最初の目的地は稲積水中鍾乳洞です。夏の暑い時季は、涼しい所に限ります。別府から地道をゆっくり走ってもすぐに着きました。ここは、日本で最大級の水中鍾乳洞で、中に入ると、少し温度が下がります。3億年前に、阿蘇の噴火でできたもので、高々1000~2000年の歴史しか知らない私たちにとっては神秘の世界です。
鍾乳洞を出ると、同じ敷地内に、美術館や昭和のテーマ館がありました。美術館には、本物かどうか分かりませんが、ピカソやシャガール、それに有名な芸能人の作品が展示されていました。
次は、東洋のナイヤガラと称する原尻の滝を観に行きます。着いたときは、まだ朝早かったので、河原にいる観光客は少なく、写真が撮りやすかったですが、観光バスが着くと、どっと人が押し寄せ、河原は人だらけになりました。
駐車場の横に、大きな水車のある蕎麦屋さんがありました。テーブルにそうめん流しの装置があり、九州が発祥の地だそうですが、田舎そばをいただきました。店の人のお勧めで、沈堕の滝にも行くことにしました。駐車場が分からず、山の中に迷い込んでしまいましたが、滝の上からも眺めることができました。大正時代に水力発電所のためダムができ、豪快な滝の姿が消えていましたが、その後、復活させたそうです。私は水が濁っていて好みではありませんが、妻は、迫力あると気に入ったようです。
そこから、30分ほど走って岡城跡に着きました。送迎バスが出た後だったので、仕方なく本丸までの坂道を登ります。9月というのにまだまだ暑く、汗だくになりました。二の丸まで来ると、奥深い山の絶景が見渡せますが、城壁の端に手すりも何もなく落っこちると一巻の終わりです。カミさんがフラフラと端の方に近づこうとするので、気が気じゃありません。汗を拭いながら、坂道を降りていくと、茶店のおばあさんが、暑いお茶を配っていました。もらうのを躊躇しましたが、ふうふう言いながら飲みました。
最後は、白水の滝。車を停めた所からはかなり歩かなければなりません。途中にもいくつか滝はありますが、素晴らしい滝を期待して石段の坂道を登って行きます。滝のすぐ横に出て、幅の広い見応えのある滝がありました。全体を見渡せる高台へは立ち入り禁止になっていたので、全体をうまく写真に撮るのが難しかったです。
後は、高千穂に移動するだけです。山道を走ったので時間が掛かり、到着が予定より遅くなってしまいました。8時から夜神楽を観ることになったので、急いで風呂に入り、早めの夕食にしました。少ないながら、宮崎肉が出たので、ビールを飲みたかったのですが、出かけることを考えて控えました。
高千穂神社は近いというので、浴衣に下駄で行きましたが、暗い坂道を歩くのはかなり大変でした。天照大神の天の岩戸の神話で、怪力の天手力男神が天の岩戸を遠くに蹴り上げて、戸隠山になったと言います。以前、扉温泉に行ったのですが、そこでは天手力男神が戸隠神社に岩戸を運ぶ途中で休んだ所という話があります。神話なので色んな説があっていいのですが、日本の始まりの話は、概して素朴で大らかです。
夜神楽の内容を解説してくれた人によると、下ネタが多くて、フルバージョンですると、もっと盛り上がるそうです。そう考えると、声高に言われる日本の伝統だとか風習だとか、家族感だとかは、自由で明るい日本人の本質を堅苦しく歪めているようにも思います。そこには、都合よく支配しようとする意図を感じます。