北九州市のお客様から全長1700㍉を超える長さのシャフトが、数日前から
2~3本ずつ入荷してきています。加工総本数は10本。無電解ニッケル-リン
めっき施工ご依頼品です。
被膜厚指定は15μm前後。吊下げた上端から400㍉ぐらいの所でマスキング
し、そこを境に2度、めっき施工します。素材質はS35C、とりたてて難しい
材質でもありませんが、このシャフト、深い曲った穴の内部構造があり、その中
にも出来るだけ良好に被膜形成する必要があります。
こういうご依頼の際にこそ、ところ構わずどんな形状の品物にも被膜形成可能な
無電解ニッケル-リンめっきの特質が生きてきます。
(昨年新調した無電解ニッケルめっき棟には1㌧クレーンを付設しています。
当社の無電解ニッケルめっきパートにとっては「大物」にカテゴライズされる
この手の品へのめっき対応能力が格段に向上致しました)
(溶剤での予備洗浄後、アルカリ脱脂)
(作業棟の天井を高く取りましたので、1700㍉シャフトを吊り下げる
クレーンやワイヤー下げシロまで足し合わせても、まだまだ余裕があります)
昨年前半まで使用していた旧ニッケル棟は天井低く、排気設備弱く、クレーン
無く、無いものづくしのセクションでした。
新棟に引っ越せて、それまでの鬱屈した気持ちを晴らしています。
(前処理を全て終え、約90℃に加温され盛んに蒸気を上げる無電解ニッケル-
リンめっき液に入槽していきます)
(下端から1300㍉付近までニッケル-リン合金膜を形成させます)
(全長1700㍉全てを入れ込むには数十㍉深さが足りませんが、今回のご依頼
は、途中でマスキングし、そこを境に2度被膜形成することが可能ですので、
かなりラッキー)
2度目のニッケル-リン被膜形成は、1回目に形成した被膜の上に、少しのし被せ
る様に成膜させます。素材のS35Cと1回目に形成しためっき被膜、双方の上
に均一に密着良く2回目の被膜を形成する為の特殊な前処理を行ない、その後、
無電解ニッケル-リンめっき槽に入槽していきます。
(ついさっき成膜完成したばかりの品(左側)。やや短いシャフトとペアで納品
します)
判田鉄工所さんからの無電解ニッケル-リンめっきご依頼品144個口と、この
10本口の日程が完全に被ってしまいましたので、ここの担当者U君とI君、
連日大残業で作業を行なっています。
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● シリンダーロッド・シャフト・ピストン・フロントフォークインナーチューブ
・ロール等円筒形状機械部品のクロムめっき再生が得意です。
● 窒化クロム・窒化チタンアルミ・酸化クロム・窒化チタンクロム・
窒化チタン他、各種高硬質被膜をアークイオンプレーティングで
生成します。
● 無電解ニッケル-リンめっきの軽金属上への析出、他被膜との積層処理
可能です。被膜の付加価値向上にお役立て下さい。
● ローター・ファン・クランクシャフト等のバランシング(回転体釣合せ)
● ラジアルクラウン研削を始めとした円筒研削加工や、内面研削・
平面研削も行います。
● フレーム溶射による、短納期での寸法・形状・機能の復元加工開始
しました。
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弊社の完全鉛フリーの無電解ニッケルめっき薬剤は米国より移転された技術を用いて、深センの提携先にて製造している事から、薬液を輸入されておらる企業と比較して、コスト面で若干優位ではございますが、鉛フリーを謳うコピー製品も出回っており、価格面では値下げを求められております。ただマグネシウム合金上への無電解ニッケルめっきや鉄、亜鉛ダイカスト上へのノーシアン銅めっきなどといった特色を出す事で活路を見出そうとしております。恐らくですが、他の日系企業も同様の努力をされておられる事でしょう。
ますならば幸甚に思います。宜しく。
6月か7月には深センを訪問することになるかもしれません。