愛用のミシンが故障しました。
もう20年くらい使ってる古いミシンですが、当時、母とふたりで結構奮発して買ったコンピューターミシンです。
使い古したタオルを雑巾にしたり、ジーンズの裾上げからちょっとした洋裁を楽しんだりと、未だ現役活躍中のミシン。
直線縫いもロックがけも、コンピューター刺繍もできる優れものなので、ないと結構困ります。
てなわけで、ネットで修理をしてくれる所をあたってみたのですが、3ヶ所くらいで見積もり取って、およその修理料金が2万円程度。
ひゃー、結構するもんなんだなぁ。
でも、直るんだったら直して使いたいので、2万円で修理することに決めました。
ネットで見積もった所で直すには、愛知県の修理工場に持ち込むか、宅配業者に回収してもらうかのどちらか。
宅配業者に回収してもらうには、こちらで適当な箱を探して梱包しないと、梱包料が余分にかかる模様。
むぅ…、どっちも面倒だな。
3ヶ所で見積ってあまり金額変わらなかったんだから、どこでお願いしても変わらんだろうと思い、自宅近くでミシンを扱う手芸店に持ち込んで、そこから修理に出してもらえるか聞いてみることにしました。
予想通り、修理受付OKとのこと。
早速修理の手配をしていると、店の奥から出てきた若い店長らしき女性が「もしお時間よろしけば、今ここで少し動かしてみていいですか?」とひとこと。
特に急いでいなかったので「ええ、どうぞ」と言うと、彼女は試し縫いをした後、上糸をかけなおしたり、下糸を装着する釜を出して細かいホコリを掃除したり、ミシンの状態を丁寧にチェックし始めました。
そんなんで、10分くらい経った頃でしょうか。
それまで「カカカカッ、カッ、カッ」と引っ掛かりのある濁った音を立てていたミシンが「タタタタタタ…」と滑らかな音で動き始めました。
「あれ? もしかして…?」
「はい、直りました。」
おおー、すごーい!と、私が驚きの声を上げると、彼女は満面の笑みで
「ミシン、好きですから。」
そうそう。昔はこんなんだったなぁ。
家電が故障すると近所の電気屋さんに持ち込んで、ちょっとした部品の交換くらいなら在庫でなんとかしてくれて、メーカーに修理に出すなんて滅多になかった。
時々、その電気店では扱いのないメーカーのものまでお願いしちゃったりするけど「ま、どこのでもおなじだから」って、気前よく直してくれてたっけなぁ。
職人っぽい仕事をする人が、昔はすごく身近にたくさんいたような気がするなぁ。
今は、大手家電量販店に持っていくと「修理料金は一律です」なんてことになってて、場合によっては修理するのと新品を購入するのと、たいして金額が変わらないなんてことも。
「使い捨てはよくない。物は大切に。」と言っても、現実がこんなんだと使い捨てにもなるわなぁ、と思ってしまいます。
かくして、ミシンの修理代金はゼロ。
「ホントにいいんですか?」と尋ねたら「はい、今後もうちの店をよろしくお願いします」ですって。
いやいや、こちらこそよろしくですよ。元々品揃えが良くて好きな店でしたが、一層好きになりました。
帰り際、何気にミシン売り場を覗いてみたら…
今時のコンピューターミシンて、2万円~3万円で買えてしまうのね!
うちのミシンを買った頃から比べたら、半額かそれ以下やん。超・びっくりです。
ほら、やっぱり修理に出すより買う方が良くなっちゃうじゃん。
今度故障したら、また彼女に直してもらおう。
で、直らなかったら、この店で新しいミシンを買おうっと。
週末から、雨が降ったり止んだりの不安定なお天気。
月も見えたり見えなかったり。
次の新月まで、あと6日。