平安時代は濁音がなかったので「ひよ」、室町時代になって「びよびよ」、江戸時代になり犬は「ワン」と鳴きました。
平安時代に書かれた「大鏡」の中では「ひよ」と書かれていますが、当時は濁点などが無かったために当時から犬の鳴き声は「びよびよ」だったらしい。他にも「べうべう・びやうびやう」などと表記されています。
大鏡 - 太政大臣道長雑々物語 ---前略--- また、清範律師の、犬のために法事しける人の講師に請ぜられていくを、清照法橋、同じほどの説法者なれば、いかがすると聞きに、頭つつみて、誰ともなくて聴聞しければ、「ただいまや、過去聖霊は蓮台の上にてひよと吠え給ふらむ」と宣ひければ、「さればよ。こと人、かく思ひよりなましや。なほ、斯様のたましひあることは、すぐれたる御房ぞかし」とこそほめ給ひけれ。誠に承りしに、をかしうこそ候ひしか。これはまた、聴聞衆ども、さざと笑ひてまかりにき。いと軽々なる往生人なりや。また、無下のよしなしごとに侍れど、人のかどかどしく、たましひあることの興ありて、優におぼえ侍りしかばなり。 ---後略--- |
「びよびよ」は犬の遠吠えの声を表現したものではないかと言われています。
なぜ犬の鳴き声が「びよ」から「わん」に変わったかについては、犬の置かれている環境の変化と推測しています。
犬が放し飼いで飼われていたために野生化しやすく、その鳴き声もドスのきいて濁った「びよ」「びょう」で聞くのが適切だったようです。
特に夜に音が全くないような時代です。夜の音と言えば犬の遠吠え。それが犬の鳴き声を「びよ」と表現することになったのです。
江戸以前の犬は、混乱した戦乱の世相に反映して犬も野生化、人を襲って食い殺す、人間に敵対する動物だったようです。
昔の犬は、だいたいが放し飼いで野生のような犬でした。そのため獰猛な犬が多く、実際今日本で飼われているような犬とは鳴き方が違ったようです。
そして日本人が犬に鎖をつけて飼うようになったのは江戸時代からで、その頃からやはり「わんわん」という表記が見られるようになってきたそうです。
犬の声が「わんわん」と書かれている最初の本は、寛永十九年(1642)年の『古本能狂言集』所収の『犬山伏』の一節、「犬、わんわんというてかみつこうとする。山伏にげて目付きの柱に抱きつき犬を呼べと云う。」 |
江戸時代にもなると、ペットとしての犬もたくさん出てくるので、「わんわん」というかわいい声が一般化していきます。
「びよ」は江戸時代中頃には消えてしまいました。
その根拠として、宮地伝三郎『十二支動物誌』の次の記述、「野生のイヌは遠吠えをするが、「ワンワン」とは吠えない。「ワンワン」は家犬だけの性質で、これは生活が安定してなわばりができることに関係があるらしい。捕らえて飼っておくと、オオカミもイヌに似た吠え方をするようになる。」をあげています。
狂言などで犬の鳴き声を「びょうびょう」と言うのは、当時の犬の声が今とは違い「びょう」だったことであのような表現をしているそうです。
狂言「柿山伏」:泥棒の居直り 柿主「はあ、猿にまがう所はない。猿かと思へば、犬ぢやげなわいやい。」 山伏「はあ、又こりや、犬ぢやと言ふ。」 柿主「犬なら、鳴かうぞよ。」 山伏「はあ、又こりや、鳴かざなるまひ。 びよ。」 |
狂言は室町時代の話し言葉が基礎になっているからだそうです。
どうですかみなさん。外国の犬が「ワン」と鳴かないと思っていたら、日本の犬もそうだったのです。
時代によって犬の鳴き方も変わってくるというか、犬の置かれている状況、人間の心理で聞こえ方も変わるのです。
したっけ。
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時代と環境で鳴き方も聞こえ方も微妙に変化してきたのですね。
人が住みやすい環境は犬、動物にもやさしいでしょうね。
うちは家でも散歩中も全然吠えません。
ただ、トリミングで迎えに行った時だけキャンキャン鳴きます^^
昔は野犬とか山犬とか言われて恐れられる存在でもあったようです。
人間の心理状態や環境で聞こえ方も変わるのでしょう。
キャンキャンは、きっと助を求めているんじゃないかな^^
したっけ。
したっけ。
いつもありがとうございます♪
昔の犬は野犬化していて怖かった
でしょうね(#^.^#)
私も子供時代に3回噛まれて犬か
怖くて小さい犬が鳴くだけでも恐怖
でした( ;∀;)
ビーグル飼う時かなり迷いましたが
犬を見るたびに怖くて逃げていて犬
も怖がりになりました(*^_^*)
人間の心理で聞こえ方も変わり伝え方
も変わったでしょうね☆彡
今日は出掛けて帰りに3時過ぎから雪が
降り出し積もりそうです♪
それでよく犬を飼おうと思いましたね。
そうですね。昔の真っ暗な夜に聞く犬の声は怖かったと思います。
また、雪ですか?
大変ですね^^
したっけ。
環境によって犬の性格も変わるのでしょうね^^
したっけ。