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保守記事.110-41 将軍様、窮する?

2017-12-27 12:41:51 | 記事保守

「中国東北は北朝鮮領」習主席が負う3代の恩讐

2017/12/27 6:50

 中国が、北朝鮮に極めて厳しい追加制裁を科す国連安全保障理事会の決議に賛成した。1961年、中国は北朝鮮との間で中朝友好協力相互援助条約を結んだ。一方が攻撃を受ければ、もう一方が自動的に支援する「自動参戦条項」を含む同盟条約だ。

 北朝鮮の一方的な核・ミサイル開発の結果、中国は同条項の無効を宣言せざるをえない状況に追い込まれた。中国は北朝鮮国境近くに多くの難民を収容できるキャンプの設営を指示し、軍の駐留施設も拡充している。一昔前なら考えにくい抜本的な変化は、中国側の発言に現れている。

 

■「北朝鮮は潜在的な敵」で炎上

 中朝関係を研究する華東師範大教授、沈志華は3月、北朝鮮と国境を接する遼寧省の大都市、大連の外国語大学で講演した。大連には北朝鮮の経済拠点も多い。

 「今、(北)朝鮮は中国の潜在的な敵だ。おそらく韓国は中国の友になりうる」

 講演内容が中国のインターネットに流れるとたちまち“炎上”した。「沈志華は売国奴だ」と集中砲火を浴びたのだ。なぜ売国奴扱いされたのか。革命期を生きた人々の琴線に触れる特殊な中朝関係を物語る秘話を沈志華が日本の講演などで明かしている。それを交えて中朝関係の綾(あや)を紹介したい。

 物語の舞台は中朝国境をまたぐ標高2700メートルの長白山(朝鮮半島での漢字呼称は白頭山)だ。中朝関係を動かしてきた因縁の山。そこは朝鮮民族、清王朝を開いた満州民族が民族発祥の地にそびえる聖なる山としてあがめてきた。長白山の頂には天池という美しい湖がある。北朝鮮が国営テレビで「核実験成功」を派手に伝えたベテラン女性アナウンサーの背景に映り込む大きな写真の湖沼が天池だ。

 12月9日、朝鮮中央通信は零下20度以下になる厳冬の山頂の湖畔に磨き抜かれた革靴で立つ朝鮮労働党委員長、金正恩(キム・ジョンウン)の姿を映した写真を配信した。背景は晴れ渡っている。天池付近は常に霧が立ち込め、快晴の日はわずか。写真が合成でないなら晴天の選んでのピンポイント登頂だった。

 そもそも中国と朝鮮半島の間には、歴史研究を口実にした領土に絡む問題がくすぶっていた。古代の大国、高句麗を巡る論争だ。中国政府は2002年から巨費を投じ高句麗の「歴史研究」に乗り出し、朝鮮民族の祖国ではなく、中国東北部の一地方政権であると断じた。

 高句麗が朝鮮民族の祖国と認めると、広大な版図の一部だった中国の吉林、遼寧両省も朝鮮民族の土地との論理が成り立つ。将来の統一朝鮮の誕生も考えた中国は歴史研究の名で先手を打った。「現在の中国領に合わせた過去の歴史の捏造(ねつぞう)」。韓国で激しい批判が巻き起こった。

 実はこの問題の根源は新中国の建国の英雄、毛沢東にあった。中朝友好協力相互援助条約の締結前、毛沢東と会った北朝鮮の指導者、金日成(キム・イルソン)は「中国はこんなに広い。高句麗(紀元前37年~668年)の都だった集安(吉林省と北朝鮮の国境の町)ぐらいは自分たちに譲ってほしい」と要求した。

 さすがの毛沢東も集安の割譲要求は拒んだ。だが首相の周恩来を呼んで、友好を重んじ長白山と天池の線引きでは譲るように、と指示した。金日成の領土割譲要求の秘話は、筆者自身が9年前、現地などで取材した内容だ。これを広がりのある形で明らかにしたのが、中国人学者、沈志華である。

■毛沢東が金日成に謝罪した特殊な関係

 笹川平和財団での講演で明らかにされた沈志華の話は00年5月に遡る。金正恩の父、金正日(キム・ジョンイル、11年12月17日死去)が、トップとして初訪中し、北京で当時の中国国家主席、江沢民(ジアン・ズォーミン)と会った。金正日が本国に戻るまでひた隠しにした非公式の秘密訪問だった。金正日は江沢民を前にしてこう言い放った。

