今日の「 お気に入り 」は 、平松洋子さんのエッセイ
「 なつかしいひと 」から「 宙ぶらりん 」と題した小文 。
備忘のため 、抜き書き 。
引用はじめ 。
「 カップから引き上げた熱いティバッグは 、まぬけな振りこ
みたいだ 。吸いこんだ湯の重みで細い紐がぴんと張り 、ぶ
らんぶらん揺れる 。足手まといな様子に映るのは 、もはや
いっさいの役目をすませてしまった用無しだからだ 。なに
しろ出し殻 、だいじなものはぜんぶ出し尽くして 、ここに
はいない 。
かたちばかりになっているのに 、ようするに事態にはすっ
かり決着がついてしまっているのに 、こちらはさっさと気
持ちに整理がつけられず 、宙ぶらりん 。これは 、すこし
つらい 。
( 中 略 )
旅先でプラプラ散歩しているとき 、ふいに古い歌が口をついて
出ることがある 。とうの昔に忘れ果てていたはずの 、またはじ
ぶんが覚えていたことさえ忘れていた 、そんな歌 。くちびるに
自然に乗ってくるから 、つぎつぎ浮かんでくるメロディや言葉に
身をまかせるようにして 、ついてゆく 。
こういうときだ 。不思議な感情が湧いてくるのは 。記憶のなか
には自分も知らない深い場所がある 。もしかしたら 、そこにな
にかが棲んでいることさえ気づかず 、多くはずっとなりを潜めた
ままなのかもしれない 。」
( 平松洋子著 「 なつかしいひと 」新潮社 刊 所収 )」
引用おわり 。
昔 、誰かに言われた 「 とっくに 詰んでる 」と 。
なのに 、投了しないだけ 。
そりゃ 詰んでるさ 、
でも 日はまた昇る 、今日も生きてる 、息してる 。
なにかの拍子に 、頭に浮かぶ メロディ と 歌詞 、記憶の襞に
潜んでる 。認知症テストのような歌詞 。
” One little, two little, three little Indians (^^♪
Four little, five little, six little Indians
Seven little, eight little, nine little Indians
Ten little Indian boys.
Ten little, nine little, eight little Indians
Seven little, six little, five little Indians
Four little, three little, two little Indians
One little Indian boy. ” ♫
( ついでながらの
筆者註:「 テン・リトル・インディアンズ( Ten Little Indians )は 、
英語圏で広く親しまれている民謡 。マザー・グースの
ひとつとして知られる 。
概 要
題名は 10人のインディアンの子供 という意味で 、日本
では『 10人のインディアン 』 という曲名で知られている 。
フォークダンスの曲としても用いられる 。
1868年に アメリカの作曲家 セプティマス・ウィナー( Septimus
Winner )により 、" Ten Little Injuns " というタイトルで
ミンストレル・ショー向けに作詞・作曲された 。
翌1869年には イギリスの作詞家 フランク・J・グリーン によって
翻案され 、" Ten Little Nigger Boys " として有名となったが 、
Nigger という 差別的な単語 を含むため 、1940年代以降は
" Ten Little Indians( あるいは Soldier Boys )" と改められる
ようになった 。
さらに 、 " Ten Little Candies "( 10個のキャンディ )や
" Ten Little Pumpkins "( 10個のカボチャ )などの替え
歌も作られている 。
また 、10人の少年たちが 事故などで順にいなくなり 、残された
最後の一人も自殺する という残酷で冷笑的な歌詞であったこと
から 、現在は大きく改変・簡略化されたバージョンのみが 童謡と
して伝えられ 、原曲が公の場で歌われることはほとんどない 。」
以上ウィキ情報 。)
( ´_ゝ`)
筆者の英語の師匠の近影
( 近影といっても 、二、三年前のお写真かも )
( 御年 90 ん歳 )
( 英国在住 )
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