「注意でなく因縁つけ」高校生殴打、神奈川県警が追加会見
9月6日23時35分配信 読売新聞
電車マナーの悪い男子高校生(16)を殴ったとして現行犯逮捕された神奈川県警大和署の巡査長(33)(釈放)を擁護する意見が、県内外から県警に約1000件寄せられ、県警は6日、事件についての説明が足りなかったと異例の追加の記者会見を行った。
県警は「寄せられた意見は、『高校生が言うことを聞かないから殴った』という誤解に基づいている」と困惑している。
意見のほとんどは「殴ったのは悪いが逮捕する必要はない」「マナーの悪い若者を注意できなくなる」「厳しい処分をしないで」などと巡査長を擁護する内容。数件だけ「暴力は絶対にいけない」と非難する意見があった。
再会見は、巡査長が逮捕された翌日の5日に続くもので、西村昇監察官室長が行った。西村室長は「高校生は駅員らに注意を受けて素直に従っていた。巡査長 はいきなり高校生の髪の毛をつかんで殴った」と説明。高校生の母親からも「事実関係が間違って伝えられている」と苦情が寄せられているとした。
注意せず、髪の毛つかんで連れ出す 傷害容疑の巡査長
2007年09月06日22時39分
横浜市旭区の相鉄本線鶴ケ峰駅前で4日夜、高校2年の少年(16)に対する傷害容疑で神奈川県警大和署の巡査長小磯慶洋容疑者(33)が逮捕された事件 で、「小磯容疑者が少年を注意しようとした」という県警の当初の説明と違い、小磯容疑者がいきなり少年の髪の毛をつかんで駅の外に連れ出し、顔を平手で 殴っていたことが6日、県警の調べで分かった。
監察官室によると、少年は電車内で拳銃型ライターを構え、駅員らから注意を受けてライターをかばんにしまった。同駅で下車した少年が駅の階段を下りる途中、酒を飲んだ帰りの小磯容疑者が「ちょっと待て」と少年の髪の毛をつかんで路上まで連れて行き、顔を殴ったという。
少年は「いきなり殴られて怖かった。ライターの柄で鼻も殴られた」という。一方、県警は「巡査長はライターを取り上げた時、鼻にあたったと供述した」と説明した。
県警によると、小磯容疑者は近くにいた男性が仲裁に入った後も顔を殴り、少年によると、仲裁の男性が「殴ることはない」と言うと、「こういうガキは殴らないとわからない」と言ったという。
県警の当初の発表を受け、6日夕までに小磯容疑者の行動を支持したり少年を中傷したりする電子メールや電話が県警本部などに約1000件寄せられたという。
少年の母親(36)は「ちょっとした悪ふざけはあったが、殴るのは行き過ぎ」と話した。