 「私は『東北』の視察を準備している。手配をお願いできないか」

 これを聞いた江沢民は、いぶかしげだった。中国語で「視察」といえば、指導者が下々の様子を見て回ることだ。金正日は北朝鮮の指導者であって、中国の指導者ではない。「視察」という言葉遣いは、現実と矛盾するばかりではなく、中国への礼を失していた。江沢民は冷静にただした。

 「あなたの場合は、訪問でしょう」

 金正日は即座に否定した。

 「いや、視察です。私の父(金日成)は私に言いました。『東北』は全て我々のものだ、と」

 江沢民はくらくらっとしながらも、再び問いただした。

 「どうして『東北』が全てあなた方のものなのか?」

 金正日の答えは重大な内容を含んでいた。

 「これは私の父の考えを示す発言ではありません。毛沢東主席の発言だったのです」

 驚いた江沢民は、慌ててすぐに中国共産党中央対外連絡部の責任者を呼び出して、本当に毛沢東が過去にそんな話をしたか確認させた。翌日午後、報告があった。毛沢東は確かに話していた。しかも1回だけではない。沈志華によると5度もである。毛沢東の発言はおおよそ以下のようなものだ。

 「あなた方(北朝鮮側)の祖先は『中朝の国境は遼河(遼寧省の大河)だ』という。我々の祖先は『国境は鴨緑江だ』という。現状では、あなた方を鴨緑江の南に押しやっている。かわいそうなことだ」

 これに続く毛沢東の発言が肝だった。

 「これは私の罪ではない。封建主義があなた方を圧迫した。則天武后(唐王朝の女帝)、唐の太宗、隋の煬帝(高句麗と繰り返し戦った皇帝)、すべて彼らの仕業だ。私はといえば(北朝鮮から要求された)天池をあなた方にあげなかったか?」

 周恩来も似た話をしていた。「過去に我々の祖先があなた方を欺いた。今、我々が謝罪する。天池を譲るのは中国の指導者らの一種の理念だ」。中国は長白山と天池で譲歩し、天池の54.5%が北朝鮮領になった。この前段が、金日成が集安の割譲を迫った強引な領土要求だった。

 毛沢東後の死後、鄧小平の時代になると、中国は特殊な中朝関係を徐々に清算し、ついに1992年には北朝鮮の敵国、韓国と国交まで結んだ。沈志華によれば、これを機に北朝鮮は中国の動きに対抗しようと核開発にのめり込む。北朝鮮は93年に核拡散防止条約(NPT)から脱退を宣言した。

 北朝鮮は鄧小平時代になっても裏で「中国の東北部は朝鮮領」との毛沢東の言を取り上げたが、中国側は相手にしなくなる。そして先の共産党大会で毛沢東、鄧小平両時代に次ぐ第3の新時代入りを宣言した総書記、習近平(シー・ジンピン)は、米大統領のトランプからの圧力も受け、表面的には「脱北朝鮮」へ傾く。

■天地がひっくり返る変化

 沈志華の大連講演で中国のネットが炎上してからたった9カ月。中朝関係は天地がひっくり返るほど変わった。「(中朝は)対立している」。新たな中国の政治局常務委員の汪洋(ワン・ヤン)まで認めた。それほど習近平は、中国への敵意を隠さない金正恩に厳しい視線を送っている。

 毛沢東、鄧小平、習近平という中国の3人の指導者と、北朝鮮の金王朝三代。くしくも金正恩と同じ“3代目”の習近平は、中朝の過去の恩讐(おんしゅう)を背負う。それは日米韓を巻き込みながら現代史を動かしている。

 金正恩は過去4度、白頭山に登った。その後には大事件が起きた。13年11月のトップとしての初登頂の後には、中国とのパイプだった自らの叔父、張成沢を逮捕し、処刑してしまった。

 17年末、金正恩は民族の聖地である山頂で父、金正日が江沢民に確認した「中国東北部は(北)朝鮮領」という毛沢東の言葉を思い浮かべたのか。そして今度は何を起こそうというのか。それはトランプが武力行使に踏み切るのかどうかの鍵も握っている。(敬称略)


