報告が遅くなりましたが、2011年5月17日から19日の3日間、議会運営員会で静岡県静岡市、三重県津市、同県伊勢市、同県鳥羽市の2県4市の議会運営などについて行政視察をおこないました。
行政視察で学んだなかから、町田市議会でいかせるものはいかしていきたいと思います。同時に、自治体の成り立ちや風土、歴史は独自性をもつものであり、町田市議会が独自の変化を遂げていくことも重要であると感じました。
以下、それぞれの自治体で感じたこと注目点などについて記していきます。
【静岡県・静岡市】
静岡県静岡市は、2003年4月に清水市との合併をおこない政令指定都市に。その後、蒲原町、由比町と合併をしています。市議会本会議場は歴史ある建物でした。
静岡市は、合併によって議会運営についても議論をすることが不可避だったようで、政令市の静岡市議会は、議会運営も町田市とは大きく異なっていました。そのひとつに、町田市議会では一般質問と議案質疑はわけておこなっていますが、静岡市議会では一般質問と議案質疑を合わせておこなう「総括質疑」(質問回数は3回で持ち時間あり)の方式をとっています。また、議案数が多いことからか、一括採択(●号議案から●号議案まで一括して表決をおこなう)もおこなわれていました。
また、代表質問制もおこなっています。町田市議会では代表質問はおこなっていません。個人的にはすべての議員が毎回の議会で市民の代弁者として一般質問をおこなうことが議員を鍛えられていくと思っています。
静岡市では、子ども模擬議会を実施して、議会を身近に感じてもらうとりくみをおこなっていました。町田市でも、子ども議会をおこなっていますがが大きく違う点がありました。静岡市議会では実際の議会の議案にそって子どもたちが議会を体験しますが、町田市議会では「宇宙人はいるのか」など、子どもたちが考えて議論をする形式をとっています。
静岡市議会が力を入れている一つに、議員提案条例など政策立案の力をつけていくという説明がありました。「静岡市めざせ茶どころ日本一条例」「静岡市ものづくり産業振興条例」など、議員提案をおこない全会一致で条例可決をしている。議会事務局の体制をはじめ、その他いくつかの課題はあるが町田市議会においても市民のみなさんから寄せられた切実な願いの実現するために議員が条例提案など、政策立案を積極的におこなっていくことも必要であると思います。
【三重県・津市】
三重県津市は、県庁所在地であり2006年1月に市町村合併をおこない新・津市となりました。
津市議会では、公務の忙しい合間を縫って、正副議長にも同席をしていただき、事務局の説明ののち質疑の際には議会でのやり取りについて正副議長からも詳しい説明をいただいたことで理解が深まりました。
津市議会のとりくみで関心を持ったのは議員間討論。検討委員会の資料によると、議員間討論について「委員会等における質疑・討論の活性化及び議会の意思形成の観点から」とあります。
議論の結果、常任委員会の議案質疑の後に議員間討議をおこなうことを決め、2011年第2回定例会から実施するということでした。議員間討論については、すでに取り入れている議会もありますが、町田市議会でも有益ではないかと思います。
また、常任委員会の任期についても、町田市議会では常任委員会の任期は2年で、「議員は、原則として任期中引き続き同一の常任委員会の委員に選任されない」としていますが、津市議会の場合には、単年度で再任は妨げないとしているとのことでした。また、議長は常任委員会から離脱をすることを議会改革検討委員会の結論として出しています。
執行部の反問権についても、「質疑から成熟された議会議論の展開の観点」から2011年第1回定例会から実施。「質疑の真意を確認したり、より深い議論につなげるということで反問権を与えてもよい」という意見が出され、説明員が質問の論点整理(質問の趣旨等の確認に限定)をおこなうときに反問することができることとしています。
(つづく)
┏┓池川友一(日本共産党町田市議会議員)
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