「晋ちゃんまんじゅう」売り上げ急上昇(産経新聞) - goo ニュース突然の辞任表明で、“安倍グッズ”の代表格「晋ちゃんまんじゅう」はどうなるのか。
土産食品卸販売「大藤」(東京都荒川区)が販売する「負けるな!晋ちゃんまんじゅう」。同社が経営する卸売店「江戸うさぎ」(同)店長、横尾文乃さんに
よると、「負けるな!晋ちゃんまんじゅう」や「負けないで!!晋ちゃんのねじれ餅」の売り上げは「(辞意表明以来)2~3倍は増えている」。辞任表明をし
た12日には、「さよなら!晋ちゃんまんじゅう」と宣伝して販売。5~6個まとめ買いしていく人もおり、1週間ほどで売り切れの見込み。
東京都千代田区の靖国神社の売店でも大藤の製品が販売されているが、12日は午後だけで約240箱、13日は400箱以上売れ、普段の数倍の売り上げがあった。
同社では、15日から麻生太郎幹事長をモチーフにした「てやんでい!太郎のげんこつ飴」を販売する予定だったが、麻生幹事長が「ポスト安倍」の有力候補のため、「タイミングがまずい」(大久保俊男社長)と、悩みながらも発売延期を決定した。
「安倍首相に『負けないで』と応援するつもりで作ってきたが、残念。今は身体が心配」と大久保社長。「晋ちゃんまんじゅう」は、今後、製造を打ちきるという。
一方、次のまんじゅうのキャラクターには、「麻生さんに期待したい。顔に愛嬌(あいきょう)があって、しゃれもわかってくれそう。作るほうも楽しくなるはずです」。
「晋ちゃんまんじゅう」は首相の地元・山口県の老舗和菓子店「小川蜜カス本舗」でも製造されている。こちらの粒あん入りまんじゅう「晋ちゃん応援菓」は、今後も販売を続けるという。
2007年09月14日07時31分
「慎重居士」とも言われる福田康夫元官房長官が、ついに動いた。「ポスト安倍」を選ぶ自民党総裁選は、福田氏が立候補を表明すると、所属する町村派に加
え、党内の多くの派閥が雪崩を打ったかのように、福田支持を鮮明にした。先行していた麻生太郎幹事長は、「反麻生」グループによる包囲網に、一転、厳しい
状況に追い込まれた。
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自民党総裁選をめぐる相関図 |
■「麻生包囲網」強める各派
「もう、こうなったら福田さんしかいない。『反安倍』を明確にして路線転換すべきだ。首相と同じ路線の麻生さんでは選挙に勝てない」
自民党の青木幹雄前参院議員会長に近い中堅参院議員は13日朝、こう語った。谷垣禎一元財務相も同日夜、記者団に「今回は、政策転換できるかどうかを一番のポイントにしている」。
福田氏は小泉内閣の官房長官だったが、04年に年金の未納が発覚し、突然辞任。それ以来、外交政策や政治手法を巡り、小泉、安倍両氏との確執がとりざたされ、いつしか「非小泉・安倍路線」の象徴とみられるようになっていた。
対照的に小泉・安倍政権下で要職を務めた知名度を生かし、「先行逃げ切り」を目指すのが麻生氏。小泉・安倍政権と一蓮托生(いちれんたくしょう)だった麻生氏か、それとも距離を置いてきた福田氏か――。焦点はそこに絞られた。
「福田氏は出るのか、出ないのか」。自民党各派は、13日朝から情報収集に追われた。注目が高まったのを待っていたかのように、福田氏は動いた。
午後3時半、自民党本部。所属する町村派会長の町村信孝外相と会談を終えた福田氏は記者団に「状況をみて、これから判断する」。発言は「出馬に前向き」と受け止められ、永田町に一気に広まった。
そのころ、麻生氏は逆風に見舞われていた。