保守記事.468 ほんとうの解決 

2017-12-15 12:12:09 | 記事保守

ジェンキンス氏「アイドル的存在だった」 佐渡で悼む声

原裕司

2017年12月13日05時37分

 北朝鮮による拉致被害者の曽我ひとみさん(58)の夫、チャールズ・ジェンキンスさん(77)が11日、亡くなった。新潟県佐渡市内の自宅の外で倒れているのを長女が発見し、市内の病院に搬送されていた。突然の訃報(ふほう)に、親交があった人たちはジェンキンスさんを悼み、曽我さん一家を思った。

 ジェンキンスさんは、在韓米軍に所属していた1965年に軍事境界線を越えて北朝鮮に入り、78年に拉致された曽我さんと、80年に結婚した。曽我さんが帰国した2年後の04年、娘2人と北朝鮮を出国。経由地のインドネシアを経て、同年12月から家族4人で佐渡で暮らしていた。

 本間啓五さん(66)は、日本語ができなかったジェンキンスさんの通訳を13年間務めてきた。12日、報道陣の取材に応じ、「驚いています。あまりに突然だった」と話した。

 通訳だけではない交友があった。「よく自宅に遊びに行って、ご飯を一緒に食べた。酒も肉も好きで、ステーキやハンバーグ、チーズを食べたな」

 ジェンキンスさんは来日後に免許を取り、250ccのバイクで佐渡を走り回っていたという。「楽しい人生だったのでは。佐渡に来た時は体重が50キロなかったが、次第にふくよかになってきた」。今年は、孫が生まれたことを喜んでいた。拉致問題については「解決してほしいが、今の北朝鮮は……と言っていた」という。

 ジェンキンスさんは、市内の観光施設「佐渡歴史伝説館」で11年間働いていた。館長の松田輝義さんは「朝のニュースで知り、びっくりした。あんなに元気だったのに」と話した。「非常にまじめで、遅刻は一度もなかった。同僚にジュースやアイスをおごったり、雑談をしたりして、アイドル的な存在だった。観光客にも人気があり、電話の問い合わせもよくあった」と振り返った。

 「曽我さん母娘を救う会」会長…の臼木優さん(67)は11日夜、ジェンキンスさんの遺体と対面したという。「きれいな顔だった。足腰が弱っていたので、冬を乗り切れればと思っていた」。夫を失った曽我さんについては「落ち込んでいた。気を落とさず頑張ってほしいと励ました」。

 佐渡市の三浦基裕市長も11日夜に弔問に訪れた。12日に報道陣の取材に応じ、「曽我ひとみさんは、『来ていただき、ありがとうございました』と気丈に言っていた。残された家族は市がしっかりとサポートしていく」と強調した。

 三浦市長によると、曽我さんとは真野地区の同じ集落で育った幼なじみだという。ジェンキンスさんについては「観光施設でせんべい焼きを手伝ったり、観光客と雑談したり、佐渡市の宣伝に協力してくれた。非常にバイタリティーがある方という印象だった」と話した。

 北朝鮮による拉致被害者で、02年に曽我さんとともに帰国した柏崎市に住む蓮池薫さん(60)、祐木子さん(61)夫妻は12日、「義母のミヨシさんにお会いできなかったことがどんなに無念だったことか。悲しみを乗り越え、ミヨシさんの帰国実現に向け、前に進まれることを心より祈願します」とのコメントを発表した。米山隆一知事も「義母のミヨシさんをはじめ、拉致被害者の方々が帰国されないうちに急逝されたことは最後まで心残りだったと思う。改めて、早期解決に向けて全力を尽くすことを誓う」との談話を出した。(原裕司)

 


保守記事.101-59-4 皇室DASH!

2017-12-15 11:59:47 | 記事保守

悠仁さま、10歳の誕生日 稲作や野菜づくりに夢中

朝日新聞デジタル 2016年9月6日05時00分

秋篠宮ご夫妻の長男悠仁(ひさひと)さまが6日、10歳の誕生日を迎えた。
悠仁さまは皇位継承順位3位。天皇陛下が「生前退位」の意向をにじませるお気持ちを表明したことで、
陛下の孫の世代でただ一人の男性皇族としても注目が集まっている。

悠仁さまは現在、お茶の水女子大付属小学校の4年生。宮内庁によると、生き物が集まる環境をつくりたいと思い、
秋篠宮さまの知人らに教えてもらいながら宮邸の庭に田んぼをつくり、ご夫妻や姉の眞子さま、
佳子さまとともに稲作に取り組んでいる。田んぼにメダカやヤゴを放したりそばに小さい池を作ったりして、
時間を見つけては観察や手入れをしている。

