若殿の気ままな独り言

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薬味使って、冬の体調管理。 高血圧予防にも・・・ 

2016-02-15 10:00:00 | 健康、フィットネス
高血圧予防にも 薬味使って、冬の体調管理 (以下、日経プラスワンから一部抜粋)

『  寒い冬は血管が収縮し血圧も高くなりがちだ。そんな人にお勧めがショウガやネギ、ワサビなどの薬味。香りや臭みを消す働きで塩やしょうゆに頼らない味付けに生かせる。成分にはそれぞれ体を温めたり、消化を助けたり、と様々な効果も期待できる。薬味の力で寒い冬の体調管理に取り組みたい。
 「薬味として使う野菜類は薄味に慣れさせてくれ、高血圧予防に役立つ」と女子栄養大学栄養科学研究所の根岸由紀子教授は実体験から話す。

■塩分量半減も
 職業柄、食事には十分気をつけていたが、5年前、マラソン大会に出場しようとしていたときの健康診断で高血圧が発覚。以来、青魚をショウガとネギで食べたり、そばつゆは少なくして辛みダイコンにし、刺し身もしょうゆではなくユズの搾り汁やワサビと青ジソで巻くなど工夫する。
 1日の塩の摂取量は3グラム以下になった。これは厚生労働省が女性に推奨する目標値7グラムの半分以下。「1カ月ほどで減塩食にも慣れ、血圧も安定している」という。

 減塩食本「かるしおレシピ」を出す国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)でも、「味を調えるのに塩分に頼らず素材のうまみを引き出す方法の一つが薬味。刺激や見た目の楽しさ、風味などで塩分が少なくても満足感を得やすい」(広報担当)と話す。



 薬味の減塩効果に注目した人の味覚実験もある。野菜の機能性成分に詳しい千葉大学大学院園芸学研究科の江頭祐嘉合教授は「セロリやパセリから抽出した成分に少し塩を入れて飲んだ結果、塩だけの時より塩味を強く感じたという研究がある」という。
 減塩以外にも期待できる働きはいろいろある。代表格はショウガ。辛みの元のジンゲロールという物質が熱したり乾燥させると、ショウガオールやジンゲロンと呼ぶ成分になる。「ショウガオールは血行や新陳代謝を促進したり、発汗作用を高めたりする。ジンゲロンには温めるだけでなく強い殺菌作用がある」と江頭教授。

 また、ネギの白い部分は食物繊維が多く整腸作用が期待できる。緑の部分のネバネバした粘液は「マンノース結合レクチンで、免疫細胞を活性化する。洗って落とさないで」(根岸教授)。ミョウガのアルファピネンという香り成分は食欲増進や消化を促すほか、発汗、血液循環を良くする。肉と一緒にいためると脂っぽさが和らぐという。
 青ジソは、爽快な香りの元のペリルアルデヒドが胃液の分泌を促す。サラダやパスタに混ぜる、肉や魚を巻いて揚げるなどで食欲がわく。これら多くの薬味に含まれるアリインが変化したアリシンは、ビタミンB1の吸収を高め新陳代謝を活発にする。肉や魚と一緒に取りたい。

■部位で違う成分
 ところで、効果を最大限に引き出すには、それぞれにあった調理法が重要。例えばショウガで温め効果を高めたいなら、千切りし電子レンジなどで80~100度で加熱や乾燥する。ハチミツと一緒にお湯で割る、寄せ鍋に入れるのもよい。



 ネギやニンニクの香り、ダイコンやワサビの辛み成分で、多くの薬味に共通成分のアリイン。細かく切ったり、すり下ろしたりすれば酵素などの働きで刺激臭のあるアリシンになる。ワサビは金おろしより、鮫(さめ)皮おろしがお勧め。「空気によく触れ、酵素が活発に働き辛み成分が出やすい」(根岸教授)。また、ニンニクやネギは加熱で臭みが減り、うまみが増す。
 野菜の部位で含まれる成分が異なることも。ダイコンは先端部分に辛みがあり、消化を助けるジアスターゼが多く、胸焼けや胃酸過多、二日酔いに効くとされる。葉に近い部分は甘い。逆にワサビは葉に近い部分に辛み成分が多い。

 「薬味野菜は一種に偏らず、複数を一度にとるのもお勧め」(江頭教授)。ネギとショウガ、ミョウガ、青ジソ、カイワレなどを細かく刻んだ『万能薬味』が便利だ。肉を焼いたらその上に、寄せ鍋や納豆、味噌汁に入れることで塩分に頼らずに味が引き立ち満足感の高まる食事ができる。
 ただ、薬味は薬ではなくあくまでも食品。主な栄養素のタンパク質と脂質、炭水化物を含むバランスの良い食事と一緒に食べて初めて効果が期待できる。「添えるだけでなく、煮た具材にたっぷりあえるのも手だ。色々使って薄味に慣れていくことが中高年の健康にとっては大切」と根岸教授は強調している。

■適量知り、もっと積極活用を
 いくら食品だといっても、薬味野菜は一般野菜より刺激が強い場合が多く、過剰摂取はかえって体に良くない場合もある。ワサビは食べ過ぎると下痢や胃痛を起こす原因になりかねないという。1日に取る量の目安は「ショウガやワサビはそれぞれ20グラム以内、ニンニク1片(5~10グラム)、ゴマ15グラム」(根岸教授)。

 薬味はもともと少しだけ使うことが多く、和食の味を引き立たせる奥ゆかしい存在だった。料理を自分好みの味に調整できることもあり、好まれてきたが「分析技術の発達で野菜の効用が科学的にわかってきた今、薬味パワーをもっと賢く食事に取り入れてほしい」(江頭教授)という。  』