安倍が宮古島へ来た!
宮古平和運動連絡協議会 清水早子
安倍が沖縄・宮古・石垣へ来るということがわかったのは2日前。仲間たちの多くは、「平和の一議席」を守ろうと選挙活動に忙しい。結局、動けるのはいつものフットワークの軽く、しがらみや縛りのほとんどない私たち○○群団といっても数名。
7月17日2時半宮古着の飛行機で石垣より宮古へということしか情報がなかったので、それまでに空港前に横断幕を、周辺の道路際には看板を立てて回った。何しろ手が足りないので、横断幕は無人のまま放置。持ち去られるのを覚悟の上。
演説会場である宮古島市内で一番大きなカママ嶺公園に2時半から待機。その日になって、航空自衛隊通信基地へも視察に行くとわかったものの、二手に分かれるほどの人数がこちらにはない。演説会場でのパフォーマンスに集中する。3時開始のはずが、なかなか安倍は現れない。私たちは「一方で党として選挙応援。一方で首相として視察。金(税金)の使い方はどう整理しとるんやろう?」などと会話。
会場には集まる聴衆が思いの他少ない。そのうち、やっとボチボチと、いかにも土建・建設業界の動員された風な作業着の一群がやって来る。次は宗教団体で召集かけられた風な年寄りの一群も。中には商工会風の青年少々。日の丸を掲げて浮いた風な2、3名の若者。総勢400くらい。石垣では1000名だったとか。
私たちは会場の端の高台に遠巻きに見物する人々に混じって、横断幕「宮古にも石垣にも与那国にも自衛隊はいらない・米軍も」と幟旗数本を立てた。SPや公安警察は入口周辺を固めて、この高台までは来ない。狙撃などあるまいとタカをくくっているのだろう。選挙応援だから取り締まって揉めて印象悪くすることを避けたのかもしれない。
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私たちは遠巻きの見物人の真ん中にいたので、遠巻きの人全体が反対派と見られたかもしれない、シメシメ。
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やっと登場した安倍の演説開始。これがまた前座の議員たちの内容のない話にも劣らない低俗さ。「バラ色の景気」と金の話に終始。石垣島でした同じ話をしているのだろう、「外国人観光客も集客して・・」石垣は国際空港化するが、宮古はそうじゃないから外国人はあまり来ないんだぞ!「宮古牛もブランド化し、黒糖も増産し・・」そのとき、我慢の緒が切れて、仲間の地元女性が叫んだ「TPPはんた~い!TPPで砂糖も酪農も潰れるぞ!」シ~ンとしていた公園に彼女の高音はよくとおる。「年収150万アップ・・」に「アベコベ(注:ツベコベのもじり)、嘘つくな!ホラ吹くな!」痛快さに周辺に笑いが起こる。
自民党中央と沖縄県連がねじれている「普天間県内―辺野古移設」やTPPにも、憲法にも全く触れず。尖閣にも自衛隊配備にも触れず。これから吹かす島民に不都合な風はあいまいにして、こんな下世話なローレベルな話だけを一国の代表がするというのは、沖縄の離島の、田舎の人間に対する蔑視が根底にある証左である。田舎の人間なら詐欺師まがいの言葉で騙せるという彼の本性見たりであった。
帰りがけに、公安か情報保全隊かが、やっと近づいて来てスマホで私たちの車を撮ろうとすると、先の高音の彼女はまた、「(車のナンバーは)○○○だよ~!」と叫んだ。 (了)