野菜作りにも夢中で、畑の設計図を書き、いつ、どこに、何を植えて収穫するか考えているという。
収穫したジャガイモやトマト、インゲンなどはご一家の食卓にのぼることもある。

学校の社会の授業では、赤坂御用地周辺を歩き、紙芝居にまとめてクラスで発表した。
週末などには遠出することもあり、スキーや湧き水のある場所を訪れるなど自然にも親しんだ。


 

 

 

 

宮内庁文化祭 悠仁さまの作品ご一家で協力

 毎年恒例となっている宮内庁の職員向けの文化祭が14日から始まった。これまでに、実物大の信号機の模型などで話題となった悠仁さまの今年の作品は、ご一家で協力して作られたものだった。

 秋篠宮家の長男・悠仁さまは「昔の暮らし」に関心を持っていて、去年の文化祭には、ご一家で昔の日本家屋を精巧に再現した模型を出品されたが、今年は建物の周りに水田や畑など庭の部分が加わった。

 秋篠宮さまが研究している鶏がいる鶏小屋もあり、ご一家や職員で協力して作られたという。

 また、愛子さまは、夏に静養で訪れた静岡県須崎の海岸で拾った貝殻と東宮御所の庭で摘んだ植物を、オイルと共に瓶に詰めた「標本」を出品された。

 この文化祭は一般には非公開で行われる。

 

悠仁さま作品「昔の暮らし」登場 今年はさらに精巧(17/12/14)

 

保守記事.101-59 勅令が。。。。。!

保守記事.101-59-2 錦の御旗

保守記事.101-59-3 開かれた、皇室


保守記事.101-222 この国の現状

2017-12-12 15:49:17 | 記事保守

異国の男を買い妊娠まで…タイのコールセンターの日本人

高津祐典

2017年11月15日00時08分

 タイの首都バンコクに、日本語が響くコールセンターがある。「お電話ありがとうございます。○○社です。ご注文ですか」。電話を受けるのは、タイに移住した日本人たちだ。

 なぜ海を渡ってまで、コールセンターで働くのか。開高健ノンフィクション賞を受賞した作家の水谷竹秀さん(42)は、5年ほどかけて取材。『だから、居場所が欲しかった。』(集英社)にまとめた。登場するのは人間関係や借金に苦しむ人たち。彼らが「日本社会のきしみを投影している気がする」という水谷さんに、話を聞いた。

「今、妊娠しているんです」

 最初に取材した30代半ばの女性に、水谷さんは衝撃を受けたという。「実は私、今、妊娠しているんです」と打ち明けられたからだ。父親は、東南アジアのある国から出稼ぎにきた買春相手だった。「どうするんだろう、と彼女と別れてホテルに帰ってからも頭から離れませんでした」

 女性は大学卒業後、職を転々とした。東京での暮らしに物足りなさを感じたころ、旅先のバンコクで日本人向けの求人があると聞いた。インターネットで検索すると、コールセンターのオペレーター募集が見つかった。採用され、移住を決めたという。

 実際、ネットで「タイ」「コールセンター」と検索すれば、求人情報は簡単に出てくる。「経験ゼロ、語学ゼロから海外でチャレンジできる環境」などとうたわれ、応募のハードルは低い。水谷さんが取材したフロアには80人ほどの日本人が並び、通信販売の受注やクレーム処理にあたっていたという。ただ移住が気軽な反面、環境は厳しい。日本の大手企業から派遣される駐在員の年収は、1千万円を超えることもざらだ。現地採用はその半分から5分の1。コールセンターは更に安い。ネット上では「底辺」とやゆされる。

 「給料は月9万円か10万円ぐらい。大手企業の現地駐在員とは、同じ海外にいくのでも訳がちがう。格差があるんですよね。コールセンターで働く人は、後ろ向きというか、ネガティブな空気感を持っていることが多かったと感じます」

 女性はコールセンターについて、作中で水谷さんにこう説明している。《日本社会に適応して、出世するとか、家庭を持つとか、そういうレールに何の疑問も持たず、すいすい世の中を渡っていける人はここにはいないなって感じがしますね》(「プロローグ」から)

