の若い頃は、ワーグナーは、コンクール自由曲として頻繁に演奏されたものですが、最近はパッタリと演奏されなくなったように思います。)
本日の演奏でも、弦楽器にあたる部分を演奏する頻度が高い木管楽器(クラリネット)の高音部に難を感じました。
対する金管楽器は、重厚でとてもいいサウンドでした。
次は、人気作曲家の高 昌帥先生の曲ですね。
プログラムの解説によると、2012年4月、大阪市の三木ウインドフィルハーモニー創立30周年記念委嘱作品だということで非常に新しい曲です。
高先生が女性へ“愛と感謝を込めた讃歌”なのだそうで、ゆったりとした美しい曲でした。
重厚な和音で、先程の曲とは違いクラリネットの音色が際立っていました。
前半、最後の曲は、「リンカンシャーの花束」。
グレインジャーの名曲ですね。
イギリス民謡をモチーフにして作曲されているだけあって、素朴ながらも上品な作品です。
神奈川大学は、そのノーブル感を維持しながら、技術力とその力強いサウンドで見事な世界を作り上げていたように思います。
ステキでした。
ここで、前半終了。
15分の休憩です。
去年のサマーコンサートで同じ、みなとみらいホールにて聴かせて頂いた時には木管楽器主体のバンドなのかなあと思ったものでした。
しかし、今回は金管楽器の厚く、温かみのあるサウンドに驚きました。(特にトロンボーン、ホルン)
なにか、バンド全体のサウンドがまろやかになってきているように思いました…。
後半の最初の曲は、誰でも音楽の授業で聴いたことのあるであろう懐かしい曲です。
演奏も軽やかで、とても楽しめました。
2曲目は、“吹奏楽界の巨匠”今は亡き、兼田 敏先生の「吹奏楽のためのバラードⅠ」です。
1981年にヤマハ吹奏楽団の委嘱により作られた曲らしいですが、全く古さを感じさせない名曲ですね。
若い世代の方々に○○先生の新曲ですよと紹介しても、わからないのではないか?(信じてしまうということです。)
神奈川大の演奏も見事でした。
こういう曲の方が神大サウンドにあってますね。
吹奏楽オリジナル曲をもっと取り上げてほしいなあなんて、勝手に思ってしまいました。
トリの曲は、名曲「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」です。
始まってから、1~2分、休符を交えてのリズムを刻む部分でアンサンブルに乱れがありました。
すると、指揮の小澤先生は即座に演奏を止められました。
くるりと身体を反転させ、観客の方を向かれた小澤先生は、「難しい曲なのでミスがありました。曲の最初からやり直します。」とおっしゃられました。(正確な言葉は、ハッキリ覚えていませんが、このような意味であったと思います。)
再度、演奏し直された「ティル ― 」は、気迫のこもった素晴らしい演奏でした。
リズム感にあふれ、描写音楽特有の表現を観客に示してくれました。
しかし、演奏を止めるとは…、驚きましたねぇ。
ちょっとしたハプニングでした。
アンコールは、写真のとおりです。
特に2曲目の「ひばりメドレー」は、神奈川大学吹奏楽部恒例のアンコールですね。
横浜出身の偉大な歌手を讃える意味で、横浜にある大学の学生が演奏するなんて素敵な演出です。
さて、年末年始にかけて、昨年の全日本吹奏楽コンクールで金賞を受賞した文教大学、3出で去年はコンクールに出ていませんが、金賞常連の神奈川大学と短い期間に日本のアマチュア大学トップバンド2校を聴く機会に恵まれました。
若々しくエネルギッシュな文教大学、重厚なサウンドの神奈川大学とそれぞれの個性が光る団体は、これからも我々、吹奏楽ファンを楽しませてくれることでしょう。
今後のご活躍を期待しております。
最後に、年頭にあたって、少し申し上げたいことが、ございます。
私は、専門的な音楽教育は一切受けておりません。
学生の頃、部活程度の場で、楽器を吹いていたにすぎません。
それなのに、プロの演奏や一生懸命、頑張っていらっしゃる学生さんや一般バンドの皆さんを時には、批評まがいのことをこのブログでやっております。
基本的には演奏会で聴いた素晴らしいサウンドをその演奏会に行けなかった方々にもお伝えしたいという気持ちだけで書いているつもりです。
ツタない人間がツタない文章でなんとか感動を伝えたいとあがいている…。
そんな気持ちであたたかく見守って頂ければと思います。
よろしくお願い申し上げます。
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