「天の宴席」 ヨハネによる福音書 2章1~11節
ヨハネによる福音書では、「しるし」を通してイエスさんが天の国に属する存在であることが伝えられています。その最初の「しるし」として、イエスさんがガリラヤのカナという場所で、水をぶどう酒に変え、その栄光を現されました。栄光とは、「しるし」を通して、イエスさんが天の国に属する存在であると誰もが納得せざるを得ない有様のことです。
イエスさんの母親がいるカナは、地上の国です。そこで行われた婚礼の宴席の最中、宴席に欠かせないぶどう酒が足りなくなり、母親が「ぶどう酒がなくなりました。」とイエスさんに言いました。すると、イエスさんは「婦人よ、わたしとどんなかかわりがあるのです。わたしの時はまだ来ていません。」と言い返しました。それは、自分が地上の国だけではなく天の国にも属している存在であることを伝える言葉でもありました。
地上にも属し、天にも属しているイエスさんは、ぶどう酒がなくなり、喜びが尽きようとしていた地上の宴席に、天の宴席と同じように尽きない喜びをもたらされました。それは、奇跡といった不思議な出来事に留まらず、不安な時代に喜びを告げる有様として、イエスさんが天の国に属する存在であることを納得せざるを得ない、最初の「しるし」として相応しいものでした。