貞淑を求める圧力

 女性は日本では交際相手に恵まれなかった。暴力を振るわれることもあったという。彼女を癒やしたのが、男を連れ出せる「ゴーゴーボーイ」だった。友人に誘われて通い続けるうちに、はまっていった。最初は勇気がでなかったものの、《通っているうちに気に入った男の子が見つかったので、買ってみました》(第四章「男にハマる女たち」から)と語っている。

 水谷さんは、タイのコールセンターが日本では受け入れられない彼女たちの居場所になっている、と話す。日本ではうまくいかない異性関係も、タイでは男性に「支配」されずに楽しむことができる。

 水谷さんによると、料金は店側に1200~1500円を支払い、本人に3千~6千円を渡す仕組みだ。彼女はある日、友人がよく連れ出している男性を買った。そして出会って数カ月後、彼の子どもを妊娠したという。

 本には、同じようにコールセンターで働き、ゴーゴーボーイにはまった別の日本人女性の人生も紹介されている。日本人の夫との離婚を経験したその女性は《手っ取り早くていいなって。金で解決!》(同)と語っている。

 ゴーゴーボーイの大半は貧困層だ。大金を積まなくても、浅黒く彫りの深い男たちを買える。援助交際できる。《日本では金で解決できない色恋沙汰が、バンコクでは可能になる。王子様であっても金で動かせるという快感、そして女が男を支配できる》(同)

 水谷さんが知人に「男を買って妊娠した人がいる」と話すと、一様に驚きの声が上がった。彼女たちに好奇の視線は向きやすい。

 水谷さんは取材を通じて、その「視線」こそ彼女を生きづらくさせているのかもしれないと気づく。現地の日本語フリーペーパー「アーチプラス」の編集長を務める女性に話を聞いた時のことだ。その内容をそのまま本に書いた。

 編集長はフリーペーパーに「男を買う日本人女性」の特集を組み、ゴーゴーボーイにはまった夫を持つ女性の話を書いた。すると男性読者からは「日本人の品格を落とす」と抗議されたという。編集長は、こう語気を強めた。《よく言うよ! と。自分だってそういう場所に行っているくせに、奥さんには貞淑でいてほしいというのは男性側の勝手な言い分でしかないと思いました》(同)

 水谷さんは言う。「女性が男を買うというのは……。本当はたぶん、そんなに衝撃をうけるものではない。男性が女性を買うのと同じですから。でも僕も衝撃を受けた。それは女性に対して、僕自身もそういう見方になっているんです。貞淑でいてほしいという強烈な押しつけですよね」

 ゴーゴーボーイで出会った異国の男性との子どもを妊娠した女性は、日本で出産。そして再び、タイにやってきたという。その時に再会した水谷さんに、彼女は《バンコクは気持ちが楽ですね。日本って何となく気詰まりな感じ。夢も希望もないというか》(同)と漏らしたという。

 「恋愛や結婚のあり方も、ある種の王道が日本社会にしみついているのだと思います。そこから外れると、とたんに居場所がなくなってしまう」と水谷さんは話す。

職場に恵まれず、高校生の息子と…

 タイのコールセンターには、日本社会から追いやられた人たちが引き寄せられているのではないか、と水谷さんは考えるようになった。

 『だから、居場所が欲しかった。』では、日本の製造工場から派遣切りされた男性や、容姿にコンプレックスを持つ若者、LGBTの男女らに取材。なぜタイのコールセンターにやってきたのかを丹念に追った。「コールセンターで働く人たちは日本では非正規労働者として働いてきたり、30代40代で未婚だったりという人たち。心に悩みを抱えていたり、切ない過去を抱えていたりしていました。『良い大学にいって、良い企業に働いて、昇進を重ねて、結婚して子どもができて、都心のマンションを買って』という道があるとしたら、その道にはじかれた人たちが多く集まってきたというのが見えてきたんです」

 水谷さんが最も身近に感じたのが、郵便局を退職して一家でタイに移住した40代の男性だった。水谷さんによると、彼の月給は10万円ほど。家賃1万5千円のアパートに、高校生の息子とタイ人の妻の3人で暮らしていた。

 作中に描かれる経歴はこうだ。彼は地元の工業高校を卒業。建築会社に就職したが、体育会系の雰囲気になじめず退社。郵便局員になった。千葉県に配属され、タイ料理屋で働いていた妻と結婚した。その後、山形県に転勤になり、簡保の訪問販売を担当するようになったという。

