安保法制の最前線で「犠牲の島」となる宮古島より
国会での強行採決に抗議する声明
国会での強行採決に抗議する声明
日本の針路を大きく曲げ、平和から遠ざけようとする歴史的な暴挙である安保法制=「戦争法」の15日の強行採決に、日本中で怒りの声が湧き上がっている。私たち宮古島市民・労働者もここに強く抗議する。
日本中の圧倒的多数の憲法学者が「この法制は憲法違反だ」と言い、裁判官・弁護士など司法の場からも、科学、文化、芸術など各界からも反対の声が大きく上がっており、国民の8割が「説明が不十分だ」と言い、「廃案にすべき」と「今国会では採決すべきでない」を合わせると9割の国民が反対しているにもかかわらず、安倍政権は数の横暴で、主権在民をないがしろにし、独断的な政権運営を行っている。
「国際平和支援法」という名の「海外派兵恒久法」をはじめ、「平和安全法制整備法」という過去の海外派兵法や米軍支援法など10の法律の一括書き換えを、短時間の審議で済ませ強行可決したことは、日本を戦争の道へ向かわせる、歴史に残る蛮行である、と同時に私たち宮古島市民にとって重大な意味をもつ。
2009年オバマ政権以降のアメリカの国力、軍事力が低下する中、米軍の再編が進行し、2010年防衛省の「防衛計画の大綱」に基づく中期防衛計画から、「島嶼防衛」がクローズアップされ、この頃から始まった米軍と自衛隊との合同訓練、基地の共同使用、自衛隊が米軍の肩代わりをする計画、これこそが宮古島を始めとする琉球弧の島々の軍事要塞化計画なのである。
日本が戦後これまで歩んできた「平和国家」から、世界の中で「戦争する国家」へと変貌して行けば、軍事基地は同盟国の戦争に巻き込まれ、出撃基地となり、攻撃の対象になっていく。やがてミサイルが配備され、東アジアの緊張がはずみで生まれたときに、宮古島はこの安保法制の最前線の島・「標的の島」になり、再び、日本本土の捨石として「犠牲の島」になる。
今回、強行採決された安保法制には、大きく3つの問題点がある。一つは、これによって今後、自衛隊員は海外の戦闘地域へ出かけて行くことから、自衛隊員に死傷者が出るおそれであり、もう一つは、海外での治安維持活動や治安維持任務、「非国連統括」型活動への武器を持った参加で、民間人を殺傷するおそれであり、さらに一つは集団的自衛権の行使で、先制攻撃の戦争になるおそれがうまれることであり、まさに「戦争法」そのものである。
すでに有事法制により、戦争への道筋の中で、島の港湾や空港の国の管理の強化や土地の接収、労働者とりわけ公務員への戦争協力の強制、民間人でも運輸・通信労働者などへの戦争協力要請などが現実になっていく危険性がある。
私たち宮古島市民・労働者は、安保法制の採決に抗議し、宮古島へのミサイル新基地建設に反対し、一切の戦争協力を拒否することを宣言する。
2015年7月16日
内閣総理大臣安倍晋三殿
宮古平和運動連絡協議会
共同代表 川平敏男 清水早子 砂川洋子
平和運動センター宮古島
議 長 下地朝夫
共同代表 川平敏男 清水早子 砂川洋子
平和運動センター宮古島
議 長 下地朝夫