インドのたび重なる集団レイプ殺人に怒り広がる―国連も非難
【カタラサダトガンジ(インド)】インドでまたもや集団レイプ殺人事件が発生し、怒りの声が国内外に広がっている。有力政治家で名門ネール・ガンジー家の御曹司であるラフル・ガンジー氏は被害者の両親を訪ね、哀悼の意を表した。
事件は、先週、ニューデリーから約300キロメートル南東に位置するウッタルプラデシュ州カタラサダトガンジの村落で14歳と12歳のいとこ同士の少女2 人がレイプされ殺害されたというもので、遺体はマンゴーの木にぶら下げられていた。被害者の家族らは、しばらくの間、2人の遺体をそのままにした。14歳 の少女の父親は「娘たちに何が起きたか世界に知らせたかった」と説明した。
このむごたらしい2人の死は、2012年にニューデリーで起きたショッキングなレイプ殺人以 降、インドで議論されてきた問題に再び火を付けた。2人の写真が世界中に配信されると、ガンジー氏は5月31日にこの貧村を訪れ、被害者の両親に対し「あ なた方には(告発する)権利がある」と力づけたという。国連は1日このレイプ殺人事件を非難し、インド政府に対し女性や社会的に虐げられた人々に対する暴 力を根絶するよう求めた。
住民は、地元警察が迅速に対応しなかったと批判し、警察幹部も「もっと迅速に行動していれば、2人の命は助かっていただろう」と述べた。レイプ殺人の容疑で3人が逮捕され、警察は別に2人の男の行方を追っている。
被害者の家族らによれば、2人は27日、夕食の後近くの畑に行った。家には便所がないので、女性たちは夕暮時にそこで用を足せばある程度のプライバシーを確保できる。15分たっても戻らないので、片方の母親が現場に行き娘の名前を呼んだが、「返事はなかった」という。
同じ頃、農作業から帰宅途中だった叔父が、「3人の男たちが2人の少女をひきずっているのを 見た」。側にいた別の第4の男の手をつかんだところ、拳銃を突きつけられたので「怖くなって逃げ出した」という。午後11時ごろ、家族から届け出を受けた 警察は、身元が分かった第4の男の逮捕に向かった。翌日午前5時ごろ、警察が家族のところに来て、少女らは殺害され、近くの木にぶら下げられていると告げ た。
家族らは、警察が捜査を確約するその日の午後まで、遺体を下ろすのを拒否した。29日夜明け前に2人は近くのガンジー川の土手に埋葬された。