 その仕事もきつかった。朝はラジオ体操に始まり、事務室で訪問販売のトレーニング。上司にその日の予定を発表させられる。本には、その時の様子が描かれている。

 《「午前中は××さんの家に行きます! ×歳の男性で、先日お伺いした話では体も健康で病院にも行っていないそうです。今日はこの商品を×××円で、できれば契約まで持っていきたいです!」

 販売員が1人ずつ言うと、班長から「詰めがあまい!」と叱咤(しった)する声が飛んでくる。それでも販売員は「頑張ります!」と声を絞り出し、それぞれの現場へ散って行く》(第二章「一家夜逃げ」から)。

 「コールセンターの給料は、一般的な現地採用よりも低い。にもかかわらず、奥さんと子どもを養っている。本当に物腰の柔らかい真面目な人で、どういう人生なのか、淡々と語ってくれました」

 生い立ちから尋ねるうち、彼は日本でローンを抱え、その返済ができなくなったことが分かった。夜逃げ先がタイだったのだ。「40代になれば普通は抱えているじゃないですか。なのに仕事で行き詰まってしまって、稼げなくなって支払えなくなるのは起こり得るだろうなと。それでタイに渡った。息子もいきなりタイの高校に入学させられて、普通、ぐれますよね。そういう話を淡々と。息子さんも気になるわけですよ、どんなことを思って高校に通っているのかと。これは伝えなきゃいけないという衝動に駆られました」

 そしてコールセンターが「転落した先」という意識もまた、生きづらさを助長していく。

 「日本は嫉妬の社会。だから転落する、失敗する人を笑う。いまだに『3高』が理想で、正しい道という価値観が残っている。多様性といいながら、本当にそうなのかと思います」

 コールセンターで働く人の多くが、水谷さんの取材に「日本に帰る理由がない。日本に帰っても居場所がない」と語っている。

 水谷さんは「日本では例えば40代で脱落すると、敗者復活はないなと思います。個人差はありますよ、いい大学に行っていた人だったりすると違うかも知れないですが、ドロップアウトした人に救いの手は差し伸べられないですよね。団塊の世代が抜けて、いまは人手不足で就職がいい。でもまずは新卒採用を増やしますよね。30、40代のロストジェネレーションの世代は、非正規の状況が続かざるを得ない。もう、どうにもならないですよね」と話す。

 最後に、水谷さんはこう記した。《心の優しい人間は、日本社会で生き続けるといつかは壊れてしまう。逆に壊れない方がおかしい。それほどまでに日本社会は病んでいるように私にも見える》《そもそも、日本社会に順応する必要があるのか》《日本で生きていくことが苦しいのであれば、無理に留まる必要はない》(「エピローグ」から)

 「タイは温かいし、ご飯もおいしい。日本が包摂できる社会になればいいですが、そういう人をはじいてしまう。日本社会は今こうなっているんだというのは、提示できたと思います」

     ◇

 みずたに・たけひで 1975年三重県生まれ。上智大外国語学部卒。新聞記者、カメラマンを経てフリーになり、現在はフィリピンを拠点に活動している。2011年『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」』(集英社)で開高健ノンフィクション賞を受賞。著作に『脱出老人 フィリピン移住に最後の人生を賭ける日本人たち』(小学館)など。(高津祐典)

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保守記事.91-95 図書館戦争

2017-12-12 10:05:32 | 記事保守

検閲VS隠語 やまぬ戦い
中国、強まるネット言論統制

2017/12/12付
日本経済新聞 朝刊

 中国の習近平(シー・ジンピン)最高指導部がインターネット上の言論統制を強めている。共産党への批判を封じ込めるため、問題があると判断した文章を削除する能力を高めている。それでも正しい情報を求める人々は、新しい隠語を生み出して対抗する。当局が人工知能(AI)などの新技術を次々と繰り出すなかで意地を貫き通せるか。

 「習主席、すばらしい歓迎式典をありがとう」。トランプ米大統領は11月の訪中時、ツイッターで何度もつぶやいたが、中国の国民は目にしていない。中国当局が築いた「ネットの長城」と呼ばれるネット監視システム「金盾工程」により、米ツイッターのサービスは原則として利用できないためだ。