党本部で開かれた両院議員総会。麻生氏ら執行部が提案した「14日告示、19日投開票」という総裁選日程に、若手議員らから、「総裁選を盛り上げるには、19日投開票では準備に時間が足りない」と異論が相次いだ。
麻生氏が12日の記者会見で、安倍首相の辞意を正式表明の2日前に聞いたと明かしたことにも批判が渦巻く。事前に知りながら、なぜ代表質問直前という最
悪のタイミングでの辞任表明を避けられなかったのか――。町村派の閣僚経験者は「麻生氏は首相をさらしものにした。みんな怒っている。これで麻生さんは失
墜した」と語った。
一方、古賀派幹部は13日夕、「福田氏でまとまれば、うちも一部を除いて一本化できる」と派内集約に自信を見せた。額賀福志郎財務相が
出馬表明した第2派閥の津島派でも、青木氏ら参院側が福田氏を支持する方向。小泉前首相まで、近い議員から「福田さんでも構わないか」と問われると、「い
いじゃないか。おれの時の官房長官だ」と支持する意向を伝えたという。
16人の小派閥を率いる麻生氏は、町村派など大派閥の領袖(りょうしゅう)の理解を得て、安倍首相から「禅譲」を狙う政権とりの戦略を描いてきた。強まる「麻生包囲網」に危機感を募らせる。
麻生派の会合では「麻生氏の方が福田氏より国民的人気は高い。積極的に都道府県連に党員投票(予備選)をやってもらうよう呼びかけよう」と地方票獲得に活路を求める意見も飛び出した。
■町村派の結束で道筋できる
「各派から話が来ている。できれば期待に応えたい」。13日午後、福田氏は森元首相にこう言って、立候補の意向を伝えた。森氏は「それなら、その方向でまとめる」と応じた。
福田氏が出馬の理由にあげる「周囲の期待」。伏線は、安倍首相が大差で選ばれた1年前の総裁選にあった。
「私をやる、と言ってくれる人はいるが、具体的に何人連れてくるのか、誰も言わない」。福田氏は当時、出馬見送りの理由を、親しい知人にこう漏らした。
福田氏は事前の世論調査で、安倍首相に続く2位につけていた。表向きは自分の意思を一切明らかにしなかった福田氏だが、水面下では立候補の可能性を慎重に見極めていた。
派閥領袖クラスのベテランには、福田氏を推す声が強かった。ただ、こうしたベテランたちの派閥では、中堅・若手の多くが「安倍支持」に流れていた。
それは足元の町村派も例外ではなかった。福田氏は「派閥を割るぐらいなら立候補しない」とも思い定めていた。
今回はまず、足元の町村派がまとまったうえで、各派横断の「みこし」を作らなければいけない――。それが森氏の思いだった。
13日昼の町村派総会。出席者の意見は半々に割れた。
「人心一新を目指すには、安倍政権にかかわっていない福田さんがいい」。一方、「派閥のリーダーが出るべきだ」と、会長の町村外相を推す声も出た。最後に引き取った森氏は言った。
「安倍さんが出る時、私は少し考えるべきじゃないかと、『安倍温存』を考えていた。町村さんについても同じような気持ちがある」
森氏としては、この局面で党内をまとめるには、各派のベテランから信望があり、手堅い政治手腕の福田氏が適任と見ていた。ただ、派内には
町村氏を推す声もあるうえ、町村氏自身も立候補に意欲を示していた。森氏は「温存」という言葉で、町村氏のメンツを立てつつ、福田氏擁立の道筋をつけたの
だ。
さらに党内の1年生議員らから出馬を求められていた小泉前首相がこの日、森氏に「おれは百%出ない」と伝えたことも、福田氏の背中を押した。
最後は派閥の意向を受けた町村氏自身が、福田氏と自民党本部で会談。同日夜には森氏を交えた3人で食事をした。
「立候補の決意をしたので了承してもらいたい。また協力をお願いしたい」。福田氏がこう言うと、町村氏も応じた。「気持ちよく協力します」