俺は,どんなに大金を積まれても,
気に入らない仕事はしない。
しかし,ボスのたっての願いなら,
一肌脱がないわけにはいかない。
それが,この世界の掟だ。
俺の心は,この空のように重い,そして空虚だ。
今から起こることを予感している空。
「人間ドックを受けてみましょうよ」
「そうそう,最近また,血圧も上がってきているようだし・・・」
お前らに云われる筋合いはない。
俺の道は俺が決める。
標識なんて必要ない。
そう,俺の道はいつも俺が決めてきた。
たまに,PSPの「みんなのナビ」のお世話になったが,
そんなことはどうでもいい。
これが,俺の掟だ。
噴水は,常に清浄な水を循環させる。
しかし,おれの血液は,ドロドロと,脂ぎって,
高い圧力で循環している。
正反対?いや,水と油?水と血液?
千と千尋?
暗い過去・・・。
俺が「人間ドック」を嫌う理由は,いくつもある。
まずは,高血圧と糖尿病だ。
この二つは,いつも「痩せたら少しは治るでしょう」と云われる。
おれも,「はい,そうします!」と云うようにしている。
心にも無いことを行ってしまう俺が嫌だ。
それから,「胃カメラ」。
おれは商売上,口の中にはホースは入れない。
しかし,ボスの命令とあっては仕方が無い・・・。
でも,大変,死にそう。
よだれは出るし,苦しいし,吐き気はするし,
ゲップが我慢できないし・・・。
診察室でも,助手の方が・・・。
「いやあ,この人,なかなかゲップが我慢できなくてですね」
「何度も,我慢してくださいって云ったんですけど・・・」
・・・ 俺が悪いんかい ・・・
それから,最後の診断。
「看護婦さん,ほら,あの肥満の本持ってきて!
肥満の本だよ,肥満の,いやそれじゃない。
肥満の人に見せる栄養の・・・そう,それ,肥満の本。
それから,ほら,もう一冊,肥満の・・・薄い冊子があったでしょう。
あれ,そうそう,肥満の・・・。
あなたね,う~ん,おそらく肥満ね・・・いや,確実に肥満か・・・
入院するほどの肥満じゃないけど,肥満ね・・・。」
・・・ 何回,肥満って云えばいいんだよ ・・・
そんなこんなで,「人間どっく」には行きたくない。
時間まで,もう少しある。
本でも読むか・・・。
ハードボイルドに「ウンココロ」と
「使ってみたい落語のことば」でも読んでみるか。
○○台病院にて・・・やっぱり高血圧で,糖尿で,
尿酸値も・・・。
でも,胃カメラは鼻からのやつで,
上手くいったが,最後に鼻血ぶ~っ・・・でも口より楽勝。
仕事を終えてホテルに戻った俺,空気も少しは軽くなった。
しかし,疲労は出てきている。
3カ所から血が抜かれ,注射に簡単な麻酔。
おそらくこれは,自白剤?
顔色は悪くない。
部屋に入って疲れた体を横たえる。
ベッドは二つ。
ハードボイルドな俺,何かの場合のために,
用意はぬかりない。
それでは,テレビでもつけて,
世の中の様子を知ろう。
オフロスキーか,今日はやけに体操の解説が詳しい。
彼の挑戦は受ける価値はある。
これ,体操でなくダンス?
一通り,踊ってみる。
さて,俺も風呂にでもはいろうかな?
この色好き!
あちっ~!
このタイプ,苦手・・・。
きのう,ぼくは,ロイヤル・チェスターホテルに泊まりました。
とっても楽しかったです。
コース料理もまずまずでしたが,
できれば,御飯のおかわり自由,それから,
お味噌汁が欲しかったです。
写真は,ココの写真です。
○○台病院のレストランは,いつも美味しいです!
でも,人間どっくはできれば行きたくないです。