 当局はネット企業に対し、治安に悪影響を与えかねない情報を自主検閲して削除するよう要求。応じないツイッターのほか、米グーグル、米フェイスブックは「長城」によって中国の国民のスマートフォン(スマホ)から遮断されている。

 中国の国民の大半は中国版LINE(ライン)である騰訊控股(テンセント)のスマホ向け無料対話アプリ「微信(ウィーチャット)」など自主検閲を受け入れるサービスを利用している。

 社会や政治の動向を知りたい国民はどう情報を得るのか。中国ネット企業のサービスでは、最高指導部などにかかわる内容はご法度だ。当局が「敏感詞」と呼ぶ検閲対象語を決めており、ネット企業は敏感詞が掲載されると、文章やページごと自動的に削除する仕組みを導入している。

 業界関係者によると、敏感詞は10年に約1千だったが、15年に5千を超え、最近は1万以上に増えた。AIの登場によって「習近平」の「習」と「近」の間にスペースを入れたり、発音が同じで違う漢字を使ったりしても削除される。敏感詞を紙に書いて撮影した写真も削除されるようになった。

 そんな中で生み出されたのが隠語だ。「デモ」は参加者が皆で歩くから「散歩」というように連想できる言葉に置き換える。習氏ならば、容貌が似ているという理由で「くまのプーさん」などだ。

 隠語も検閲側が把握すると敏感詞となって利用できなくなる。「くまのプーさん」の習氏とまったく関係のない情報まで発信できなくなり、世界で話題となった。

 それでも人々は新たな隠語をつくって情報をやり取りする。習氏の右腕として活躍してきた政治家の王岐山氏。人々は名前の「岐山」と発音が近い「七三」という隠語が使いにくくなると、内陸部陝西省の町「岐山」の有名な麺料理の名を使うようになった。

 検閲当局と人々のいたちごっこは、総じて当局側が優勢だ。検閲の対象を不特定多数が閲覧する書き込みから、友人など特定の利用者との間のグループチャットにも拡大。「違法情報」として削除された件数は7月から従来の2倍の水準に急増した。

 今夏には社会問題に取り組む弁護士らのブログなどを1千以上も閉鎖させた。ある弁護士は「情報発信そのものができなくなった」と打ち明ける。中国に住む日本人や日本語を使う中国人が使うヤフー・ジャパンでの検索もできなくなり、ネット言論の統制に緊張が走る。

 巨大な中国市場を前に欧米企業の対応は分かれる。「ネットの長城」にはじかれたフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は再参入に意欲を示すが、検閲の強化によってハードルは上がる一方だ。

 英ケンブリッジ大出版局が中国当局の要請を受け、天安門事件などに関する論文への中国からのアクセスを一時的に遮断したことが注目を集めた。「世界の動きから取り残され、学生の自由な発想が阻害されれば、中国の成長に悪影響が出る」。中国で活躍する外国人教授は警鐘を鳴らす。

(北京=多部田俊輔)

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2017-12-11 10:05:33 | 記事保守

南スーダン、民兵に報酬として「女性のレイプ」許す 国連報告書

2016年3月11日 20:36 発信地:ジュネーブ/スイス



【3月11日 AFP】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は11日、南スーダン軍が民兵への報酬として、女性へのレイプを許していると述べ、南スーダンを「世界で最も恐ろしい人権状況の一つ」と評した。

 OHCHRは、新たに発表した報告書で「評価チームが受け取った情報によると、(政府軍の)スーダン人民解放軍(SPLA)と合同で戦闘に参加している武装民兵たちは『できることは何をやってもよいし何を手に入れてもよい』という取り決めの下で、暴力行為を繰り返している」と述べた。

「それゆえ若者たちの多くが、報酬として畜牛を襲い、私有財産を盗み、女性や少女たちをレイプしたり拉致したりした」と報告書は付け加えた。

 また、OHCHRは報告書の中で、反政府勢力を支持していると疑われた民間人らが、子どもたちを含めて、生きたまま火を付けられたり、コンテナの中で窒息死させられたり、木からつるされたり、バラバラに切り刻まれたりしていると述べた。

 ゼイド・ラアド・アル・フセイン(Zeid Ra'ad Al Hussein)国連人権高等弁務官は、残忍なレイプが「恐怖を与える道具、そして戦争の武器として」組織的に用いられていると指摘し、南スーダンは「世界で最も恐ろしい人権状況の一つ」だと述べた。(c)AFP

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