麻生氏べらんめえ英語、福田氏マイペース…国際派アピール合戦
会見した福田康夫氏（右）と麻生太郎氏。個性の違いが浮き彫りに＝１９日、東京都千代田区の日本外国特派員協会（撮影・古厩正樹）
自民党総裁選（２３日投開票）に出馬している福田康夫元官房長官（７１）と麻生太郎幹事長（６６）は１９日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で 共同記者会見を行った。米英に留学経験がある麻生氏は得意の英語でべらんめえ調？にスピーチし、笑いを誘う場面も。福田氏は落ち着いた口調の日本語でマイ ペース。両氏のキャラの違いがここでも浮き彫りとなった。
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「サンキュー・ベリマッチ・フォー・インヴァイティング・ミー」（＝招待いただきありがとうございます）。外国メディアの記者らが所属する日本外国特派員協会での会見を意識して、麻生氏はいきなりの英語で国際経験をアピールした。
大学卒業後に米スタンフォード大学とロンドン大学に留学したことがある麻生氏。特徴的なダミ声で「日本はストロングリーダーが必要。霞が関（官僚）のマシ ンはダメ」「オールドＬＤＰ（Ｌｉｂｅｒａｌ Ｄｅｍｏｃｒａｔｉｃ Ｐａｒｔｙ＝自民党）とニューＬＤＰの戦いだ」。ブロークン・イングリッシュならぬ 「べらんめえイングリッシュ」で約１０分間、持論を展開してみせた。
福田氏の方は日本語であいさつ。「お手柔らかにお願いしたい」と控えめに切り出し、「官房長官時代もここ（同協会）で会見のお誘いがあったが、なるべく避けてきた。ここで話すことになるとは夢にも思っていなかった」とニヒルな笑顔をみせた。
質疑応答で、フランス人記者から「民主党の小沢一郎代表の方が人気があるのでは？」との刺激的な質問が飛んだ。
これに対して福田氏は「自民党の支持率が下がり、民主党の方が良いという人もいる。信じたくはないけどね…」「私には小泉（純一郎前首相）さんのようなリーダーシップは発揮できない。まずは国民に理解願えるような政治をしたい」と、やはり控えめな表現。
一方の麻生氏は「それはフランスの世論調査のようだが、かなり間違えている」とケンカ腰。「小沢さんは過去に細川、羽田内閣を作ったがいずれも数カ月で終わった。それを忘れるほど日本人の記憶力は悪くない」と強く主張した。
靖国神社参拝に関しても違いが出た。福田氏は「政治問題になるなら避ける」と消極姿勢。対する麻生氏は「自分の国のために命を投げ出してくれた人に敬意を表することを禁止する国はない」とキッパリ。両氏の個性の違いがクッキリと出たツーショット会見となった。
★麻生氏劣勢も「降りたら男がすたる」
両氏はこの日、特派員協会での会見以外にも活発な動きをみせた。福田氏は午前、東京都多摩市の多摩ニュータウンを視察。閉店した店舗が多い商店街などを歩 き、住民の対話集会にも出席した。同協会の会見をはさみ、午後には「小泉チルドレン」の会合にも出席して支援を求めた。
麻生氏は前日に続き午前中は議員会館内の党所属議員の事務所を訪問。顔を合わせた議員には「劣勢といわれて降りたら、男がすたる」などと強調した。午後には茨城県常陸太田市の農業現場を訪問し、地方政策に重点を置く姿勢をアピールした。
★安倍首相の地元は３票すべて福田氏
安倍晋三首相（５２）の地元の自民党山口県連は１９日、役員会を開き、総裁選で県連割り当ての３票をすべて福田氏に投じることを決めた。県連幹部は「地元選出の国会議員と共同歩調が取れる人を選んだ」と話した。
都道府県連のほとんどは党員投票などによる予備選を実施するが、山口県連は予備選を見送り、役員会で決定。地方票が頼みで、安倍首相と路線が近いはずの麻 生氏には厳しい結論となった。各地の予備選は多くが２１～２３日午前に開票され、割り当て３票の配分などを決める予定。
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