猫をみていると思い出すことがあります。それは、老衰のため18歳で亡くなった、全身が黒い飼い猫のことです。あれは、ちょうと転任する数ヶ月前のことですが、忙しくて十分にかまってやることができませんでした。日向ぼっこができる静かな部屋で、のんびりさせていたのですが、ペースト状にした食事を取らなくなって、一週間くらいで息を引き取りました。私などと暮らして、君の一生は幸せだったのか、どうなのか・・・。歳を取った猫ちゃんを見ていると、あの時のことを思い出します。
「あなたの名前は何ですか」と呼びかけると、猫ちゃん特有の「ぎょろ目」で見つめ返されました。