現在、六本木ヒルズにてレオナルド・ダ・ビィンチ展が開かれている。たまたま、仕事を通じて、このイベントで展示される直筆ノート『レスター手稿』の存在を知った。輸入に少し関わった関係で、その直筆メモがビルゲイツ個人所有の物で30億円で落札されたという話を聞いた途端、思わず色々なことが頭に浮かんだ。
先ず、ビルゲイツはお金が余ってしょうがないんだなーという実感。贅沢は大概やりつくし、収集癖に走るのは洋の東西を問わずお金持ちの典型的パターンだ。
次に、その手帳というかメモ帳は、本当に本物?という疑念だ。500年も前の代物らしいが、色々な金持ちの手から手へ渡ってきたらしい。その間、本当にまっとうに流れてきたのだろうか?う~ん、実に怪しい。しかし、金持ちの強者の論理で、たとえ贋作であっても、本物にされちゃうのだろうな。贋作の噂が出そうになれば、金の力で封じ、何処かに本物があるのなら、秘密エージェントが暗躍して水面下でその存在を消すかもしくは、すり替えちゃうみたいな・・・、まさしく映画の世界のような話がありそう。
そして、そんな物に30億円の落札価格は妥当?確かに、世界で1個しかない物だし、かのレオナルド・ダ・ビィンチの科学者とアーティストの優秀な側面の裏側を見せてくれるメモ帳ではあるが、芸術的な絵画と違い学術的な意味合いが強いこの手帳の価値とは果たしてどのくらいであろうか?
最後に学術的に保有し研究したい人にとっての所有が望ましかったのに、かわいそうにそっち方面の人は全く手が出なかったと思われる。これはあくまで私の推測で、もう学術的価値は全くないのかも知れないが・・・。
いつもこの手の話を聞くたびに”へー”だとか”ほー”だとかの感想を漏らす私だが、絵画であれば芸術だし何となく理解していたが、芸術作品とは呼べない今回の”手帳”に違和感を感じ、改めて価格というものが需要と供給のバランスで決まる市場原理を実感した。物の価値は本当に欲しい人の価値観で決まるという極めて当たり前のことを・・・。
件の手帳は72ページにもわたり、当時のレオナルド・ダ・ビィンチの科 学的考察の集大成とも言われ、極めて貴重な研究ノートのようだ。ビルゲイツ氏はこれを世界中に公開して、若き学生達に自分が感じたインスピレーションを感じて貰い、それを広めることによって科学の振興に役立てたいと語っているが、どうしてもお金のニオイを感じてしまう、私だった。
何処かの博物館か大学の研究機関に寄贈もしくは寄付という形でも良かったのでは・・・・。
続編へ続く
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